美鳥の日々 ~感想~

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<スタッフ>
原作:井上和郎  監督:小林常夫  シリーズ構成:池田眞美子  キャラクターデザイン:楠本祐子  アニメーション制作:ぴえろ
<キャスト>
沢村正治:谷山紀章  春日野美鳥:中原麻衣  綾瀬貴子:高木礼子  真行寺耕太:釘宮理恵  宮原オサム:野島裕史  月島栞:田村ゆかり  高見沢修一:上田祐司  沢村凛:湯屋敦子  春日野遥:大原さやか  牧絵:大本眞基子

DAYS 1 右手no恋人 (千葉テレビ 2004/4/4) 脚本:世田八智  絵コンテ:小林常夫  演出:須間雅人  作画監督:田中比呂人  サンデーに連載中という本作品の原作。今日のアニメ版第1話を見ても、確かにサンデーっぽい雰囲気を物凄く感じました。何なのだろうね、このサンデーっぽさというのは。自分で言っておいてもよくわからんが(笑)  で、また中原麻衣ですか。主役級の役が次から次へと来てますね。さすがはLantisの未来を担う役者さんです。あれ、それって野川さくらじゃなかったっけ?(苦笑)。そしてキャスティングについてもう1つ、君のぞで大きく株を下げた谷山君、この作品で彼の名誉挽回なるかも注目です(笑)。  ストーリー面はともかく、コミカルな演出はかなり良いですね。そして作画面も意外に良好でした。今後の展開にも期待できると思います。

DAYS 2 二人no想い (千葉テレビ 2004/4/11) 脚本:佐藤卓哉  絵コンテ・演出:サトウシンジ  作画監督:窪詔之  舎弟の無礼を素直に詫びる、学校の生徒に迷惑をかけないようにボコられるのをガマンする、そんな沢村君の株が少しずつ上がってます。まぁよく言う不良がタマに善行に走ると云々という話しなんですけど、なんつってもアニメですからね。これくらいはやってくれないと(苦笑)  母親役大原さやさやキターッ。あっさりと撃沈したワタクシは相変わらずヘナヘナオトコです。でも母性愛くすぐる声質の割には、母親役は意外にも少ない気がするな(他にはエズラくらいか?)。それから水樹マイアに引き続き、中原麻衣が演じるヒロインはぶたれまくりのずっこけまくり。そう考えるとこの作品、キャスティングはものすごく理解しやすいと言えるのかもしれませんね。

DAYS 3 発見no日々 (千葉テレビ 2004/4/18) 脚本:池田眞美子  絵コンテ:鴫野彰  演出:新倉つばき  作画監督:小林理  今週登場の沢村姉、彼女は弟とは比較にならないほどトンでもないヤツだった。いくらなんでもあの酒癖の悪さは周りに迷惑だ(苦笑)。今週のハイライトは凛お姉様の素っ裸で豪快な入浴シーン、しかしここまで勢いが良いとエロいというよりも健康的だよね。美鳥ちゃんだけじゃなく、ワタクシにとっても新たな発見です。  中原麻衣の最大の長所について書こうと思ったけど、それはゴーダンナーで書いてたのでやめ。まぁ彼女もかなりのアニオタだと思うけど、それを演技力でフィルムに還元できる分、他のアニオタ声優もどきよりは幾分マシだよね。せめてこれくらいのパフォーマンスを出せなければ、今の業界では生き残っていけないのでは?

DAYS 4 秘密no発覚!? (千葉テレビ 2004/4/25) 脚本:阪口和久  絵コンテ:よしざね桜  演出:鎌倉由実  作画監督:本橋秀之、中島里恵  この番組のOP、楽器の演奏の音量が大きいためかCooRieさんの歌声が少し聴き辛くありませんか?成恵OPとかダフネEDでは決してそんなことなかったんだけど、CooRieさんにしてはかなりポップな曲調が少し裏目に出てしまったか。惜しい。  美鳥ちゃんにコスプレ趣味があったとは、我々アニオタのポイントあーっぷは間違いありませんっ(ぉ。しかし高見沢君のオタクぶり&失恋にせっかくの萌えた気持ちも萎え萎え。最近はオタ向けアニメの中にも自虐的な表現が多くてちょっとヤダなー。  とそんなネガティブな要素はありつつも、相変わらずクオリティは高いねこの作品。今週も作画監督:本橋秀之&中島里恵という豪華なラインナップで素晴らしいデキでした。正直UHF系には勿体無いとさえ思えるけど、そもそもUHF系アニメが主流になりつつある現状を考えると、それほど不自然な流れではないのかもしれない。

DAYS 5 アイnoチカラ (千葉テレビ 2004/5/2) 脚本:阪口和久  絵コンテ:鴫野彰  演出:わたなべぢゅんいち  作画監督:窪詔之、遠藤裕一  いきなりですが、何とも脱力感満点のサブタイトルですな(苦笑)。実際の内容はというと、病に倒れた美鳥の看病と、二人で成し遂げた片手懸垂100回、そのサブタイトルに相応しいものだったね。沢村と美鳥の絆も少しずつ深まっていることを実感できた今週でした。  だがこのまま二人がすんなりとラブラブモード全開になってもらっては面白みが無い。貴子、そして来週の主役となる小学生の栞といった劇中のキャラクターが、美鳥にとって強力な恋のライバルとなり得るのか。来週はその試金石となるかもしれません。

DAYS 6 栞noラブラブ大作戦! (千葉テレビ 2004/5/9) 脚本:佐藤卓哉  絵コンテ・演出:サトウシンジ  作画監督:猫野那智子  はぁーぁ、最近はこんな脱力感満点のサブタイトルばっかりでマイっちゃいますよホント。しかし文句はいいつつも、しっかりとチェックしちゃうのがアニオタの悲しい性なのよね(苦笑)。  今週は何つっても沢村と栞が腕を組んでる現場を見てしまった貴子の切ない表情が最高!!顔を赤らめながら頑張る彼女、健気だねぇ(涙)。しかしその一方、残念ながら栞ちゃんのコスプレ七変化にはちっとも萌えませんでした。やっぱりね、萌えという感情は人から与えられるような受動的なものじゃないんだ。  継母と心を通わすことができなかった栞ちゃん、だが今週ついに本当の母と娘になれた。正直めっちゃ読みやすい展開だったけれど、とりあえずはよかったよかったと言っておきましょう。逆に、全く先が読めないのが、沢村と貴子のデートの行く末。来週も楽しみだねぇ。

DAYS 7 はじめてnoデート (千葉テレビ 2004/5/16) 脚本:川端信也  絵コンテ:潮乱太  演出:中村賢太朗  作画監督:芝田努  ワタクシ、この作品中で一番のお気に入りキャラは綾瀬サンなんですよね。特にちょっと気が強くて意地っ張りな性格がポイント高かったりするのですが、その彼女が冒頭から沢村ゲット作戦を練りに練りまくってる姿を見るとちょっと残念。何だか自分の気持ちに正直なりすぎているような気がしてね。沢村を好きだって気持ちを意地でも認めたくないって言ってた彼女の方が味があって良かった。  しかしそれなりにオクテと思われていた彼女が、大胆にも水着攻撃&家にご招待とはそんなに沢村のことが好きなんだね。そんな彼女をワタクシは今後も応援していきたいっす。今週は彼女の猛アタックぶり+お風呂場でのお約束サービスシーン等、テンポが良くてとても面白かったです。もしかしてこの作品、実はかなりの傑作か!?(笑)

DAYS 8 右手noセイジ (千葉テレビ 2004/5/23) 脚本:池田眞美子  絵コンテ:宮崎なぎさ  演出:林有紀  作画監督:本橋秀之、中島里恵  通常のシチュエーションと二人が入れ替わり、まぁアイデアとしては理解できるんだけど、何かストーリーの流れがおかしい?微妙に違う起床シーンと買い物のシーンがそれぞれ2回ずつ、だがこれは二人が別々に見ている夢だということに、鈍感なワタクシもさすがに気づきました。  右手になる前の美鳥には、それこそ当たり前の「美鳥の日々」があったはずだ。だが、右手になってからの彼女の時間が実は止まったままだったことに、同じ夢を見た二人は思い知らされた。だがそれを優しさに変えるだけの度量が、今の正治にはある。二人の物理的な距離はゼロ、しかし心の距離もまた少しずつゼロへと近づいている。

DAYS 9 タッキーno日々 (千葉テレビ 2004/5/30) 脚本:阪口和久  絵コンテ・演出:今千秋  作画監督:芝美奈子、小森篤、窪詔之  タッキー高見沢。HP、グッズ、彼の美鳥に賭ける執念「だけ」は認めてあげます。キライだけど(苦笑)。そんな彼がついに現実の女性に目覚めた!!と思ったらそのお相手がマリンちゃんに激似というやっぱりな展開。せっかく意外な男らしさを見せたと思いきや、結局は二次元の世界に舞い戻った彼の将来が興味深い。  それにしても高見沢のターゲット、ブチキレ&ブリッコ美少女滝口由真は面白いキャラクターでした。今週だけの登場では勿体無いっす。再登場熱望!!彼女だけでなく、このアニメに出てくるキャラクターは総じてそれぞれの個性がハッキリしていてわかりやすい。マンガ的なキャラクターのメリハリをうまくアニメにも反映できていると思います。

DAYS 10 ココロno距離 (千葉テレビ 2004/6/6) 脚本:佐藤卓哉  絵コンテ:榎本明広  演出:秋田谷典昭  作画監督:江上夏樹  沢村たち主催の合コンに綾瀬貴子が緊急参戦!!メガネをかけて変装した彼女は超イケてます。が、王様ゲームで訪れた大チャンスも、沢村の鬼の形相に自分自身のココロとは裏腹にパンチを見舞ってしまう貴子。翌日彼女は何故自分は素直になれないのかと自己嫌悪に陥るが、ワタクシの貴子ポイントはまたしても大幅アップ!!やっぱ感情に揺れ動く彼女は本当に可愛いっす。  真行寺耕太の美鳥に対する想いを、美鳥自身もよく理解している。だがそれ以上に彼女は、正治の右手として過ごす今の生活に大きな幸せを感じていた。だからこそ美鳥の家に来るようにと正治を誘う耕太を彼女は拒否した。が、耕太、そして美鳥の母と、正治の右手となる前から美鳥を支えてきた人々の悲しみもまた、とてつもなく大きくなっている。それを本当の意味で理解したとき、美鳥はどんな行動を取るのだろうか。

DAYS 11 運命no再会 (千葉テレビ 2004/6/13) 脚本:池田眞美子  絵コンテ・演出:よしざね桜  作画監督:小林理  「ウソでもいいから、好きだと言って欲しい...」、こんなメンタリティを持った美鳥ちゃんのこと、皆さんはお好きになりますか?最近、仕事に流される日々を送ったせいで心がすさんでるワタクシには、萌えるどころか全く心に響きませんでした。巨乳ウェイトレスに対抗しての大胆ポーズもオレ的にNG。こりゃ重症だな(涙)  一方、綾瀬サンの「ラブラブ試験範囲ノートで正治のハートをゲットだぜ!」大作戦も、いつものように気持ちを伝えるまでは至らず。しかし具体的な行動に出る分だけ、過去の美鳥よりも積極性があることを美鳥自身が何よりも痛感したことだろう。  耕太君の不良に対する大胆発言にはワラタ。不良たちに服をひっぺがされた耕太君を見事退治した耕太と美鳥、だがその代償として耕太に真実がバレてしまった。そして来週、ついに二人に別れの時が訪れる模様。激動のクライマックスまで目が離せませんね。

DAYS 12 突然no別れ (千葉テレビ 2004/6/20) 脚本:池田眞美子  絵コンテ:佐藤卓哉  演出:林有紀  作画監督:本橋秀之、中島里恵  心を込めて、手編みのマフラーを織り上げる美鳥と貴子。恋する乙女の純粋さはホントに美しいの一言。こんな彼女たちの想いを踏みにじるようなことをしやがったら、タダじゃおかねぇぞサワムラ!!と強く心に誓うワタクシなのでした。まぁ誓うだけで具体的な行動は起こしませんが(苦笑)  正治の右手として過ごす生活は幸せだ。だがそれは本当の幸せなのだろうか。美鳥がそう思った瞬間、二人に訪れた突然の別れ。美鳥を失った正治は戸惑い、苛立ちを隠せず元のケンカ屋に逆戻り。しかし美鳥がいなくなったことを機に、男の欲望に突っ走るところはチャッカリしている。  苛立ちの矛先を街の不良たちに向けた正治。彼らを片付け傷だらけの沢村に、貴子はハンカチを差し出す。拒否した沢村に対し、ついに綾瀬サンが自らの想いを告白!!もう萌えまくりで10回以上繰り返して見ちゃったよー(笑)。一方、焦点が定まらない表情で窓の外を見つめる美鳥に、再び正治に会いに行くだけの気力が残っているのか。とにかく来週の最終回は必見だー。

LAST DAYS 二人no日々 (千葉テレビ 2004/6/27) 脚本:池田眞美子  絵コンテ:小林常夫  演出:須間雅人  作画監督:楠本祐子、芝美奈子  胸に飛び込んで来た貴子を、そっと胸から離した正治。答えはNo、今の彼は一緒にいることが当たり前だった美鳥を突然失ったことで頭が混乱している。だがそれこそが「好き」という感情なのだと貴子は言った。そして彼女は正治の気持ちを知り、スッキリと諦めたのだった。あぁ、貴子はホントにエエ娘や...  眠りから覚めた美鳥、だが正治と過ごした日々のことは覚えてないと言う。耕太も今の美鳥に全てを告げることを諦めた。美鳥に会いに行けない正治を、凛姉は情けないと一蹴。正治は美鳥が書き留めていた日記帳を見つける。次の日、彼は春日野家の門の前に立っていた。彼女にとって大切な日記帳を返すために。だが彼に呼び鈴を押す勇気は無かった。  そこへ耕太がやってきた。彼に日記帳を手渡し、美鳥に届けるよう依頼する正治だが、逆に耕太は何故自分で渡さないのかと正治を責める。右手でいた時の記憶が無いことも...だが一方で、右手に戻りたいと美鳥が願っているとも、彼は言う。長年美鳥のことを見守ってきた耕太にしか分からない、美鳥の心理だろうか。  門の前に立つ二人を、美鳥はベランダから偶然見つけた。正治の姿を見た美鳥は、何故自分の家の前にいたのか分からない。だが胸からこみ上げる想いを抑えることができない美鳥は、ついに家を飛び出した。美鳥とすれ違った耕太は後から追いかけてきた母に、「美鳥を行かせてあげて」とお願いした。  街中探しても、家の前で待っても正治は現れない。正治は日記帳を読み、改めて美鳥の想いの深さを知る。そして失ってしまった時間の大きさも...  右手の頃の記憶は無いはず、だが美鳥は過去の記憶に引き寄せられるように思い出の噴水の前にいた。すると、何とそこへ正治もやってきた。これは二人が紡ぎ出した奇跡なのか。正治の姿を認めた美鳥は勇気を出して、一歩を踏み出した。今なら、自分の想いを言葉にできると。  ついに正治に告白した美鳥、正治は「知ってるよ」と答えた。ずっと美鳥のことを見てた(見せられた)と、正治は言う。そんな二人を祝福するかのように、静かに雪が降り始めた。これから、本当の「二人の日々」が始まる...  

 何じゃこのベタベタな最終回わぁーーーっ!!とツッコまずにはいられない展開でしたが、でも面白かった!!いやー、この素直な作りこそこの作品の最大の長所。というか、ベタなストーリーをここまでの面白さ、そして作品の長所として昇華させたスタッフの力量は、賞賛されてしかるべきだと思います。  頭をフル回転させて観る作品も、もちろん存在してOK。だけど一方で、コムズカシイことは全く無しに、頭を空っぽにして観られる作品は絶対に必要だと思う。この作品は正に後者の需要を完璧に満たしてくれたと、私は思います。  最後に作画面の頑張りも称えなければならないでしょう。最近のUHF系アニメは止め絵の美しさは十分だが、動きはイマイチというレベルの作品が多かったけれど、この作品は全体を通して安易な妥協が感じられなかった。以上、間違いなく良作と評価できる作品でした。13話で終わってしまうのが勿体無い...
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