銀盤カレイドスコープ ~感想~

スポンサーリンク
<スタッフ>
原作:海原零(集英社スーパーダッシュ文庫)  監督:タカマツシンジ  シリーズ構成:大和屋暁  キャラクターデザイン・総作画監督:牧内ももこ  音楽:  アニメーション制作:カラク
<キャスト>
桜野タズサ:川澄綾子  ピート・パンプス:吉野裕行  高島優司:小杉十郎太  三代雪江:鈴木弘子  桜野ヨーコ:斎藤千和  本城ミカ:井上麻里奈  至藤響子:村井かずさ  新田一也:千葉一伸  リア・ガーネット・シュイティエフ:能登麻美子  ドミニク・ミラー: 岡本麻弥


Amazon.co.jp: 銀盤カレイドスコープ 全6巻セット [マーケットプレイス DVDセット] : DVD
Amazon.co.jp: 銀盤カレイドスコープ 全6巻セット : DVD
第1話 100億ドルの女 (2005/10/8) 脚本:大和屋暁  絵コンテ:タカマツシンジ  演出:菱川直樹  作画監督:梁光錫  原作は未読。OPはシルエットばっかりで萌え度が低い。早急なる改善を求めますっ!!本編の作画も初回にしてはかなり絶望的なレベル。飛行機のコクピットをちゃんと描くくらいなら、タズサちゃんの顔が「100億ドルの価値があると一目で分かるくらい」可愛く描いてくれ(笑)。  「愛嬌ゼロ」という設定のタズサですが、それはあくまで演技中だけの話であって、競技を離れた彼女はちょっと短気だけど笑顔もあるし適度に笑いのツボを抑えてる、至って普通の女子高生に僕には見えました。「性悪ヒロイン」というからには、来週以降はもっと暴れてもらわないと困ります(笑)、それと昔から思っていたことではあったんですが、タズサ役の川澄さんは悲鳴が上手くないんだよな。数々の作品でヒロインを演じてきた彼女ではありますが、このウィークポイントだけは未だに改善されないのだよね。

第2話 キーワードはトマト (2005/10/15) 脚本:大和屋暁  絵コンテ:川口敬一郎  演出:鏑木ひろ  作画監督:鳴海聖子  1話での僕の抗議が届いたのか単に1話に間に合わなかっただけなのか(まず間違い無く後者だが藁)、真のOPがお披露目。クオリティ面はまぁ低予算アニメではこんなものかなというくらい。着物風の衣装でのスケーティングはなかなか良かったですね。  内容はピート君のトマト嫌いが判明しタズサはそれを脅しの道具に使い主導権を握ろうとするも、トマト食べ過ぎでトイレがガマンしきれずついに乙女の大切な「何か」を失ってしまいご愁傷さまでしたというところ。だがイヤミなマスコミに対し毅然とした態度でマイペースを貫き、挙句の果てに至藤響子への宣戦布告に利用するとは、彼女はなかなかに強かでヤリ手だと思う。それからフリー記者・新田はどこかの作品でみたことあるようなヤツだが、今後はタズサとどう関わっていくのかも注目ですね。

第3話 トリプル・トラブル (2005/10/22) 脚本:高橋ナツコ  絵コンテ:藤本義孝  演出:水本葉月  作画監督:飯飼一幸  トリプル・トラブルとは、目前に迫ったHNK杯のプレッシャ、同じく目前となった期末テスト、そして自分に取り付いたカナダ人、それらタズサに降りかかった三重苦を指したものだ。だが期末テストは日本語が得意なカナダ人・ピートを使い見事乗り切ったどころか過去最高の成績となった。この調子で本職のスケートも...と言いたい所だが、タズサが自分の演技をイメージすると、過去の大会で立て続けに失敗したトリプル・フリップでそのイメージが途切れてしまう。これこそが彼女の乗り越える壁か。奇しくも滑走順は至藤響子の直後となり、正に直接対決となった。  だが本番を前にしてピートに八つ当たりする等、過剰なほどナーバスになるタズサ。プレッシャーは明らかだ。そしていよいよタズサの演技開始、途中まではイメージ通りに見事な演技を見せるが、やはりトリプル・フリップで痛恨のミスを喫してしまった。ショートプログラムで7位に沈んだタズサは悔しさに肩を振るわせる。そんな彼女をピートは彼なりに優しく励まし、その言葉にタズサも再び顔を上げる。少しだけ、二人が近づいた瞬間だった。

第4話 驚愕のフリープログラム (2005/10/29) 脚本:横手美智子  絵コンテ:中村憲由  演出:腰繁男  演出補佐:櫛引康志  作画監督:三浦辰夫  作画監督補:佐久間康子、北山修一  7位に沈んだ姉に気遣うヨーコちゃんを子供扱いするタズサですが、16歳のアナタも立派なオコチャマですっ(笑)。HNK杯二日目のフリー、3位につけた至藤が安全策で来ると読んだ「寄生虫(byタズサ)」ピートはタズサにイチかバチかの勝負をけしかけ、タズサもピートの提案に見事に乗せられる。  2番目で登場したタズサはトリプル・ルッツを小ミスするがすぐさま気を取り直し(ここでもピートのGOODなフォローアリ)トリプル・トゥー・ループを成功させ、更にサーペンタイン・ステップからトリプル・ルッツ、ダブル・トゥ・ループのコンビを見事成功させた。番組始まって以来、初めてタズサらしい演技を披露した瞬間だった。  至藤がピートの読み通り安全策で3位を守ったため、残念ながらタズサは4位となり表面上は至藤に敗れたことになった。が、フリーの演技は他の選手たちにも強烈な印象を与えていた。そして珍しくタズサをホメた三代監督の言うとおり、HNK杯での代表決定は先送りされ、次の全日本選手権に持ち越しとなった。タズサにとって朗報であることは間違い無いが、彼女の心理を巧みにリードしたピートは、戦略家としての片鱗を見せつつある。寒冷地であるカナダ人という事実も気になる彼は一体何もの?  上記の通り書いておきながら実はサッパリ理解できてないフィギュア・スケートの用語は、ココで勉強しましょう。

第5話 一人でデート (2005/11/5) 脚本:大和屋暁  絵コンテ:藤本義孝  演出:岡嶋国敏  作画監督:亀田義明  ようやくその姿を表したリア・ガーネット・シュイティエフ(ロシア人)。彼女とタズサとが同じ曲で練習してたのが気になるが...  全日本選手権に向けてタズサの調子は上がってきた(その半分以上はピートのおかげだ)。だがこういうときにこそ落とし穴が待ち構えているもの。膝の疲れが溜まっていたタズサは、練習中に転倒。幸い大事には至らなかったが、コーチは休息を命じる。  で、タズサは街に出る。もちろんピートも「一緒」に。食事から始まった二人のデートは軽快なBGMに乗って、映画、立ち読み、喫茶店、ゲーセンと続く。と、そろそろ日が沈み帰ろうとするタズサの前に迷子の女の子(ロシア人)が。泣きじゃくる女の子にどう接したらよいか分からないタズサだが、ピートは自分の気持ちを素直に伝えよとアドバイス。笑顔が満面に浮かんだタズサの気持ちが伝わり、女の子も泣き止んだ。そして女の子の母親も見付かり一件落着。だがタズサと大国ロシアとの新たな接点は、今後どんな意味を持つのだろうか。  二人は飛行機が見える夜の海岸に出た。ピートはアクロバット飛行のパイロットだったことを告白する。技を競い合うフィギュアとアクロバット飛行は似ており、だからこそピートはタズサに適切なアドバイスが出来るのだ。壮絶な墜落死を遂げたピートが何故タズサに憑依したのかは、今は分からない。だがタズサが今回のデートはまぁまぁだったと評しながらも、二人の絆がまた少し強くなったことだけは確かだ。  人生は山あり谷あり。リア・ガーネットのショートPの選曲が「ツィゴイネルワイゼン」であることを三代に聞かされたコーチは愕然。そう、タズサと同じ曲なのだ。このピンチを打開するため、次回はタズサが大変身を遂げるようで楽しみだ。

第6話 チェンジ! (2005/11/12) 脚本:中瀬理香  絵コンテ:川口敬一郎  演出:鏑木ひろ  作画監督:鳴海聖子  作画監督補佐:佐久間康子、北山修一  ロシアの天才少女・リアとショートの曲が同じ。これでは自分がリアの引き立て役になってしまうことは避けられない。タズサはコーチやピートの前で強がってみせたが、やはりショックは大きい。そしてそのショックが、彼女の演技のリズムを更に悪化させる。正に負のスパイラル真っ只中、である。  そんな時、三代監督がタズサの家にやってきた。いつものように厚化粧なお顔でタズサを挑発する三代監督に対し、今回ばかりはガマンの限界を越えたタズサは監督に啖呵を切る。監督が帰ったら厄除けとばかりに玄関の前で豪快な塩巻、これこそがタズサ流なのだ。  がしかし、大見得切っておきながらタズサの頭にネタは無し。そこでピートはある策を考案する。その内容は何と、選手権まで1ヶ月足らずというのにプログラム全変更。タズサは友人・ミカに衣装製作を依頼し、練習では大苦戦するも生き生きとした表情が戻ってきた。  そしてついに衣装完成。それは何と、大きなツインリボンにメイド風ウェイトレスという前代未聞のフィギュア衣装だった!!これはヤバいくらい可愛いよ、やっぱり川澄綾子はメイドさんだよ!!(笑)。この起死回生の一手が果たして実を結ぶのか、選手権に注目だぁーっ! ←ちょっと錯乱中(笑)

第7話 氷上のウエイトレス (2005/11/19) 脚本:高橋ナツコ  絵コンテ:山田浩之  演出:水本葉月  作画監督:飯飼一幸  選手権用の新コスチュームのタズサ評、「キュートでパンチがあって、またとないデキ」。もぅね、ピートじゃなくてもショック死しますよホントに(笑)。さて本番は目前。またしても順番が至藤の次となったが、前日会見では記者の煽りをサラリと交わすタズサ。だが後が無い彼女にプレッシャーが掛かっていることは間違い無かった。そんなタズサの硬くなった心を、ピートはウェイトレスゴッコを交えて、いつものようにほぐすのだ。  試合当日。至藤は無難に演技をまとめ、いよいよタズサの演技開始。煌びやかな衣装にどよめく観客。彼女のプログラムは、何と「ウェイトレスのお仕事」。ピートに引っ張られ観客や審査員に見事な「ご奉仕」を披露(ちゃっかり三代監督にアカンベーも交える)。正にタズサ大爆発だ!!  ショートプログラムを制し、翌日のフリーも転倒しつつ完全燃焼を果たしたタズサの身体からは白い陽炎(湯気ね)が。これを見た至藤は逆にプレッシャーを感じてミスを連発してしまう。この結果、オリンピック代表はタズサに決定した!!  本編はこれで終わったんですが、次回予告前に突如「リアとタズサのフィギュア教室」開講。内容はともかく、なぜにリアの方が主役のタズサよりも先に名前が出てくるんだ!?。てーかこの番組で能登さんの声が聞ける機会って、このコーナーくらいかも。嬉しいやら哀しいやら微妙だ(苦笑)

第8話 マスコミ戦争 (2005/11/26) 脚本:横手美智子  絵コンテ:藤本義孝  演出:腰繁男、櫛引康志  作画監督:三浦辰夫  作画監督補佐:佐久間康子、北山修一、鈴木麻衣子  「五輪はタズサに決定!」と書かれた新聞を怒りの余り踏みつける野郎は誰じゃ!?タズサへのマスコミ攻勢は大会前と比較して、いきなりの5倍増しというところだが、この原因は間違い無く、タズサを陥れようとする下劣なマスコミの存在だ。加えて協会の副会長からも厳しいプレッシャーを掛けられ、無理矢理お詫び会見を開かされる。コイツが冒頭の新聞踏み付け野郎だな!?  会見では相変わらずタズサvs下劣マスコミとの言い争いが繰り広げられたが、タズサの両親の離婚の話まで持ちかけられると、さすがのタズサも意気消沈してしまう。やはり彼女もまだ大人ではないのだ。だがタイミング良く新田がタズサのヘルプに入り、タズサの反撃開始。マスコミどもを「低劣・無能・醜悪・身の程知らず」をメッタ斬り。この戦場に、ようやく登場した三代監督が会見を中止させるが、同時にタズサに謹慎を言い渡す。  これだけの事件を起こしてしまえば内定取り消しは避けられない。そう落ち込むタズサを、ピートが優しく励ます。だが一方で、新田がグルになっていたマスコミと副会長をスクープ。翌日には大ニュースとして取り上げられ、タズサの内定は安泰となった。新田に大きな借りを作ってしまったタズサだが、その借りを返すのは五輪本番か、それとも別の場所か...次回はタズサ、新田、ピートの三角関係問題が発生。楽しみだ。

第9話 トライアングル・ラブ (2005/12/3) 脚本:中瀬理香  絵コンテ:山田浩之  演出:岡嶋国敏  作画監督:亀田義明  あの事件以来、タズサを取り囲むマスコミ&ファンの量は当社比倍増で大騒ぎ。タズサが彼らにもみくちゃにされそうな危機を救ったのは新田。彼はタズサがリアと同じく次世代を担うスケーターであると確信をもっており、オリンピック前にもう1度逢う約束を交わす。顔を赤らめ、そして彼と握手を交わしたタズサ。新田がタズサに見せたいものとは何だろう。だが彼とのツーショットをパパラッチに撮られてしまう。  新田に嫉妬したのか、ピートがタズサに新田とのことをからかいタズサは激怒。練習にも身が入らない。そして何やらコーチの方もタズサに何かを言わないといけないことがあるようでソワソワモード。だがスクープ写真がさっそくスポーツ新聞各紙を賑わす。その内容はなんと、タズサ、新田、そしてコーチの三角関係!?。夜中、家を取り囲むマスコミを追い払おうとし、逆にもみくちゃにされる危機を救ったのは再び新田。彼の誘いに乗り、タズサは彼の仕事場にやって来た。そこで判明したのは、新田が至藤響子のことを好きだと言うこと。彼のアルバムは至藤のプライベードショット満載だったが、どうやらまだ新田の片思い状態のようで。  そして本題。彼はタズサの軌跡をまとめた一冊のノートをタズサに見せる。そのノートは途中で白紙になっていたが、ここは五輪でメダルを取った時のインタヴューを乗せるのだと彼は言う。彼の確信は現実のものとなるか!?そして帰宅したタズサを待ち受けていたのは、コーチの結婚宣言。タズサのことで色々と苦労しただろうから、幸せになってくださいホント(苦笑)。ピートはタズサが他の男とキスするのは絶対にヤダと叫び、そんなカッコつけピートにタズサは再び激怒。その怒りの矛先を今週3回も直撃食らったミカちゃんはご愁傷様(笑)。

第10話 タイムリミット (2005/12/10) 脚本:大和屋暁  絵コンテ:藤本義孝  演出:腰繁男  演出補佐:櫛引康志  作画監督:Kim Gin Young、佐久間康子  作画監督補佐:北山修一、鈴木麻衣子  オリンピック本番の2/23は、ピートが現れてから丁度100日目に当たる。そう、彼はオリンピック本番当日に消えてしまうのだ。そのタイムリミットが分かっていても、ピートから明るさは消えない。だがタズサは、ピートが「2度死ぬ」ことに心を痛めつつあった。そんな状態で練習に入るタズサだが、ピートのことが頭から離れず、集中力が散漫なタズサに高島コーチは珍しく激怒する。これもタズサのことを想ってのことだろうが...  力になりたい、相談に乗りたいというピートに、何とタズサはしばらく自分に話し掛けてこないでと吐き捨てる。程なく二人の会話は完全に止まった。それがタズサの本意で無いことは明らかだが...しかし会話が止まっても、練習では相変わらず集中できていない。そしてそのことを新田も見破っていた。  海辺にやってきたタズサは、もうすぐ2度目の死を迎えるピートにどうしたいのかと問う。憑依霊であっても、死ぬのは怖いとピートは正直に話す。だが同時に、彼は残された時間を大切にしようとも誓っていた。タズサはピートの言葉に涙する。今までピートによって励まされてきた自分。だから今度は、ピートに残された時間を彼だけのために使ってあげたい。そう願ったタズサは、何とオリンピック代表を辞退すると言うのだ!!  だが二人は、誰も居ないリンクにやって来た。そこでピートは、タズサと一緒にトリノに行き、タズサの最高の演技を見届けることこそ、自分の望みだと言う。トリノ本番、そして自分が消える2つの日付が同じなのは、運命だと彼は続ける。そんな彼の言葉を聞きいれる条件として、タズサは1つの条件を持ち出した。それは何と、「キス」。えーーっ。何よそれっ。ヤバイよ、タズサたん萌えまくりやん(笑)。

第11話 キス・アンド・クライ (2005/12/17) 脚本:高橋ナツコ  絵コンテ:山田浩之  演出:宮田亮  作画監督:飯飼一幸  って冗談かよタズサたんっ!?(--。ドキドキした二人はふっきれたように微笑みあう。一緒に、いけるところまで行く、それがタズサの本当の条件だった。ピートと同じく、トリノへの時間も残り僅か。集中力を取り戻したタズサの練習はヒートアップしてゆく。トリノ用のプログラムはピートが考案。二人で青空を力強く飛翔する、それが新プログラムのコンセプトだった。  トリノへの出発の日。マスコミからさっさと逃げたタズサの前に、至藤響子が現れた。お互い良きライバルとして言葉を交わし合う。そして何と、母親から電話が掛かってきてもいたらしい。あまりにも色々なことが起こりすぎたことは、巨大なプレッシャーに襲われていたタズサにとって、多少の救いにはなったのか。そしてトリノ到着。早速ドミニクに挑発を受ける。この国では誰もタズサのことを知らない、だがピートは誰よりもタズサを知っている自分がいるとカッコつけのイタリア人に変身かよっ(苦笑)。  滑走順を決めるくじ引き。タズサが引き当てたクジは、何と「1」。タダでさえプレッシャがかかるトップバッターは、比較対象が無いことも合わせ考えると、非情に不運と言えた。夜、落ち着かず眠れないタズサの震えを、ピートは感じていた。翌日、コーチはタズサに魔法の砂時計を渡す。この砂が落ち切る2分50秒の間、世界はタズサだけのものだとコーチは言う。くーっ、キザ男ここにもいたかっ(笑)。  リンクでは有力選手の練習が行われていた。その後ろには、キス・アンド・クライ(演技を終えた選手とコーチが得点を待つために座る席のこと)がある。だがここはタズサにとって、祝福のキスを受け感動の涙を流す場所、素敵な演技が出来たらキスするとピートは言う。  そしていよいよ本番!!初日のショート、タズサは再びウェイトレス姿で氷上を華麗に舞う。って、絵の使い回しもいいところ(苦笑)。しかし何とタズサは前回見せなかった3回転ジャンプを見事成功させる。観客席からは大歓声とともに、リンクに花束が投げ込まれる。そして評点。キス・アンド・クライで、ピートは約束通りタズサに祝福のキス...ショートプログラムが終了し、タズサはリアに次ぐ2位という素晴らしい結果である。次回最終回のフリープログラム、タズサとピートの「ラストフライト」が楽しみだ。

第12話(最終回) シンデレラ (2005/12/24) 脚本:大和屋暁  演出:Alan Smi Thee  作画監督:牧内ももこ  SPを2位で終え、あのカタブツ・三代監督も良い滑りだったとタズサを誉める。そのタズサは記者会見でもピート直伝のアメリカンジョークを炸裂させる。流れは良い。だが二人に残された時間はもう僅か。次のフリープログラムが、二人にとって最後の演技。ピートは最高の演技をしようとタズサを励まし、タズサは言いたいけど今は言えない、たった一言の言葉を胸にしまったまま、フリーの当日を迎えた。  選手控え室に氷の女王・リアが入ってきた。その圧倒的な存在感により、控え室に緊張が張り詰める。だがタズサだけはマイペースを貫く。ピートと二人で最後のダンスを踊りきることが、今の彼女にとっての全てだ。タズサの前順、そのリアの演技が始まった。荘厳かつ圧倒的、そして完璧な演技に、観客のみならず他の選手も言葉を失った。これは高得点間違い無い。そして次はいよいよタズサの出番。コーチもタズサの指導ができて幸せだったとタズサを送り出す。  桜の衣装を身に纏い、タズサの演技が始まった。高くしなやかなジャンプを次々と決めてゆくタズサ、いや、タズサとピートの二人。氷の上を滑っていたんじゃない、二人は一緒になって、大空を舞っていたのだ。タズサのダイナミックな演技に、コーチ以下号泣。リアの直後にも関わらず、観客も大歓声を送った。  演技が終わり控え室に戻るタズサはリアとバッタリ。女王リアも、タズサの演技を認めたのだ。結果、リアは金メダルに輝き、一方審判の微妙なジャッジによりタズサは4位となってメダルを逃してしまった。監督は笑顔を浮かべたまま、タズサの演技をまだまだ技術は未熟だと評した。だが今のタズサにとって、メダルの有無など関係無かった。  二人は山奥の湖にやってきた。背を向け合う二人。本当にもう、時間が無い。最高の演技をやりきったという確信が二人を包む。そして思い残すことは無いと言い、ピートはタズサに感謝する。するとタズサの瞳が輝き、空から雪が降ってきた。そしてピートの身体が光りを放ち始める。「別れたくない」と叫ぶタズサの涙が、湖に零れ落ちる。だが「最後は笑顔で見送って欲しい」というピートに、タズサは懸命に応える。そしてサヨナラを告げて、ついにピートは光の粒となって消えた...ピートが消えた後、タズサは言えずに胸にしまったままの言葉を口にする。「大好きだよ」...

   ということで、この作品もついに完結。くーっ、予想してはいたけど、何ともまぁ照れくさくなるラストでしたね(笑)。でもまぁ、タズサとピート、深まって行く二人の絆が1つの見所だったことを考えれば、良いラストだったのでは無いでしょうか。  と言いつつも、全体を振り返れば、1)絶対的な低予算から来るクオリティの低さ、2)フィギュアスケートはともかく、目ぼしい恋のライバルが不在でドラマ的に盛り上がりが少なかった、等、不満点が多かったのは間違い無いところ。特に「1」は第1話からある程度分かっていたことではあったものの、最終回まで改善は全く見られず。このような作品を今後は、「終わり良ければ全て良し」系と名づけます。このレベルであれば、1年後は記憶の奥底に眠ってしまいそうですね。  ちなみに現実の日本では空前のフィギュアブームに沸いてますけど、もちろんこの作品はその流れに全くと言って良いほど乗れなかったですな。作品の色としては、決してアニメファンだけにしか通用しないものでは無かったと思うけれど、アニメファン以外こんな深夜のマイナー枠、誰も注目しないからねぇ。この点も、惜しいと言えば惜しいかもしれないな。

Amazon.co.jp: 銀盤カレイドスコープ 全6巻セット [マーケットプレイス DVDセット] : DVD
Amazon.co.jp: 銀盤カレイドスコープ 全6巻セット : DVD
タイトルとURLをコピーしました