舞-乙HiME ~感想~

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<スタッフ>
原作:矢立肇  監督:小原正和  シリーズ構成:吉野弘幸  キャラクターデザイン:久行宏和  セットデザイン:青木智由紀  デザインワークス:宮武一貴、阿久津潤一、大河広行  音楽:梶浦由記  アニメーション制作:サンライズ
<キャスト>
アリカ・ユメミヤ:菊地美香  ニナ・ウォン:小清水亜美  マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム:ゆかな
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第1話 ユメノ☆アリカ (2005/10/6) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:小原正和、竹内浩志  演出:渡邊哲哉  キャラクター作画監督:久行宏和  メカ作画監督:大塚健  
舞-HiME終了からもう半年か、時が経つのはホントに早いな。本編の前に1つ、オフィシャルサイトのURLは「zhime」で、「乙」と「-(ハイフン)」を組み合わせて「Ζ(ゼータ)」なのはいきなり一本取られた気分。早速本編、月の斜め下に「今度は」蒼き星が瞬く夜、王宮が何者かに襲われ宮廷の侍女?がペンダントと共に赤ちゃんを川の流れに委ねるという衝撃的なシーンからスタート。EDクレジットを見る限り、恐らく侍女らしき人物はレナ・セイヤーズでヨロイの男はラドというヤツだろう。  OPは前作とほとんど同じような絵だったり、深優や舞衣っぽいシルエットがあったりと盛りだくさん過ぎです。主役のアリカは「北斗の拳2第1話のケンシロー」を髣髴とさせる「喉がカラカラ状態」での登場。いきなりダメダメじゃんと思いきや、ニナちゃんをあっさりと追い越した脚力・跳躍力を見せ付けてくれました。初回にしてアリカとニナのコンビネーションがバッチリだったのも、とても良いことです。そしてマシロちゃん、前作の落ち着き払った姿はどこへやら、今回は突撃王女ですか。これまた萌えるっ(笑)。  またしても二人でつるんでるナツキとシズルは二人ともマイスターオトメ、「五柱」のひとりだって。同じくマイスターであるマリアとユカリコが五柱なのかは分からんが、残り3人が誰で何をすべき存在は当然考えるべきことである。初回で分かった明確な敵は水晶を持った怪しげなヤツラ・シュバルツ。スレイブがやられたら呼び出したヤツ(マスター?)が消えちゃったけど、これは前作のチャイルドと想い人の関係を思わせるが、自分自身が消えるってのがちょっと違う。それからガルデローベはもちろん女性ばかりだけど、シュバルツには(今回見えた限りでは)男ばっかり。何となくだけど、舞-HiMEと比較して男性vs女性って構図がより際立っていたような気がする。その意味では恋愛話は期待薄かもしれない。  もう1度冒頭のシーンを振り返る。只ならぬ戦闘能力を持っていたレナは間違い無くマイスターオトメだっただろう。そしてアリカが「伝説の「マイスターオトメ」だったという生き別れの母親を捜している」設定を考えれば、レナ=生き別れの母親であり、赤ちゃん=アリカであることは的外れな想像では無さそうだ。にしても、なぜレナは「蒼天の聖玉」を赤ん坊であるアリカに託したのだろうか。飛行機を離陸させたり、とてつもない力を秘めているであろう(そしてアリカがその力を徐々に引き出しつつある)「蒼天の聖玉」を失ったおかげでレナ・セイヤーズはラドに殺されてしまった可能性が高いだろうが、逆に命を落としてまでも、あの「蒼天の聖玉」だけはアリカに託さなければならなかったということなのだろうが...何にせよ、またまた頭を使うアニメ作品が1つ増えましたな(苦笑)

第2話 乙女の園を駆ける疾風!? (2005/10/13) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ・演出:長井龍雪  作画監督:竹内浩志  
学園長・ナツキ様の前で、アリカはガルデローベ入学宣言!!だがたった一人の生徒の入学も、審議会の判断に委ねられるとか。って、審議会メンバーの皆さんは絶対ヒマでしょ(苦笑)。その審議会に乱入すべく、シーツ一枚を身に纏ったアリカが学園を駆ける!!てーかあの超絶嫉妬娘・シホを先頭に不審者として追いかけられただけだが(笑)。  さて肝心の審議会が始まり、反省室に入れられていたニナも被審議者として出席する(前言撤回だが、どうやらこの審議会は生徒の入学以外にも色々と決定権を持つようです)。ナツキがアリカの入学を認めたいというが、会に乱入してきた一番の被害者・マシロが大反対し、他のメンバーも同調する。  しかしそこにアリカが乱入し、再度入学を宣言。追いかけてきた生徒は大コケという何ともアニメ的なシチュで笑えた。そしてそしてついにマシロのフィアンセ・ナギ殿下キターッ。ナギは全てを決着させるべく、マシロ姫の即位式の余興としてアリカとニナの舞闘対決を提案する。ニナは毅然とした態度でその提案を受け入れる。まだまだ嵐は静まりそうにない。  2話の色々:母がマイスターだったというアリカの言葉に過剰反応したナツキとセルゲイの間には只ならぬ緊張感がある(その理由はハッキリしないが)。そしてそのセルゲイはあのレナ・セイヤーズに只ならぬ想いを寄せていたようで、過去には何か因縁があったかもしれない。それからマシロが本当の姫かどうかは、今は分かっていないようだ。14年前の事件は全てを混乱させたのか。で、そのマシロ姫のお城は風華宮っていうらしい、何だかなぁ。シホのライバル、ジュリエットは前作の凶暴さは無くなってよい娘って感じでしたが本性や如何に。あと今回気づいたけど、星空をバックに一人の少女がずっと走りつづけるEDのアニメーションは、Ζガンダムと一緒なんだよね。ってそこまで意識しますかっ(苦笑)。

第3話 はじめてのケ・イ・ケ・ン (2005/10/20) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ・演出:みなみやすひろ  キャラクター作画監督:門智昭  メカ作画監督:市川敬三  
ナギの提案に反対するマシロだったが、ナギの話術にあっさりと意見を翻す。この娘、「単純姫」の称号決定(笑)。あらか様に怪しい仮面が街をうろつく中、即位式の準備は着々と進み、アリカとニナの対決の時も近づく。ガルデローベにしか残っていない技術であるナノ・マシンはアリカと相性が良いらしい。この辺りも彼女の能力の一端か。  「やっと見つけた夢を、絶対掴んでみせる」。セルゲイの前で決意を語るアリカは、母が歌っていたという子守唄を口ずさむ。そして義父・セルゲイが慕っていた蒼天の聖玉の後継者かもしれないアリカが相手となったニナ。テレ朝のパクリじゃないが、お互い、絶対に負けられない戦いだ。  即位式が盛大に開かれる。王冠を身につけたマシロは普段のヤンチャ娘っぷりを微塵も感じさせない風格を感じさせる。そしてついに舞闘対決開始。辛うじてニナに食らいついてゆくアリカだが、戦闘への馴れという点で両者には明らかな差があった。ニナの渾身の一撃がアリカをぶっ飛ばす。決着ついたか!?だが頭から血を流しながらもアリカは倒れない。  その戦闘の裏ではあのラドが城を襲っていた。その動きを察知したシズルとラドが戦闘開始だ。二人の間から「黒い手紙に踊らされている」、「黒き谷よりの遣い」と、また色々とわかんない言葉が出てきたが、この戦いの煽りで城が崩壊する。流血で足元が少しふらつくアリカ、大丈夫か!?ちなみにアリカと会話した後にセルゲイが手紙を書いていたシーンは覚えておくべきかもしれない。

第4話 炎の転入生!! (2005/10/27) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:水草一馬  演出:福本潔  作画監督:稲吉智重  
城と同期するように倒れかかる飛行船を止めたのは、聖玉を光らせたアリカだ。だがその力はまだ不完全、彼女のコーラルローブが消えかかる。だがそこに現れたのが、待ってましたよハルカさまっ。アリカを助けるだけでは飽き足らず、ド根性で飛行船をぶん投げ危機は去った。この事件後に下された審議会の裁定は、ニナ不問、アリカ入学。正に万事OKっつーことでFA(笑)。ちなみにエアリーズ共和国のユキノ大統領閣下とハルカ准将もこの審議会のメンバーであるわけだが、この世界でもシズルに敵対心爆発のハルカ萌え(笑)。  いよいよ入学となったアリカだが、ナツキに厳しいオトメの掟を言い渡される。
 ・その1)異性と触れ合ってはならない。ナノマシンの効力が消える云々の理屈はともかく、要は「ヤッちゃいけない」ということだ。
・その2)女性の幸せを捨て、ジェムを通じて命を共有する主のために命を賭けること。オトメの宿命とも言える。
 
 アリカはエルスティン、ニナと同室となったが、お仲間ムード満点のアリカに対し、「クラスメイトは仲間じゃない、ライバルだ」とニナは言い切る。ちなみに彼女たちを同室にしたのはナツキだが、嘗てはシズルとハルカ、そしてナツキと「アイツ」が一緒だったらしい。さて、「アイツ」とは一体誰でしょうか!?答えは2ヶ月くらい後だと思います(笑)。だがそんな学園にも、「シュバルツ」や「黒き谷の遣い」を束ねるらしき「アスワド」という武侠集団の魔の手が迫っているようで、今の平穏がいつまでつづくやら不安だ。  学園生活を満喫するアリカだが、いわゆる親などの後ろ盾が無い彼女は自分で学費を稼がないといけない。こりゃ厳しい。そして彼女を見る周囲の目は奇異ならまだしも、邪魔者扱いする者も多数。中でもナンバー2のトモエ嬢、落ち着き払った態度でアリカと接する彼女だがコイツが一番油断ならないと思う。  もう一人油断ならないセルゲイは、かつてレナ・セイヤーズのことを自分の夢と評した。夜の庭園で、ニナは子守唄を唄いながらそんなことを思い出していた。って彼女が唄っているのは「星が奏でるものがたり」、先週のアリカと同じだが、二人とも唄えるという事実が意味するのは果たして何か。が、今は絞り込むための手がかりが少なすぎるので深くは考えないことにしよう(大した意味が無い可能性もあるし)。  そんな中、オトメらしからぬカジュアルな衣装で無断外出を敢行するナオチャン(今後はこの呼び方で行きます)。あからさまに怪しすぎる(苦笑)。そして一方、アリカの制服に手をかける輩が出現!!当然犯人は制服フェチというワケではなく、その目的は聖玉なのか。それとも別の何かか...

第5話 学園と制服とあたし♪ (2005/11/3) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:竹内浩志  演出:太田雅彦  作画監督:平山貴章  
朝からアリカは元気一杯!!と思いきやネボケ娘全開でなかなかよろしい(笑)。ナギ王子が視察に訪れる中、アリカは座学に大苦戦。と、勉強についていけず悩めるアリカの元にシホが怒鳴り込んできた。何と盗まれたアリカの制服が、BACKSTAGEというオトメファン御用達の店に売られたというのだ。その店には舞衣としか思えないポスターも(笑)。ちなみに、アカネ&チエ&シホのトリアスは生徒指導役も任されているらしい。  シホは金無し後ろ盾無しのアリカが制服を売ったのでは無いかと疑い、アリカは必死に否定する。そんな彼女たちの前にナツキ&マリアが現れこの件を預かるという。彼女たちはアリカに謹慎を命じたが、同時に昔アリカ母に世話になったという匿名の人物が援助を申し出たことも告げた。制服売却事件のウワサはあっという間に広まっていたが、アリカはニナに弱音を吐くと、そんな弱い決意だったのかとニナは失望感を顕わにする。するとアリカは気合を入れなおして犯人探しを決意。エルスティン&イリーナの同期組や、アカネ&チエも協力してくれるという。  街に出たアリカたちに、アカネから調査を依頼されていたカズ君がBACKSTAGEの様子を教えてくれた(てーか野郎と触れ合うこと禁止じゃないの?藁)。だが犯人の正体までは分からなかった。一方、あるバーに制服を売ったというチンピラを、ナオチャンズ(ナオ本人&手下たちのこと。今回勝手に命名)が取り囲む。その中には私服のニナもいた。  学園に戻ったアリカたちをマシロ姫が笑いに来た。こんなヤツが王を務める国の行く末が不安だよ(苦笑)。と、アカリの制服に入っていたはずのトモエ嬢のハンカチをミコトが加えているところを見るなり、イリーナちゃんは制服を盗んだ犯人をミコトと断言。とても推理とは言えない内容だったが、ナツキたちも一応それで納得したフリをした。一件落着なのか?  今回の件は上記が真相だったと学園内に広まって行く。が、その話を聴きた途端化粧室に駆け込んだミーヤ・クロシェットにニナが迫る。そう、あのチンピラと付き合っているミーヤこそ、制服を盗んだ犯人だったのだ。今度やったら容赦しないと、ニナはミーヤに鋭い視線を浴びせながら告げた。そして夜、「制服はズタズタにして机に置いておけと言ったはず」と言いながら、ミーヤを引っ叩くのは緑髪の少女。ついにトモエ嬢の本性キターッ。アリカが明るい表情を満面に浮かべる一方で、影では陰湿過ぎるカオスがうごめく。もぅ怖すぎです(苦笑)。

第6話 ニナ、まかれる・・・orz (2005/11/10) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:織原真盃  演出:渡邊哲哉  キャラクター作画監督:高野和史  メカ作画監督:市川敬三  
援助を申し出た謎の人物(性別も何もかも不明)から出された手紙。アリカ曰く、毎週返事を出すことが援助の条件なのだそうだ。それはさておき、アリカのコチョコチョ攻撃に顔を赤らめるニナ。身体全体が「ビンカン」という、ニナちゃんの「重大な」弱点発覚である。そのおかげで翌日の舞闘の授業で二人はヒートアップし、ユカリコ先生が止めに入る始末。罰として?アリカもニナと同じナオチャンのお部屋係に就任することになったが、そういったウワサが飛び交うのはオトメの雛たちが集う更衣室。ちょっとテレ東さんヤバ過ぎでしょ!!(笑)  次の日は水泳の授業。しかもスク水のマシロ姫付き!!「今日という日を、オレは永遠に忘れない(笑)」とそれはともかく、泳いだことが無いアリカは水に顔をつけるという子供レベルの特訓に大苦戦。だがプールに潜む謎の軟体生物出現!!このワナを仕組んだのは巻き巻き女・シホ。身体中をとてつもない攻められまくった敏感なニナは溺れてしまう。とその直後、彼女を救うためアリカが豪快にダイビング。自分を助けに向かってくるアリカに、ニナはある大人の女性の姿を重ねるのだった。  ニナは保健室のベッドで目覚めた。アリカもろとも溺れたニナを助けたのはエルスティン。彼女が人工呼吸したおかげで助かったのだが、直後にニナはベッドに顔を伏せながら涙を流してしまう。彼女がショックを受けたのは、(おそらく初めてであろう)口唇を奪われたことだったのか、父にハジをかかせたことだったのか...ナオチャンはニナを単純でバカだというが、ニナは頑張っていると、アリカはナオチャンに噛み付く。ナオにとって、ニナもアリカも興味深い後輩であることは間違い無い。ちなみにウォン少佐は、アルタイのオトメ候補をスカウトしてはガルデローベに送り込んでいるとのこと。一方、何者かが保管された砂糖を塩に変えた。これは何?  ニナは自分を襲った生物をゼリーアンギルと突き止めた。塩水に触れると白化し視認可能と聞いて、早速ニナたちはプールに塩をぶちまける。が、そいつは何と砂糖を吸うと巨大化する生き物だったのだ。ゼリーアンギルの触手がシホとエルスを襲い、何とかエルスを助けたニナも自身が捕まってしまった。って触手までやりますかサンライズ!?(笑)  だがそこへナオチャン出現。さすがの戦闘力を披露し、あっさりとアンギルを八つ裂きにしてしまった。これにて一件落着だが、ニナの行動を先読みし塩と砂糖を摩り替えたヤツはやはりトモエ嬢か?ニナが見た大人の女性といい、まだまだ油断できない展開が続く。

第7話 蒼の舞/乙女の契り (2005/11/17) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ・演出:長井龍雪  キャラクター作画監督:竹内浩志  メカ作画監督:大塚健  
「偽者のお姫様」とナギ王子に一蹴された過去を持つマシロ。それが未だ悪夢出てくるのは、それが彼女にとって相当なコンプレックスいうこと(そんな彼女にも蒼の星が見えている)。さて、オトメたちに休みは無し。アリカのバイトは彼女自身が壊したともいえる城の修復工事現場。ナオチャンにピッタリと言われたらしいが確かにその通り(笑)。だがその工事現場ではウワサの黒い手紙を受け取っているヤツがいた(黒い手紙で隣人が破壊者になると、ナギは言った)。またしても不穏な空気が漂う。  現場にやってきたマシロはデザインが気に食わないと「工事やり直し命令」を下す。そして「そんなことする人は王様じゃない」と反発するアリカに、何とマシロは涙を浮かべながら平手打ちをかますのだ。ウォン少佐は、14年前に族が襲い国王と女王が殺され(お付きのマイオトメ=レナの引退直後だった)、その娘とされたマシロに偽者の噂が上がっていることを語る(このシーンのBGMはマシロが歌うあの「子守唄」)。一方、寂しき王宮に戻ったマシロになんとナギ王子が手をつかみながら求婚!!その場は何とかアリカが乱入し事なきを得た?が、ホッとしたのもつかの間、アリカとマシロは隠された地下室への扉に入ってしまう。  地下は古き十二王戦争時代の廃墟のようだった。その戦争に終止符を打ったのが真白なる金剛石を持った最初のオトメ(=フミさん?)とか。彼女たちが辿り着いたのは、「3つの席」が並べられた大型のオルガン。マシロが音を鳴らすと天に向かって一筋の閃光が放たれ(一瞬だけ光を見つめる深優登場)、アリカのジェムの宝石が割れた。そしてそこに何者かの幻影が現れる。「ハルモニウムの力を手にするには、歌と紡ぎ手と守り人を揃えよ」と、幻影、いや「ミコト」は言う。(ハルモニウムとはドイツ語でリードオルガンのこと)  そこに突如出現した怪物。アリカの祈りが通じ、聖玉から二つの蒼き石が出現。アリカが1つを自らのジェムに、そしてもう1つをマシロの指輪にはめこみ、二人は契約を交わす。アリカは初の本格変身、そして蒼き槍で敵をぶっ倒した。図らずも契約を交わしてしまった二人は今後どうなるのか、楽しみです。
   この作品の1つのポイントとなっているのが、主役の3人が皆、孤児であるという点。まず数字の「3」に対して、今週は1つのカギが示された。もちろんそれは「歌」と「紡ぎ手」と「守り人」の「3人」のこと。アリカ、ニナ、マシロがそれぞれどこに当てはまるのか(或いは当てはまらないのか)。現時点では予想困難だが、前作には無かった「音楽」が今後の見所の1つなのは間違い無い。  そして「孤児」という点についてだが、彼女たちの血筋の候補となるのは今のところ、「伝説のマイスターオトメの娘」、「14年前の事件で行方不明となったヴィントブルーム王国の王女」の2つである。オトメを引退したレナ・セイヤーズが赤ん坊の王女様を(1話の通り)聖玉と共に川に流したというのであれば、王女はアリカということになるが、どうも違うような気もする。この点は今のところ、2つの椅子をめぐる「椅子取りゲーム」なのかもしれない(残り1席はミネバ・ザビのようなかなり可愛そうな存在ってことは無いよね!?)  ということで、1話の時に書いた予想は多分外れてます(笑)が、無視できないのが、3人とも歌える「子守唄」の存在。これは(おそらくレナが歌っていたであろう点から)3人の生い立ちにも、そして当然「音楽」にも関わりがありそうで、これが謎をより深いものにするための絶妙なスパイスとなっている。こうやって考えると、やっぱり複雑だわこのアニメ。

第8話 運命の軛 (2005/11/23) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:須永司  演出:横山広美  作画監督:LEE SI MIN  
ハルモニウムをあっさり見つけたことにナツキは驚きを隠せない(契約を交わしたことはバレバレ)。だがその音を奏でてしまったことが最大の問題とか。関係者全員に封印が解かれてしまったことがバレたわけで、彼らの動きが活発化することが間違い無いからだ。  アリカは授業をサボった罰として、「真祖・フミ様のお墓」掃除。どうでも良いが、モップ掛けはどうして「うりゃー」って声が出るのか(笑)。フミ様が終わらせた十二王戦争ってのはその数字から前作と深ーい関わりがあるようです。てーかもっと早く気づけよオレ!(苦笑)。でもその時が機械文明真っ盛りな世界だったようなので、風華学園時代そのものとはちょっと違うような気もする。ちなみに掃除ロボットでゴミを増やしたイリーナはスクルド二世襲名決定(笑)。  二期連続での試験最下位は退学だが、アリカは契約解除の方法を必死に探す。そんなアリカにシズルが近づきあっさりと情報収拾達成。ま、アリカの正直さは1つの魅力なワケだが。夜道、いきなりアリカの前にミユ出現(小鳥となったアリッサ付き)。この二人は古くからの知り合いらしいが、ミユがターゲットの娘にツバ付けといた、というところか。石はミユの手であっさりと外れるが、契約解除には至らない。ミユ曰く、解除のカギは禁書庫にあると言う。  早速書庫に忍び込むアリカたち。ニナも父から聞かされた契約の件を探るため同行する。ナオチャンが入り口のカギを挿し込み、アリカが「開けイワシ」と口にすると扉はあっさり開いた、って何それ(笑)。書庫は即ちデータバンクだったが、その制御は不可。そして書庫の奥に歩を進めると、そこには何とマイスターオトメのお墓があった。ただただ驚くアリカたちの元に、マリアおばさんが登場。  お墓の1つは、かつて彼女が部屋係として仕え、50年前の竜王戦争で命を落としたオトメのもの。竜王戦争はまさに乙女戦争であり、主人を守るため乙女同士が殺し合う凄惨な戦争だった。だがその宿命を拒むことなどできない。事あらば、親友であっても討ち合う覚悟が必要だと、マリアは厳しい表情で語る。そのマリアに、アリカは戦争なんてさせないと反論するが、ジェムを割ってしまったことがバレてしまい、罰としてニナたちを巻き込み今度は外壁掃除。ど疲れさん(笑)  だがナギは黒い手紙の差出人と接触し、アスワドの活動も本格化。アスワドのセリフを聞く限り、エアリーズ共和国に一波乱が起こりそうだが、そのアスワドの頭領は何とミドリ!?イリーナの「戦争なんて起こらない」との発言に笑顔で同意したアリカだが、戦乱の影は確実に忍び寄っている。

第9話 海-水着+遭難=? (2005/12/1) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:須永司  演出:みなみやすひろ  作画監督:門智昭  
先週ナギと会っていたのはジョン・スミス、幽霊組織・シュバルツの交渉人。前作でシアーズ財団の交渉人だった彼が、今回はシュバルツですか、フーン...オトメの試験でアリカ撃沈。てーかサブタイトルがテストの問いならオレもワカラン(苦笑)。だが試験のメインイベント、「遠足」が残っているらしい。  その遠足、素晴らしい景色が広がる海を前にアリカの気合も入る(ここはエアリーズ共和国らしい)。ナギやマシロ以下、招かれざる客もいるようだ(苦笑)が、遠足の正体は二人一組で装備を満載し100kmもの山道を踏破しながら美味しい夕食を作るという過酷な試験だった。アリカはエルス、ニナはトモエとペアとなったが、アリカとエルスの装備に細工しているヤツがっ。  翌日、いよいよ試験開始。コーラルたちがみな大苦戦する一方で、巨乳、貧乳、熱愛と、外様たちも色々と騒がしい(苦笑)。体力の無いエルスちゃんがヘビに噛まれ、彼女の身体を気遣うアリカはここで休んで夕食を作ることに。アリカの作ったとてつもなく不気味な夕食をテストするのはシホ。それを口に入れた瞬間、怪物の悲鳴が漆黒の夜空に響き渡った...ニナ&トモエの夕食は超豪華、食材はどっから持ってきたんだ(笑)。イリーナちゃんたちはワライダケで笑いまくり。  体調不良気味のエルスちゃんは「ぷるぷる」らしい(笑)。エルスは感じていた、夢にまっしぐらなアリカが将来スゴイオトメになるだろうことを。逆に成績が良いだけで本当の夢を持っていないエルスは、アリカの胸の中で泣きじゃくる。一方、ニナとトモエは寝袋に入っていても張り詰めた雰囲気を漂わせている。表面上、シズルを素敵なお姉さまだと尊敬しているように見えるトモエだが、それは乗り越えなければならない壁であると認識しているからなのか。そしてこの山林にアスワドが侵入。彼らの目標とは何か!?(蒼い星も見えている)。とにかくやばいことになってきた。  翌日、再び目的地を目指すアリカとエルスだが、完全に道に迷ってしまい、エルスの身体も限界を越えてしまった。だがマーカーの故障で遭難信号が出せない。アカネたちからもアリカの居場所が確認できず、完全遭難状態である。だがアリカはエルスの身体を洞窟に避難させ、一人で助けを求めに外に出た。  だがアリカは断崖絶壁を乗り越えた先に、なんと兵隊の死体が。そしてアスワドのサイボーグ、ムチムチ男(?)が出現。彼の攻撃に追い詰められたアリカは崖から転落し、真っ逆さまに海に落ちてしまった。彼女の身が案じられるが、次回は何やらウォン少佐が我らがアリカちゃんと大変なことになるようで、ヤバイ、ヤバ過ぎるよ(笑)。

第10話 それが乙女の一大事 (2005/12/8) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:水草一馬  演出:福本潔  キャラクター作画監督:門智昭  メカ作画監督:大塚健  
ナギはアリカ救助のついでに十二王戦争以前の遺跡を見て来いと、ウォン少佐に命じる。アスワドたちの狙いもそこだ(テクノロジーの復興のカギがある?)。だがムチ男・ルーメンはスレイブを呼び出し、少佐のボートを破壊する。そしてその様子を伺うのはあのジョン・スミスだ。エルスは助け出されたがアリカは、救助に向かったウォン少佐と共に未だ行方不明であり、踏破試験は中止となる。その報を聞くなりニナとマシロは不安を隠せないが、トモエはニヤリ。  エルスは活性化剤を投与されて無事だったが、そもそもアリカとエルスの二人には事前に投与されていたはずの活性化剤が効かなかった?先週の細工が原因か。父の居場所を突き止めたニナはすぐさま飛び出そうとするが、シズルはニナと平手打ちし落ち着かせる。  アリカを助けた少佐は、二人きりの夜を過ごす。身体が冷えて苦しむアリカは、寝言で死んだばっちゃんのことを呟く。彼女もまた、孤独に苦しむ少女なのだ。ウォン少佐は水で冷えたアリカの服を脱がせ、自らの肉体でアリカを暖める。ってえぇぇーーーっ。そりゃヤバ過ぎるだろ!!(笑)。エアリーズの遺跡はかなり昔に建てられた研究施設らしい。その遺跡にアスワドが居座り、そのすぐそばでボートの残骸が見付かったとの報がアカネたちからもたらされる。そしてすぐさま助けに行きたいというニナの想いを、ナギたちは聞き届けた。  目覚めた「全裸状態」のアリカは目の前のヘンタイ少佐に絶叫。そして「粗末な胸」セクハラ発言をかます少佐にもう1発絶叫。「何もしちゃいないから」ってフォローする少佐だが当たり前だっ(怒)。しかし外に出た二人は、「呼び名はセルゲイで構わない」と絆深め合いモード全開。だが歩を進めると、ジョン・スミスのおかげで遺跡を守るアスワドたちに見付かってしまう。さすがに4人衆まとめての相手は辛い。しかしそこにハルカキターッ。って未認証でズッコケ(笑)。ニナやシズルもアリカたちを助けに来てくれたが、ニナはアリカが父を「セルゲイ」と呼んだことに愕然とする。  ナツキとミドリが対峙。ガルデローベは科学技術を秘匿し世界を歪めている元凶と、ミドリは痛烈に批判する。ガルデローベは一国の軍事力に匹敵する力を持つマイスターオトメを輩出するための組織であるはずだが、その目的はもしかしたら凄惨な戦争を招きかねない、科学技術の高度化を防ぐことにあるのか!?それはともかく、改めてハルカがマテリアライズ。ミドリもついにその全貌を顕わにし、二刀流でシズルと鎬を削る。しかしそこにスミスが乱入し、ミドリが遺跡から採取したカプセルを奪っていった。シュバルツはおそらくアルタイ国ナギの私組織であり、スミスのことは当然ウォン少佐も知っている。  ミドリとシズルの激しい戦いは続く。その時ミドリが何と愕天王を召還!!車輪部分がタイヤっぽくなっているところ以外、どこからどうみてもガクテンオーである(笑)。二人の壮絶な戦いにアリカもただその様子を見つめるのみ。だがミドリのジェム(?)が壊れ、彼女はとりあえず退却した。だが去って行くミドリに、ヨウコ姉愕然。彼女が持っている幼いころの写真には、彼女とミドリとどう考えても黎人としか思えない少年が写っていた。もぅワケわかんねー(苦笑)。  一連の事件もこれにて一応の幕。って、夕陽に向かって気合を改めるアリカちゃんはどーよ(笑)。しかしウォン少佐とのあしながおじさん状態はどこまで続くのか。そしてウォンに裏切るなと釘を刺すナギも不気味。そしてそして、ついに明確にその姿を表したチャイルド。これでOPの通り舞衣がカグツチで爆走したらどーなるのよホント(苦笑)。イヤー、ボリューム満点ですわ。
   ちなみにアスワドの4人衆「ラド」、「ルーメン」、「ガル」、「ダイン」は全て物理単位である。こんな設定からも、アスワドの科学技術に対する執着(因縁?)を感じずにはいられない。

第11話 HAPPY☆BIRTHDAY (2005/12/15) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:竹内浩志  演出:太田雅彦  作画監督:森下博光  
不明だったニナの誕生日を9/7に決めたのはセルゲイ。そしてマシロ姫の誕生日も9/7。セルゲイ、ワザとだな(苦笑)。ニナはアリカが父親を「セルゲイ」と呼んでいたことに未だ憂鬱。一方ナギは、「ホンモノのお姫様を制するものが、世界を制す」と、セルゲイに姫探しを命じる。やはり、ホンモノの姫が誰かなのかは、1つの大きな焦点である。  コーラルオトメたちのお昼休みは試験話で盛り上がり。アリカが試験で20番台にジャンプアップ。これも「再」踏破試験で最速タイムを叩き出したおかげであり、間違っても勉学の方が良くなったわけでは無い(笑)。ちなみにニナとトモエのワンツーはもはや指定席らしい。所変わって理事長室。やはりミドリの言っていた秘匿された技術は、ナノマシンの制御技術のことらしい。ローブへのマテリアライズはその中でも特に高度なもので、ミドリの愕天王はその一歩手前の技術のようだが。「力を求める先には滅亡しかない」、それがナツキの信念であるのだが、あのオルガンが鳴って以来、その技術を狙うものが多数現れ、かりそめの平和が脆くも崩れつつあることに彼女も心を痛めていた。  さて、ニナの誕生パーティ開催で盛り上がっているところに、アリカとニナをマリアが呼び出し、ジパングの王を出迎えるマシロのお供を命じられる。ってジパングの王って誰よ!?その誕生日、ニナにはウォンから海中時計に繋ぐチェーンがプレゼントされ、同じくアリカにはオジサマからぬいぐるみ一杯のプレゼントが届く。何と9/7はアリカの誕生日でもあったのだ。その事実にニナは驚愕し、部屋を飛び出してしまう。失った自分の夢であるレナの娘(=アリカだと、ニナは想っている)と同じ誕生日をウォンは自分に与えた。ニナの心は深く傷ついた。アリカが自分の誕生日を知った手段は、やっぱりばっちゃが言っていたってことなのだろうか...一方、サコミズとアオイは、来るジパングの王とマシロお見合い話を密かに企んでいた。  王子を出迎えに駅にやって来たアリカとニナは、目付きの悪いゴロツキの少女を見つける。かつての自分も同じような境遇だった...ニナはこの少女に優しさを見せる。だがなんと大切な時計がこの少女に奪われてしまった。アリカとニナは何とか少女を捕まえるが、少女は何と懐中時計を投げこんだ。時計は運良く通りかかったボートの上に落ちた。が、ニナはすぐさま服を脱ぎ捨て泳いで追いかけようとし、アリカが必死にニナを止めた。この時計、彼女にとってこれ程まで大切なものなのか...  ボートのオヤジを捕まえた二人だが、時計はカラスに奪われてしまったという。「それ、どこのカラスですか?」とマジメに聞くアリカ可愛いよ(笑)。アリカは森中のカラスに聞いてみると本気で言うが、ニナはもういいと叫ぶ。あの時計は父からもらったかけがえの無い誕生日プレゼントだが、その誕生日が偽りと分かり、そしてその因縁の相手が今自分の眼の前に居る...ニナはアリカに、どうしてここに来たのかとアリカに言う。アリカさえ来なければ、父は自分だけを見つめていたのにと。えーーっ、もしかしてニナたん、「そういう」こと??  さて一方、王子を出迎えるクルマからマシロが脱走。街を歩き回るマシロをよそに、ミコトが時計を奪ったカラスと格闘し、樹から落下したミコトの直撃を受けたマシロが気絶してしまう。そのマシロを物陰に運ぶのは何と巧海!?そして残された時計を何者かが奪う。  アリカはニナに、ウォン少佐のことが好きなのかとニナに聞く。当然その「好き」は、父と娘としての家族愛で無い。ニナは顔を赤らめて俯いてしまう。それが彼女の答えであることは明白だった。そしてニナはあの試験の夜、二人の間に何があったのかとアリカに聞き返す。顔を赤らめたアリカがセルゲイとは何も無かったと言うと、ニナは疑うような眼差しを投げる。だがアリカは、時計を絶対に見つけ出さないといけないと、気合を入れなおす。  とそこに、「諸悪の根源」セルゲイ本人登場。さっきのことはヒミツだと、アリカに釘を刺すニナ。何とニナの時計を拾ったのはセルゲイだった。セルゲイは改めて、チェーンのついた時計と共に、誕生日おめでとうと言葉を贈るのだ。今日は二人が出逢ってから丁度6年。そう、9/7の誕生日はセルゲイとニナの二人が初めて出会った日だったのだ。  さて、マシロ不在の緊急事態の中、ジパングの王がヴィントブルームの地に降り立つ。って王子様は晶君かよっ!?巧海といい晶といい、またしても大変なことになってきた...

第12話 仮面舞踏かい? (2005/12/22) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:須永司  演出:長井龍雪  作画監督:山元浩、星野真澄  
待てども姿を現さないマシロ姫、当然晶君は激怒モード。このままではアリカたちもジパングの慣わしに従いハラキリ....この危機に、サコミズとアオイは何と天真爛漫さならマシロに負けていないアリカをマシロの身代わり案を提案する。おぃおぃ、アリカファンにとっちゃまたしても極大の萌えシチュじゃん!!(笑)  ナギ君がマシロに渾身の告白!!ってこれは当然マシロ姫の妄想夢。彼女は川岸のテント群の中のベッドで目覚めた。目の前には巧海の姿が。一方、可憐なドレスに身を固めたマシロ姫、ではなくアリカ姫登場。って緊張しすぎな我らがお姫様(笑)。しかし晶は自らを鴇羽巧海頭忠頼(たくみのかみただより)と名乗り、アリカの掌へキス。アリカは真っ赤。そしてなんとニナがマシロ姫のオトメであるアリカと名乗る。晶は今回、ガルデローベを視察するという。  マシロはヴィント市内にこのような貧しい風景があることにショックを受ける。そこにはニナの時計を奪った少女・ミミもいた。巧海は自らを尾久崎晶と名乗り、そしてマシロはニナと名乗る。もぅワケワカラン(苦笑)。街では誕生日のパレードが開始。車中、ニナにとっくにバレていたマシロとの契約のことと、ウォン少佐の件が、アカリ&ニナお互いのヒミツとなる。街に飾られた本物のマシロの飾りは、危うくアオイ&サコミズが回収する。晶君の心配をよそに、巧海は今日が誕生日と言うマシロに白い花をプレゼントする。心のこもったプレゼントを受け取るのは、マシロにとって初めてのこと。そして巧海がマシロの髪にその花を飾り、二人は街にデートに出る。  デート中、今回も身体に病を抱える巧海は薬を服用していた。その彼は、人を探しに街にやってきたという。だが自分をお人好しと叱り、かつてこの街で暮らしていた彼の姉はもういない。って、さっさとマイたん出してよーっ(叫)。一方、ガルデローベを視察にやってきた晶君、そのイケメンっぷりにコーラルたちにも大人気だがアリカのやる気は完全にナッシング。混乱する世情の中、ナツキはジパングを味方に引き込むことを考えていたが、シズルは晶が偽の王(しかも女性)であることを見抜き、晶に襲い掛かる。とそこにアリカも乱入。煙玉で逃げた晶をシズルとアリカが追う。  夕陽が沈みかける。もう二人のデートも終わりを迎えた。巧海はマシロに、この国の女王が真っ先に為すべきことがあると言う。それは貧困に苦しむ人々を救うこと。言い訳になっていない言い訳を繰り返すマシロに対し、キミは幸せと巧海は静かに言う。だが突如、巧海が苦しみ出す。そこに逃げてきた晶が真っ先に飛び込み巧海の身を守り、マシロをニナが守る。そして直後、晶の懐から印籠炸裂、アリカたちを黙らせた後、「再び」薬を巧海に注入した...この異常なシチュにマシロ姫はただ絶叫。  オトメの存在が安定が秩序をもたらすと、ナツキは信じている。だが巧海は、恐るべき旧時代の科学力と一国の運命を女の子に背負わせるこのやり方に疑問を呈していた。彼は言う、炎樹の紅玉(えんじゅのこうぎょく。字間違ってるかも)、恋と夢に引き裂かれたその人のことはどう説明するのかと。その巧海はジパングの王として、ヴィントブルーム国初め西邦諸国に対する不干渉を貫くことを告げに来たのだ。  マシロは巧海に贈られた一輪の花を大事に飾り、ナツキはコーラルだった乙女の写真を見つめる(写真中、パールだったシズルやハルカはナツキやマイの年上なのね。その他の5人は誰が誰やら...)。ジパング王帰還の日、王の見送りにマシロは来なかった。何も知らないアリカが「またね」と手を振るあどけない姿が、心に突き刺さるよ...

第13話 茜色の空に・・・ (2006/1/5) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ・演出:渡邊哲哉  キャラクター作画監督:竹内浩志  メカ作画監督:市川敬三  
てーか再びアカネに危機が迫りそうなこのサブタイトル、大丈夫かよっ!?とてつもない不安を抱えたまま本編へ...  乙女が過ごすお昼時。だが美味しそうなプリンを前に、何故か我らがアリカは憂鬱全開。何でも食欲が無いらしいがその原因は不明とか。だがこれは「一大事」である。外に出るとアカネとカズ君デート中。森の中、二人は静かに愛を語る。だがカズヤがキス以上のことを求めると、アカネは絶叫し拒絶する。何だかなぁ...そのアカネが突如、フロリンス王家のマイスターにることになった。チエたちトリアスもコーラルたちもアカネを祝福するが、カズヤのカルデアとフロリンスの仲が険悪なのが、一抹の不安を募らせる。  部屋で置き忘れられたニナのペンダントを見つめるアリカは、ウォン少佐を見た途端に顔から湯気が出てぶっ倒れる。ゲッ、病気の原因はコレかよーっ。気が付いたアリカは保健室のベッドの上、ニナが運んでくれたのだ。ヨウコ先生はアリカの病気が神様でも治せないのだといい、炎樹の紅玉の伝説のことを語る。恋とオトメの狭間で悩んだ炎樹の紅玉は、神祖に五柱たれと命じられ、夢も希望の失った彼女は神籬(ひもろぎ)の森から戻らなかったと言う。だがトモエは、男に恋をした炎樹の紅玉をバカにする。一方ナツキはアルタイ国境付近でスミス発見の報に、シズル派遣を決めた。  アリカが庭を歩いていると、ナオちゃんとアカネが密談中。アカネは悩みを素直にナオに告げ、ナオはナオらしくアカネを励ます。アカネはアリカに恋をしたことあるかと問う。そしてどうして恋なんかしちゃうのかと、彼女は涙ながらにつぶやいた。一方アルタイ国ではナギとスミスがハルモニウム起動に関する情報と、そしてミドリから奪ったデータから高次物質化技術が使えそうだと語っていた。  トモエはシズルとのしばしの別れを惜しみ、校門まで見送った。とそこへバイトに出かけるアリカがシズルと合流すると、トモエの表情が曇る(怖っ)。そして二人が歩いていると、「大好きだけど夢も捨てられない」、そう泣き叫びカズヤから逃げ出すアカネの姿が。だがその直後にスレイブが出現、シズルはこの場を引き受けようとするが、アカネは戦わせて欲しいと強く願った。それは即ち、完全に恋を捨てるという意味だ。そしてこの風景を撮影する黒男の存在が...  スミスの言うとおり、以前よりもパワーアップしたスレイブにアカネは苦戦する。シズルは周囲を探しまわりようやくスレイブの憑坐(よりまし)を発見するが、アカネが大ピンチに襲われる。だがその直後、憑坐が先の黒男に狙撃されスレイブは消滅、何とか危機は去った。戦闘後、アカネはカズヤにさよならと別れを告げ、飛び去っていった。アリカは後を追わないカズを責めるが、シズルは何が一番大切かを決めるのはその本人だと静かに言った。  マイスターの叙任式。凛として涼やかな、アカネの表情。だが国王に指輪を授けようとするその時、式場の扉をぶち開けカズ君がキターーっ。「アカネのためなら、全てを捨てる!!」。その言葉に、アカネもカズヤの胸に飛び込んだ!!トンでも無い「恥ずかしい」光景を目の当たりにしたアリカ以下、コーラルたちの顔は真っ赤。そこにやって来たウォン少佐は、こんな光景に憧れるかとアリカに問うと、アリカは全く答えが出せない。そしていつもの軽口を残し去って行く少佐の後姿を、アリカはじっと見詰める。もう決定的じゃん何だよそれーっ(怒)。  だがその夜、突如オトメ同士の戦闘開始の報が入る。正に風雲急を告げる事態に、さすがのナツキも慌てる。てーか最強・舞衣たんの登場はマダですか?(笑)。

第14話 オトメのS・O・S (2006/1/12) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:須永司  演出:みなみやすひろ  作画監督:椛島洋介  
ロムルスとレムスの間で起こったマイスターオトメ同士の戦闘は何とか落ち着いた。人民の動揺を鎮めるべく、緊急の審議会が開かれたが、会議は紛糾の一途を辿る。一方、コーラルたちはメイクの授業に臨むが、既にウワサは広まっており、険悪な国同士の出身者の間には微妙な雰囲気が流れていた。それがヤヨイとミーヤだった。皆の揺らぐ心をマリアは叱咤するが、恋の病に冒されたアリカは、この一件を軽々しくケンカに例えてしまい、ミーヤは大泣きしてしまう。最近特にヘンだとニナに言われ、とりあえず否定するアリカだったが、これは重症である。  紛糾した審議会は一時休会。ナツキとセルゲイの会話の中で、卒業記念試合ってのが近いことが判明。そんなことをしている場合では無いと思われるが、だからこそオトメが何なのかを見つめなおす良い機会とナツキは言う。一方、オトメ同士の戦闘が起こったことにハルカ様激怒。「オシリペンペンしてやるんだからっ」と意気込むが、あっさりユキノに止められる。てーかアンタ、目立ちたいだけでしょ(笑)。ミドリは静かに空を見つめ、マシロはヒステリーを起こし(こっちも恋病?)、そしてスミスとナギは本格的な準備を始めている様子だ。  アリカは聖玉を見つめながら過去のことを振り返る。絶対オトメになると誓ったはず、でも恋もしてしまった。アリカの近くにずっといたエルスには、アリカがセルゲイに恋をしてしまったことが分かっていた。アリカはエルスの胸で大泣きする。落ち着きを取り戻したアリカに、エルスは蒼天の聖玉のことを話し始める。  一方、学園ではナツキからアスワドという言葉を聞いてヨウコは愕然とし、そして戦闘が行われた場所に到着したシズルにミユが接触する。彼女曰く、今回のスレイブはコピーではなくチャイルドにより近いものらしい。彼女は封じられた黒い力が動き始めているとシズルに警告し、去って行った。  落ち込んだミーヤにトモエが接近。1つお願いがあると言う彼女は、再びミーヤに何をさせようと言うのか。ウォン少佐はナギからの命令が書かれた手紙を読み、落ち着かない態度を取る。とそこにヤマダ接近。15年前の事件を知る宮廷女官の生き残りの居場所を教える。ナギの忠実な部下である一方で、15年前の事件の真実を探ろうともしている。この件についてはやはり彼個人の意志で動いていると思われるが...  レナが好きな人と結ばれるために聖玉を外す決心を固め、そして15年前の事件で自分の赤ちゃんと共に行方不明となったことを、アリカは知った。オトメとして、女性として、レナは人生を鮮やかに駆け抜けたのだ。アリカは自分の本当の気持ちを確かめるため、セルゲイの元に駆ける。  そのセルゲイがやってきたのは、河岸に建てられた崩れそうな小屋。そこで一人の老婆が静かに終わりの時を待っていた。彼女曰く、あの事件の時、レナは自分の娘を女官に託し、赤ん坊の姫君の首に聖玉をかけ城を出たのだと言う。ということは、アリカがヴィントブルームの王女様ということか!?だがそのアリカが暗い夜道で暴漢たちに捕まってしまった。清く正しい「白色」らしいが見えなかったぞ!!という指摘はともかく、「ここで乙女は卒業だ」と笑いながら語る暴漢たち。コイツら、やはりトモエの囁きで動いたのか。ともかくこりゃマジで大ピンチかも!?
   初回の感想で、「恋愛エピソードには期待できないかもしれない」と予想したんですが、大ハズレでした(笑)。ま、やっぱり女の子が主人公であれば、恋の話は外せないわな。だけどその分、アリカ自身にバトルが少ないのは少し不満と言えば不満です。

第15話 アリカ、泣く。 (2006/1/19) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:よこた和  演出:宅野誠起  作画監督:門智昭  
夜の闇にアリカの叫び声が響く。だがチンピラたちがアリカの衣服に手をかけたその時、セルゲイが助けに来た。銃で一発脅しを入れられると、チンピラたちはあっさりと退散した。だがナオチャンズがチンピラどもを捕獲、てーかこのチンピラの命は無いな(笑)。助けられたアリカはセルゲイの胸の中で号泣する。一方、ペンダントの写真を見つめ、そして大事に抱えるニナからエルスは目を背ける。アリカとニナ、二人の気持ちを知ってしまったエルスは、さぞかし辛いだろう。  鏡をじっと見つめ、そしてアリカは何かを決意する。ベンチに座っていたセルゲイに、アリカはありがとうと言う。二人は夜の街を少し歩くことに。一方、学園を飛び出そうとするミーヤがトリアスに囲まれる。ナツキも飛び起こされ、学園内は騒然とする。  美しい夜景を見て、アリカは大喜び。彼らの話からすると、ここは地球では無いらしい。そしてあの蒼い星はアリカたちだけでなく、トモエやセルゲイたちにも見えるようだ。ばっちゃが「燈台」と言っていた「導きの蒼き星」は、やはり地球なのだろうか。そして「蒼天の聖玉」、レナの存在にアリカが気付いていたことを、セルゲイはこの時知った。そして見つめ合う二人。瞳を閉じるアリカ。徐々に近づき、やがて二人のシルエットは1つになった...  翌日、元気一杯のアリカが戻ってきた。そこにやってきたのがチエ先輩。彼女曰く、ミーヤが過去の悪行の全てを吐いたのだと言う。だがチエはミーヤの背後に何者かがいることに薄々気付いていた。だがその話を聞いているアリカはどこか空元気で、そしてシホがアリカをからかうといきなり激怒する。この感情の不安定さはまさか...そこにマリアとナツキがやってきて、ミーヤが退学を申し出たことを告げる。校門では当然、トモエがミーヤのお見送り。どこまでもコワイお方である(笑)。  歩きながら柱に頭をぶつけてしまうアリカ。重症なのは間違い無いが、エルスに昨日のことを聞かれても答えられるはずも無い。と、そこにアオイが近づき、アリカをマシロの部屋に連れて来た。二人はやはり同年代、マシロは照れながらも巧海に恋をしてしまった話をすると、いきなりアリカは大粒の涙を流す。あの時セルゲイは、「歯ごたえが無さ過ぎる。これで遊びは終わりだ」とアリカを突き放し、そしてオトメとしても女性としても立派に生きたレナを侮辱したのだ。その言葉にショックを受けたアリカはセルゲイに平手打ちし、「大嫌いっ」と叫んだ。アリカの壮絶な失恋に、思わずマシロももらい泣きしてしまう。全てはチエの思惑通りか。  一方のセルゲイは、自分の部屋を自ら荒らしてしまう。自分達の夢を叶えるにはどうしても本物の姫が必要、見つけてこっちの駒にせよ。それがナギからセルゲイへの指令だった。だがセルゲイにはそれが出来なかった。ニナと同い年、そしてレナの娘でも無いアリカに、彼も只ならぬ感情を抱いてしまったのか。そして彼もまた、夢と恋の狭間で揺れる人間の一人となってしまうのか。ただ重要なのは、セルゲイが本物の姫であろうアリカを手駒にしなかった(できなかった)こと、そして我らがアリカのハートを傷つけた罪はとてつもなく重いということだ。  泣き止んだアリカとマシロは、アリカがマイスターになるのが早いか、はたまたマシロが皆を幸せにできる女王になるのが早いか、そんなことをお互い話し合っていた。失恋のショックから立ち直りつつある彼女達は、本当に強い。

第16話 「約束だよ!」 (2006/1/26) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:須永司  演出:太田雅彦  作画監督:稲吉智重  
卒業舞闘の代表にアリカとニナが勝ち残った。だがアリカに敗れたトモエの冷たい表情はとにかく怖い。父セルゲイにこのことを報告する。舞闘は2対2のグループ戦のためニナとアリカはコンビネーションを磨かねばならないらしい。セルゲイは娘の手柄を誉めるが、ニナの運命はあくまでナギのオトメになるべく定められていることを改めて告げる。その重い言葉に、ニナも表情を引き締める。  と、今回からOPがリニューアル。歌はまぁ取り立てて可不可無しというところ。絵的には血を流して倒れるレナ、黒き部下(スレイブ?)を引き連れるトモエ、戦う姿を明らかにしたマイ。戦うレナがアリカに変わり、最後にニナと刃を交わす。以上が特に気になったところ。全体的な印象としては、これからオトメの戦いが激しくなることを予感させる内容だったと思います。  アリカとニナの舞踏の相手は何とチエとシホだとか。当然二人にはかなりの気合が入る。トモエと一緒に二人の訓練を見守るチエは、トモエにミーヤの一件を問い正すがトモエはとぼけて答えない。その二人の会話をエルスが聞いてしまう。一方、ナギはミドリと接触を図るが、シュバルツと繋がるナギに協力できないとミドリは拒否した。だがそのミドリ率いるアスワドも再び動き出す模様。実験室?でミーヤのジェムを片付けたヨウコだが、彼女の脳裏にもミドリたちのことがよぎる。そしてナツキはシズルをガルデローベに呼び戻すことを決めていた。結局シズルを以ってしても、スミスの足取りはつかめなかったようだ。  ナオチャンが五柱の柱(四の柱)に選ばれ、シホはフロリンス王国のオトメに誘われたとか。就職先が次々と決まって行くお姉さまたち。だがシズル帰還のニュースを聞いたトモエの表情が一変する。その後、保健室に忍び込んだトモエは何とミーヤのジェムと羊水が入った試験管を手に取り(この液体は危険なシロモノらしい)、特訓に疲れて休憩中のアリカの頭上から試験管を落としたのだ。だがその直前、それを見ていたエルスがアリカに体当たりし彼女を助けた。その時、エルスは足をケガしてしまうが、幸いにも軽傷で済んだ。  アリカとエルスの二人は夜の散歩に出かける。ナノマシンのおかげでエルスのケガもすぐに直るとか。科学の神秘はスゴイと、アリカは無邪気に話す。と、あの子守唄を唄うニナを見つけたアリカはニナにつっつき攻撃。じゃれ合う二人+見守るエルス。このまま良い友達で在りつづけて欲しいが。アリカは援助してくれるオジサマへのお礼のハンカチを作っていた。彼女はオジサマを舞闘の晴れ舞台に招待するつもりだとか。アリカは自分を救ってくれたエルスに改めて感謝する。だが一方、物好きなアリカの援助者が自分の父であることを知った時、ニナはどんな反応を示すのだろうか。  夜中に風華宮から何かが運び出された。その翌日、いよいよ卒業舞闘が始まる。控え室ではセルゲイが娘を励ましていた。とそこにアリカもやってきて憎まれ口を叩くが、アリカとセルゲイの二人の只ならぬ雰囲気をニナも感じ取りつつある。  そして舞闘の前に風華宮の新たな姿が披露されるが、その形はマシロの明るいデザインとは全く異なり、黒くて不気味なものだった。とその風華宮の上空にスミスが現れた。彼の号令の元、いきなりレーザーが発射され王国の駅が破壊された。そして直後、黒煙の向こうからスレイブが大挙してこのヴィントブルームに押し寄せてきたのだ。た、大変なことになってきた..

第17話 蒼の舞/想い、散るとき (2006/2/2) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:須永司  演出:長井龍雪  キャラクター作画監督:久行宏和  メカ作画監督:大塚健  
有り得ないその光景に、エルスは視線を落とす。彼女もまた何かを知る人間なのか。シズルは全てのオトメに戦闘を命じる(オトメや五柱は神祖と契約していて、その神祖は巨大なシステムのようだ)。が、スミスは立て続けに第2波を城内に放った。逃げ惑う人々。必死になってマシロを警護するアリカにエルスが近づき合流する。ニナをポート(港)に行かせたセルゲイは、やることがあると言ってニナと別れた。シュバルツは、ナツキの予想以上にヴィントブルーム国内に手を伸ばしていたようだ。  シュバルツの魔の手は街中に及んでおり、アリカたちは必死に逃げ惑う。一方学園にはミドリたちアスワドたちが来た。立ちはだかるのはナツキとシズルの最強コンビ。記念すべきナツキの初マテリアライズ。そしてミドリは愕天王を召還。これは新旧科学の激突だ。  アリカたちは地下水路を使って逃げていたが、相変わらずエルスの顔は冴えが無い。と、前方に銃を構えたセルゲイが現れいきなり発砲した。だが彼が撃ったのはアリカたちの背後にいたシュバルツの兵士だった。そしてスミスの実験はさらに続き、シズルたちのローブは取れてしまった。そこにやってきたヨウコの説明によると、スミスが放った強烈な干渉波により認証システム(=神祖)が自閉モードになってしまったのだ。直後、学園内にもスレイブが大量に侵入。ミドリたちアスワドは退却したが、その去り際にヨウコはラドのことを黎人さんと呼んだ。そしてスミスも後は任せたいい、風華宮から降りた。更に、ニナが待つ港に大艦隊が現れる。  地下水路から脱したアリカたちの元にスミスが来襲し、マシロを渡せと脅しを掛ける。だがアリカの胸には蒼天の聖玉が生きていた。独自の主を持つマイスターならば変身できるかもしれない。セルゲイのアドバイス通りアリカは変身を果たした(だがスミス曰く、まだ力を使い切れていないらしい)。スミスは突如、今こそ信仰を示すときだとエルスの名を呼んだ。何とエルスの胸にはスレイブのクリスタルが!?涙を流しながらも、エルスはスレイブを召還した。  どうして裏切ったんだ...アリカの悲痛な叫び。だがスミスの攻撃命令を受けたエルスは泣きながらも攻撃の手を緩めない。しかしアリカが反撃してスレイブを傷つけるたびにスレイブロード(スレイブ遣い)であるエルスも傷ついてしまう。そして学園ではローブの力が使えないオトメたちが、シュバルツに次々と捕まって行く。厳しすぎる状態だ。  と、そこにニナを引き連れたナギ殿下登場。ニナはエルスの裏切りに驚愕を隠せない。マシロの叫びに、ナギは黒幕であることをあっさりと認める。街ではアルタイの軍隊がスレイブから解放しているという用意周到さを見せる。あとは、友人であるアリカたちが殺し合うのを黙って見つめるか、それとも素直に自分の元に来るか、選択は2つに一つとナギはマシロに迫る。再び攻撃を強要するスミスの声に応えるエルス。スレイブの刃がアリカに迫ったその時、セルゲイが身を呈してアリカを助けた。空には、アリカ特製のハンカチが舞い落ちる...アリカもニナも、事の真相を理解した。  だが傷つきながらもセルゲイはナギに叫んだ。本当の姫はアリカだと。姫が見付からなかったとのセルゲイの報告が嘘だと知ったナギは、嘘をついたのは彼がアリカのことを想っているからだと言う。そしてこの指摘に顔を背けるセルゲイの姿に、ニナの表情が一変。直後、漆黒の金剛石がニナのジェムとナギの指輪に宿る。これはニナの怒りに反応したということか。  ナギと契約を交わしたニナは、何故お前がいるのだと、怒りに任せてアリカに襲い掛かる。だがそこに割って入ったのが、何とエルスのスレイブだった。スレイブを真っ二つにされ、エルスは儚くも光の粒となって消えてしまった。な、なんてことだ...  大切な友人を失ったアリカは大泣き、ニナの瞳にも涙が浮かぶ。だが直後、我を取り戻した二人は武器を取り大激突。余りの衝撃の強さに、学園は大爆発に巻き込まれる。もぅスゴ過ぎる展開に唖然とするばかり。だがオレは信じてる。再びこの二人が手を取り合う瞬間が訪れることを。そう、キラ・ヤマトとアスラン・ザラがそうだったように...

第18話 ホワイトアウト (2006/2/9) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:竹内浩志  演出:渡邊哲也  作画監督:森下博光  
貧しい人々が集うキャンプ地に、ナギの命を受けマシロ女王を探す兵隊たちがやってきた。ニナのペンダントを奪った少女・ミミが先頭にたち兵士を追っ払うが、マシロはそのキャンプに潜んでいた。闇夜の月と共に、蒼き星が瞬いていた。  負傷し気絶していたナツキがようやく目覚めると、目の前にはナオチャン&手下の情報屋が。あの事件から3日が経ち、ナオと情報屋ががナツキを救っていたのだ。情報屋曰く、ナギ太閤はシュバルツを追っ払った英雄として王国を乗っ取り、市民にも好意的に受け取られていた。何ともまぁ用意周到なことか。そんな中、王国の貧民層がナギにより追放され難民となったと言う。それが先のマシロがいたキャンプだ。一方、激怒したハルカがヴィントブルーム王国に殴り込みを掛けようとするが、ユキノ女王が巨大な石で気絶させて止めた。漫才コンビかアンタらは(笑)。カルデアも動きを早めようとしているようで、またしても戦乱の予感。  と、ナツキの背後からミユが襲い掛かる。ローブが使えないオトメなど敵ではないというミユは、アリカはどうなったかと単刀直入に問う。だがナツキは知らないとしか答えられない。シュバルツが学園内にあれほど浸透していたのは自分のミスだとナツキは自らを責める。一方負傷して寝込むセルゲイの元にニナがやってきた。娘に合わせる顔が無い、そう言いたげな父に対し、ニナは懸命に明るく振舞おうとする。痛々しいよニナたん...だがすまないと謝る父の言葉に、ニナは耐えられず涙して部屋を飛び出した。そして外に駆け出すニナを、ナギ殿下は笑顔で見つめる。キーッ。  ガルデローベの地下では、早速ハルモニウムの調査が行われていた。霊廟の封印(神祖?)も解かれない今、正規の手続きを取るしかないとスミスは言う。唄と紡ぎ手と守り人、そしてそのカギはあの子守唄にあるという。しかもエルスのおかげで2番までは判明したと彼は続ける(残る3番はマシロ)。エルスが唄までマークしてたとは、マジですかぃ...唄はマシロ、セルゲイの言うことが正しければ紡ぎ手はアリカだとナギは断言する。ということは守り人はニナか。  エアリーズへの逃避行。貧しい人々の女王に対する怨み辛みを耳にして、マシロの脳裏には様々な記憶が蘇る。そして力尽きてしまった彼女に、ミミが水を差し出してくれた。ミミの家はパン屋だったが、国の汚い政治のお蔭で失業し父親はのたれ死んでしまったのだ。女王は嫌い、そのミミの言葉にマシロは大きな衝撃を受ける。そしてミミの差し出すまずいはずの食事にも、マシロは涙を流しながら食べるのだ。これ程美味しい食事は無いと...  だがその直後、キャンプに紛れていた城の女官・アオイが難民たちに見付かり崖っぷちに追い詰められいた。難民たちの国に対する怨みはこれ程までに強烈なのだ。難民は女王の居場所を教えろとアオイに迫り、アオイの眼にはマシロの表情がハッキリと映った。しかしアオイを助けようとするマシロだが、足を一歩踏み出すことができない。そしてアオイは、女王の居場所は知らない、知っていても絶対に教えないと言い残し、自ら崖の底に身を投げた...マシロの瞳から、再び大粒の涙が零れた。  もう、何も無い。一人砂漠を彷徨いながら、マシロは静かに呟き、そしてアリカとの約束を想いながら倒れた...一方そのアリカは見知らぬ峡谷に身を潜めていた。もしやここは黒き谷=アスワドか?来週のサブタイトル「宿命の17歳 (^^;)」からすると、我らがミドリの大活躍が期待できそうである。

第19話 宿命の17歳(^^;) (2006/2/16) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:須永司  演出:みなみやすひろ  キャラクター作画監督:竹内浩志  メカ作画監督:市川敬三  
気絶したマシロに近づく、謎の巨大生物。ラドたち特殊部隊はその生物を倒し、マシロ共々谷に連れ帰ると、そこにはアカリの姿があった。一方ガルデローベを占拠したナギに、マリアが抵抗する。シズルは独房入り、軍が物々しく学園の警備をするこの状況に黙っていられなくなったというところか。だがナギに詰め寄ろうとするマリアを、御付きのニナが追っ払う。後で後悔すると捨て台詞を吐いて、マリアは去った。ってコワいよっ(ナギ殿下も同感のようで)。  マシロが気が付くと目の前にはミコトがいた。そしてアリカが持って来た水をガブ飲み。ここはアスワドの村。アリカもまた、マシロと同じくアスワドに拾われていた。マシロ女王の命は自分たちの掌にあると、ミドリは警告する。その言葉に、本物の姫はアリカだとマシロは言うが、アリカはあのセルゲイの言うことなど信じようとはしなかった。そんなアリカだが、助けられた直後のアリカはそれこそ人形のように無反応だった。元気を取り戻してくれて本当に良かったよ(ぉ)。  ミドリはアリカにマシロの食事を用意させる一方で、マシロに本当の女王であるのかと再度問う。答える義理など無い、マシロはミドリの質問を突っぱね、おまけに年増と言い放った。だがそんなオコサマに向かい、ミドリは自分が17歳だと静かに告げた。そうだ、それでこそミドリちゃんだぁーっ(笑)。谷の子供たちにすらアリンコと言われるアリカ、ご愁傷様(苦笑)。でも子供達にはやはり人気があるようで。そしてそれは、頭領であるミドリも同じだ。多くのものと引き換えに、彼女は民の信頼を勝ち取ったのだ。  さて、オトメたちの現状を以下に記す。まず、エアリーズとの国境付近には、エアリーズの首都を目指すナツキ&ナオチャンの2名は、またしても誘惑ヒッチハイクを敢行!!(笑)。が、何と度が過ぎて国境警備隊に包囲されてしまう。アホか(笑)。次、捕まったシズルを見つめるトモエは、彼女を助けると決意を固めていた。兵隊に賄賂を渡すところはさすが悪女。そして次、ガルデローベにやってきたニナに対し、イリーナはアリカとマシロが行方不明になったことを告げるが特に関心を示さない。寂しすぎるよ...学園が寂しくなったことを嘆くチエだが、彼女は一通の手紙を書いていた。そして最後、卒業舞踏をメチャメチャにされマイスターの称号を得られなかったシホは、マキ速度を上げていた(笑)。  ミドリはアリカに何故聖玉を持っているのかと問う。アリカは母であるレナから受け取ったものだと断言する。あくまで自分は女王ではないと。ラドは15年前、自分たちが風華宮を攻めた時の話を始める。国王暗殺を目論む内務大臣の手引きによりアスワドとシュバルツが侵入。そんな中、ラドを止めようと立ちはだかったのが、「元」蒼天の聖玉、レナ・セイヤーズだった。ラドは彼女を手に掛けたことを、アリカたちに詫びた。だがその亡骸は、ジョン・スミスに奪われてしまった。そしてミドリの口から、ジェムとナノマシンの秘密が明かされる。ガルデローベの地下に眠っていた神祖(システム)は、ジェムを生み出す母体。その母体となるためには、かつてオトメであり、そして子供を産み母となった女性の身体が必要なのだ。そして更に、神祖に対抗できる新たな神祖を作り出すため、ジョン・スミスはレナの亡骸を狙ったのだ。うーん、こりゃ衝撃だ。  ジョン・スミスはナギに新品の黒水晶を見せつける。ついに簡単にオトメが作れる準備が整った。あとはアリカとマシロを捕まえるだけだ。ナギはアリカとマシロを捜索するオトメ選抜の任務をニナに授けようとすると、そこにセルゲイが乱入。ニナではなく、自分にその任務を授けて欲しいと懇願し、ナギもそれを受け入れた。再びミドリ、十二王戦争は、今のアスワドたちの若い子孫に重い病をもたらした。17歳の時に発病したミドリは、自ら開発した碧のジェムで生き長らえているに過ぎ無い(だからミドリの時は、17歳のままなのだ)。そしてこのまがいものでは、いつまでもつか誰にも分からない。だがその病を治療する可能性を持つのが、ナノマシンなのだ。ミドリはアリカとマシロに力を貸して欲しいとミドリは言う。  だがアリカは涙を流しながら拒否する。もうオトメになんかなりたくない、二度とオトメの力は使わない!!。アリカは叫んで外に駆け出してしまった。マシロはアリカを追いかけるが、その時地面が陥没し、またしても地面から巨大生物が出現。アリカとマシロは吸い込まれてしまった。これはまたしてもピンチ!?

第20話 ニーナと呼ばないで (2006/2/23) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:須永司  演出:宅野誠起  キャラクター作画監督:山元浩・平山貴章  メカ作画監督:大塚健  
カルデアからのメールは、アスワドに対する協力を申し出たものだった。アリカとマシロを無視し、ミドリたちはカルデアに向かう。だがそのカルデア国王・アルゴスも、胸の奥で色々と企んでいる様子である。  いきなり我らがハルカ爆笑。ナツキのアレな姿が新聞に掲載されたとなれば、そりゃ当然である(笑)。だが事態はそんな冗談を言っている場合では無いほど切迫している。ナツキはエアリーズ共和国に協力を申し出たが、エアリーズ議会も意見が割れており、すぐには動けないとユキノは冷静に語る。アリカとマシロは、薄暗い穴の中に身を潜めていた。ここはあの巨大生物の身体の中のはずだが、正に洞窟のようだった。  新たなオトメの神祖が誰か、セルゲイは知らない。と、ニナはワルキューレ部隊(アルタイの新オトメ部隊のことか)のことを引き受けた父を責め、そしてもうニーナと呼ばないで下さいと強く言った。セルゲイは分かったと言ったが、その顔はどこが寂しげだった。暗殺者のアジトに潜んでいたニナを救ったセルゲイ。その時のことを、ニナは今でもよく覚えていた。だがニナに注がれるセルゲイの眼差しは、その時から何も変わってはいない。そのことが、今のニナを更に苦しめていた。  オトメの力の源がそんなシロモノだったことを知らず、オトメになりたいと願った自分。そしてエルスのことも、ニナのことも、セルゲイのことも、何にも分かっちゃいなかった、間違いばかりだったとアリカは涙を流す。だが何も分かっていなかったのはマシロも同じ。自分のせいで、アオイは死んだ。彼女のためにも、自分は生き延びねばならない。マシロはアリカに認証を迫るが、そんなマシロの「勇気」をもアリカは拒絶してしまう。  だが直後、周囲が溶岩のような赤い液体に包まれる。これは巨大生物・ジャバルの消化液だ。懸命に逃げ延びるアリカとマシロだが岸壁が崩れ真っ逆さまに落ちる。だが空中で認証を終えマテリアライズし、何とか脱出に成功した。二人は黒く汚れた顔を、お互い笑い合う。アリカが。だが直後、アスワドの村が燃え上がっている。何とカルデアのオトメ・フィアが村を襲い、村にある技術(レムのデータ?)を奪おうとしていたのだ。マスターの命令には何でも従う、そう断言するフィアはアリカに襲い掛かり、アリカを吹き飛ばすと村を去って行った。目的は既に達していたからだ。  村は未だ火の海に包まれていた。そんな中、自由に歩けないリョウを救うためアリカは火の中に飛び込み見事に救った。直後に頭領・ミドリが村に帰還。アルゴスの姦計に怒りを顕わにするが、すぐに村の建て直しを的確に指示する。その姿こそ真に人の上に立つものの姿だと、マシロも感じたに違いない。一方、ガルデローベでは、アルタイのオトメ募集が始まっていた。トモエも興味深々。そしてチエはその動きの裏をとるべく動いているようだが...  火も消え落ち着きを取り戻したアスワドの谷。アリカは、「オトメって何なんだ!!」と、心に溜まったモヤモヤをミドリにぶつける。ミドリは、オトメは力、それ以外に何者でもない。そして力に良い悪いは無く、力なきものは滅ぶのみ。だからこそ人は生きるため、何かを為すために力=オトメを求めるのだと、冷静に答えた。そう、それこそが今は唯一の答えだろう。一方ガルデローベでは、シズルを幽閉していた牢獄の扉がトモエによってついに開けられた。そのトモエの耳には、あの黒水晶のイヤリングがあった。ナツキが捕まったとのウソをつくトモエは、シズルに口づけしベッドに押し倒した。またエライこっちゃ(苦笑)。そしてオトメ募集にチエも応募していた。彼女は何を狙っている!?  ナギ殿下はニナにハルモニウムを見せる。オトメによる仮初の平和を終わらせ、人が最も輝いていた時代(=科学隆盛の時代)を取り戻すのだとナギは言う。そのハルモニウムに懐かしさを感じたニナ。と、彼女がハルモニウムの階段に足を掛けると、その扉が開き命(ミコト)の幻影が出現した。

第21話 白き姫、目覚めるとき (2006/3/2) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:須永司  演出:太田雅彦  キャラクター作画監督:門智昭  メカ作画監督:市川敬三  
主・ナギとの契約によりマテリアライズしたニナに対し、紡ぎ手にして守り人たる者と言った命(ミコト)。その意味を知りたいナギは、ニナの調査書を見つめる。と、ニナが映っていた地下組織の写真に、何とあの赤ん坊を入れたはずの揺り篭が!?このことを発見したナギ殿下は思わず爆笑。まさか本当の女王さまはニナたんなのか!?。そして命の幻影と戦うニナと、部屋のマネキ猫が割れ目覚める命...いきなりワケわからんよーっ。  アスワドにもすっかり馴染んだアリカとマシロ。と、ミドリは二人を呼びつける。彼女たちがアスワドに潜むことを、アルゴスはナギに伝えた。ミドリはカルデアに攻め込むことを決意していた。そんなことじゃ絶対に解決しないとアリカは言う(その姿はミドリにとってかつて谷を飛び出したヨウコと同じだった)が、解決など求めていない。報復こそ、アスワドを守るための唯一の手段だとミドリは毅然として語る。  と、そこにヴィントの難民が谷に近寄ってきた報を聞いたミドリは、彼等を排除しようとする。アリカはミドリを止めようとするが、その難民たちはアオイを殺した人々。マシロにも救いの念は無かった。だがそこに巨大生物が現れ、難民たちを襲い始める。そしてマシロの命を救ってくれたミミが吹っ飛ばされてしまった。その光景を目の当たりにしたマシロはアリカのジェムにキスし、すぐさまマテリアライズしたアリカは巨大生物を倒した。だが大きなダメージを負ってしまったミミは苦痛に身を歪ませていた。  ナギはセルゲイとワルキューレ部隊にアリカ&マシロ追討を命じる。もう今となってはアリカは邪魔な存在だとナギは言う。最後のカギ(=恐らくマシロの歌)を手に入れれば、ハルモニウムを動かすための全てが揃う。その時にどうなるかは、ナギ自身にもよく分かっていないようだ。一方、神祖の肖像画に祈りを捧げるマリアとユカリコ。彼女たちには、どうしてオトメ同士が争うのか、というアリカの叫びが思い出される。だが今の二人には、祈ることしか出来ない。そしてワルキューレ服に身を包んだチエちゃんが密かに見舞うのは...  トモエ嬢はワルキューレ部隊のリーダー格みたい(OPにもそんな絵が)。そんな彼女の心はシズルだけに向けられており、シズル自身も今はトモエの想いに任せていた。今日もシホのマキマキは全開(笑)。と、そんなシホに近づいてきたチエが彼女に頼んだこととは。エアリーズにもアリカ&マシロ女王がアスワドにいることが伝えられた。ナツキとはカルデアに行くことを決意するが、そんな彼女たちの前にアンナン王のグエンが現れた。  再びアスワド。難民を助けて欲しいとマシロはミドリに叫ぶ。この者たちの命を背負えるのか、ミドリの問いはとてつもなく重い。そしてミミは天国へ逝ってしまった...ミミの死を見届けたマシロは女王であることを明かし、命を賭けて民たちを守る。だから皆、命を自分に預けて欲しいと叫ぶ。そしてミドリに頭を下げ、民たちを助けて欲しいと言った。さらにマシロは、協力してくれたあかつきには、ガルデローベの技術をも差し出すとまで言ったのだ。彼女の意思の固さを見届けたミドリは、マシロと手を取り合った。今ここに、真のヴィントブルーム王国の女王が誕生した。  ミミの墓の前で、マシロはアリカの胸の中で号泣した。そんな二人を、ミドリは背後から見守っていた。泣き止むとマシロは、国を取り戻し、皆笑えるようにまで二度と泣かないと誓う。そしてアリカは大事な人を守るためオトメになりたい。二人は再びマスターとオトメとして、正式に契約を交わした。その二人を見届けたミドリは、ラドたちを引き連れカルデアに向かい、一方谷の様子を伺っていたセルゲイは作戦開始を告げる。まだまだ油断できない展開が続くぞ!!

第22話 ホノビノウタ (2006/3/9) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ・演出:渡邊哲也  作画監督:椛島洋介
 ナツキはアンナン王グエンに必死に協力を求める。グエンもオトメのアインも、幼い頃のナツキを知っている。ナギがハルモニウムを起動してしまえば世界は再び十二王戦争以前に戻ってしまうと力説すると、グエンはナツキの熱意を聞き届けた。一方、ミコトの前にはミユが出現。彼女もアスワドにやってきたということか。  ミドリがカルデアに殴りこんだアスワドに一台の戦車が出現する。中から出てきたのはセルゲイだ。目的がマシロとアリカの身柄確保だと告げる彼だが、正午までに引き渡されなかった場合、武力行使も厭わないとも言う。アリカは戦車の上のセルゲイを睨みつける。一方ナギの元には、谷に身を投げたはずのアオイがいた。マシロの近くにいた彼女が、最後の歌を知っているかもしれない。ナギはアオイの存在を保険と考えていたのだ。戻ってアスワド。ワナと分かっていてもアリカとマシロに選択の余地は無く、アリカはセルゲイとの面会を決意する。同じ頃、ミドリたちはカルデアにたどり着いていた。マイスター、フィア・グロスも待ち構えており、激突したら激しい戦いになることは間違い無い。  指定された竜の墓で待ちつづけるセルゲイの前に、アリカが現れた。元気か?そうアリカに声をかけるセルゲイだが、自分が敵だと改めて言った。アリカは、どうしておじさまとして援助してくれたのか?どうしてあの時キスしてくれたのか?心に溜まっていたセルゲイへの想いを一挙にぶつける。セルゲイは、自分がアリカの笑顔に、その真っ直ぐな瞳に惹かれていたと正直に話す。そしてだからこそ、ナギに背いたとも。だがその結果が、アリカとニナの激突をうみ、そしてエルスの消滅を引き起こしてしまった。セルゲイはアルタイの軍人として、そしてニナの父親として、ケジメをつけなければならないと言った。ニナもセルゲイのことがが好きであることなど、二人とも分かっていた。だがセルゲイにとって、ニナは自分の娘であり、それ以上でも以下でもないのだ。  銃を向けるセルゲイは、降伏して欲しいとアリカに言う。だがすぐに、キミは夢を追うんだろう?そのセルゲイの問いにアリカは力強く頷く。それでこそアリンコだと呟いたセルゲイは銃を放ち、アリカが全て交わすのを見届けると戦車に戻った。直後、やってきたのは黒衣を身に纏ったヴァルキリー部隊。アリカを襲うのはトモエ嬢。そしてセルゲイを助けたのは、チエだった。一方、ニナはナギの誘いによりハルモニウムにやってきた。ニナが覚えた歌が本物であれば、用無しのアリカとマシロを殺すこともできると言う。その言葉にニナは思わず顔を背けるが、その優しさは苦しみしか産まないとナギは笑みを浮かべながら呟いた。  トモエはアリカのことなど大嫌いだったと叫びながら、アリカに襲い掛かる。だがその黒衣は、いわば強力な「束縛」。作戦からはずれた行動を取ろうとするチエが、強烈な痛みに襲われる。だがそのチエが姿を隠して戦況を見守るマシロの背後に迫る。一方、ニナが前に立つと、ローブが出現。守り人と紡ぎ手、今のニナはそのどちらの力(資格)も備えているということか。だがハルモニウムの前でニナに聴こえてきた歌詞は、彼女が知らないもの(4番目の歌詞か?)。アスワドに戻り、懸命に戦うアリカだが、セルゲイにマシロ&ミコトを人質に取られてしまう。だがマシロはアリカに戦えと叫ぶ。自分達は一心同体、どちらかが諦めたらそれで終わりとマシロは叫ぶのだ。やはり彼女は、強くなった。  カルデアに辿り着いたナツキ&ナオチャンだが、既にカルデアとアスワドの戦いは始まっていた。ミドリvsフィアの激闘の結果はミドリの勝ち。愕天王の刃がフィアの身体を貫いたのだ!フィア、そしてカルデア王が光の粒となって消えた。カルデアが落ち、呆然とするナツキとナオチャンの前に現れたのは、ミコト?(額の白ブチのカタチが違う!?)。  トモエはアリカへの嫌がらせは全て自分の仕業だったと告白した。シズルに眼をかけられたアリカの存在が目障りだったと。そしてエルスの死をいい気味だとトモエが言うと、アリカはトモエを睨みつける。だがトモエはヴァルハラの舞を発動させる。セルゲイの命令に背いていたが、トモエはアリカを殺す気だ。だがその時、ミユがアリカの楯となりそのピンチを救った!!この黒衣を生み出すため、レナ・セイヤーズの亡骸を弄んだのか、その言葉にセルゲイがうろたえる(真実を知らないのか?)。ミユの剣はあっさりとトモエを跳ね返し、そして続けざまにセルゲイの身体を貫いた!!  紡ぎ手となったニナにより、ハルモニウムから発動された光が上空に広がる。直後、ナギやスミスの周囲の風景が荒廃した風景に変わってゆく。ここはアスワドか??一方、急所は避けたが、セルゲイの傷は深かった。だがセルゲイの身を心配するアリカたちの前に、突如として竜巻が現れる。そして中から姿をあらあわしたのは、ハルモニウムから空間転移したニナ!?何故彼女がこの地に転送されたのか(ニナの父への想い故か?)。父の傷を目の当たりにしたニナは愕然とし、そして背後にアリカの姿を認めるとニナとニナのエレメントが巨大化し、アリカに襲い掛かる。だがミユもアリッサの力を借り、黄金の剣を手にしニナの突進に真っ向から立ち向かう。その激突の瞬間、周囲は大爆発に包まれた。  見知らぬベッドの上で静かに目覚めたアリカの前に、見慣れたシルエットが!?ついに、ついに我らがHIMEの登場だーっ。

第23話 不思議の谷のアリカ (2006/3/16) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:須永司  演出:みなみやすひろ  作画監督:稲吉智重  
舞衣が消えたというひもろぎの森を行くシズルとナオチャンだが、いきなり異空間に迷い込んでしまい、誤って崖から転落してしまう。何とかナオチャンの力で二人は助かったが、そこは爪のような岩盤と、白い霧が上空を覆う空間。黒いガルデローベとナツキは呟いたが、霧の向こうに巨大な影らしきものが。その正体は霧の上空にある世界で、マシロとアリカのじゃれあった影だった。そんな二人に向かって命は言う、いつも二人を見ていたと。そして横には、ローブの力で炎を発現させ料理する舞衣の姿があった。舞衣のご飯は乙HiMEになっても美味いのだ。ここは黒き谷、ミドリたちの言っていたアスワドの故郷だった。  この黒き谷に、アリカとマシロはミユと共に降ってきたと舞衣は言う。その彼女は、炎樹の紅玉を身につけていた。ミユ曰く、ここはかつて黒い谷と呼ばれたところ、今は亡きテクノロジーの聖地であり、オトメもハルモニウムもここで生まれた。そして今は十二王戦争で使われたハルモニウムの力により空間の狭間に存在しているという。すごいところに舞衣と命は住んでいるものだ。一方、ハルモニウム再発動に対し、エアリーズの動きが活発化。ユキノとハルカはエアリーズで緊急審議会を招集し、アルタイ国に脅しを掛けようと動く。再びミユの言、ハルモニウムは高次物質化能力を反転させ全てを分解し飲み込むことができ、それはこの時空間すらも可能だと言う。ニナの空間転移も、その力が源になっているということか。そしてハルモニウムを起動させたニナこそが守り人にして紡ぎ手であり、ヴィントブルーム王家の血を引く者であるとミユとから告げられると、アリカとマシロはとてつもない衝撃を受ける。  その事実はナギからセルゲイにも告げられる。ニナはまだ目を覚ましていないが、これも皆、セルゲイのおかげだとナギは笑いながら言う。ニナをどうするのかとのセルゲイの問いに、答えは一つだとナギは言う。そしてワルキューレの神祖の棺には、レナ・セイヤーズの亡骸が眠っていることが、ナギからセルゲイに告げられた。15年前の騒乱の中で、駆けつけたミユはレナの娘・即ちアリカの身を確保し、レナの母、即ちアリカの祖母に託したのだ。アリカが蒼天の聖玉・レナの娘であることが、ようやく明確になった。そして聖玉はアルタイで売りに出されようとしていたものを、ミユがアリカに託したのだという。そんなミユもかつて、レナの暖かさに触れた人間のようだ。  アリカとニナの出生の秘密が明らかになった今、マシロだけが出生が不明である者となった。そしてそれは、このミユにも分からない。不思議な寂しさを覚えるマシロだが、ミユは自らの意志で立ち、切り開くものという真白なる金剛石、即ち神祖の言葉をマシロに贈る。一方、舞衣とアリカは水汲みに来た。舞衣がオトメになろうと思った理由、それは重荷を背負った弟を助けるため。アリカは、オトメって何なのかと舞衣に疑問をぶつける。だが舞衣は、自分には分からないと静かに言う。そしてその答えはきっと、アリカにしか分からないとも。でも大丈夫、アリカならきっといつか分かると舞衣は励ます。過去、色々と過酷な運命を辿ってきた舞衣だが、命と一緒にいようと決めたのは自分。最後に決めるのは、自分なんだと舞衣は力をこめて言った。そんな時、谷に仕掛けられた命のワナに捕獲されたナツキとナオチャンが強制連行。アリカ、マシロ、舞衣、ナツキ、命、そしてミユが一同に集結だ!!  乙女たちの入浴シーン。見てきて良かった(笑)。ナツキは久々に再会した舞衣に、どれだけ心配したかと問い詰める。そして何故紅玉をつけているんだとの問いに、命に石を食われたからだと舞衣は答えた。何とっ!?何とその状態で、認証までできてしまったのだ。だがそれは、命が水晶の姫、乙式高次物質化能力を秘めた一族の生き残りだからできたことだとミユは言う。そんなミユは、蒼き星と共に、この世界の行く末を見守るもの。一方学園では、ヨウコ先生がイリーナに一冊の本を託す。これは何事か?  寂しく夜空を見つめるニナの横に、父・セルゲイがやってきた。あの娘が大嫌いだったと言うニナ。だがそれをちっとも気にしなかったアリカに、何時の間にか自分も惹かれていたとニナは呟く。そんなニナに、セルゲイは思いつめるな、全ての責任は自分とナギにあると言う。とそのとき、ナギがニナを召還。セルゲイは娘の心理面を思いやるが、ニナは父とマスターの夢を実現するためなら、例え友人をこの手にかけることも厭わないと言い切った。  すぐさま戻らねばらならないと感じたナツキは、舞衣にアリカとマシロの二人を託そうと考えていた。外ではマシロが憂鬱さが深まっていた。ナギが国を1つに纏めれば、自分は不要では無いかと。だが弱気なマシロに向かって、アリカは絶対にダメだと言う。自分は笑っているニナが大好きだった。だがあの時竜巻から現れたニナは泣いていたと、アリカは感じていた。そしてニナにあんなことをさせるナギは、絶対に間違っている、そうアリカは信じているのだ。  が、評議会の最中に、エアリーズに竜巻出現。評議会に集まった各国の国王に、ナギがその力を見せつけようとしているのだ。それを知ったナツキはすぐにガルデローベに戻ることを決意。しかし同じく戻ろうとするアリカとマシロに対し、ナツキは残れと言う。その理由は、アリカが石の力の全てを引き出せていないからだとナツキは言う。そのことを確かめるべく、アリカと命の対決が始まる。だが命はアリカの攻撃を軽々と交わしてゆく。実は命が最強だったのか!?(笑)。命の強さに感銘を受けたアリカは、戦い方を教えて欲しいと頼み込む。そしてミユはマシロに真の国王となるならば、学べと言い残しこの地を去った。学ぶべく相手は、ジパング王の姉である「舞衣姫様」だ。日の出に向かって、アリカは強いオトメになると誓うのだった。

第24話 あなたのために・・・。 (2006/3/23) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ・演出:長井龍雪  作画監督:森下博光  
クローゼットに掛けられたガルデローベの制服を見つめるニナ。学園に合格し、優しく祝ってくれた父、優しく抱きしめてくれた父。そんな父の存在が更に彼女の心を苦しめる。だがそれでもニナは黒衣を身に纏い、懸命に前を向こうとする。  さて、前回のナギの脅しが効いたのか、各国の実力者がヴィントブルーム王国に次々と入国し条約機構を脱退しアルタイと同盟を結ぼうとしていた。そして竜巻に破壊されたエアリーズ、修復に必死に動くハルカが健気に見える(笑)。そんなエアリーズを不気味に感じるニナだが、ナギは来るなら来いと堂々としたもの。そのエアリーズの修復作業だが、資材の輸入がストップし難航を極める(これもナギの手回しの効果か)。だが、ブチ切れ中のハルカとユキノの元に、五柱のサラ・キャラガーが面会にやって来た。一方、マリアとユカリコの元には、フローリンスのマイオトメ、ロザリーとレムスのラウラがやって来ていた。先輩マイスターにも関わらず、二人はニナの下に付き、ナギが仕掛けようとする「戦争」の駒となるのだ。このままでは本当に、オトメたちによる大戦争が始まってしまうが...  と、マリアはニナはエルスティンの遺品、アリカとニナの二人に宛てたという手紙を手渡した。そこには何が書かれているのか。そしてトモエがニナを挑発。理想を掲げてはいるが、今のニナは愛する父のために一生懸命になっているのだと。そんなトモエをニナが引っ叩くが、理想を掲げているにも関わらず、人に駆られて友人二人を殺したニナなど信用できないと、トモエも負けてはいない。そしてトモエの引っ叩かれた頬をシズルが優しく撫でる。だがそんなシズルの元にも、一通の手紙が。これこそ、イリーナが決死の思いで届けた手紙だった。ナツキ、ナオチャンの意志を、イリーナたちコーラルたちが支えていた。そして彼女たちの活動にも、エルスの遺品が貢献していた。ナツキ曰く、エアリーズも直に来るという。各国の勢力が正にヴィントブルームに集まろうとしている。  燃え上がる溶岩の前に佇むミユ、アリッサの血を引くものたちは、健やかに育っている、そう呟いた彼女は何かを溶岩から引き出した。アスワドでは、傷ついたラドが治療を受けていた。カルデアとの戦いでルーメンは死亡し、ラドも深手を負った。だがそこに何とヨウコ出現。二度とアナタを失いたくない、ヨウコが二人の元に戻ってきたのだ。チエはアオイを見舞い、ニナはエルスの手紙を開いた。そこには使命のため死を予感したこと、アリカやニナ、皆と出会って楽しかった日々のこと、自分に課せられた使命に戸惑っていたこと、そして二人が大好きだったと綴られていた。そして最後には、「ごめんね、ありがとう、かけがえの無い親友たちへ...」。  手紙を読み終えたニナから、大粒の涙が零れる。どうして二人を死に追いやってしまったのか、そして多くの人を傷つけてしまったのか。そこにやってきたセルゲイは、号泣するニナを抱きしめることしかできなかった。もう無理をしなくていいと言うセルゲイだが、それができないことはセルゲイ自身が一番分かっているはずとニナは言う。一番大切な人が苦しんでいるのに、何もできないのか。嘆くセルゲイに、いきなりニナは衣服を脱ぎ捨て、オトメの資格を奪って下さいというのだ!そんなことはできない、セルゲイは答える。自分はセルゲイの蒼い星にはなれない、ニナがそう呟くと、セルゲイはニナを抱きしめ、二人は口唇を交わす。えぇぇーっ。マジで!?  ナツキとナオは二人きりで外に出る。ナツキはナオにマイスタージェムを手渡す。ナツキは自分なりの感謝の言葉をナオに贈る。前作とはうってかわり、この二人は正に好コンビと言えるだろう。ニナをベッドに残し、セルゲイはレナの亡骸の前にやって来ていた。彼は呟く、自分にとって一番大切なものがようやくわかったと。神祖システムにセルゲイは銃を向ける。だがセルゲイの背後にジョン・スミスが現れ、二人は同時に銃の引き金を引いた。だが銃の腕はセルゲイが上、スミスはあっさりと倒れた。  しかし直後、何とナギ殿下がセルゲイの頭を撃ち抜いた!!血を流して倒れこむセルゲイ...このニュースを聴いたニナはすぐさま父の元に駆けつける。だがナギは、彼がスミスと撃ち合い倒れたとウソを付く。どこまで腹黒いんだコイツは(苦笑)。そして言葉を続ける。すぐにセルゲイは死んでしまうだろう、だが希望はある、ハルモニウムにより、セルゲイの時を止め、禁書庫に封じられた技術を復活させれば、セルゲイは救われると。何を望むか?その言葉にニナの答えは1つ。そしてニナの意志に、ハルモニウムがすぐさま反応する。ハルモニウム再始動の時は近い。  ヴィント市解放作戦開始、ナツキは凛とした表情で宣言する。そしてハルカの号令の下、巨大戦艦・スズシロが浮上。うぉーっ、メイフォンを思い出させる柚姉の叫びだ!!(笑)。一方ニナは、セルゲイのためなら例え世界を敵に回しても良いと呟く。再びニナは、ナギの掌の上に乗ったのだ。一方、黒き谷の修行を終え、いよいよアリカとニナが表舞台へ戻ってくる時が来た。マシロと一緒に、皆が笑顔になれる国を作ること。自分の夢をはっきりと語るアリカの姿は、これまで以上に頼もしく映る。

第25話 蒼天の乙女 (2006/3/30) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ:竹内浩志  演出:宅野誠起  キャラクター作画監督:竹内浩志  メカ作画監督:市川敬三、椛島洋介  
ハルカ&ガーラ&アインが出撃し、対するアルタイ側もロザリー&ザウラ&チエが迎撃。これぞ戦争だと笑みを浮かべながらナギ殿下が呟く。だがこれでハルモニウムが使われれば十二王戦争の再現だと、グエン国王は危機感を募らせていた。一方時を同じくして、ナツキ&ナオチャンズがガルデローベ奪還のため奇襲をかけ、学園内でもマリアやユカリコが内応。目指すは神祖の霊廟。ジャミングするワルキューレの神祖を破壊し、フミを復活させることが彼らの目的だ。そしてナツキの元にシズルも合流。トモエとラブラブなフリをしつつ、トモエから霊廟のカギを奪ったのだ。GJ!!  だがナツキたちの動きもナギは把握済である。ニナにスレイブ投入を号令すると大量のスレイブ出現した。スレイブは神祖の扉を開けるべく急ぐナツキたちを追う一方、エアリーズを率いるユキノを襲う!!だがその直後、地中から巨大な漆黒の岩爪が現れユキノの身を救った。舞衣と命を引き連れ、我らがアリカ&マシロがついに到着。雑魚は舞衣に任し、アリカはヴィント市に向かった。だがミユ曰く、真の石の力を手に入れるには、どうしても越えなければならない壁があると。それは即ち、母を超えるという意味か。そう呟いたミユは湖に飛び込み、湖底の遺跡を目指す。  ナツキたちの手により霊廟の封印が解かれたとの報にも、ナギは禁書庫は破られないと余裕の表情。マテリアライズを果たしたナツキはデュランを召還。ワルキューレの神祖、即ちナギの城に向けてデュランがビーム発射。だがナギも負けじと攻撃命令を下す。2つの閃光がぶつかり合い強烈な光を放った。結果はデュランのビームが跳ね返されたナツキの負け。ワルキューレの神祖破壊は阻止され、そして霊廟も攻撃を受け再びマテリアライズが解かれてしまった。ナギはすぐさま第2波を放ち、その閃光がナツキたちを襲う!!だがその攻撃を、我らがアリカが見事に跳ね返した!!  だがそこにやってきたのはトモエ嬢だ。もう戦いは止めようと叫ぶアリカを「甘い!!」突っぱね、敢然と襲い掛かる。そしてワルキューレの神祖破壊に失敗したナツキたちは、ロザリーやラウラたちナギのオトメたちに囲まれてしまう。だが彼女たちに向かってマシロは叫ぶ。ナギに世界を渡してはならないと。ただの戦争の道具ならばオトメなど不要だと。そんな光景をナギは感心して見つめるが、最後の段階に移ることを告げる。彼の号令直後、ワルキューレの神祖のジャミングが最大化し、乙女達のローブが全て消えてしまう。それはナギ派のロザリーたちとて例外では無い。戦っていたアリカも墜落の危機を迎えるが、これを何と黒衣を着て自由が利かないはずのチエが救った。ここで白無垢を纏ってシホが久々に登場。チエを救ったのが、シホのマキマキだとっ(笑)。  自分だけがローブを着ている有利な状況に、トモエは皆消しちゃうと叫ぶ。そう、ナギの真の目的は、マイスターオトメの殲滅だったのだ。これでオトメシステムは終焉だとナギは静かに語る。だがそこにミドリが来襲し、トモエとミドリが大激突。そしてミドリの力がトモエを上回り、トモエは吹き飛ばされた。そして同じく到着したヨウコの言う通り、アリカとマシロが手を繋ぐと、何とアリカのローブが復活した。マスターに触れ合えば、ワルキューレの神祖の干渉波の影響を受けないのだ。全てはこの二人に託されたのだ。  みんなの思いを胸に秘め、アリカに力がみなぎる。ブチ切れたトモエがアリカに襲い掛かるが、アリカはトモエを黒衣ごとぶっ飛ばし、トモエは街に墜落してしまった。だがこの状況下でも、ナギはアリカに好きにさせてあげろという。自分たちには最後の手段が残っていると言う。それはやはり、ハルモニウムか。  アリカはワルキューレの神祖の前に辿り着いた。やっと再会した母の前で、アリカは静かに語りかける。その姿にマシロは涙する。だがすぐに涙を拭い、マスターとしてこの神祖を破壊せよと命じる。だがアリカも既に決心を固めていた。涙を流しながら、巨大化したエレメントを手にしたアリカは、神祖を破壊した。心の中で、母の元に抱き寄ったアリカ、ついに蒼天の聖玉の真の力が目覚めた。ありがとう、お母さん。アリカが呟いた。全てのスレイブが消え、舞衣も命も到着し、オトメたちにも力が蘇った。これで形勢逆転か。一方ミユは、湖底の遺跡に足を踏み入れ、何かを起動している。彼女が為そうとしているのは...  だが直後、竜巻出現。そう、ニナがハルモニウムの力を発動させたのだ!どうなる最終回!?

第26話(最終回) Dream☆Wind ~夢の在処~ (2006/3/30) 脚本:吉野弘幸  絵コンテ・演出:小野学  キャラクター作画監督:久行宏和  メカ作画監督:大塚健  
ゲームはここまで。そう軽口を叩いたナギは、この街を更地にして全てを終わらせる決意だ。もう後戻りはできない、ニナに向けられたその言葉、だがニナにももう迷いは無い。やはりセルゲイはニナの乙女を奪う事は出来なかった。だからこそ今の彼女は力を発揮できる。この異常事態の中、ミドリはアリカとマシロに逃げるように勧めるが、二人はキッパリと拒否する。この街を守るため、泣いているニナを助けるため、二人はニナの前に立つ。だがその時、ナツキ、舞衣、ナオたちが、竜巻の力を押さえ込む(これは正に、逆シャアでアクシズを止めに入ったMSか?)。そしてミユがシステムを起動させると、蒼き星の色が赤色に変わる。導きの星の伝説、それは星が赤く輝くとき、全てのオトメは主従の誓約から解放され、自由に力を発動できるのだ。敵だったはずのロザリーもラウラも皆、手を貸してくれる。オトメの力の全てが今、ここに集結しつつある。  このオトメたちの行動をルール違反だと嘆くナギ。しかしつづけてカルデアの戦艦が出現、中から現れたのは五柱の一人マーヤ・ブライスとあのアカネだ。退路が断たれたナギは、最後の希望、オリジナルスレイブ起動を命じる。シズルとハルカはアリカやナツキたちを城に向かわせ、スレイブたちを次々と倒して行く。どちらが多くのスレイブを倒せるのか、二人の競争が始まった。ちなみに最後まで衰えないハルカのギャグには萌えたっ(笑)。ナオも、シホのマキマキ攻撃も、そしてアカネとマーヤも皆、アリカを助けてくれる。アカネは何とカズヤとの初夜をぶち壊され、カズヤはカルデアの新国王として連れられ、アカネはマーヤに捕まってしまったのだ。絶対にカズヤと結ばれたいと願うアカネは可愛いっ。そして城に入ったアリカたちを待っていたのは、ローブを纏ったマリアだ。てーか実はこの人が最強か?(笑)。チエは復活したアオイに抱き寄り、舞衣はニナをハルモニウムから解放してと、全てをアリカに託す。  ハルモニウムの前に、ついにアリカとマシロが辿り着いた。迎えたのはニナ、そしてナギ殿下だ。こんなことはもう辞めてとアリカは叫ぶが、ハルモニウムを止めたら父が死んでしまうからできないとニナは拒否する。そして今度は、自分が全てを賭けて父を守る番だと。アリカは、セルゲイはこんなことを望んでないとニナに問い掛ける。だがそれは逆効果、何が分かるのよっとニナの漆黒の怨念がアリカを捉え。直後に竜巻が消える。蒼と赤の光、即ちアリカとニナの二人は城の上空で見詰め合っていた。アリカは言う、少しだけニナの気持ちがわかる、自分もセルゲイが好きだったから。その気持ちに気付いた時、ニナの気持ちも何も考えられなかったと。だがそんなアリカの言葉は、今のニナには意味が無い。「あの人が欲しい!!」と叫びながらニナはアリカに襲い掛かる。だが絶対にニナを止めると、アリカも負けていない。周囲のオトメたちも、二人の激突を見守るしかない。  一方、マシロの戦いは続いていた。ハルモニウムを止めろと、マシロは短剣を向けてナギに迫る。だがニナの言うことしか聞かないから無理だとナギは冷静に告げる。世界を正すため、ハルモニウムにより一度世界は滅んでいるが、今回は自分が失敗しないように見守るとナギは言う。だがマシロは、科学も徐々に解放し、オトメの存在も徐々に無くしてゆく、それができるとマシロは強く信じている。  二人の戦いは地球を離れ宇宙に舞台を移す。何で戦うんだ!?そのニナの問いに、皆が笑顔でいられる国を作るためとアリカは答える。それは夢、だが夢を持たなかったらオトメにもならなかったし、叶うと信じて進まなきゃダメなんだ、間違えたらやり直せばいいとアリカは言葉を続ける。だが過ちを犯しすぎたニナには、全てはもう遅いのだ。ニナは全ての力を、アリカに叩き込む。だがその攻撃は、アリカに跳ね返される。ニナは叫んだ、どうしていつも諦めないんだと。アリカは、ニナのことも皆のことも好き。だから諦めることなんてできない。もう1度一緒にやり直そう、そう言ってアリカは少しずつニナに近づいて行く。そんなアリカの姿に、もう少し話せば良かった、エルスとも、アリカとも...ニナは静かに呟き、二人は手を取り合った。  だが直後、ニナに激痛が走る。ハルモニウムが限界を迎えたのだ。ニナにはハルモニウムの過ちの記憶、恐怖、憎悪、絶望の全てがニナに流れ込んでいた。真白なる金剛石が、絶望で漆黒の金剛石に染まった過去をナギは告げるが、この賭けの負けを認めたナギは皆と一緒で死ぬ気だ。苦しみに悶えるニナは、私を倒してとアリカに叫ぶ。今ニナを倒さねば、世界が再び破壊されてしまうと。だが優しいアリカには、そんなことができるはずは無かった。  しかしニナの表情が一変し、黒翼を纏って竜巻の剣を振り翳す。マシロはハルモニウムに突撃するが、見えない壁に跳ね返される。だがマシロは諦めない、その意志がアリカにも伝わった。アリカは全力でニナに突撃し、ジャベリンをニナの身体に突き刺した!!ありがとう、ニナは笑顔でアリカに囁き、地球に墜落して行った。アリカはニナを必死に追うが...  ナツキたちはナギを逮捕し、セルゲイの身はすぐさまガルデローベに運ばれる。そしてナツキは全力で、ハルモニウムを破壊した。これで世界を混沌に導く災いが、ようやく地上から消された。一方、大気圏の中で真っ逆さまに落ちてゆくアリカとニナ。衣服も全て燃え尽きたはず、だがアリカはニナを捕まえ、笑顔を浮かべた。一筋の流星がこの世界に落ち、導きの星は蒼い輝きを取り戻したのだ...  戦いが終わり、今だ戦争の爪痕は至るところに残っていた。だが世界は再び、平和な時を取り戻しつつあった。女王として立派に成長したマシロは最後の仕上げといい、巨大な向日葵を城に飾ろうとする。それを運ぶのは、もちろん我らがアリカである。ドジってナツキたちに助けられるのも彼女らしい。マシロのお城がついに完成。まだみすぼらしい城だが、ここからが本当の始まりだとマシロは語る。そして自分の夢はここにあるとアリカも呟く。エルス、ニナにも、夢を追いつづける自分の姿を空から見ていて欲しいと、アリカは願った。  人里離れた田舎の古びたお城。そこで目覚めたのは、セルゲイだった。そして彼の傍らには、セルゲイを見守ってきたニナの姿があった。ニナの瞳から、大粒の涙が零れる。頭を撃たれたセルゲイは記憶をなくしていた。そんなセルゲイを見つめながら、「ただのニナよ、初めまして、もう一度ゆっくり初めましょう」、ニナはそう呟いた。    

舞-乙HiME完結です。いやー、ボリュームあり過ぎて疲れましたわ(笑)。でもまずは、アニメ作品としての面白さはやはりかなりのものだったと言っておきましょう。前作でも特筆されたキャラの魅力と世界観の深さについては、この作品でもさすがのレベルを見せ付けてくれました。正に「舞-HiMEプロジェクト万歳っ」って感じです(笑)。  と誉めておいた上で、前作と比較した上での目に付いた点(マイナス点)を挙げると、謎解き関係のエピソードが多かったため、相対的に戦闘量が少なくなってしまったことが自分としては一番不満だったです。バリバリの戦いモノを期待していた自分としては、ちょっと残念だった。結果的に、アリカがちゃんと戦ったのは2クール目に入ってからでしたからねぇ。前作と比較しても、ナギの登場回数が異常に増えたような気がしますが、おかげでキャラの「暗躍」ばかりが描かれてしまったしね。ま、そのおかげで各キャラクターが苦悩し成長するってのはわかるんだけど、なんだか作品中で黒い力が働き過ぎていてちょっと辟易したような面もあったのは正直なところです。また、キャラクターが多すぎて名前やキャラ個別のストーリーがなかなか覚えられなかったこともありますね。ま、これはオレの愛情(根性?)が足りない面もありますが(苦笑)、しかしこれだけキャラクターが多い割にはクライマックスの展開はキッチリと二人のヒロインに集約させていたので、終わり良ければ全て良しかもね。  ちなみに「Ζ」と冠していたこの作品ですが、本家ガンダムと照らし合わせるとこの作品で逆シャアまでやってしまった感じですね(最終話のアクシズ阻止が正にそれ)。ということで続編は期待薄かな(この作品のOVAは出るらしいけど)。或いはアリだとしても今回までのキャラクターは全く出てこない新しい形になるような気がします。
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