JINKI:EXTEND ~感想~

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<スタッフ>
原作:綱島志朗(月刊コミックブレイド連載)  監督:むらた雅彦  シリーズ構成:荒川稔久  キャラクターデザイン:細田直人  メカニックデザイン:田村勝之  音楽:川井憲次  アニメーション制作:フィール
<キャスト>
津崎青葉:折笠富美子  柊赤緒:稲村優奈  小河原両兵:竹若拓磨  津崎静花:雪野五月  黄坂南:鷹森淑乃  黄坂ルイ:田村ゆかり  エルニィ立花:川上とも子  川本さつき:野中藍  メルJ・ヴァネット:皆川純子

Episode.1 少女が見た戦場 (2005/1/5) 脚本:荒川稔久  絵コンテ・演出:むらた雅彦  作画監督:細田直人  メカ作画監督:田村勝之  早速ですが、ヒロインの青葉ちゃん萌えぇぇーっ。オレは今ここで断言する、『2005年は再び、折笠富美子の年になる!!』(笑)。いやー、でも本当にすごいよ折ちゃんはやっぱり。この第1話で青葉に訪れた災難 --街中で女装男にいきなり制服姿のまま誘拐され、連れられた何処知らぬ場所で偶然乗り込んだロボットが戦闘開始し、コクピットに強引に入れられる際制服のスカートが引っかかり取れてしまうという女神降臨状態にも関わらずロボット・モリビトを動かしてしまった-- を、ものの見事に演じきってしまったのだから。  さて、そんな折ちゃん演じる青葉は「引っ込み思案でロボット・メカ好きモデラー」で、その青葉をアンヘルに連れてきた人物が実の母親・静花らしい。裏政府なる組織の存在もあり、何だかこの初回はガンダムとエヴァを足して2で割ったような内容でした。がしかし、青葉がロボットに乗る事に好意的であることや、冒頭の青と赤の人機の戦闘、そして今週ラスト・3年後の東京にて繰り広げられた赤緒に対する両兵の首締め行為は、それらの先駆者たちの作り上げたパターンに全て従うわけではないことを明確に印象付けたと思う。  ということで、全体的な印象はかなり良かった。キャスト面でもう1つ言えば、折ちゃんと雪野さんのメインキャラでの共演は(おそらく)この作品が初めてってこともポイントが高い(しかも母娘ですよ)。次回以降も継続します。

Episode.2 涙のあと (2005/1/12) 脚本:荒川稔久  絵コンテ:よしもときんじ、むらた雅彦  演出:小林智樹  作画監督:仲田美歩  メカ作画監督:松原一之  OP初お披露目と言いたいが、映像は先週のダイジェストということでちょっと残念。曲はSaliaですか。私はsaliaとangelaの区別が出来ない愚か者です(笑)。さて本編、早速ですが我らが青葉ちゃんをアホバカ呼ばわりした両兵は死刑決定。青葉はその両兵と現太にジンキ、モリビト、そしてアンヘルの説明を受けるがあまり理解する気が無い様子。  お婆ちゃんが死に、自分に縁が深い人間と言えば一人しかいない。その青葉の予感どおり、早くも母娘の再会が成った。だが青葉は静花さんと呼び、決してお母さんとは呼ばない。静花の一緒に住むという提案を拒否した青葉は、何故自分をここに呼んだのか厳しい口調で理由を問う。母の答えは何と金。青葉に残された莫大な遺産だと言い放ったのだ。「大嫌いっ」、そう叫び走り去っていった青葉の反応は当然だが、それが青葉を人殺しの道具に変えると静花は不敵な笑みを浮かべる。金という名目はウソだとしても、静花が青葉を自分の娘として接するのではなく、道具として扱うことを決めていることは確かなようだ。  青葉は母のそばではなく、アンヘルの宿舎に住むことにした。そんな青葉のことを監視する少女が一人。そして青葉を操主として育てるという現太を、整備の親方は反対する。内部でも青葉の扱いは意見が分かれているのか。次の日、グラサンかけて整備を手伝おうとする青葉ちゃんを素人は引っ込んどけと親方が追っ払う。ここで素直に従うのが青葉という少女なのか。  仕方なく資料室の整理をしてした青葉は、そこで何とモリビトのマニュアルを発見する。早速肌身離さず熟読開始。センス抜群の青葉は何とモリビトの発進プロセスを完璧にイメージトレーニングできるところまで習得した。その様子を見た現太は、青葉をモリビトに載せることを静花に提案し、静花はあっさりと受け入れた。現太は青葉を全力で守ると誓ったが、それは静花の予定通り...  Bパート冒頭、3年後の東京で赤緒は血族のことを両兵に聞き出そうとする。その二人の元に上空から巨大なプレゼントが。そして二人の様子を、先週も出てきたシバという青葉激似の少女がのぞいている。時は3年前に戻り、青葉と両兵のケンカは相変わらず。てか青葉の「ヘンタイ誘拐犯!」のセリフの艶っぽさは何事?(笑)。だが直後にジンキ出現。青葉は何時の間にか再びモリビト2号に乗り込んだ。もしかしたらモリビトだけが、今の青葉の居場所なのかもしれない。  今回は雲の中の戦闘、イヤな気配を青葉は感じた。敵は第1話で出てきたヤツが手負い状態で再登場。雲の向こうに只ならぬ雰囲気を感じ取った青葉は、眼前の敵に攻撃しようとする両兵を制止する。だが二人のやり取りの間に敵の攻撃の直撃を受け、現太は肩と右手に重傷を負ってしまう。青葉の顔に現太の血が滴り落ちる...  自分の勝手な行動により現太が重傷を負ったことに、青葉は強い後悔を感じ涙を流す。だが現太は代わりに操縦しろと、青葉を自分のシートに座らせる。モリビトに乗ったときに青葉が感じた高揚感、そして敵に対する恐怖。それらが操主になるための第一歩だと現太は静かに語る。もう泣いたりしない、「泣くもんかーっ」。青葉の絶叫と共に、モリビトが突進する。

Episode.3 質と量 (2005/1/19) 脚本:荒川稔久  絵コンテ・演出:後信治  作画監督:桝田邦彰  メカ作画監督:牟田口裕基  モリビトは2体の敵に囲まれてしまい大ピンチ。だが現太のアドバイスに青葉は応え、見事モリビトを動かした。そして両兵と共に、2体の敵まとめて真上から真っすぐに斬り降ろした。あとは傷ついた現太を救うべく、モリビトは基地へ急行する。その様子をモリビト2号とは別の人機が見つめていた。  現太は命に別状無し。だが神経をやられてしまい、もう右手を動かすことは難しいと医者は言う。親方は青葉の身勝手な行動が招いた結果だと、彼女の頬を引っぱたいた。自分を見る周囲の冷たい眼、加えて怒り狂った両兵が現れ、青葉はその場から逃げ出すことしかできなかった。基地の近くには、あの人機に乗っていた少女・ルイと南がテントを張って夜を過ごしている。  赤緒登場。彼女の身を一体の人機の手が捕まえ赤緒の寺に送って行く。その操主はルイと南だった。赤緒の家にて、南は赤緒に向かって一緒に戦って欲しいと単刀直入に依頼する。3年後の東京は古代人機の出現により未曾有の危機に陥っている。それを血族である赤緒に救って欲しいと言うのだ。そしていつものように、不敵な笑みを浮かべるシバ。  自分のせいで現太は操主としての能力を奪われた...落ち込む青葉の前にあの人機が現れ、コクピットからヘブンズの隊長・南が降りてきた。明るい性格のお姉さんといった感じの南だが、今の青葉はただ泣くことしか知らなかった。南とルイは青葉を人機の肩に乗せ、あるヒミツの場所へと青葉を案内する。そこはスコールの直後にだけ現れるという湖だった。南はいきなり青葉を湖に突き落とし、そして自分も腹から湖に飛び込んだ。てーかこのお姉さんオモロイわ(笑)  水浴びで落ち込んだ気持ちを少しだけ吹き飛ばし、青葉は事のいきさつを二人に話す。現太は南のホレた相手と告白(二人の間には色々あったのか?)、そしてルイは2つ年上のくせに泣き虫だと青葉を一刀両断。だが現太は、戦闘用の人機の操縦を未だこの二人には許してないとか。問題は青葉の気持ちだと、南は青葉を優しく諭すのだった。  青葉を探す両兵に、川本はある事実を告げる。それはあの青葉の身勝手な行動が、実は3人の命を助けたのだと。青葉たちの元にやってきた両兵に、青葉は操主にして欲しいと叫んだ。精一杯頑張る、そう言った直後、青葉の背後からルイがモリビトの下操主は私しかいないと割り込みをかける。青葉には致命的な欠陥があると言う彼女は、青葉に勝負を持ちかける。その勝負とは人機を使ったサッカー(ボールの取り合い)だ。  勝負開始。最初にボールを奪ったのは青葉、だがルイにボールを奪う様子はなく、青葉の体力を奪う作戦に出た。制限時間の半分も経たないうちに完全にバテてしまった青葉。これがルイの言う「致命的な欠陥」だったのだ。だがラスト一分、負けたくないと願った青葉の心に応えるように、モリビトが信じられない速さでボールを奪った。この時点で勝負アリ。この技は「ファントム」だと親方は語った。

Episode.4 対面 (2005/1/26) 脚本:荒川稔久  絵コンテ・演出:嵯峨敏  作画監督:小菅和久、山本佐和子  現太主催・操主の基礎トレーニング。ルイは飄々とこなすが、青葉はたった500m走っただけでバテバテ。両兵の指摘どおり、これがプラモばかり作っていることの弊害かもね。でもルイと両兵にバカにされて意地になる青葉は可愛いのだ(笑)。その両兵と川本は軍部倉庫からドデカイ大砲を運んできた。モリビト2号に搭載するのが彼らの計画なのだろうか。とそれはともかく青葉にここまで体力が無いとなると、今後の戦いに不安が募る。  モリビト2号の戦闘報告を行う静花の言動について、今は真意を測りかねる。足腰がガクガクで歩行もままならない青葉に、青葉限定メニューの朝食が用意されている。アンヘルのみんなは、青葉のことを可愛いがってくれているのだ。しかし青葉はその日の練習で肉離れを起こしてしまう。自分が休んでいる最中、次々とメニューをこなしていくルイを見ると、青葉の焦りと虚しさは募るばかり。  だがその時、川本が自作のリモコンモリビトプラモ(励ましの音声メッセージ入り)を青葉にプレゼントし、青葉は笑顔を取り戻した。この段階で、川本はオレの敵決定(笑)。そしてもう1つ、彼は器具庫のカギを青葉に渡す。その器具庫では何と人機のシミュレーター+ランニングマシーンが置かれていた。両兵や親方のダメ出しのたびに、青葉は懸命に走りこむ。現太はこれをクリアできるまで待っていると、優しく言う。  南は残虐な八将陣と戦って欲しいと、赤緒に単刀直入に話す。だが今の赤緒には誰かと戦う意志は無い。自分が他人を傷つけるよりは、自分が傷つくことを選ぶのが赤緒という人間なのだ。  専用の食事もシミュレーターも、全ては青葉を操主として成長させるためのものだった。みんなが自分のためにやってくれたことにようやく気づいた青葉は涙を流す。メカニックとしてのセンスも川本の次と親方は評する。モリビト2号をコクピットをルンルン気分で磨く青葉、今の彼女にとってモリビト2号は自分の居場所であり、みんなを守ってくれる仲間だと青葉は両兵に語る。  だが風呂場に行くと、良い気分を180度曲げてしまう人物・静花がいた。人機は人を殺すための道具だと断言する静花に、青葉は強く反論する。しかしその道具と一体化した快感を覚えたのだろうと静花に指摘されると、モリビトに人殺しは絶対にさせないと吐き捨てすぐさま風呂場から飛び出すしかなかった。そして青葉に前の戦闘の記憶が蘇ると、青葉は静かに目を瞑る...直後、新たな敵が襲ってきた。成長した青葉はどう臨むか。

Episode.5 敵と味方と (2005/2/2) 脚本:荒川稔久  絵コンテ:むらた雅彦、徳本善信  演出:後信治  作画監督:高橋勇治、村上直樹  メカ作画監督:立田眞一  敵は超高速でシークレットポイントに接近、これは奇妙な動きに何かを感じた現太は何故か刀を手にする。一方で静花は青葉の覚醒が近いことを何者かに無線連絡。相変わらず謎が多い。モリビト2号の前に立ちはだかったのは、かつてモリビトの後継機として軍によって開発された人工人機だった。人工であれば、中に人間がいるかもしれない。しかし今の青葉にそんなことを考える余裕は無い。すぐさまファントムを発動させた青葉だったが、敵もろとも崖下に落下してしまった。  立入禁止と書かれた廃倉庫に現太が足を踏み入れると眼前には人機、そして謎の少年(黒将)が待ち受けていた。久しぶりです先生、現太にそう語りかけた少年は前からこの人機・モリビト1号機を狙っていたらしいが、もうお前には乗れないと現太は言う。その現太の言葉を肯定した上で、少年はモリビト一号機の新たな操主を紹介し、始まりの儀式を行うと彼は静かに言う。その操主の容姿は、赤緒そのものだった...  赤緒や南の前で、エルニィとさつきがキョムと懸命に戦っていた。南はもう一度依頼する、モリビト2号に乗ってくれないかと。だが赤緒は、ごめんなさいとただ謝るだけだった。戦闘後、傷ついたさつきは痛みではなく、兄の作った人機をも傷つけてしまい、自分の不甲斐なさに涙する。だがそんなさつきとエルニィの前でも、赤緒は南への言葉を繰り返す。  モリビト2号は通信不能状態。青葉が目覚めると、両兵は救援を求め外に出ていた。すぐそばには人工人機が。現太と少年は刃を交わす。少年の目的は、現太に真実を見せること。その罪の深さを現太は指摘するが、今その意味の全ては分からない。自分を殺そうとしない現太の刀筋は甘いと少年は吐き捨てる。そしてだから女一人守れなかったと。だが現太に止めを刺そうとする少年の前に、赤緒の姿をした操主が割り込んだ。かつて、同じように現太と自分の間に入った少女を斬ってしまった記憶が蘇り、少年は雄叫びをあげる。  モリビトを飛び出し、ジャングルを彷徨い歩く青葉の前に見知らぬ少年が現れる。下のぬかるみによって、何時の間にか青葉のスボンと靴が脱げていた。またしても女神降臨(笑)。最高のベストショットに顔を赤らめながらズボンを探すうらやましいこの少年の名は広世(コウセイ)という。獲物を追ってきたという彼は孤児であり、似たような境遇を過ごした青葉は少しずつ心を交し合う。  だがようやく青葉を見つけた両兵がモリビト2号に戻ると言うと、広世の表情が一変する。何と彼は敵人機の操主だったのだ。絶対にモリビト2号に乗るなと青葉に言い残し広世は去っていく。やはり敵人機に乗っているのも同じ人間、それもあんなに明るい少年だったことに青葉は衝撃を隠せない。  「人機は人殺しの道具」、話を聞いたルナは自分ならばそれでも戦うと青葉に語るが、静花の言葉が頭をよぎり、もう戦えないと青葉はつぶやく。だが直後、広世がアンヘル基地を急襲する。モリビト2号の下操縦はルナが代わりを務める。青葉の探し物、それは友達。だがついに見つけたと思った友達は、自分の敵だった。見つけたくなかったと青葉は力なくつぶやいた...

Episode.6 黒の操主 (2005/2/9) 脚本:荒川稔久  絵コンテ:徳本善信、むらた雅彦  演出:徳本善信  作画監督:湯本佳典、小菅和久  メカ作画監督:山本佐和子  OPの3カット目、クルーが次々と出てくるカットはガンダムのオマージュだってことにようやく気が付きました(2カット目の青葉も?他にもありそう)。相変わらず耕平おにいさま並の鈍感なワタクシです(苦笑)  子供の頃の広世の記憶、母親らしき人物の前で彼はファントムの操作法を暗誦する。ご褒美はこの女性のムギューッだとか。食事を共にする二人、よく暗誦できたと広世を誉め、そして広世の憎悪を嗾けるこの母親らしき人物はどう考えても静花にしか見えない。その静花が家から出ると、そこは研究所らしき場所だった...  今の広世はあの人、即ち静花の笑顔のために戦っている。その静花は2機の戦いをじっと見つめるのみ。苦戦に陥るモリビト2号がファントムを発動させ何とか基地に戻ってきたがダメージは大きいものだった。一方、食事も喉を通らない青葉を、南はルイの見舞いに誘う。ルイの傷はかすり傷程度だったが、青葉はただゴメンと小さく謝るだけだった。戦う意志の無いものに謝ってもらう理由は無いと、ルイはキツイ一言を浴びせる。だが青葉はルイの正論を認めた上で、敵も人間だと言う現実に涙する。本音を言い合える青葉とルイを、南は羨ましいと言う。現太LOVEなオバカキャラ・南だが、そのバカの理由は現太と、そして赤菜という少女が関わる過去にある。その赤菜と言う少女は、赤緒に激似だった...  赤緒の気持ちは分かるとさつきは言う。誰かと傷つけ合うことは嫌いだと。でもさつきは人機に乗る。自分が戦わなければ、街が壊されてしまうから。そのことは赤緒も理解している。だが戦いに踏み出そうとする気持ちを、彼女の中にあるもう1つの何かが止めてしまうと赤緒は話す。その二人の様子を見ていたシバが、良いアイデアを思いついたと言う。  笑顔で青空を見上げる青葉。再びモリビト2号に乗ると彼女は言う。立派な覚悟なんてできてない、だけど何もしない自分は一番イヤだと青葉は言う。赤緒とは全く対照的な青葉の気持ちだった。本来のパイロットが戻ったモリビト2号は、コクピット以外の場所を狙い撃ちする。だが広世の心に再び静花の影が忍び寄る。立ち上がった広世は自分を裏切りつづけた他人ではなく、ただ自分のためだけに戦うと叫び、再びモリビト2号に襲い掛かる。その戦闘を、黄坂姉妹初めとしたアンヘルのみんなだけでなく、静花&黒将のコンビが見つめていた...  どうして攻撃してくるのか。そう叫んだ青葉は怒りに任せて反撃開始。急変した戦況に対し、ここで広世を殺せば青葉の新たな誕生日になると静花は言う。だが青葉には、広世を殺すことなどできなかった。コクピットを降り、広世は一人じゃないと涙を流しながら語りかける。そしてその言葉に広世は応えたのだった。二人は静かに抱きしめあう。  だがその直後、銃声が響き渡り広世の身体から大量の血が流れる。狙撃の主はやはり静花だった。小さい頃から戦闘マシーンとして仕込んできたはずの広世は出来損ない、自分の命じた戦いに負けたから殺すのだ。空に浮かぶ巨大人機の上で、静花は笑みさえ浮かべながら冷徹に語る。そして静花の隣りに黒将アリ。高笑いする静花に対し、青葉は激しい憎悪の感情を抱かずにはいられなかった。  エルニィとさつきはまたしても苦戦に陥る。今回の戦闘で、さつきは立ち上がることさえできないほど深い傷を負ってしまう。南は赤緒の可能性に賭けたいと、真剣な表情で語る。そして傷ついたさつきはそんな赤緒を責めようとはしない。激しい葛藤が、赤緒の心の中で展開される。  静花と黒将の乗る人機に、青葉は憎しみに任せて襲い掛かる。そんな青葉を、静花は黒将の野望を果たすための兵器にする気だ。もう展開が激しすぎです(苦笑)

Episode.7 野望の果て (2005/2/16) 脚本:雨宮ひとみ、荒川稔久  絵コンテ・演出:中山正恵  作画監督:下谷智之  メカ作画監督:下川寿士  赤緒には過去の記憶が無い。夢の中で、さつきにモリビトに乗るよう誘われる一方で、乗っては駄目と囁く赤菜に呼び止められる。夢から覚めた赤緒は元気がないが、ケガから回復したさつきの優しさに触れ元気を取り戻す。さつきは人機のメカニックである兄・宏のことを誇りに思っており、そんな彼らを赤緒は羨ましく思ったに違いない。  そんな時、イギリスにロストライフ現象発生とのニュースが。買い物から帰ってきたシバは、何者かに連絡を取る。ってアンタ、ちゃんと家に住んでたの?(苦笑)。さつきは兄との思い出に思いを馳せる。別れのとき兄からもらったリボンをじっと見つめた後、意を決したように髪に結いつけ家を出た。  一方、南姉と「何時の間にかいたよ」両兵と共に、赤緒にあるテストをする。それは、アルファを赤緒に投げつけ彼女の力を発動させるというものだった。彼らの目論見通り、守りの力が彼女の周囲を包み飛んできたアルファを跳ね返した。両兵はモリビトに乗れと、キツイ言葉で赤緒を戦いに呼び込もうとする。赤緒が返す答えはいつも同じだが、両兵は自分の気持ちに素直になれと言い残し立ち去った。  さつきに迫るシバの魔の手。何者かが宏に変身し、さつきの前に現れた。さつきがうれしさを爆発させる一方で、赤緒はモリビトの前で苦悩する。モリビトに乗れ、モリビトに乗っては駄目、両兵と赤菜、矛盾する二つの言葉。外は雨脚が強くなってきた。川本はさつきを抱きしめ、二人で住もうと言う。雨の中駆け出した兄妹の後を両兵が追った。  何故あなたが母親なのか?青葉のその問いに、静花は青葉が新世紀の神の使途になる存在だと言い放った。それがどのようなものなのか現段階では心当たりがありすぎてサッパリ分からないが、静花は青葉の憎悪を駆り立て、そして青葉は憎しみに任せて黒将の人機をモリビトを攻撃し続けた  だがその直後、モリビトの動きが止まった。青葉は言った。たった一人の母親である静花を、憎みたくは無かった。今からでもいい、好きでいさせてと。青葉は14年前死んだ、そう自分に刷り込ませてきた静花が苦しみに悶える。その様子を冷静に見ていた黒将は一時退散。静花の頬を平手打ちにし、静花には自分しかいないと静花に口づけした。静花の瞳からこぼれた涙が、余りにも痛々しい。  さつきは宏とショッピング。やや露出度高い服装にさつきは顔を赤らめるが宏は似合っていると笑顔、このシスコン野郎に鉄槌を!!(笑)。だがあのリボンを取ってしまえと言う宏を、当然ながらさつきは不審に思う。そして宏を見たとの両兵のニュースに対し、彼がいるわけが無いと南姉がキッパリと否定すると、両兵はすぐさまバイクに飛び乗り赤緒も同乗した。  さつきを家に連れ込むと、宏の姿をした八将神が正体を現した。八将神の「妹プレイ」開始。死神が持つような大鎌で、さつきのリボンを切り刻む。八将神の背後にはシバが暢気にシチューを食べている。アルファの反応に従い、南たちは人機に乗り込み現場に急行するが、既にさつきは八将神の手中に落ちていた。  片手で人機を動かせるという八将神は、もう片方の手でさつきにイイことしちゃうと豪語する。この最低男に赤緒の怒りが爆発し、ついにモリビトにのることを決意。「絶対負けない!」、そう強く願った彼女の力は一瞬にして八将神を消滅させたのだ。だがそんな赤緒をみつめていたシバは、静かにほくそえんでいた。

Episode.8 銀翼の来訪者 (2005/2/23) 脚本:川崎ヒロユキ  絵コンテ・演出:むらた雅彦  作画監督:杉山了蔵、湯本佳典、高晶有桂  メカ作画監督:牟田口裕基  青葉の覚醒を企んでいた静花、それは赤緒とシバとの間でも共通している。基礎能力作り(体力だけでなく頭脳もね)に励む赤緒を見つめる両兵とルイは、3年前同じように体力作りに励んでいた青葉の姿を思い出す。操縦法や人機に関する知識を驚異的なスピードで身に付けた彼女のセンスはやはり本物。南は次のステップ、即ち実技訓練に進むことを決める。今の赤緒は以前と少し変わったとさつきは言う。だがそれは両兵や南たち(もちろんさつきも)、周囲の人々の想いが赤緒の力の源であり、そして彼女を変えたことは間違い無い。  実戦訓練開始。神社の敷地内という狭い空間の中で、ルイ&エルニィの2機を翻弄するモリビト2号。だがそのコクピットの中で、赤緒は戦ってはいけないと赤菜の声を再び聞く。一瞬赤菜に気を奪われた赤緒は、その直後にルイとエルニィの攻撃を受けてしまう。幸いモリビト2号は無事だったが、赤菜のメッセージが気になる赤緒は夜も寝付けない。3年前よりも以前の記憶を失っている赤緒、そして赤菜の存在を忌々しく感じているシバ。謎は尽きない。  夜の東京に敵人機が出現。シバの指示を受けた人機の操主J・ハーンは、ルイとエルニィをあっさりと倒してしまう。次のターゲットは赤緒、だがその時1機の謎の人機・シュナイガーが割り込んできた。その操主はメル・J・ヴァネット(ハーンはメシェール・E・ハーン?と呼んだ)、だが颯爽と登場した勢いも虚しく、2機の人機の激闘はヴァネットの完敗に終わってしまった。  傷ついたヴァネットは神社で静かに眠っていた。彼女のシュナイガーはアンヘルから盗まれたものであり、それ故南たちとの因縁も深いが理由はそれだけではないようだ。南が調べ上げたヴァネットの過去、幼いころ両親と死別し唯一の肉親であった弟はあのJ・ハーンに殺されてしまった。血族の能力を持つ彼女は弟の仇を討つべく独り奔走していたのだ。弟を失った悪夢、いや悪い思い出から目覚めたヴァネットに、南は銃を向けて出て行けと言う。  シバは自分の企みにメシェールを利用しようと画策する。そしてJ・ハーンにはそのために死んで欲しいとも。八将神の一人であるJ・ハーンは、忠誠心の全てをシバに捧げている。赤緒は闇夜にたたずむヴァネットをほっておけず、自分に過去が無いことをヴァネットに話す。過去が無い赤緒と、過去の呪縛から逃れられないヴァネット、二人の間に奇妙な絆が生まれた瞬間だった。だがその直後、二人の前にJ・ハーンが現れた。いきなり単身で敵地に乗り込むとは、何をしでかすのか全く予想できない。  って今週は青葉ちゃんの登場が何とゼロ!?ひどすぎるーーっ(涙)

Episode.9 ゲームの勝者 (2005/3/2) 脚本:川崎ヒロユキ  絵コンテ:殿勝秀樹  演出:後信治  作画監督:村上直樹、高橋勇治  メカ作画監督:立田眞一  闇夜の神社に突如現れたJ・ハーンは銃を向けながら赤緒に近づき、彼女の身体を拘束した。そしてヴァネットに持っていた銃を投げつけ、命賭けのゲームに招待する。森の中で銃を撃ち合いながら、J・ハーンはかつてヴァネットが自分を実の兄のように慕っていた事実を明らかにする。そしてそんな兄同然の人物に弟を殺されたとも。それは正しく挑発そのものだった。ヴァネットの憎しみの一撃がJ・ハーンの肩を掠め、赤緒は彼の手から離れた。これは自分とJ・ハーンの問題、そう赤緒に言い放ったヴァネットは逃げるJ・ハーンを必死に追ったが取り逃がしてしまう。ってJ・ハーン、アンタは何しに来たんだ(苦笑)。  チャンスを逸し立ち尽くすヴァネットを赤緒はやはり追いかけて来た。共に失ったものに苦しむ似た者同士の二人が、丘の上からまるで海のような夜の街の光を静かにみつめる。ヴァネットは憎いはずの仇敵を目の前にしながらも撃てなかった自分の弱さに怒りを隠せない。だがそんなヴァネットを赤緒はウチに来ませんかと語りかける。即ちそれは、自分たちの仲間になって欲しいという依頼だ。赤緒の優しさに触れたヴァネットはしばらく考え込む。  だが直後、J・ハーンが乗るダークシュナイガーが出現、これはゲームの続きだ。シバもそのゲームに加わるべく行動開始。赤緒とヴァネットもすぐさま人機に乗り込み迎撃に出る。両兵たちが見守る中、またしても赤菜の言葉が赤緒の頭に響いてくるが、ヴァネットを守るという赤緒の使命感は強い。だがその彼女の前に人機に乗り込んだシバが立ちはだかる。J・ハーンとヴァネットが激闘を繰り広げる一方、まだまだ操主として未熟な赤緒はシバの攻撃を浴びるように受けてしまう。  赤菜の言葉は、ヴァネットを守るべく戦おうとする赤緒の心を乱し続ける。ヴァネットがJ・ハーンの攻撃を受け地面に叩きつけられる一方で、赤緒は声の主にあなたは誰?と何度も問い掛ける。だがそれを赤緒だと答えたのはシバの声。J・ハーンがヴァネットに止めを刺されるのは、赤緒が弱いからだとシバは赤緒の心を追い詰めて行く。赤菜とシバ、赤緒の心はシバの声に傾き、赤菜の姿が目の前から消えた。その直後、赤緒はJ・ハーンのダークシュナイガーに突撃しヴァネットの危機を救う。そして仲間を得たヴァネットがJ・ハーンに止めを刺す。愛するものに命を奪われることこそ本望、狂喜の愛にまみれたJ・ハーンは爆風に包まれた。  戦闘終了。だが赤緒はヴァネットの問いかけに答えない。それどころか、姿を見せてというシバの声には答えたのだ。自分から戦いたいと強く願ったことで、赤緒には操主として大きな変化が生まれてしまった。それもシバの思い通りに。ゲームの勝者は間違いなくシバであり、ヴァネットは彼女に利用されただけだったのだ。ヴァネットが絶望の表情を浮かべるなか、シバは赤緒を連れ去っていった。シバが作ろうとする絶望的な未来に、赤緒は足を踏み入れてしまうのか。  エルニィは赤緒がさらわれたのはヴァネットのせいだと掴みかかる。だがエルニィの手を振り払ったヴァネットは、何と南たちに仲間にして欲しいと言った。赤緒を助けることこそ、今の彼女の使命なのだ。  コロンビアの奥地では、成長した青葉の姿があった。彼女は、黒将との戦いの末命を落とした現太の墓参りをする。両兵や南たちは既に日本に発った後、赤緒がシバに連れ去られたことも認識済の彼女は自分もすぐに日本に向かうと言う。3年のギャップが埋まり、ついに青と赤の物語が一つになる。

Episode.10 赤と黒 (2005/3/9) 脚本:荒川稔久  絵コンテ:桜田本舗  演出:徳本善信  作画監督:岩井優器  メカ作画監督:山本佐和子  赤緒がさらわれて早3日が経っていた。だが南たちは赤緒に関する情報を未だ掴めずにいる。その赤緒が目覚めた場所は、海の絶壁の上に立つ大きな館。いつの間にか全裸となっていた赤緒は、女性の容姿をしたシバの前でも顔を赤らめる。捕われの身となった彼女がシバの部下にいたぶれそうになるところをシバ本人が助け、この場所に連れてきた。笑顔を振りまきながら、シバは自分と赤緒は一つになると言う。それがシバが赤緒を連れ去った理由というのか。  シバたちの狙いは最初から赤緒本人だったことを知り、ヴァネットは南に掴みかかる。血族である彼女の力を目覚めさせるには、自分たちが匿う中できっかけを与えるしかなかった。それは衝撃と言い換えてもいいかもしれない。だが何にせよ今のこの状況はかなり悪い。とそこに、赤緒が連れ去られたのは硫黄島、そしてハワイの近海では赤い人機が出現したとの情報が入る。やはり良いニュースは一つも無い。  赤の人と黒の人、シバは赤緒と自分をそう表する。一般的には赤・聖職者と黒・軍人を示すが、赤は軍人の栄光であり黒は聖職者の暗黒の力という諸説もあると彼女は語る。シバは赤緒を泳ぎに誘う。誰もいない海は彼女たちのもの。シバは悪い人なのか?その赤緒の問いにシバは限られた時間の中で自分のやりたいことをやるだけとつぶやいた。そんな彼女たちが浮かぶ海の上空に、赤色の人機が出現した。仮面に素顔を隠していたその操主は、やはり黒将か。  赤の人機は現太が死の直前に気をつけろと言い遺した存在だが、その正体は彼らにも分からない。直後、新兵器を携えて川本がようやく日本に到着した。赤緒のことを「悪魔ちゃん」とシバが呼ぶ理由は何か。戦闘服に着替えた赤緒とシバが島の中心部にやってくると、赤い人機が着陸し中から黒将が現れ赤緒の名を口にする。どうして自分の名を知っているのか、その問いの答えは自分たちの生みの親だからとシバが言う。赤緒とシバは、黒将がクローン技術と結界の力を融合して生み出した人間だったのだ。  赤の人機は赤緒が乗るべき機体であり、そしてシバと戦うのだと黒将とシバは断言する。そんな意味の無い戦いなどできるはずが無い、そう言う赤緒に対して意味ならあるとシバは言う。その意味とは赤緒の失われた記憶にあった。その空白の時間の中で、赤緒が何人もの人間を殺してきた最低の人間、そして何とロストライフ現象は赤緒が引き起こしたものだと、シバは衝撃の事実を告げた。更にかつて赤緒が戦いを拒否してきたのも、赤緒の中の誰かが止めただけだと。その忌まわしい過去が、戦いを交わすことで蘇ってしまう。その様子を見ていた黒将は、もう赤名の声は赤緒に届かないと悟っていた。  殺してあげる。黒の機体に乗り込んだシバが生身の赤緒を攻撃する。赤緒と違い、ロストライフの生々しい記憶が脳裏に焼き付いているシバ。憎しみを乗せた黒の弾丸が赤緒を直撃するその時、ついに赤緒の記憶が頭を駆け巡る。その光景を必死に消そうとする赤緒は人機に乗り込み、シバの機体を一瞬で消し去った。だがその直後、シバの怨念が赤緒の身体を包み込み、赤緒の絶叫が響き渡った。  両兵たちが硫黄島に向かうと、彼方から赤い人機が向かってくる。アルファの反応から、それに乗り込むのが赤緒だと彼らには分かった。だが赤の人機はエルニィの機体を突き飛ばし、地上に降り立つとその強力な力で破壊の限りを尽くしてしまう。秘めた力が覚醒し、そして以前とは別人のような表情を浮かべる彼女を止められる術はあるのか。

Episode.11 家族 (2005/3/16) 脚本:荒川稔久  絵コンテ・演出:後信治  作画監督:小菅和久、晶貴孝二  メカ作画監督:下川寿士  笑顔でいなくなった青葉、無言でいなくなった赤緒、そしてこの事態を招いたのが白矢という一人の少年の心の傷。赤菜を心から慕っていた白矢に、いつだって抱きしめてあげると赤菜は優しく話す。だが大雨の夜、赤菜に渡す花束を握り締めた白矢の前で、現太と赤菜が熱い口づけを交わしていた。その瞬間、少年の心に決定的な亀裂が走った。外で一人、雨粒に打たれる白矢を一人の少女(静花母...)が心配そうに近づいてきたが、なんと白矢はこの少女に暴行を加えたのだ。静かに眠りから目覚め、一人かとつぶやいた黒将が白矢であることは最早言うまでもない。そしてその彼のそばには、もう静花の姿は無い。  赤緒の人機によって、東京は破壊の限りを尽くされ、そして両兵たちにも容赦ない攻撃を加えてきた。ヴァネットの声も、エルニィの声も、赤緒には全く届かない。だがこの状況の中、ヘブンズ全人機の渾身の一撃が赤緒の人機を海面に叩きつけた。彼らは何とか、赤緒を止めることに成功したのだ。戦闘後、体力を温存すべく赤緒の神社で食卓を彼らたちは、やはりたくましいと思う。  だが海に沈んだままの赤緒の人機は、血塊炉反応がまだ消えていない。そして赤い人機を倒し更に赤緒を助ける術は、傷ついたヘブンズの戦力では厳しい。現太の遺言、「赤緒を赤い人機に乗せるな、もし乗ったら最悪の事態が起こる」、だが正に今、彼の危惧した事態が起ころうとしている。一方、飛行機上の青葉が、ようやくこの日本にやってきた。黒将は青葉の乗った飛行機を真上に見つめながら、この世の最後を見届けるがいい、と天国の現太に言い放つ。同期を取るように、海中に眠る赤緒の人機に、再びパワーが宿る。  滑走路で南たちが青葉を待っていた。だが新たな仲間に会う前に、青葉は祖母の墓参りをする。ロボット乗りになった自分を見守って欲しい、青葉は力強くそう言った。仲間たちの前で、自分は悪魔の片割れだと青葉は言った。彼女はシバに、そう言われたのだと。青葉の母・静花と同じ顔を持つシバ、そして両兵の母・赤菜と同じ顔を持つ赤緒、共に黒将に生み出された。  現太を抹殺しようとした黒将だったが、赤菜が現太の身代わりとなり命を落としてしまった。黒将は赤菜の一部を持ちその場から去っていったが、しばらくして彼のそばに赤緒の姿が。目の前の現実は現太に対する黒将の復讐、即ち最愛の妻と同じ顔を持つ赤緒を破壊と殺戮の悪魔とすることこそ、黒将の狙いだったのだ。だがこれが終わりではないと青葉は言う。青葉とシバの対面、自分に似たシバに静花の面影を見た青葉に、シバは静花は自分を産むための犠牲となったと言い放つ。そして大嫌いだったはずの静花がいなくなったことに愕然とする青葉に、偽善者とキツイ一言。  シバは更に、これから悪魔の片割れ=赤緒に殺されに行くのだと高揚感を隠さずに言う。自分を殺した片割れは心のたかが外れて暴走し、破壊の限りを尽くす。そしてもう一つの片割れ=青葉がそれを止めに入る。だがどちらが勝とうかと、待っているのは地獄だと言い残しシバは去った。暴走した赤緒を止めるには、青葉も暴走するしかない。彼女の中の天使の心を消し去り、悪魔になるしかないのだと。だが天使の心を取り除かれた青葉など、誰も見たくない。血族の力を強く受け継いだ二人が悪魔になってしまっては、もう誰も止めることはできない。戦闘の訓練を重ねてきた青葉には暴走する気は今のところ無いが、赤緒を取り戻せるかどうかなど青葉にも分からないのだ。  だが不安を隠そうとしない青葉を、さつきは信じると力強く言う。そして南たちも青葉を応援する。だがその場に一人だけいない人物が。そのルイが入っているお風呂に、青葉もやってきた。遅いよと静かにつぶやいたルイに青葉も反撃し、そして親友である二人はおかえり、ただいまと優しく言葉を交わす。南、川本兄妹、エルニィ、両兵とヴァネット、皆が最後の戦いを強く心に誓う。風呂から上がった青葉とルイは、全裸でお互いの成長を確かめ合う。でも身体は成長してもお互いの心は変わらない、そのことも二人は確かめ合ったのだった。  ついに赤緒の人機が再起動した。次回最終回、青と赤の戦いはどのような結末を迎えるのか。

Episode.12(最終回) 青と赤 (2005/3/23) 脚本:荒川稔久  絵コンテ:殿勝秀樹  演出:むらた雅彦  総作画監督:細田直人  作画監督:杉山了蔵、桝田邦彰  メカ作画監督:松原一之、牟田口裕基  「消すしかない。この娘を、この世から!!」。あの青葉の絶叫から3ヶ月、ついに全てを見届ける時が来た。どうして赤緒を助けたいのか、そういうルイに青葉はあの人・静花との決着をつけたいからと彼女は答えた。静花の取った道を否定することこそ、青葉がつけるべき決着なのだ。赤緒の人機・キリビトは海上に浮上したまま動かない。それは青葉のモリビト2号を待っているからだと南はつぶやいた。  黒将、いや白矢の脳裏に自らが手に掛けた赤菜の姿が蘇る。そして赤緒には自分を支えてくれたみんなの姿が。涙を流しながら絶叫した赤緒の声を、救いを求める声だと青葉は感じる。人機の準備完了、機体に乗り込み青葉たちはキリビトに一斉攻撃を開始する。だがキリビトの力は圧倒的であり、モリビトやその他の機体は敢え無く海中に叩きつけられてしまう。  その時、青葉の右手の奥で何かが光っていた。南曰く、それはモリビト2号の隠された力を解放するためのもの。そしてそれを作ったのは静花だと南は言う。その隠しプログラムは暴走したモリビト1号を止めるために装備されたものと現太は推理していた。そしてこの力を使いこなせるものは、血族の力を持つ者だけだとも。人を助けるための機能を静花が組み込むはずが無い。そう否定する青葉だが皆がキリビトに追い詰められて行く今、この力に頼るしかない。南のその言葉に青葉も同意した。キリビトを倒し、赤緒を助ける。今の青葉にはそのことしか頭に無い。  だが、モリビト2号の攻撃は幾度と無く跳ね返されてしまう。目を覚まして、その青葉の言葉も赤緒には届かない。両兵はキリビトの血塊炉を破壊すべく、自分たちがキリビトの足を止め青葉の一撃に賭ける。だがキリビトのシールドがあっさりと両兵たちの抵抗を打ち払ってしまった。青葉の声が、両兵たちに届かない。もう普通の攻撃は全く効かない、赤緒もろともこの世から消し去ると決意した青葉に残された手は、静花が遺した必殺技のみ。  青葉が右手のボタンを押す。黄金に輝いたモリビト2号がファントムを発動!!キリビトの機体を山へ押しやり、キリビトのシールドを突き破るべく刃となった右手と共に突撃する。だがその時、青葉を制止しようと赤菜の声が響く。あの子の両親を死に追いやった自分のミス、そして科学者の地位を奪われるのを恐れたためについた嘘があの子を傷つけた、全て自分の心の闇が招いたこと(あの子とは白矢のことだろう)。直後、赤菜の姿はシバに変化する。悪魔に心を売り赤緒をやってしまえ、シバはそう青葉に詰め寄る。再び赤菜、青葉が赤緒を殺せば静花と赤菜の暗黒の遺伝子が、青葉に流れ込んでしまう。そんなものには負けない、青葉は手にとった剣でシバに斬りかかった。  だがその刃を受け止めたのは静花だった。白矢に乱暴され生まれてしまった青葉の前に、どうしても出られなかったことを、静花は素直に謝るのだった。戸惑いを隠せない青葉、しかしその直後、モリビト2号の右手がキリビトの機体に突き刺さった。周囲は強烈な光に包まれた。全てが終わってしまった、そう嘆き悲しむルイ。だが何と、青葉も赤緒も生きていた。青葉と赤緒、お互い自己紹介を交わした後、青葉は赤緒の手を取った。  激闘が明け、青葉はコウセイと共に病室の静花を見舞う。一方、モリビト1号の機上、仮面を脱ぎ捨てた黒将がたたずんでいた。未だこの物語は、終わりを見せてはいない...    

ジンキ・エクステンドこれにて完。あーぁ、やっぱり1クールじゃダメですわ。オレは原作読んだことないけれど、TV版は原作の重要な部分が所々抜け落ちているだろうことが容易に想像できるようなぶっ飛ばし展開だったからね。特にそれが顕著になり始めた中盤(黒将が登場した第6話辺り)からストーリーを追うのに手一杯となってしまい、初見で感じたワクワク感が無くなってしまいました。自分としては、好みの人が多かったキャスト陣だけが最後の救いだった。  2つの時間軸や、各キャラクターが持つ様々な背景、そしてもちろんロボットモノという、原作の持っているだろう魅力をたった12話で構成されたアニメ版はどれだけ語ることができたのだろうか。厳密には原作読んでから判断したいけど、多分50%もできていないのではないでしょうか?まぁ時間がたっぷりあればそれで良い、というわけではないけれど、はっきり言っておきます。「1クールのロボットアニメに名作無し」。以上。
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