魔法遣いに大切なこと ~感想~

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第1話 夕焼けと鉄骨・前編 (2003/1/9)  OP、下田正美監督とJ.C.STAFFといえばやはり藍より青しだが、曲調は全くの正反対にも関わらず絵的には藍青OPと共通する要素が多かったように思える。  渋谷の交差点で立ち尽くすユメ、そこへ暇そうな少年がユメを手助けしようとするがボーっとしていたユメは車に轢かれそうになる。がいきなり車が空に浮かび出してしまった。これが彼女の魔法力なのか。この世界では魔法というものが一般にも受け入れられているようだ。ユメは彼に魔法でお礼をするが...  今度は下北沢にやってきたユメ、ようやく目的地=下宿先にたどり着いた。そこで上半身裸の男ケラがユメを小山田オーナーのところへ連れて行く。彼、小山田正美がユメの研修の先生だが、先生が女性だと思い込んでいたユメはショックを受ける。  小山田はユメの母親を知っていた。彼女はとても有名な魔法遣いだったらしいが。小山田の家が宿泊先となっておりそのことにユメは少し恥ずかしさを覚えるが、とても素敵な部屋をユメも気に入った。  小山田の事務所1Fはサルサバーだった。がさすがにその混沌とした雰囲気にユメは馴染めなかった。小山田はユメのために宅配ピザを頼んでいた。昔家族みんなでピザを食べたことを思い出したユメは涙腺がゆるくなる。  次の日、ユメと小山田は区役所に行く事になった。そこには魔法労務出張所の窓口があり、魔法遣いの登録をするためだ。が、そこへ昨日の少年が怒鳴り込んできた。ユメのお礼というのは何と札束の山、その行為に彼は激怒していたのだが...    第1話終了。実のところ、自分は冬の新番組でこの番組に一番期待していたのだが、その期待に十分答えてくれる第1話だったと思う。何と言うか、作品のイメージ構築に関しては下田さんはかなりの実力があるのかもしれない。セイバーマリオネットは大嫌いだったけどね(笑)。今後も要チェックです。

第2話 夕焼けと鉄骨・後編 (2003/1/16)  ちょ、ちょっと待て!!先週スポンサーだった「アデランス」が、今週は「アートネイチャー」になってる。深夜アニメは何が起こるかわからないね...  気を取り直して本編。あの少年の一言をひきずるユメは研修にも身が入らない。金品を産み出す魔法は固く禁じられている。この世界では、依頼が無ければ魔法を勝手に遣ってはいけないのだ。ユメは2度とあんなことをしないと小山田の前で誓うのだった。ユメの指輪の紋章はイルカ、見習いとしての登録を終えた。  ユメは制服に着替える。が、やはりあのことが引っかかって仕方が無い。ユメが魔法で出した札束は、無から産み出されたものだったらしいが、それは恐ろしいことでもある。ユメは同じ研修生のアンジェラと対面する。彼女は局長の所で研修を受けているらしいが、性格は結構キツめ。その時ユメは彼を探すことを決意する。  再び渋谷にやってきたユメ。しかし少年探しは難航を極めたが、あきらめかけたその時牛丼屋でバイト中のあの少年を捜し当てた。ユメは心から謝り、少年は牛丼をおごる。彼はモノが欲しくて親切にしたんじゃないとユメに言うと、ユメは大泣きしてしまった。  二人はベンチに座り、お互い謝った。少年善之助は、将来のビジョンがはっきり見えているユメをうらやましく思う。彼はプロサッカー選手になりたいと思っていたが、バイク事故で片足を失ってしまった。彼も交差点を怖がっていたのだ。魔法でお礼がしたい、そう一心に思うユメに対し善之助はアメでも出して気軽に言うが、ユメは魔法で善之助に夢を見せた。

第3話 最高のニュース (2003/1/23)  研修内容の濃密さに頭を抱えるユメ、今日はアンジェラが小山田の研修を一緒に受けることになったらしい。事務所に依頼人、後藤綾乃がやってきた。彼女はやや傲慢な態度で依頼内容を口にする。それは彼女をニュースにするという何とも具体性の無い内容だった。  その理由を小山田が問うが、綾乃は語ろうとしない。それどころか、ユメが綾乃に詳細な説明を低姿勢に求めたが、綾乃は魔法遣いをバカにしたような発言を口にする。ユメは東北弁で綾乃に反論すると、綾乃はユメとアンジェラの二人に魔法を遣ってもらうように決めた。  彼女はキャバクラ勤め、プロポーズしてくれた彼氏が何と会社の横領事件に巻き込まれ服役中だとか。彼とは親族しか面会できないが、刑務所では新聞が読める。この事実に綾乃は目をつけた。大きなニュースになって彼に自分が待っていることを伝えたい、綾乃はそう思ったのだ。二人は早速魔法を遣うが、結局全くうまくいかずユメは落ち込む。  ユメはもう1度チャンスを下さいと小山田に頼むが、1つの依頼に1度の魔法が原則であると小山田は許さなかった。が、アンジェラはそれで納得したわけではなかった。小山田は綾乃のキャバクラへ足を運んでいた。魔法が失敗に終わったことは、綾乃も気にしていなかった。彼女は宝くじの組違い賞が当たった勢いで事務所に足を運んだとか。が、やはり彼の話になると彼女も少し落ち込む。その時、小山田の指輪が光った。  歌舞伎町にやってきたユメとアンジェラだが、結局綾乃の店は見つからずベンチに座り込む。とそこへ店から出てきた小山田がやってきた。失敗を取り戻そうとするアンジェラの執念に対し、小山田は彼女の欠点を指摘する。それは失敗を認める勇気を彼女が持っていないことだと指摘する。アンジェラは小山田の話を聞くと、さっさと帰宅してしまったが。  次の日、当選した宝くじ3億円を全て寄付するというニュースが新聞に掲載されており、その当選者は何と綾乃だったのだ。ユメは綾乃の幸せな未来を想像せずにはいられないのだった。

第4話 夏の夜と魔法遣い (2003/1/30)  今日は小山田が用事で研修がお休み。彼は珍しいスーツ姿で外出していったが、用事とは何だろう。そんな時、事務所に瑠奈という少女が訪ねてきた。彼女のノリはチャキチャキの江戸っ子という感じだ。瑠奈は小山田が不在と知るとあっさり去っていった。  ユメは観葉植物用の砂をゲットするため小学校へやって来た。とそこへさっきの瑠奈と少年康之が揉めていた。瑠奈は学校を辞めることになった担任の先生と最後の天体観測をするため、小山田に魔法を依頼しに来ていた。が、この少年康之も魔法遣いということが判明し、瑠奈は彼に魔法を遣うように頼んだのだが、魔法がキライな彼はそれを拒んでいた。  彼は魔法をうまく遣う自信がなかった。失敗し、皆を失望させたくない。その気持ちが康之を閉じ込めていたのだ。夜、屋上に集まった一同。ユメは康之を勇気付け、ついに魔法を遣った。宇宙を浮遊するユメ、先生、そして瑠奈たち。この魔法は当然検知され、世界中から抗議の電話が殺到した。ユメはホントに問題児ですな。

第5話 エプロンとシャンパン (2003/2/6)  ユメはギンプン局長とご対面。彼はユメ母のことを知っており、尊敬しているとか。母同様、立派な魔法遣いになるよう励まされるユメだが、彼女にとって母はいわゆる「良い母」でしか無いようだ。  事務所に瑠奈、そしてミリンダという女性がいた。彼女は1Fの店のDJをやっているらしく、小山田にベタボレのようだ。夜も遅くなりユメは瑠奈を送って行くが、街の路上で瑠奈母が心配そうに迎えに来た。瑠奈は携帯の電源を切っており、それを母は責めるが瑠奈はさっさと歩いていってしまう。追いかけようとした母とユメが激突、ユメは腕を負傷してしまった。  瑠奈邸でユメは治療してもらう。しかし母は瑠奈の落語口調をかなり気に病んでいた。当の瑠奈は落語が大好き。「将来の夢は噺家」と語る瑠奈の表情は明るい。が、そんな彼女も落語嫌いの母のことを気にしている。  事務所のBARに瑠奈母が飛び込んできた。落語のことで口論となり、「奉公に出る」と瑠奈が家出してしまったのだ。ユメは母と共に瑠奈を探しに行く。しかし母はユメの魔法の力に期待していたが、それでは何の解決にもならないとユメは言う。母自身が子供を見つけることに意味があると。母もユメの言うことに理解を示し、街を駆け回り瑠奈を探す。  昔は手の掛からない良い娘だったが、いつからか言うことを聞かなくなった瑠奈。それは母が落語にのめり込む瑠奈に怒り始めてからのことだった。瑠奈は落語にハマるきっかけとなった神社にいた。母も神社に到着、謝る母の胸で泣き出す瑠奈だった。

第6話 魔法遣いになりたい (2003/2/13)  じゃれ合うケラと瑠奈。と、TVで児童3人が溺れたというニュースが流れるとケラは飛び出した。店はとりあえずミリンダが仕切っていると、元気をなくしたケラが帰ってきた。次の日の朝、ケラはミリンダに事の次第を告げたがようだが、何故か小山田には話せない。そんなケラにミリンダも苛立つ。  夕方、ケラはバーで魔法石の入っていない指輪を見つめていた。そこへユメがやって来て、指輪があれば魔法が遣えるのかと聞くが、魔法は自分の力で遣うのだとユメは答える。ケラは指輪で魔法を遣うものだと勘違いしていた。そしてこの指輪は小山田から盗んだものだと告白した。彼は魔法遣いになりたいのだと叫んだ。  溺れた児童、2人は助かったが残り1人が意識不明となっていた。何故かミリンダが病室を訪れていた。一方ケラは自らの子供時代を語る。彼には親が無く、魔法遣いになるという夢が彼にとって余りにも大きすぎた。それも子供専門の魔法遣いになりたいと。溺れた児童、勇太はケラがいた養護施設の児童だったのだ。  その話を聞いたユメはケラに指輪を渡し、魔法を遣ってみろと言う。しかしケラには無理だった。そしてケラの一連の話を小山田は立ち聞きしていた。小山田は魔法が万能ではないとケラに言い聞かせる。その時、勇太が危篤状態になってしまったという連絡が入る。  病院に駆けつけた一同。ケラは小山田に助けて欲しいと頼むが小山田はできないと言う。そしてもしできるのならば(過去にも)そうしていたと。病院が苦手と言う小山田にも、重い過去があるらしい。勇太君は風鈴という言葉に反応した。それは彼と彼の母との思い出だとか。  しかし勇太の脈拍は徐々に落ちてゆき、そしてついには心臓が停止してしまった。絶叫するケラだがその時ベッドの上に風鈴の幻影が浮かんだ。そして再び勇太の心臓が動き出し、意識を取り戻した。ケラさんよかったね...

第7話 魔法遣いになれなかった魔法遣い (2003/2/20)  受験、就職、いわゆる一般人がたどる過程とは明らかに異なる経験を、ユメは積んでいく。にしても、サブタイトル長いぞ...今日のユメの髪型は更にツンツン度が増している気が。依頼内容は、イタズラで傷つけられた商店街のガラスケースやショーウィンドウの修復、しかしユメとアンジェラの魔法力ではまたまだ足りなかったようだ。逆に、彼女たちをフォローした小山田の魔法力はさすがだ。  ユメたちは魔法局にやってきた。が、そこで研修生の井上という青年が、魔法局の担当官・遠藤のお叱りを受けていた。先に商店街の人たちの依頼を受けたのは彼だったようだが、彼の魔法は失敗したようだ。そしていつも失敗しては逃げ出す性格らしく、そのことを遠藤に厳しく指摘されていた。  彼はユメたちとともに商店街の人たちに誤りに行く。見事に彼の奢りで昼食を食べるユメたち、彼らの魔法に対する悩みは基本的に同じベクトルである。店の外へ出た3人、とその時ボールを追いかけた子供が道の真ん中で転んでしまった。助けようとする井上だが咄嗟の魔法では自動車を防ぎきれない。がこのピンチはユメとアンジェラの魔法で救われた。  彼は依頼などを受けずに町の人を助けられる魔法遣いになりたいという。が、完全に自信喪失状態に陥ってしまった。ユメたちの前から寂しげに去っていく井上。おかげで連鎖反応なのか、ユメの心も不安に支配されてしまった。  夕方、小山田はギンプン局長のいる香港へ飛び立ってしまった。焼き鳥屋でケラと遠藤からそれを伝え聞いたユメは、小山田はギンプンから頼りにされているのだろうと言う。が、魔法を遣う時の小山田の寂しげな表情、彼は局長たちから心配されているのだと遠藤は語る。  見事魔法士の登録を済ませたケラとは対称的に、焼き鳥屋のオヤジは「はぐれ」、いわゆる正式に登録されていない魔法遣いだったらしい。そして遠藤も魔法を遣えるが、試験が全くダメで魔法士になれなかったとか。人生の選択肢は様々なのである。が、魔法遣いになれない自分を想像したことが無いユメの不安は大きくなっていく。

第8話 恋のバカヂカラ (2003/2/27)  井上もやる気を取り戻した様子。研修レポートを終えリラックスムードのユメだが、何と彼女が倒れてしまった。すぐさま井上は彼女を運び出すが、その様子を見ていたアンジェラは何故か涙を流していた。ユメは単なる貧血だったようだが、病室へやってきたアンジェラの顔色は悪い。心配した井上が差し伸べた手をきつく振り払ってしまう。井上はアンジェラに嫌われていると思っているようだが、あーいう人なのだとユメは彼にアドバイスする。  井上のショボショボ度は周囲の噂になっていた。そんな周囲に怒りが収まらないアンジェラを、ユメは東京タワーに連れ出そうとする。が、井上と一緒なのがイヤなのか、アンジェラは拒否した。帰宅する井上をアンジェラはボーッと見つめる。普段と様子が違うアンジェラをユメは心配する。  事務所に帰ってきたユメは、井上とアンジェラのことをミリンダに相談する。ユメは彼女のアドバイス通り、井上の良い所を電話でアンジェラに話すが、今度はアンジェラが倒れてしまった。ユメはすぐさまアンジェラの元へ駆け出すが、到着した時にはアンジェラも意識を取り戻していた。何かしたいことはあるかとユメが尋ねると、アンジェラは東京タワーに行きたいと言い出した。  井上も呼び出し3人は東京タワーの前に立つ。と、いきなりアンジェラは井上が自分に魔法を遣ったと言い出す。遣ってないと否定する井上だが、アンジェラは何かから逃げ出したいと初めて思った自分が不思議でたまらない。自分の良いところを表現を変えて悪く捉える井上に、アンジェラは好きだと告白する。  その気持ちを哀れみだと井上は言う。アンジェラは駆け出し、魔法で東京タワーを捻じ曲げてしまった。ユメと井上はすぐさまアンジェラを止めようとするが、だったら今すぐ返事をくれとアンジェラは言う。東京は大騒ぎになっていたが、その時ギンプン局長が立ち上がった。  タワーに立ち、改めて自らの気持ちを告げるアンジェラ。井上も魔法で彼女のそばへ駆け寄り、気持ちに応えた。アンジェラは捻じ曲がったタワーを戻せないと局長に謝るが、さすがに局長はあっさりとタワーを元通りにした。局長に自らの恋話をしようとするアンジェラの表情は明るい。

第9話 ユメと少女と夏の種 (2003/3/6)  先週の1件はアンジェラの1週間の謹慎で処分は済んだとか。と、小山田へ古崎参事官から電話が入る。先週の件で、黙って通報をしなかったとしてユメにも処分が下されそうになったが、古崎は自分が不問にしたと小山田に恩着せがましく迫る。この貸しを小山田の魔法で返せと彼は言う。  今日の依頼はユメ一人で受けることに。緊張するユメを、ケラはうまくほぐそうとする。依頼主は主婦、何でも彼女の父が失踪してしまったとか。さっそくユメとケラは主婦の父の豪華な住まいを訪れるが、そこには小山田の姿が。どうやら主婦にとって古崎参事官は叔父に当たる人物らしい。小山田も古崎から同じ依頼を受けていたのだ。ユメは台所で植物の種、そして少女の姿を見るがすぐに消えてしまう。こりゃお化けか?  ユメは魔法で鏡の記憶を見ることを提案する。鏡の中には土地の権利書を持ち出す主婦の父、そして再び少女の姿を見る。が、少女の姿は主婦たちには見えない。ユメはひとまず外で休憩するが、白猫&またしても少女の姿を見る。少女はユメのポケットを指差し、ユメがポケットを探ると種が入っていた。ユメは猫が見た光景をトレースする。と、ある人物が倒れていた。  猫の導きで現場へ駆けつけるユメは、倒れている老人をすぐさま魔法で助ける。どうやらこの老人は主婦が探していた古崎一郎その人だった。とそこへあの少女がユメに感謝の言葉を述べる。あんな土地はキライだったと。古崎は病院で手当てを受け無事、ユメは参事官からも感謝の言葉を受けた。  魔法が遣えて、毎日が楽しいとユメは小山田に語る。ユメがこのまますんなりと魔法遣いになれる、わけはない。あと残るひとやまをどう描くか、重要なポイントである。

第10話 魔法の行方 (2003/3/13)  ユメは実家に電話を掛けていた。故郷を想う気持ち、わかります...ユメと小山田は高橋という老婆の家を訪れていた。依頼内容は彼女が住む家を50年前の姿に戻すというものだった。ユメの魔法は大成功、家はピカピカで体の弱った老婆も昔を懐かしんでいた。その姿にユメは老婆を少しだけ若くして体を動かせるようにしたいと小山田に言うが、そのような魔法は固く禁じられていると彼は戒めた。  しかし老婆は一緒に住んでいる息子に迷惑を掛けたくないとケア付きマンション、いわゆる老人ホームへ移り住むことを決意していた。家が新築になったという彼女の喜びも一瞬のものだったのだ。ユメがお別れを言うと、老婆は頼むんじゃなかったと口にした。その言葉にユメはショックを受けた。自分の魔法が悪かったのだろうかと疑問に思うユメに対し、小山田はいつまでも依頼者に心を置きっぱなしではいけないと再び戒める。  ユメは善之助に会いに彼のバイト先にやってきたが、彼は既にやめてしまっていた。そして彼の高校のサッカー部にも彼はいない。商店街の窓ガラスもまた割られてしまっていた。魔法では何も解決されていなかったのか、ユメの悩みは深まるばかり。事務所に帰ってきたユメをミリンダやケラが明るく迎えるが、彼女は超不機嫌。  小山田は局長にユメの報告をしていた。局長と小山田の会話、相変わらず小山田の過去は見えてこない。ミリンダと瑠奈が元気の出ないユメを励まそうとするが、ユメは一人にして欲しいと拒んだ。認証試験は週末に行われるが、今のユメでは不安が拭えない。  そんな夜、消防車のサイレンが鳴り響く。何と高橋さんの家が火事になっていた。そしてどうやら火の元は高橋さんの家族が放火した可能性があるらしい。ユメはすぐさま高橋邸に駆け出すが、火の勢いは全く衰えない。ユメは魔法を遣い高橋さんを助けようとするが、すぐさま小山田が制止した。幸いにも高橋さんは既に病院に運ばれて無事だった。  ユメは老婆の一言を小山田に語る。小山田は依頼が済んだら依頼者のことは忘れろと再び教えるが、ユメはそう語る小山田を冷たいと軽蔑し、彼に背を向ける。自分のやったことは何だったのかと小山田に聞くが、人の気持ちに踏み込むなと小山田は言う。それが魔法遣いの仕事だとも。しかしユメは納得できない。

第11話 折れてしまった虹 (2003/3/20)  ギンプン局長に火事の一件を報告する小山田とユメ。局長はそこで認証試験の内容を告げる。それは、ユメが小山田に魔法を遣うという内容だった。どんな魔法を遣えばよいのか戸惑うユメ、当然小山田もその疑問に対する答えを持っていなかった。  遠藤もユメを励ます。とその時、ユメが高橋さんのお見舞いをしたいと言い出す。病院を訪れるユメだが、家族以外面会謝絶だと看護婦から告げられる。気落ちしたユメはアンジェラに会いに行く。ユメは自分の魔法が間違いだったのかとアンジェラに問うが、アンジェラは彼女の疑問にドライに答える。  事務所に戻ったユメは、小山田とミリンダの口論を立ち聞きしてしまった。タカコという女性を小山田は自分が殺したと責めていた。魔法遣いの自分なら何とか助けることができたはずだと。だが、ユメは魔法遣いなんて何もできないと涙を流す。そんなユメを見て、10年前の小山田と同じだとミリンダはつぶやいた。  小山田とタカコはドライブの途中、交通事故で崖から転落した。重傷のタカコを魔法で傷を治そうとする小山田だが、タカコは息を引き取ってしまう。それ以来、小山田は魔法に対してドライな考え方を持つようになってしまったのだ。もう魔法を遣っても傷つかないと強がる小山田だが、ミリンダは彼のウソを痛いほど知っている。  ユメはギンプン局長を電話で呼び出すが、既に帰宅してしまっていた。そこで局長の家に直接やってきた。彼の前で、魔法が怖くなったと正直に話すユメ。どうしたら良いかと疑問をぶつけるユメだが、答えは自分で探さないと意味が無いと局長は答えた。局長邸から出たユメは事務所に帰ってこない。  彼女は一人とぼとぼと公園に来ていた。そこで息も絶え絶えのネコを拾った。が、魔法で命を救えないとの小山田の言葉がユメの脳裏に蘇る。今の彼女の表情は見ていて辛い。

第12話(最終回) 魔法遣いに大切なこと (2003/3/27)  ユメは事務所に帰ってこない。心配する小山田たちをよそに、ユメは死んでしまった猫を地中に埋めていた。ゴメンとつぶやきながら。公園のベンチに戻ったユメは指輪を外す。とそこへ善之助がやってきた。が、ユメは彼から逃げようとする。ユメの手をとった善之助は、死んでしまったネコに対する無力感に苛まれているユメを優しく励ます。善之助は子供たちにサッカーを教えていた。失った時間も今の彼にとっては大事な時間だったのだ。  どうしたらよいか分からず苦しむユメに対し、善之助は「心をこめる」ことで十分だと言う。ユメはその言葉に涙した。そしてアンジェラがユメのところにやってきて、高橋さんが面会可能になったことを告げる。ユメは自分の足で病院を訪れた。そこにはケラとミリンダが先に来ていた。アンジェラがこの二人を病院に呼んでいたのだ。高橋さんに謝るユメ、だが高橋さんはユメの魔法に感謝していた。そしてこれからも良い魔法を遣う様、ユメを後押しするのだった。  しかしこれでユメの苦しみが取り除かれたわけではない。その上、ケラが魔法士にならないと口にした。その理由はユメが魔法遣いにならないからというもの。彼はユメの魔法を見て、自分も魔法遣いになろうと決意した。が、そのユメがこの状態では、自分も魔法遣いにはなりたくないと。そして話は小山田に移る。彼もユメが来てから変わったが、ユメが魔法士になり彼の元を去った後は、また再び過去に縛られる暗い人間に戻るのだとケラは言う。そんな彼を変えられるのはユメだけだとも。  ユメは病院のベンチでミリンダと座っていた。ミリンダは自分の言葉で何とか小山田を励ましてきたが、どうしても暗闇を取り除けなかったことに涙した。そして彼女は小山田を過去から救ってくれと、ユメに託すのだった。  事務所に帰ったユメは、すぐさま認証試験を受けさせてくれと言う。小山田も承諾し、いよいよ認証試験スタート。ユメの魔法は、貴子と小山田の生死を逆にしたというものだった。そこには幸せそうに生活している貴子がいた。海辺で座り込んだ二人、精一杯生きることが相手に対する想いなのだと、貴子は小山田に語る。彼女の最後の言葉は「ありがとう」、貴子はようやくその言葉を伝えることができたのだ。  魔法が解けた。小山田は良い魔法だったと評価した。ユメはみんなと別れを告げ、魔法士としての第一歩を踏み出した...    

この番組も最終回を終えました。振り返ると全体的には良かったと思いますよ。宮崎あおいちゃんの抜擢も大成功だし、作画面も平均以上のクオリティを維持できていたね。ただ、もっとできたんじゃないかという気もするんだよね。第1話の衝撃が大きすぎて、それ以降のエピソードが何となく霞んでしまった感じがする。この点は少し残念だったな。


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