地獄少女 ~感想~

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<スタッフ>
原案:わたなべひろし  監督:大森貴弘  シリーズ構成:金巻兼一  キャラクターデザイン:岡真理子  音楽:高梨康治、水谷広実  アニメーション制作:スタジオディーン
<キャスト>
閻魔あい:能登麻美子 一目連:松風雅也  骨女:本田貴子  輪入道:菅生隆之  柴田一:うえだゆうじ 柴田つぐみ:水樹奈々


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第1話 夕闇の彼方より (キッズステーション 2005/10/4) 脚本:鈴木雅司  絵コンテ:大森貴弘  演出:則座誠  作画監督:岡真理子  作監補佐:相澤昌弘  公式サイトトップ絵のビジュアルとか独特の雰囲気に惹かれたのが、視聴を決めた大きな理由です。まぁ主役・能登さんという分かり易すぎるキャスティングもポイントは高いのだが(苦笑)。ちなみにキッズステーションとアニマックスの同時放映は超珍しいことだけど、この作品はスカパーの全面協力の元に製作されているようです。  さて本編は、クラスメイト・亜矢の超陰湿なイジメに苦悩した少女・真由美が、地獄通信なるHP(閻魔あいとの連絡手段なのだ)を使い亜矢に怨みを晴らそうとする。地獄少女・閻魔あいと契約を交わせば怨む相手はあっさりと地獄に流されるが、怨みを晴らした場合契約者の魂は極楽にはいけず永遠に地獄を彷徨うと言う。「死後」だけを考えれば、怨みを晴らすほうも晴らされる方も同じ、ということか。だが人にとっては「生」の方が優先されるわけで、真由美が結局契約を交わすことになったのも無理からぬことである。でも結局亜矢は本当に死んじゃったのかね。だとすれば恐ろしい...  「一遍、死んでみる?」。こりゃ助さん格さんのキメ台詞並の存在感があるな(苦笑)。でも思ったほどホラーな感じはしなくて、もうちょっとパンチが欲しい気はするけど、普通のエンターテイメント作品として楽しめると思います。
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第2話 魅入られた少女 (キッズステーション 2005/10/11) 脚本:金巻兼一  絵コンテ:こでらかつゆき  演出:大関雅幸  作画監督:山川宏治、早川ナオミ  過激なストーカーに悩んでいた女子高生・鷹村涼子の調査(+護衛)を進めていたが、実はストーカー本人だった如月刑事の愛狂った姿はかなりコワかった...まぁそんな彼が地獄行きになって良かった良かったというところだが、涼子の胸には先週の真由美と同じくHiMEの証のような痣(笑)が刻まれ、あいの管理する(?)蝋燭がまた1本増えた。これが後々にどんな意味を持ってくるのかが1つのカギとなりそう。  それから、「死後の魂が地獄を彷徨う」という依頼者に対するあいの警告が実質的に機能していない現状について、日本ではそれも致し方ないと思ってしまう。というのは、「死後の世界」の定義という要素を持ち合わせているのがいわゆる宗教であるが、仏教の国とされながらも実情として(特に若者の中で)宗教文化が失われつつある日本では、「死後自分の魂がどうなるか?」よりも「今、生きている瞬間」を優先させるのは当然の選択とも言えるからだ。今後も当然この展開が基本となるのだろうけど、これが崩れるような変化のある展開も期待したい。

第3話 汚れたマウンド (キッズステーション 2005/10/18) 脚本:広真紀  絵コンテ・演出:細田雅弘  作画監督:井上善勝  プロ注目の高校生右腕、花笠守。だがその仮面の裏には極悪非道なリンチ魔の顔が潜んでいた。彼によって同級生・室井が殺され無実の罪を着せられ追い詰められた岩下大輔は、地獄少女にアクセスする。藁人形を手にした彼が下す決断は如何に。てか今週のキャラの名前は、どこかで聞いたことのあるようなものばかりだな(苦笑)  花笠たちの野球部は連帯責任で出場不可。色々と意見はあるだろうが、これが今の高校野球の現実だ。花笠が室井に暴行した理由、それは事件を明るみにし「肩を無駄に消耗する」大会に出なくて済むようにするためだった。その言葉を聞いた岩下に選択の余地は無かった。三途の川に浮かぶ、野球が大好きだった室井の顔ボールに囲まれ花笠は鳥居をくぐった...

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第4話 聞こえぬ叫び声 (キッズステーション 2005/10/25) 脚本:福嶋幸典  絵コンテ:森下省吾  演出:千葉大輔  作画監督:小谷杏子  作画監督補:棚澤隆  今週は、獣医が接待ゴルフの電話に夢中になり治療が遅れた為、たった一人の家族であるキャンディ(犬)に先立たれた少女・純子の怨み物語。だけどこれまでとはちょっと異なり、「これで地獄に送られちゃうの!?」という感想を抱かざるを得なかった。その理由は2つ。1つは死んでしまったのが人間ではなく動物であったことであり、2つ目は獣医・本條が(心持の面で獣医の資格など無いようなヤツではあったが)少なくともキャンディを殺す(あるいは痛めつける)という明確な意思(悪意)を持っていなかったことだ。  特に1つ目。別に僕は動物愛護主義でもないしその逆でも無い(と思っている)が、「犬は犬でもその人にとってはかけがえの無い家族だ」と言われても、当事者でない限り実感は湧かないというのが正直なところである。こんなことを思ってしまうオレって冷たいのかなぁ...今回の展開に100%納得した方の意見を聞いてみたいものではあります。  その他、あいの着物が巌窟王と同じテクスチャ技術で描かれている(だろう)ことに今週ようやく気が付きました(苦笑)。それから今週のゲストキャラは子安さんに新井里美に柚姉、豪華絢爛でしたけど、1話限りのゲストキャラを演じるのは即興性が求められるという面でレギュラーとはまた違った難しさがあるはずだが、今回の面々はさすがにしっかりと演じていたと思います。  最後に、これまで特に触れてなかったEDについて。もちろん作品の雰囲気も関係してますが、ちょっと暗めでゆったりとしたテンポの曲は、能登さんの歌唱力の不足を最大限に目立たなくさせるベストな選曲だと思います。

第5話 高い塔の女 (キッズステーション 2005/11/1) 脚本:西園悟  絵コンテ:こでらかつゆき  演出:伊達将利  作画監督:服部憲知  OPの「逆さまの蝶」はアニメっぽく無いけど心地よさが溢れたいい曲だと思います。この作品の製作がアニプレックスということで当然このCDもソニーミュージックなんだけど、最近のこの会社のアニメに対する攻勢はスゲーよな。このご時世、アニメとのタイアップが一番CD売れるってことだろう。  今週は、殺し屋や影武者を使って悪事を働きまくる新興のIT企業の女社長・海部里穂(実は大のITオンチ)に死の鉄槌が下った。里穂の息のかかった店で万引きを働き、警察に突き出される代わりに里穂の影武者としてコキ使われた女子高生・田中美沙里。彼女の父が海部によって利用された挙句殺されたことを知った美沙里は、ワザと万引きを働き海部の会社に侵入したのだ。  が、里穂もその手の匂いをかぎつけることにおいてはヤリ手。すぐに美沙里の正体を掴み、馬脚を表した美沙里を殺そうとする。嘗て会社が小さかった頃フタマタかけてた彼氏と女を殺し、そして殺し屋を使ってライバル企業の社長を次々と殺すことで会社を大きくしていった彼女にとって美沙里の命など小さいもの。が、ギリギリで美沙里は地獄少女を呼び出し里穂を地獄へと送った。  里穂が住んでいたマンションに移り住んだ美沙里。「人生はゲームオーバーまで楽しんだ者の勝ち」、そんな里穂の言葉を噛み締めながら、美沙里はかすかに微笑みを浮かべた...今週はこれまでとは一味違うサスペンスな展開で面白かったです。
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第6話 昼下がりの窓 (キッズステーション 2005/11/8) 脚本:高橋ナツコ  絵コンテ:小島正士  演出:吉田俊司  作画監督:森本浩文  田舎から都会に引っ越してきた安田母娘(おやこ)を、ご近所を完全に牛耳る戸高母娘がイジメまくり。その原因は戸高母の「昼下がりの情事」を、安田母が偶然見てしまったことによる逆恨み&口封じ。最初は少しずつ相手の精神に重圧を与え抵抗力を弱めた上で、機を見るなり一気に止めを刺す戸高母の脅し方はマジ怖すぎ。さすがに今回は、安田娘が復讐できて良かったと本気で思っちゃいましたね。  今週も斎藤千和や篠原恵美さんと言った著名な方々がゲストキャラを演じてましたけど、毎回どの役者さんが登場するのか楽しみになってきてますね。それからふと思ったのだが、あいは普段何故セーラー服姿なんでしょうかね(仕事?の着物姿は何となくわかるが)。当然ながら学校に行ってるってことはなさそうだし、とにかく謎な少女です。

第7話 ひびわれた仮面 (キッズステーション 2005/11/15) 脚本:広真紀  絵コンテ:若林厚史  演出:則座誠  作画監督:山本佐和子、服部憲知  紅彩花、大物舞台女優・紅翠にその演技力を買われ養女になった彼女だが、その翠には華やかな主役ではなく「柳の木」役を厳しく指導され、彼女の裏に潜む狂気が明るみに出る。閻魔あいを呼び出し藁人形を受け取り、一旦は保留にしたものの知り合いのチンピラに母を襲わせ助けたフリをしポイント稼ぎを試みる。これが失敗に終わるや、今度は自分に成り代わって主役となった来島薫子もチンピラに襲わせ、薫子は声が出せなくなった。てーかこの女、性格怖すぎ!!ガクガク...  が、来島薫子がいなくなりようやく自分に主役が回ってくると思ったのもつかの間、母・翠が劇団の解散を言い渡す。彼女は全てお見通しだったのだ。怒りに震えた彩花は藁人形を使って翠を呪い殺そうとするが、その赤い糸は何と他人の手によって解かれていた。そう、来島薫子が彩花を呪い殺すため藁人形を使ったのだ。彩花は地獄に流され、翠の劇団は寂しく解散し、薫子も再起が困難。誰もが不幸を背負った結末を迎えてしまった...  メインゲストの紅彩花は、ちょっと演技に絵が追いついて無かった印象はあったけど、雪野さんの2面性(ヒロイン&暴走娘)が存分に出てましたね。あいを呼び出した人間が地獄に流されるというのはこれまでで初めてのパターンで新鮮だったし、あいの私服も拝めたし、充実した1話だったかと。

第8話 静寂の交わり (キッズステーション 2005/11/22) 脚本:金巻兼一  絵コンテ:森下昇吾  演出:栗井重紀  作画監督:富沢和雄  踏切を挟み見詰め合う少女と閻魔あい。今週はこの少女・柴田つぐみとチンピラフリーライター柴田一の父娘(多分妻とは離婚済)の微妙な家族風景と、ビルから突き落とされ意識不明に陥った友人の怨みを晴らす田沼千恵の物語がクロスして、これまたかつて無かった展開で面白かったです。特にあいと見詰め合ったことで、どうやらあいの「眼」と通じ合うような感覚(これがサブタイの「交わり」かな)をつぐみちゃんは手に入れたようで、彼女と父・一のコンビは今後も登場機会があるかも。  今週のあいの言葉、「想いを裏切れば、想いに裁かれる」は、「一遍死んで見る?」の決めセリフと同じくらい心にズシンと響きました。そんな彼女の、怨みが届いたときに見せる俯き加減で憂鬱な表情は、いつもよりもその度合いが強かったような気がした。世間で「地獄通信」のウワサがかなりの広まりを見せている(ライターの一にとって、それはあいを追う充分な理由となる)ことも、彼女の憂鬱さを増している理由なのかもしれません。

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第9話 甘い罠 (キッズステーション 2005/11/29) 脚本:福嶋幸典  絵コンテ:こでらかつゆき  演出:小坂春女  作画監督:小谷杏子、森本浩文  今回の主役は春日弘美、由香のパティシエ姉妹。中でも弘美はかなりの腕前を持っていたが、会心の一作を師匠の森崎にパクられてしまう。そしてそのウワサが世間に広まり、念願だったお店も早々に畳むという余りにも残酷な結果になってしまった。  しかも融資先の銀行に融資の中止を持ちかけたのが、実は昔から弘美を愛しており、フラれてしまった森崎によるものと知り、由香の怒りは爆発。地獄少女の力を借り、森崎はあえなく地獄行きとなった。  と、今週の展開はスタンダードな形に戻ったような印象を受けましたけど、メインのゲストキャラの声が分からなかったのは今回が初。佐藤利奈の声なんて、ネギま見てないオレにはさっぱり分からんわ(笑)。それから今更気づいたんだけど、あの藁人形って輪入道そのものだったんだね。赤い糸は彼(の力)に掛けられた封印ってところでしょうか。あと、森崎がショートケーキに乗っけられた絵はちょっと笑えた。  ライター柴田とつぐみちゃんは先週に引き続き登場。予想通り彼らの出番は今後も続くようで、つぐみちゃんからは眼が離せないのだ(笑)。

第10話 トモダチ (キッズステーション 2005/12/6) 脚本:広真紀  絵コンテ:大畑清貴  演出:岡崎幸男  作画監督:土橋昭人、森下昇吾、笠原彰  転入生・渋谷みなみは、クラスメイト赤坂詩織と良好な友人関係を築いていたかに見えた。だが転入の立場から来る寂しさのあまり過剰なコミュニケーションを図ったため詩織に嫌われてしまう。孤立したみなみは詩織を逆恨みするようになり、地獄少女から藁人形を手渡される。こりゃ救いようが無さ過ぎるよ(苦笑)。しかしみなみが使う前に、詩織が藁人形を密かに奪ってしまった。  だが今度は詩織がクラスで仲間外れになっていた。寂しさに耐えられなくなった詩織は南を呼び出し、また「トモダチ」になって、とみなみに迫る。友情復活か!?だが詩織はそれだけでは飽き足らず、自分を裏切ったクラスメイトを呪い殺すため、藁人形の糸を引こうとする。みなみはそれを必死に止めようとするが、糸はみなみの手によって外されてしまう。結果、最初にみなみが望んだとおり、詩織が地獄行きとなってしまった...ライター柴田は南に刻まれた印を見て、声を失った。  繰り返しになるけれど、今回はホント救いようの無い話だったなぁ。例えばメインのキャラが激しく憎み、怨むのが理解できる展開ではなく、本当に些細なすれ違いでしか無かった分、逆に救いようの無さが大きいような印象でした。
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第11話 ちぎれた糸 (キッズステーション 2005/12/13) 脚本:金巻兼一  絵コンテ:大畑晃一  演出:吉田俊司  作画監督:服部憲知、清水貴子、小谷杏子、森下昇吾  その存在が広く知れ渡ったせいか、ここ最近はあいが藁人形を手渡すタイミングが早い。今回のターゲットは、柴田が元いた編集社の稲垣。そして被害者は、手段を選ばない仕事人タイプの稲垣がでっち上げたスクープ記事により逮捕された政治家・片岡の息子・雅哉。彼は地獄少女から藁人形を受け取りつつも、武力で稲垣に襲い掛かったが返り討ちにあってしまう。  片岡が地獄少女と接触したことに気づいた柴田は、片岡本人に地獄少女のことを聞き出そうとする。そんな柴田に一目連&骨女が警戒心を強めてゆく。地獄少女は間違っている、その信念から柴田は片岡に糸を解くなと言い渡す。だが糸は解かれ、稲垣はあっさりと地獄に堕とされた。怨みを晴らしても戻ることのない家族の絆。だがそれを分かっていてもなお、片岡は糸を引いたのだ。そんなやり場の無い想いこそ、地獄少女が蝋燭に火を灯して大切にしまっているものなのかも。
   地獄少女を嗅ぎ回る柴田の存在に気づいた地獄少女側が、明らかに柴田を敵視していたこと。そして今週も発動したつぐみちゃんの能力が徐々に強くなっているような気がすること。この父娘が今後は更に出番を増やしそうですね。

第12話 零れたカケラ達 (キッズステーション 2005/12/20) 脚本:高木登  絵コンテ:後藤圭二  演出:佐原亜湖  作画監督:森本浩文、清水貴子、笠原彰  いきなり印を刻まれた少女が登場。こんな展開は初めてです。その少女・沢井茜は不登校生徒。担任教師・深沢のちょっと強引とも言える登校の誘いをきっぱりと断る一方、電子メールの文通相手に、日々の暗く積もる想いを告白していた。地獄通信を知った彼女はサイトにアクセスし、深沢の名を書こうか迷うが文通相手の後押しで深沢の名を書き込んでしまった。  学校では深沢の元に教育の取材のためと称し、あの柴田が来ていた。だが彼の真の目的は、当然地獄少女。だが生徒たちに聞きまわってみたものの、成果は無かった。その夜、茜の家に深沢が再び来た。ゆっくり話し合う二人。茜は教室内の人間関係に疲れ果てていたことを告げ、大人で熱血な深沢にはこの気持ちは分からないと叫ぶ。だが深沢は正直な気持ちであかねに接し、彼の誠意に茜も心を苦しめる。  翌日あかねは学校に登校し、深沢も喜ぶ。だがなんと、茜の文通相手がその深沢であることが判明!マジかよっ。だが茜も深沢も、文通相手が彼ら自身であることを全く知らなかった。教師になった深沢もまた、日々のプレッシャーに苦しんでいた。その彼は、茜が地獄少女を呼んだことを知ると、もう疲れた、地獄送りにして欲しいと彼は茜に依頼する。茜は文通の中で心安らぐ場所として紹介された古びた洋館の庭で、藁人形の糸を引いた。茜は「私も後から行きます」と言い、深沢は涙を流す...  「これで、いいの?地獄が、極楽で...」、またしてもつぐみはあいのセリフをつぶやく。そのあいに「二人にとって地獄が極楽でも、あいには関係無い」とお婆ちゃんは答える。そんな彼女の言葉は、心に空しく響くね...

第13話 煉獄少女 (キッズステーション 2005/12/27) 脚本:西園悟  絵コンテ:小島正士  演出:小坂春女  作画監督:森下昇吾、服部憲知  今にも溶け落ちそうな蝋燭の意味するところは...つぐみの眼は再び地獄少女の眼とシンクロ。彼女にはエロ本ばかり置いている古書店が見えていた。が、その場所がどこかと強い口調で問い掛ける柴田父に対し、つぐみは恥ずかし過ぎて赤面。悔しいけど、もぅ萌えまくりっす(笑)。  早速柴田はその古書店にやってきた。そこであいが立ち読みしていた本は「煉獄少女」という50年以上前に書かれた小説であり、その小説の内容は正に今の地獄少女と全く同じだった。柴田はその小説が載っていた雑誌の編集長に逢いに行く。そこで柴田は、煉獄少女の作者が福元という挿絵画家であり、また雑誌に掲載されるはずだったが直前で差し替えられた煉獄少女の挿絵が閻魔あいとウリ二つであったことを知る。そして福元の妻と友人・大河内は、次々と謎の死を遂げていたらしい。  50年前の住所を頼りに、ついに柴田は福元と面会を果たす。柴田は福本が書いた煉獄少女は、福本が実際に体験したことだと断言する。そして現代にも地獄少女は現れ、なんとしても地獄少女を止めたいと彼は続ける。柴田の読み通り、福元の妻が大河内に強姦され、怨みにかられた福元が地獄少女に依頼し大河内を地獄送りにしたのだった。そしてその刻印が彼の胸に刻まれていた。  死が目前に迫った彼の最後の仕事は、巨大な地獄少女の肖像画を完成させることだった。煉獄少女を書いた理由を聞かれた福元は、このことを他の誰か、即ち柴田のような人間にに伝えねばならなかったからだと言う。ついに肖像画が完成すると、何と地獄少女の瞳から涙が零れ落ちた。自分のために地獄少女が泣いてくれた、その奇蹟のような光景に、福元も同じように涙を流しながら息を引き取り、蝋燭は完全に溶けた。  舟の上、50年ぶりに再会した福元とあい。福元は地獄で大河内に逢えるだろうかと呟き、あいは「地獄も結構広いから」と、言葉を返す...

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第14話 袋小路の向こう (キッズステーション 2006/1/3) 脚本:高木登  絵コンテ:こでらかつゆき  演出:林直孝  作画監督:小谷杏子、森本浩文  つぐみには、あの夕暮れの丘の上の風景、そして死に行った人間の姿が見えるようになっていた。一方で、あいもこの仕事に悩みを抱いている模様。柴田はつぐみの言葉を受け、自殺した町職員・桐野の娘・沙樹に会いに行った。その沙樹は、町の町長に今なら許してあげても良いと叫ぶが取り合わない。  桐野が自殺した経緯だが、暴力団関係者と宴会を開く町長とその息子のスキャンダル写真を持った桐野が外出した夜、首を吊って自殺し、写真も紛失してしまった。父の死が町長の仕業と思い込んだ娘は、焼香に来た町長を怒りと共に突き返したがその証拠は無い。そして怨みにかられた娘は地獄少女と逢い、藁人形を受け取っていた。  柴田は、父が殺されたと必死に訴える沙樹の話を聞くが、確証が無い以上記事は書けないと彼は冷静に言う。そして彼女の復讐を止めようとする彼は、一連の真実を自分で調査をすると言う。町長のインタビューを取り付けた彼は、暴力団に流れた老人ホームの権利を取り戻すために、町長がやむを得ず動いていたことを知る。そして桐野はそこに付け込み、娘の大学の資金を得るため金を脅し取ろうとしていたのだ。町長は直接、桐野氏に手を下しておらず、町長を守ろうとした誰かの仕業だろうと町長は言う(犯人はやはり事情を知っていた町長の息子か)。  翌日、町長の息子が沙樹に金を渡そうとし、もう関わるなと彼は言った。だが沙樹は当然受け取らなかった。柴田は記事にしない代わりに町長に娘に謝って欲しいと依頼する。少なくとも娘の気持ちは純粋だと、同じ境遇の娘を持つ柴田ならではの言葉だった。だが沙樹は、柴田の制止を振り切り、藁人形の赤い糸を引いてしまった。  地獄に流される最中、沙樹に謝れないことが唯一の後悔だと町長は静かに語った。老人ホームは閉鎖され、多くの老人たちが路頭に迷い、そして沙樹の胸には地獄の印が刻まれる。本当に誰も、救われない結末を迎えてしまった。そんな虚しさが、あいの心を痛めているとしたら、彼女もやはり人間の心を持つ少女なのだろうか。

 総集編 (キッズステーション 2006/1/10) 総集編制作:今林啓、J・Force  今週は、一目連、骨女、輪入道によるこれまでの話の総集編。人間のドス黒い部分を改めて目の当たりにして、何とも暗い気持ちになりました...それと地獄に流された人のほとんどが流される直前に見苦しい言い訳をしていることも改めて分かったのだが、逆に言えば近2週がその流れに反する展開を見せたことは、大きな変化を迎えつつあると言えるのかもしれない。そしてその原因にジャーナリスト・柴田の存在があることも見逃せない事実かと。  とにかく次回以降も必見です。放送開始当初は、まさかここまで「見れる」作品とは思ってなかったけどね(笑)。
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第15話 島の女 (キッズステーション 2006/1/17) 脚本:広真紀  絵コンテ:大畑清隆  演出:岡崎幸男  作画監督:杉本光司、土橋昭人  つぐみが見たという、平家ゆかりの猿月島にやってきた柴田父娘。今回の主役は旅館の娘・三奈だ。だがヨソ者である柴田に島の住民は冷たい態度を崩さない。三奈の母・五月は数年前に自殺し、叔母・藤江が旅館の女将を務めており、三奈の母親代わりになっていた。  だがかつて仲が良かった二人だったが、三奈は強引に旅館の後継ぎにさせられ、そして藤江は三奈の男との交際も一切認めなかった。そして美奈が島外の人間・祐司が付き合っていることをしった藤江は、何と祐司をナイフで切りつけたのだ。風呂場で藤江が血を洗い流していたことで、藤江の行為を知った三奈は、既にあいから藁人形を受け取っていた。  祐司に全てを話した三奈は、祐司と共に糸を引こうとする。だがその直前に柴田が到着し、ことの重大さを説く。「他の人を不幸にして得た幸せなんてありえない」、彼の言葉に二人は気を取り直し、かけおちすると言い出す。だが家を出る三奈は、蔵の中で藤江がなにやら話し込んでいるのに気付く。そして蔵の奥に入ると、何とそこには母のさつきの死体が!!  藤江はこの蔵で、島を再び出ようとした姉を縛り上げ斧で斬り殺したのだ。妹に殺意を抱かせたのは、姉を溺愛する余りの、狂ってしまった彼女の心。助けに来た祐司もろとも、藤江は斧を振り下ろして二人を殺そうとする。だがその直前に三奈は糸を引き、藤江は地獄に送られた。  またしても柴田は地獄送りを止められなかった。彼の苦労が報われる日は、果たして訪れるのだろうか...

第16話 旅芸人の夜 (キッズステーション 2006/1/24) 脚本:福嶋幸典  絵コンテ:大畑晃一  演出:吉田俊司  作画監督:服部憲知、森下昇吾  暗い部屋で童話を唄う少女。その赤いアザで満ちていた彼女の背中をみつめるのはあい、もちろん少女があいを呼んだのだ。お約束のセリフを告げた後、つぐみには再びあいの光景が見えた。父・一とつぐみがその光景を手がかりにやってきたのは、サーカス団だった。子供のつぐみはサーカスのファンタジーに大ハシャギするが、サーカス中に少女のヒールが折れてコケてしまう。少女の冴えない表情を見た柴田は、あいを呼んだのはこの娘だと直感した。  取材という名目でサーカス団を嗅ぎ回り始める柴田。その雰囲気は実はとてもドロドロした険悪なものだったが、何故か中には一目連と骨女も団の一員として潜り込んでいた。しかし、一目連の愛称・「もっくん」はネェよな(苦笑)。一目連と一、骨女とつぐみが初めて、直接接触した後、柴田はついに少女と対面するが、地獄通信のことを告げてもその少女は無反応だった。だが直後、ヒゲオヤジの座長がムチで少女を虐待。つぐみは再び少女が虐待を受ける光景を見る。柴田は少女が双子であるトリックを見破り、倉庫に飛び込むとアザだらけの少女がいた。しかし少女の前には1本の赤い糸が...  柴田が座長の所に駆け出す。一人残されたつぐみは、ついに直接、あいの姿を見ることとなった。座長に気に入られるのはいつも妹・ユキ、そして姉のユミは逆に虐待を受けていた。だが姉・ユミの恨み相手は座長ではなく、双子の妹・ユキだった。それもそのはず、妹はいつも細工をし、姉がサーカスを失敗するように仕向けていたのだ。「いつまで経っても半人前。私は一人で十分」。そう叫びながら地獄に流されてしまった妹・ユミ。だが妹を地獄に追いやった姉・ユミは、妹・ユキのポジションにまんまと居座っていた。姉もまた、「私は一人で十分」と、妹と全く同じ感情を抱いていたのではないか...

第17話 硝子ノ風景 (キッズステーション 2006/1/31) 脚本:金巻兼一  絵コンテ:名村英敏  演出:則座誠  作画監督:森本浩文  ようやく発売されたOP曲・逆さまの蝶買いました。素晴らしいの一言。2005年秋のアニメ作品の中でも、間違い無く屈指の名曲ですね。  「助けて」と呟く少女の声。深い霧が漂う道を車で走る柴田親子に、突如オルゴールの音が聞こえてきた。そして目の前には人影が。急ブレーキをかけて車は止まったが、「あいモード」になったつぐみは「行くな」と呟く。車から降りた柴田の前には、古びたサナトリウム(療養所)が建っていた。  誰も居ないサナトリウムの中を歩く柴田とつぐみに、再びオルゴールの音が聞こえる。そのオルゴールが置かれた部屋の扉には一人の金髪の少女が立っていた。名前はニナ。このサナトリウムの患者は、今はニナしかいないらしい。看護士の後を付けた柴田が一人の医師を見ると、彼は何かの幼虫に注射を打っていた(これの意味が良く分からんかった)。そしてつぐみに触れたニナの手は異常に冷たい。サナトリウムの隣りにたたずむ森の中にはあいの姿が。  霧が深くなり帰る手段を失った柴田親子は、地獄通信にアクセスしたのはニナと読む。一方森の中にはあいだけでjなく、一目連たちもいた。彼らもようやく柴田があいの情報(正確にはあいのビジョンを見ているつぐみからの情報)を事前に掴み行動していることに気付く。何でも今回の依頼は「魂からのアクセス」らしい。  そのニナの依頼を、あいはキッパリと拒否した。納得行かないニナだが、柴田親子をディナーに招待する。柴田が彼女の怨みの相手を聞くと、それは自分を一人ぼっちにした父親だとニナは言うが、柴田たちがいるからもう寂しくないと目の色を変えて話す。怖くなったつぐみは逃げ出そうとするが、怒りに震えたニナが蛍光灯を破壊する。柴田もつぐみもニナの手にかかりそうになるが、彼らを救ったのはあいの意志を聞き入れた一目連たちだった。  車で逃げ出そうとする柴田親子を、しぶとく追ってきたニナが車に迫ってくる。彼女の手はガラスを素通りしてつぐみの首を掴む。だがそこにあいが登場し、やめてと静かに言う。ついに柴田は地獄少女の姿を見たのだ。関係無い柴田たちを巻き込んではいけない、あなたはニナじゃないとあいが言うと、ニナの瞳から涙が零れ落ち、同時に空から雨が落ちてきた。  車中で目覚めた柴田とつぐみの目の前には、ボロボロになったサナトリウムが建っていた。そして再びオルゴールの音色を頼りに入った病室には、ニナとそっくりの人形が。あのニナは、父を待ちながらこのサナトリウムで死んだ少女の人形だったのだ。少女の悲痛な魂の叫びを、この人形が全て受け止めていたのだ。直後、つぐみの涙が人形に触れた途端、人形は硝子の目玉を残し、灰となって跡形もなく消えてしまった。つぐみの瞳から、大粒の涙が落ちた。
   あいがニナの依頼を拒否したのは、やはり生身の人間の依頼では無かったからだろうけど、逆に言えばあの刻印は人間の身体に刻まないと意味が無いということになる。うーん、それが何故なのかはよく分からんが。それ以外にも、幼虫?や突如灰になってしまった人形など、今週は現象の意味が良く分からんものが多かった。灰は上に書いた通り、つぐみの涙が引き起こしたもののような気がするんだけど、もしそうだとしたら何故彼女だけがこのような力を身に付けるのだろうか。うーむ、やっぱり分からんです(苦笑)。

第18話 縛られた少女 (キッズステーション 2006/2/7) 脚本:西園悟  絵コンテ:こでらかつゆき  演出:筑紫大介  作画監督:森下昇吾、服部憲知  子供嫌いの金持ち・下野芽衣子に2匹の愛犬を人質に取られた少女・美紀。何故ならこの飼い犬の散歩に出たとき犬たちが彼女から離れてしまい、下野の足を怪我させてしまったからだ。言うことを聞かなければ犬を殺すと、下野は美紀をイビリ倒していたのだ。このことを親にも告げられず、下野の言うことに従っていた美紀だが、愛犬の一匹・ユッキーが下野に殺されてしまう。怨みに駆られた美紀は地獄少女にアクセスし、あいから藁人形を受け取った。どーでもいいが、くじらさんマジで楽しそうな感じ(笑)。  つぐみは、ついにあいのお約束のセリフまでも口にするようになった。シンクロ率は200%というところか(苦笑)。下野の家にやってきた柴田は調査開始し、下野の家に頻繁に出入りする美紀の存在と、彼女の犬が行方不明になっていることを知る。玄関前をうろつく柴田に気付いた下野は、美紀がチクったに違いないと彼女を引っ叩く。美紀が思わず藁人形の糸を引こうとしたとき、残る1匹のピンキーが赤ちゃんを産んでいたことが分かり、美紀は元気を取り戻す。だがそのすぐ後にピンキーも下野によって虐殺されてしまう。  地獄少女の行いを絶対に悪だと信じる柴田に対し、本当の悪を裁く地獄少女は全てが悪いわけではないとつぐみは考える。この二人の意見の相違は興味深い。と、下野の家に警官と美紀の学校の先生がやってきた。そして家から美紀の悲鳴が聞こえ、柴田は二人を家の中に導いた。警官と下野がもみ合う中、花壇の土の下から顕わになったのは棺(?)。自分の親子供を殺して遺産を手に入れた下野は、美紀にそのことを知られたと思い脅していたのだ。  ようやく全てが終わったのか。だが赤ちゃん犬は、無残にも溺死させられていた。もっと早く糸を引いておけば、こんなことにはならなかったのに...後悔の思いに支配された美紀は、涙を流しながら糸を引いてしまった。  ここ数回はやや変化球な展開が多かったですが、久々にスタンダード?な地獄少女に戻った気がしますね。つーかこの救いようの無さは相変わらず心に重くのしかかります。今回は犬の散歩で思わずリードを放してしまったが故に起こった悲劇だったが、そんな日常にありふれたことが強烈な怨みに結びつくことが恐ろしく感じます。

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第19話 花嫁人形 (キッズステーション 2006/2/14) 脚本:高橋ナツコ  絵コンテ:福田道生  演出:岡崎幸男  作画監督:杉本光司、土橋昭人  今回の主役は白無垢に身を包んだ美しい花嫁・祈里(折ちゃんの出番キターッ)。鏡月院という孤児院で育ち、シスターとなった彼女は人形制作の名家・氏家家に嫁いだ。だが、幸せを掴んだかに見えた彼女を苦しめていたのは、祈里(の花嫁姿を「お人形みたい」と誉める一方、太るのは許さないと厳しい折檻を与えた姑・鏡月だった(この姑が人形製作の名手)。  泣きながら夫の元に抱き寄る祈里。だが夫も彼女の寂しさを受け止めきれない。翌朝、夫のために朝食を作ったいのりだが、何もしなくて良いと鏡月は言い放つ。そんな姑が怖いと素直に夫に打ち明けたいのりだが、それを聞いた鏡月は祈里を反省室入りにする。「自分が欲しいのは悲哀と絶望に満ちた人形だ」とは鏡月の談だがまさか彼女は、それを生きた人間であるいのりに課しているというのか。祈里は地獄通信にアクセスし、程なく祈里の元にやってきたあいの視野がつぐみにも見えた。祈里が言うには、孤児院にいた子供時代から、鏡月はお人形のような顔つきの祈里を付け狙っていたのだ。もう耐え切れない、そう嘆き悲しむ祈里は、あいから藁人形を受け取る。  つぐみの手掛かりを元にして、柴田父娘が氏家家にやって来た。すると夜空を見つめていた祈里が抜け出してきた。3人は鏡月院にやってきた。藁人形を受け取ったが、糸は引けない。でもこの鏡月院のみんなに打ち明けることもできない。何故なら、この院を資金面から支えていたのが、その名の通り氏家鏡月その人だからだ。自分達に出来ることは無いかと、柴田が祈里に言った直後、氏家の召使いに見付かってしまった。  逃げ出した祈里が確保されたと聞き、鏡月が出る。そして彼女は足が動くから逃げ出すと、再び祈里に折檻を加えた。もう耐えられない、あの人のお人形にはなれない!!毅然とした目付きで、祈里は糸を引いた。人形に魅入られ、自らを神と思い込んだ哀れな老婆の末路が、そこにはあった。だが、これから人生の尽くそうとする夫も、祈里には人形でいてくれれば良いと言う。祈里の生き地獄は、終焉を迎えたわけではなかったのだ...  久々に折ちゃんの熱演を目の当たりにしましたね。やっぱり最高ですわ。

第20話 地獄少女 対 地獄少年 (キッズステーション 2006/2/21) 脚本:広真紀  絵コンテ:大畑清隆  演出:林直孝  作画監督:小谷杏子、笠原彰  ジル・ドゥ・ロンフェール、最近巷で人気の霊能力者らしい。TV番組でニセエスパー男・ワタナベをコケにした彼は、地獄少女との対決をTV番組のプロデューサーの阿部に持ちかける。一方、柴田はつぐみを介して地獄少女にメッセージを送ろうとする。要はいつもの「逆」だ。だがそれは上手く行かなかった。そしてつぐみの能力を輪入道たちもようやく掴んだようだ。  ジルの新番組の制作現場に潜入した柴田。だが恨みを晴らす感情は間違っているのかとジルは問いただし、そして自分が持つ能力を柴田に使う。柴田に妻の墓を見せたその力は、あいと同等(同質)のものか。輪入道は二人に何らかの接点があるのではと推測する(オレもそう思うよ)。ジルはワタナベにあいを呼ばせ、自らが仕掛けた番組にあいを誘う作戦に出ていた。そしてシナリオは彼の筋書き通りに進んでしまう。ジルはTVでの人気者の自分と、ネットで人気の彼女との対決を持ちかける(あいの姿はジルと渡辺にしか見えなかった)。一目連と骨女の自由を奪う彼の力は侮れない。  「地獄」から帰って来た(結局この意味はよく分からなかった)、生まれつきの能力者である彼は、その能力のせいで迫害を受けた。その怨みの末、彼は両親を殺し、そして自分を迫害した人々を殺した。だがそんな彼の気持ちをあいは理解しようとしない。怒ったジルはあいを痛めつけた挙句、ドレス姿に着替えさせる。この「あい」はとてもイイっ(笑)。が、ジルはそのあいを炎に包み地獄送りにする。  だがあいは全く無傷。あいには桜の花びらが舞い散るなか、自分が倒れる風景が見えていた。これにはどんな意味があるのか。帰ろう、そう呟くあい。そしてワタナベは糸を引いた。ジルは自分が殺した人々に動きを止められ、地獄に落ちた。  地獄少女 対 地獄少年、だが勝者などどこにもいない。家に帰ったあいの前には、一人の少年の姿が映った。その少年を見たあいは、思わずてにしていた笛を落としてしまう。恐らく、初めて「驚き」という感情を顕わにしたあい。物語はいよいよ佳境を迎える。
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第21話 優しい隣人 (キッズステーション 2006/2/28) 脚本:福嶋幸典  絵コンテ:大畑晃一  演出:吉田俊司  作画監督:服部憲知、森下昇吾  どうしても地獄少女を止めたいと思う柴田父と、地獄少女の存在を肯定するつぐみ。意見の対立は深まっているが、それは何かの兆候なのか。そしてこういう時に、あいのヴィジョンは現れるのだ。つぐみに見えたのは、柴田の先輩の村井の娘である優子だった。早速彼等が住む田舎の家に向かう彼等を迎えたのは彼岸花、そして荒れ果てた畑。家に入ると、階段で優子が静かに涙を流している。すでに優子の父、村井は既に死んでいた。  優子は事情を話し始める。2年前、脱サラして農業を営むためこの田舎にやってきた村井に、隣に住む関根という人物が近づいてきた。畑仕事を手伝うという関根は村井父娘に親切に接し、よそ者である村井にとっても関根だけが話せる人物だった。だが拡大した畑が異常気象と害虫で荒れ始めたところで、関根は殺虫剤の提供を申し出たが野菜は全く育たなかった。その薬は何とジュースに水を混ぜただけのものだったのだ。関根を信じつづけた村井は酒に溺れ,程なく死んでしまう。実は関根と村井はこの土地のことで揉めており、村井は関根に仕返しされたのだ。全てを知った優子は関根に復讐するため、地獄通信にアクセスした。  だが柴田は優子に向かい、復讐はダメだと力説する。人間を地獄送りした事実はとてつもなく重い。そして父は復讐なんて望んでいない、そう言って藁人形を取り上げた。この展開は、一目連と骨女にとっては想定外だったようだ。優子の脳裏には、雨の中、父に抱かれたかけがえの無い思い出がよぎり、柴田は肥溜めに藁人形を捨てる。元に戻った輪入道は異臭に包まれ哀れ(苦笑)。だが藁人形を無理に取り上げたことに反抗し。柴田は思わずつぐみを引っ叩いてしまう。怒ったつぐみは外に飛び出してしまった。  あいの前に現れた少年はすぐに消えた。その少年が、どことなく柴田に似ていると思うのはオレの気のせいか。  雨が降り出した。つぐみが心配な柴田は彼女を追い、森に入る。一方、あいは優子の前に出現し、どうしたらよいか分からないと言う優子に対し、それはあなたが決めることと静かに言う。家の外ではあの関根が笑っていた。ベンチに置かれた藁人形を取り、糸を引こうとする優子。だがそこに柴田が現れつぐみが行方不明になったことを告げると、二人は必死になってつぐみを探す。  つぐみは小さな墓碑の中で座っていた。危険な森の中に飛び出したことを柴田は怒るが、すぐさまつぐみを抱きしめる。その光景はかつての優子と父の姿そのものだった。優子はもう復讐はしないと誓った。それは初めて柴田の努力が報われた瞬間だった。  だがここに極悪男・関根がやってきた。この土地を、村井が関根に借りた金の担保にすると彼は言うのだ。何と汚いヤツなのだ!。だが優子は復讐を我慢し、寂しい福祉施設に引き取られることを選択した。優子を見送ったつぐみは、やっぱり糸を引いておけば良かった、こうなったのも一のせいだと、静かに呟いた。施設に入った優子の前には1台のパソコンが。ここで成し遂げられなかった復讐を再び果たすのかどうかは、あなたが決めること。締めセリフに変化が生じたことは、クライマックスが近づいてきた1つの証だろう。

第22話 悔恨の雨 (キッズステーション 2006/3/7) 脚本:西園悟  絵コンテ:福田道生  演出:小坂春女  作画監督:笠原彰、清水貴子  あいの前に立っていたのは、仙太郎という少年らしい。朝帰りの一に対し、つぐみは何と喪服姿。2匹の蝶のブローチは、何やら運命じみたモノを感じさせる。無反応な一を残し、つぐみが一人で訪れていたのは、小川と言う名前の家だった。そう、今日はつぐみの母・あゆみの命日。一とあゆみは離婚したが、つぐみが母を想う気持ちは変わっていなかった。  学生の頃、公衆の面前で一は一目惚れしたあゆみに大告白。そのシチュエーション、恥ずかしすぎ(笑)。だがその甲斐あり、二人は結婚を果たす。だが披露宴の途中で仕事に走ってしまい、それから二人のすれ違いが始まった。その時、つぐみは地獄少女から強いメッセージを受け取る。第7セントラルホテルに林紀子。場所も名前もつぐみに伝わったのだ。つぐみは携帯を使って一に伝え、一は先を急ぐ。  仕事に没頭する夫に対し、あゆみも徐々に寂しさを覚えていく。そしてつぐみが生まれてたことで、更に一は仕事に打ち込むようになってしまった。そして政治家の不倫スキャンダルを追うのため、ホテルで張り込みを続けていた一の前に、不倫をしていたあゆみが現れたのだ。余りにも哀しすぎる展開。そして今、眼前では林に利用され金を巻き上げられた挙句捨てられた男が復讐を果たしていた。その男が発した言葉は、あゆみの不倫に激怒し離婚を決意したときの一と、全く同じだった。  離婚した後、やり直したいと家に戻ってきたあゆみを、一は冷たく突き放した。そしてその直後、あゆみの車が事故で大破し彼女は亡くなった。今までで一番力強い、あいの決め台詞。林は恐怖の余り絶叫し、地獄に送られた...憎んでも虚しいだけだ。だから復讐など認めてはいけないんだ。だが復讐に駆られた男には、一の言葉は届かない。だがつぐみがあゆみの墓にやってくると、そこには栗おこわが置かれていた。一の心にも、大きな悔恨が残っている。  ちなみに今回のゲストキャラ、あゆみ:生天目さん、林:伊藤さん。アンタらゲストキャラでも一緒かよっ(笑)。

第23話 病棟の光 (キッズステーション 2006/3/14) 脚本:高木登  絵コンテ:大畑清隆  演出:岡崎幸男  作画監督:杉本光司、土橋昭人、水川弘理  とある病棟の美人看護士と、待合エリアに佇む男がつぐみのヴィジョンに見える。柴田父娘は早速その病院にやってきた。と、二人の前に、つぐみが見たという看護士・桜木加奈子が現れ、二人とすれ違う。捜査を進める一だが、香奈子に関する近所の評判はすこぶる良く、一も加奈子を怨むアテが見つけられない。  困った一は患者として病院に忍び込むが、早速加奈子の優しさに触れる。これはオレも患者になりたいわ(笑)。同僚の看護士の評判を聞いてみるが、嫉妬を買うところがこちらも怨みなど全く無し。人は見かけに寄らないとつぐみは言うが、憎まれ口を叩くつぐみもまた可愛い(笑)。しかしこんな良い人間を地獄に送らねばならないのかと、今回ばかりはあいも戸惑っているようだ。  だが夜のナースステーションで、樋口という男が加奈子たちナースに怒鳴り込んでいた。彼は愛する妻を失った原因が香奈子のミスだと信じていたのだ。絶対に地獄に送ってやる、彼の言葉につぐみも顔をしかめる。一は早速樋口に妻の死を取材を申し込む。一方病院に残ったつぐみは、待合エリアで笑みを浮かべる男が再び見え、そして絶叫して気を失ってしまう。  一は取材の結果、樋口の主張がデタラメだとキッパリと言った。子供がいない樋口にとって妻が全てであり、その寂しさを埋めるために、加奈子に怒鳴り散らしていたのだ。そんな樋口の哀しい心を、一はゆっくりと解きほぐして行く。だが彼は地獄通信にアクセスはしていなかった。では誰が?一方、目覚めたつぐみの前に加奈子がいた。夜見たことをつぐみが正直に話すと、加奈子は仕事として冷静に、そして優しく受け止めていた。  だが加奈子がつぐみの病室から出た直後、加奈子は地獄に送られていた。つぐみの見た待合室の男、やはりコイツが彼女を地獄に送ったのだ。加奈子はこの男を知らないという。彼女と何の関係も無いはず人間が、彼女を地獄送りにしたのだ。舟の上で「助けて」と泣き叫ぶ加奈子だが、あいの舟はゆっくりと鳥居を越えていく。だが輪入道には聴こえていた、あいの心が軋む音が。こんな理不尽なことがあっていいのか!!  怨みを晴らした男は、海辺のゴミ捨て場で薬物自殺していた。狂気の愛なのか何なのか、真実は闇に葬られた。これでも怨みを晴らすことが正しいといえるのか。その一の言葉に、分からない!!とつぐみは泣きながら駆け出してしまう。そんな彼女の前に、桜の花びらが舞い落ちる。周囲の風景が変わり、そこでは少年と少女がじゃれあっていた(少女はあいに似てる。少年は噂の仙太郎か)。そしてつぐみの前に、ついにあい本人が出現。「仙太郎を知っているの?」、つぐみに投げかけられたあいの言葉は、何を意味する!?

第24話 夕暮れの里 (キッズステーション 2006/3/21) 脚本:金巻兼一  絵コンテ:わたなべひろし  演出:筑紫大介  作画監督:服部憲知、森下昇吾  夕陽の下、石を積みながら唄うあい。桜の花が開き、匂い、戻り、朽ちるというその歌詞は、とにかく不気味だ(七の子って言葉も気になる)。  珍しくつぐみの学校の風景。男子のイタズラによりアクセサリーを壊された女友達が地獄少女という言葉を口にすると、動揺したつぐみは自宅に戻ろうとする。だが学校を飛び出したつぐみの前に、何とトラックが!。マジかよっ!?。だが幸い、つぐみは軽傷で済んだ(ホっ...)。つぐみが悪いのに、トラックの運転手はとても優しかった。でももしつぐみが死んでいたら、一は運転手を怨むのだろうか。どうしたら良いか分からないつぐみは、ただ涙を流す。強がっていても、つぐみはまだまだ女の子なのだ。一はもう、つぐみの前で地獄少女のことは口にしないと誓った。  だがつぐみは母の形見のブローチを手に、このまま終わっちゃって本当に良いのかと呟く。そんな時、一は取材でハワイに行くことになり、つぐみも同行すると言う。だが直後、つぐみが「仙太郎を知っているの?」と叫び、気を失って倒れてしまう。娘を抱きかかえた一は、もう関わらない、だからつぐみを解放してくれと地獄少女にさけぶ。だが目覚めたあいは、地獄少女に逢うまでは、終わりは来ない。だから答えを知りたいと言う。  翌日、「日本の桜」という本を抱えて、一とつぐみは六道郷に向かう。旅館の露天風呂に入ったつぐみの背後に、「この景色に何か感じる?」あいの姿が。つぐみは緊張して後ろを振り向くことができない。直後、一が後を追って風呂に入ってきたが、あいの姿は消えていた。っていくら父親とはいえ女の子の裸を覗くのは犯罪だ!(笑)。翌朝、一は旅館の女将に本に載っている桜の場所を聞く。そこに何かあると一は直感したのだ。詳しいことは知らない女将だったが、近くに古い寺があり、その住職なら何かを知っているかも知れないと言う。その寺の名は「七童寺」。これがあいの歌の「七」の正体か。  早速一とつぐみが寺を訪れると、住職は柴田という姓を見て奇遇だと言う。そしてその寺には野いちごを摘みながら彼らの話を聴くあいの姿が(一たちからは見えないようだが)。自分もこの地の出身でなく詳しいことは分からないという住職だが、この地にかつて、「7つ送り」という風習があったことを話す。それは、山神様への無病息災、五穀豊穣を祈るため7年に一度、7歳の娘を山へ捧げるという儀式だった(つぐみちゃん、7歳だったのか!?藁)。陰陽の陽を現す7は縁起の良い数字。その儀式で、彷徨ってしまった幼い魂を鎮めるための寺が、この「七童寺」ということだ。そして400年前、この寺を建てたのが、柴田仙太郎という者だった。その話を聴いたあいは、野いちごを握りつぶした(彼女にも全ては分かっていなかったのだ)。柴田父娘と、あいを繋ぐ糸が今、はっきりと見えた。  一人で出かけたきり帰ってこないあいを、輪入道たち3人が心配していた。今のあいは、完全な単独行動ということだ。だが輪入道は、あいの行き先を察知しすぐに飛び出した。一方、あいのヴィジョンで見た滝の前にやってきた一とつぐみの前に、あいが積んでいた石があった。滝上を見ると、そこには満開の桜の樹が。直後、桜の花びらが舞い落ちる中、あいと仙太郎のがじゃれ合う光景が柴田父娘には見えた。そして直後、ついに、着物に身を包んだあいがその姿を現した。  「忌まわしい血は絶えていない。それが自分を惑わせた」。二人に向かって叫ぶあいの表情はかつて無い程こわばっていた。「7つ送り」の儀式で生贄となったあいは、仙太郎の手で地中にに埋められたのだ。そんな運命を辿ってきたあいの前に、再び現れた柴田という名の人間。あいは再び叫ぶ、自分は全てを受け止めたはず、だがもう一度殺そうと言うのかと。それは誤解に過ぎ無いはずだが、彼女の仙太郎に対する怨念は凄まじいもの。その怨念が蒼い光となり、一とつぐみに襲い掛かる。  だが直後、輪入道があいの攻撃を懸命に跳ね返す。このまま一とつぐみを殺してしまえば、あいが地獄送りになってしまうと、輪入道は叫ぶ。だが憎しみに心を支配されたあいは、攻撃の手を緩めない。そしてついにその怨念の光が柴田父娘に直撃し、二人は滝壷に転落してしまった。その直後、あいの身体に落雷が直撃し、周囲は炎に包まれる。だが、あいは叫ぶ。「私は構わない。この怨み、地獄へ流すが良い!!」。そこまで深い、仙太郎に対する怨みは一体何事か!?

第25話 地獄少女 (キッズステーション 2006/3/28) 脚本:金巻兼一  絵コンテ:大森貴弘  演出:小坂春女  作画監督:清水貴子、笠原彰  作画監督補佐:森下昇吾、服部憲知  あの桜の木から全ての花びらが大空に舞い上がる。地獄少女は姿を消した。水の底に吸い寄せられる一とつぐみ。だがそんな状態にも関わらず一は太陽の光をじっと見つめる...と、目を覚ました仙太郎が父親から与えられたおむすびとほお張る。と、幼馴染のあいが泣きながら家にやってきた。仙太郎はあいを苛めた幸吉に殴りかかるが、幸吉達村の少年たちは、あいが物の怪であり村に害を成す存在だと信じていた。返り討ちに逢った仙太郎を見て、あいはゴメンなさいと泣きながら謝るが、仙太郎はあいは物の怪なんかじゃないと笑顔で語る。  運命の日。「7つ送り」の儀式が始まる。「死」に向かうあいだが、その表情は凛々しい。は仙太郎はあいが物の怪だから巫女に選ばれたんだと叫ぶが、村のためだという大人たちに返す言葉が無かった。だがあいの両親は仙太郎にあいのことを守って欲しいと言う。あいも仙太郎の着物の袖を掴んで離さない。仙太郎は、自分があいを守るとキッパリと言い切った。  儀式の後、日照りが続き不作となっていた。だがそんな中、仙太郎は夜の山に入り、祠に隠れていたあいと密会する。儀式の時、仙太郎があいを助けたのだ。だが凶作は続き、このままでは村人たちの食べるものも無くなってしまう程深刻さを増していた。そして満月の夜、密会する仙太郎とあいが村人たちに見付かってしまう(その中には仙太郎の父親もいた)。あいを匿ったのが山神の怒りを買ったのだと、怒った村人たちはあいを捕まえ暴行を加えてしまう。骨女も一目連も、あいに命を救われた過去を持つ。そんな彼女を助ける手段はあるのか...  改めて行われる、「7つ送り」の儀式。仙太郎があいを助けてから、6年の時が流れていた。地面に掘られた穴にあいは投げ捨てられ、そして過去の過ちを村人たちから責められた仙太郎は、穴に土を投げ入れてしまう。「信じてたのに...」、あいの言葉が胸に突き刺さる。仙太郎は儀式の場に背を向けて逃げ出したが、あいは自分を貶めた全ての人を怨んでやると叫ぶ。そして地中から手が伸ばし復活したあいは、血を流しながら村の全てを焼き尽くす。彼女は呆然とその姿を見つける仙太郎のことを、全く見ようともしなかった。だが仙太郎は笑いながら山に登り、炎が上がる村を見下ろしていた...  つぐみが涙を流しながら目を覚ます。一と共に、あいの哀しい過去を見たのだ。つぐみは仙太郎のことが分からないと言うが、一は分かると落ち着いた口調で語る。一方舟の上、今にも鳥居をくぐりそうなあいが、静かに瞳を開く。次回こそ本当の最終回、怨念に始まった物語は、どんな結末を迎えるのか。

第26話(最終回) かりぬい (キッズステーション 2006/4/4) 脚本:金巻兼一  絵コンテ:小島正士  演出:吉田俊司、大森貴弘  作画監督:岡真理子  作画監督補佐:相澤昌弘、清水貴子、森下昇吾、服部憲知  メカ作画監督:小原渉平  「禁を犯した」あいにこの仕事は任せられれない。自分とともに地獄に還るのだ。あいの周囲に必ずいた「蜘蛛」がそう告げる。だがあいは、地獄へは戻れないと抵抗し、蜘蛛が放った糸をも弾き飛ばし、光となって現世に戻っていった。輪入道たち3人も、そんなあいに引き寄せられる。  何故仙太郎があいを助けなかったのか。それが分かるという一に問い質すつぐみだが、彼女の前から一が消え、目の前には二人が初めて出逢った踏切、そして向こうにはあいの姿。父のことを教えてあげる、あいが静かに語り掛け電車が通り過ぎると、向こう側には母の姿が。そして場面は不倫したあゆみが自宅に戻ろうとしたあの夜に。自分を、そしてつぐみを裏切ったあゆみを絶対許せなかった一は、最後に「消えろ!!」と痛烈な言葉を浴びせる。ショックを受けたあゆみは、直後に交通事故を起こし、死んでしまった。  だがその光景に、一は「オレのせいじゃない...」と呟く。この一の言葉を、つぐみは初めて耳にする。一があゆみを許してあげていれば、母を失わずに済んだのに...そのあいの言葉が、つぐみの心に突き刺さる。そしてアナタの父を、地獄に流してあげる、そう言ってつぐみに藁人形を渡そうとするあい。すぐさま「いらないっ」と叫んだつぐみだが、その手には藁人形が握られていた。  一方、一はあいの家に来ていた。地獄で与えられた罰、それが今のあいの仕事。そんな仕事を、罪を償い続け400年が経っていた。だがその時流を、一とつぐみは一瞬にしてゼロに戻してしまったのだと、骨女と一目連は一に話す。だがさすがの彼らも今はどうしたら良いか分からない状況だ。とその時、あいとしか話したことが無いお婆ちゃんが一に告げる。ここから出してやるからやって欲しいことがあると言うのだ。  自宅に戻ったつぐみは、蝶のイヤリング、母の形見をじっと見つめていた。そしてつぐみのそばには、再び現れたあい。あの光景なんてウソだとつぐみは叫ぶ。だがあいは、つぐみが心の中でずっと父を怨んでいる、母が死んだのは父のせいだと思っている、そう言葉を続ける。「違う...」、必死に否定しようとするつぐみだが、目の前にはお菓子を差し出す母、そして母の手元には藁人形。再び現れたあいは、いつものセリフを口にする。母の額から零れ落ちる血、「助けて一ちゃん...」、苦しむつぐみが絞るように声を出す。だが、「大好きな父が、つぐみから母を奪った。そんな辛く苦しい心を解き放つために、糸を引いて。つぐみの力になりたいの」、あいのその言葉に、瞳の輝きを失ったつぐみが、ついに糸に手を掛けた。  だがその時、一が自宅に登場しつぐみを止める。そして一緒にやってきた一目連と骨女もあいを止めようとする。だがあいは手下である二人を攻撃。そしてつぐみは自分を抱きかかえようとする一の手を振り払ってしまった。再び交通事故の場面。あいはつぐみに呟く。あなたが裁くのよ、と。だが一はメチャメチャになった車を前に、「オレが死ねば良かったんだ」と膝をつき涙を流す。「許せなかった、でも本当はあゆみを信じていた。あゆみが死んだのは、全て自分のせいだ。許してくれ...」、号泣しながらそう呟く一の姿は痛々しい。だが「失ったものは戻らない」、あいはつぐみに糸を解くように迫る。「あゆみが大好きだった。だが裏切った彼女に対して、いっそ死んでしまえば良いと思った。だがまさか、それが本当になるなんて...」、一はあゆみの全てを受け止めきれなかったことに、強く後悔している。その心は、あの時逃げ出した仙太郎と何が違うというのだ!?  泣き終えた一は、藁人形を握ったつぐみに「やってくれ」と静かに呟く。娘が父の介錯をするなんて!?。だがつぐみは瞳に一杯の涙を貯めながら、「辛いなんて思ったこと無かった。一と一緒で楽しかった。一が居てくれたから、辛くなかった。一は自分と居て楽しく無かったの!?」、そう叫んだのだ。何て強い娘なんだ!!一も、つぐみと居て楽しかったと、笑顔で答えた。  風景は再び六藤桜の積み石。あいは仙太郎との思い出に包まれていた。そんなあいに、つぐみは藁人形を返す。仙太郎はあいが大好きで、ずっと後悔していたはず、だからあのお寺を建てたんだ。そのつぐみの言葉に涙を流すあい。桜吹雪が彼女を包む。七童寺に戻ってきた一同。あいは涙を流しながら、七童寺を炎で燃やし尽くす。それは、あいが自分の心の怨みをも、炎に燃やし消し去ったことを意味していたのか。一は、「ありがとう、つぐみ」と声を掛け、「もう私をひとりぼっちにしないで」、一はつぐみと固く約束した。  だが雨に濡れた夜の繁華街。衣服をボロボロにされた一人の女子高生のその手には、藁人形を握られている。人の業に、終わりなど無い...    

地獄少女完結。素晴らしかったですね。放送開始当初はそれ程期待してませんでしたけど、話が進むにつれて、その魅力に引き込まれてしまいました。その最大の魅力が何だったのかと言われれば、僕は「人を地獄に送るという完結性と、人間の怨みが持つ未完結性(輪廻性)の同居」だったと思います。  この作品を現代版・「必殺仕事人」になぞられることがありますが、この作品は必殺仕事人のような悪を倒した「壮快感」は皆無でした。何故か。それは「怨みを晴らす」という業深き行いに終わりが無いことを、刻印という形で作品中に提示し、そして我々視聴者も半ば本能的に理解していたからでは無かったか。終わりが無い、だからこそ考えてしまう。その考えさせられること自体が、この作品の魅力だったと僕は思います。  それに加えて、柴田父娘のストーリーへの絡ませ方も見事だったと思う。最初はいわゆる水先案内人的な存在かと思ってたけど実はあいの過去に深く関わる存在であり、且つ自分のせいで妻が死んでしまったという深い業を持っていた父・一を、娘であるつぐみが怨みとして地獄に送ってしまうか否か、そんなエピソードを締めに持ってきたのも素晴らしかったですね。  ちなみに本作の第2期制作が決定したとのこと。やっぱり人気があったんでしょうね。でも僕としては、地獄少女の魅力は今回の第1期でほとんど語り尽くされたんじゃないかと思ってます(1つの結論を提示してくれた柴田父娘の動かし方もちょっと難しそうだし)。だから第2期には過剰な期待はしないようにと、今は思っています。
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