【超魅力アリ?】QYLDは投資価値のあるETFなのか?

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こんにちは、株式&不動産投資家のトムです。

私はツイッターが好きで(@Roby_Tom)株や不動産のことを色々呟いてますが、最近「QYLD」の話題をよく見かけるようになりました。それでちょっと気になってかなり低目の株価(21.8米ドル)で50口を指値設定してたら、最近のNASDAQ市場の下落で見事に刺さってしまいました(笑)

QYLD 50口の指値が通った図
QYLD 50口の指値が通った図

ということで勢いで買ってしまったのものの私自身QYLDのことをあまりわかっておらず(汗)、今回QYLDを色々調べてみましたので今回解説したいと思います。ちなみにQYLDの実際の人気はかなり高く、SBI証券の先週の米国ETFランキングでは第9位に位置しています。

米国ETF 週刊ランキング
SBI証券 米国ETF 週間ランキング(2021/9/27~2021/10/1)

  • 本記事のポイント
    • QYLDは「毎月の安定分配」&「高分配利回り」が最大の魅力
    • オプション取引(カバード・コール戦略)で分配金の原資を確保するETF
    • トータルリターン重視の人はQQQやレバナスがお勧め

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QYLDの概要と特徴

QYLDは米国高配当ETFの1つで、正しい名称は「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF」と言います。ティッカーシンボルがQYLDです。

運営企業グローバルX社
ファンド概要カバード・コール戦略で利益を生み出そうとするもので、ナスダック100指数の株式を購入し、対応する同一指数のコール・オプションを売却する
設定日2013年12月11日
指標BOE NASDAQ-100®・バイライト・V2・インデックス
経費率 0.60%
資産総額 (十億 USD)    4.741
株価(2021/10/7)22.40(米ドル)
直近配当額(2021/09/20)   0.190247(米ドル)
分配利回り(税引き前)10.11%
分配頻度月次
QYLDの概要 
引用元:https://globalxetfs.co.jp/funds/qyld/ https://www.bloomberg.co.jp/quote/QYLD:US

QYLDの最大の特徴・魅力は何といっても「毎月分配」かつ「超高分配利回り」であることです。多くのETFは3か月毎の分配ですが毎月分配金が入金されるのは嬉しいです。また分配利回りは10%強と高配当ETFで知られるSPYDの約2倍を誇り、高配当株投資家には魅力的なファンドです。更に株単価は22.4米ドルと安価ですので、気軽に買って毎月配当の恩恵を受けられる点も魅力です。

次に目を引くのが運営企業がグローバルX社という聞きなれない企業であることです。グローバルX社は「Beyond Ordinary ETFs(平凡なETFを超える)」をポリシーに掲げ、主にテーマ型ETFを取り扱うことで近年注目を集めている企業だそうです。私はいわゆる3強(バンガード、ブラックロック、ステートストリート)のETFしか買ったことが無かったですが、グローバルX社にとって3強の主力ETFが「ordinary ETFs」(平凡なETF)だと言いたいのかもしれません。面白い企業ですね。

ファンド概要には「カバード・コール戦略で利益を生み出す」とあります。このカバード・コール戦略がこのETFの設計上のポイントとなりますので後述します。

設定日は2013年なので暴落経験はコロナショックの1回のみです。コロナショックの時の値動きが気になります。また経費率は0.6%と高め。今回調べてみてわかりましたがカバード・コールは手間のかかる運用手法なのでこの経費率は仕方ないとは思います。運用資産額は47億ドル。運用資産額第一位のETFであるSPYは約3900億ドルなので、(今のところ)QYLDは中小規模のETFと言えます。

なお組入銘柄は以下の通りで、NASDAQ100と基本同じです。

QYLDの組入銘柄
QYLDの組入銘柄
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QYLDの高利回りを支えるカバード・コール戦略

さて先ほども出てきた「カバード・コール戦略」とは何ぞや、についてです。ググってみると以下の通り解説されています。

オプション取引を利用した投資手法のひとつで、原資産を保有しながら、その原資産のコールオプションの売りポジションをとる戦略のこと。

コールオプションの売り建てにより、原資産の一定水準以上の値上がり益を放棄する代わりに、オプションのプレミアムを受け取ることができます。

引用元:大和証券サイト https://www.daiwa.jp/glossary/YST0273.html

つまり、カバード・コール戦略を理解するためには「オプション取引」を理解する必要があります。これも調べてみました。

オプションとは特定の商品(原資産)をあらかじめ定められた期日に、あらかじめ定められた価格で買う、あるいは売る権利をいいます。この権利の取引がオプション取引です。

買う権利のことを「コールオプション」、売る権利のことを「プットオプション」、あらかじめ定められた価格を「権利行使価格」、あらかじめ定められた期日を「満期日」、権利が行使出来る期間を「権利行使期間」といいます。

引用元:ニッセイアセットマネジメント よくわかる!カバード・コール戦略 https://www.nam.co.jp/education/coveredcall/index.html

以上を踏まえると、QYLDでは以下の資産運用を行っていることになります。

  • 原資産であるNASDAQ100(正確にはNASDAQ100の構成銘柄の株式)の現物を購入し、保有する。
  • 保有するNASDAQ100のコールオプションを売って、オプション費用(オプションプレミアム)を得る
  • 満期日が来てコールオプションを売った相手が権利行使したら、NASDAQ100の現物を権利行使価格で売り渡す

例えば原資産であるNASDAQ100の現在の株価が10,000円で、1か月後に11,000円で買うことができるコールオプションを500円で売った場合を考えましょう。以下の通り、1か月のNASDAQ100の株価次第でカバード・コール戦略の利益が変わってきます。

  1. 1か月後のNASDAQ100の株価が10,500円だった場合 ・・10,500円の現物を11,000円で売却 + 500円のオプションプレミアム → 合計 1,500円のプラス (株を持ち続けるより1,000円得した)
  2. 1か月後のNASDAQ100の株価が9,000円だった場合・・・コールオプションの買い手はオプションの権利行使をしない(今9,000円で買えるものをわざわざ11,000円で買わない)→ 株価の値下がり(マイナス1,000円) + 500円のオプションプレミアム → 合計 500円のマイナス(株価の下落分をオプションプレミアムの分だけカバーできた)
  3. 1か月後のNASDAQ100の株価が12,000円だった場合・・・12,000円の現物を11,000円で売却しなければならない + 500円のオプションプレミアム → 合計 1,500円のプラス(株を持ち続けるより500円損した)

こちらのサイトでもわかりやすく図で解説しているので参考にしてください。

カバード・コール戦略は要するに、株価の爆上がりによる利益を諦める代わりにオプションプレミアムで確実なリターンをモノにする戦略と言えます。そしてこのオプションプレミアムのリターンと、(少ないでしょうが)NASDAQ100銘柄の配当金がQYLDの分配金の原資になります。

QYLDの運用上の権利行使価格やオプション価格はわかりませんが、NASDAQ100指数は成長性が高い、つまり爆上がりの確率が高いことが1つの特徴ですから上記のケース3が多く発生していると想定されます。またそもそもコールオプションの購入者はケース3を目当てにオプションを購入します。従ってQYLDはNASDAQ100に対してトータルリターンで劣ることが想定できます。これは後ほど確認します。

また株価の下落が続くような局面ではコールオプションが売れにくくなるので、配当金も減ってしまうと考えられます。つまりNASDAQ100の下落リスクはQYLDの減配リスクになるということです。

QYLDの株価推移とリターン

次に気になるQYLDの株価推移とリターンについて見てみましょう。まずは株価推移です。比較対象として、NASDAQ100指数に連動するETFであるQQQと比較してみます。期間はコロナショックの動きも見たいので直近2年としています。

QYLDの株価推移(直近2年)
QYLDの株価推移(直近2年)

緑がQYLD、青がQQQです。グラフから一目瞭然ですがQYLDは株価上昇には全く期待できないETFです。QQQが2倍に近い88%の上昇となっているのに対しQYLDはコロナショックと小さな上げ下げを経て2年前からは何と2%の下落、つまりは元本割れになっています。またコロナショック時にはQQQと共に大きく値下がりしており、暴落時の耐性も特にみられない結果となりました。更にはQQQ(NASDAQ100)の上昇局面でもQYLDの価格はほとんど上がっていません。もうちょっと上がっても良さそうなものですが、この点は少し残念です。

次に直近2年の分配金込みのトータルリターンについても見てみましょう。

QYLDのトータルリターン
QYLDのトータルリターン(直近2年)

緑がQYLD、青がQQQです。先ほどの想定通りQYLDはトータルリターンでもQQQに完敗です。株価はほぼ変わらずで分配利回りは約10%なので単純計算で2年で20%となりますが、右上の棒グラフから2年のリターンは26%となっておりほぼ計算通りです。

株価の変動がほとんどなくトータルリターンでもここまで大きな差がつけられていることからすると、NASDAQ100の爆上がりの可能性の高さをウリにして、権利行使価格は抑えめにしてコールオプションを売りまくって得たプレミアムを投資家に分配する、というのがQYLDの運用の実態だと私は考えます。

以上より、NASDAQ100指数を基準としているファンドでトータルリターンを重視される方は、QYLDよりも上記のQQQや、私も積立しているレバナス(iFreeレバレッジ NASDAQ100)への投資がおすすめです。

QYLDの魅力は毎月安定した高利回りの分配金が得られること

最初にQYLDの魅力は 毎月分配かつ高分配利回りだと書きました。ここで気になるのは毎月分配される分配金はある程度一定なのか、それとも大きくぶれるのかです。2017年1月から直近までの分配金履歴は以下の通りです。

QYLD分配金履歴(2017/1~2021/9)
QYLD分配金履歴(2017/1~2021/9)
引用元:https://www.nasdaq.com/market-activity/funds-and-etfs/qyld/dividend-history

概ね$0.15~$0.25の範囲内で推移していることが分かります。他の高配当ETF、例えばSPYDは以前に解説した通り期によってぶれ幅が大きいのですが、QYLDの分配金は比較的安定していると言えます(HDVやVYMよりは劣るかもしれません)。また見逃せないのはコロナショック(2020/2~3)でも分配金がほとんど落ちていないことです。

ということで、超高利回り&毎月分配に加え分配金の額が安定していることもQYLDの特徴に加えて良いでしょう。ここに魅力を感じることができるのは、キャピタルゲインを捨ててまでも毎月の安定したインカムゲイン(キャッシュフロー)を特に重視する投資家になるでしょうし、その方々には投資価値のあるファンドだと思います。

余談1・・・QYLDは不動産っぽいETFか?

さてここからは不動産投資も大好きな私の私見になりますが、QYLDは不動産みたいなETFだなとも感じました。

  • 株価の変動が小さい → 物件価格があまり下がらない、そこそこ人気エリアの区分マンション
  • 毎月の安定した分配金 → 毎月の安定した賃料収入
  • 分配金に掛かるコスト(外国税10% + 日本の税金20.315%) → 物件に掛かるコスト

といったように、ファンドの特徴を不動産の特徴に紐づけできることが理由です。

簡単なシミュレーションをしてみましょう。手元に1000万円の資金を全額QYLDに投資したとすると、執筆時点の為替レートが1米ドル=111.7円なので、約4,000口のQYLDを購入することができます。すると月あたりの分配金は4,000 x 0.190247 米ドル(2021/9の実績) = 760米ドル = 約85,000円となり、そこから税金を引くと手残りは約61,000円です。

一方、1000万円の区分マンションを現金購入し賃貸に出したケースを考えると、立地や築年にもよりますが6万円の手残りを得るのはちょっと難しいと思います(3~4万円くらいしか残らなさそう)。キャッシュフローの点では1000万円の現金を不動産投資に一括で投入するよりも、QYLDに投入する方がベターな投資法と言えるかもしれません。

またQYLDには当然修繕リスクや空室リスク、孤独死リスクに相当するリスクはありません。考慮すべきなリスクはファンド自体が消滅する途中償還リスク(不動産に例えると災害等での物件滅失リスク)くらいでしょうか。価格変動リスクはどちらも同じようにあります。

不動産投資はレバレッジを効かせられるのでこの点はQYLDが劣る点ですが、ある程度まとまった資金が用意できるなら、不動産投資の頭金にするのではなくQYLDに一括投資した方が良いと思います。

実は最近、不動産投資で非常に辛いことがありました。詳しくは私の心が落ち着いたら記事にまとめようと考えていますが、不動産投資のリスクがモロに顕在化し今後の運営に支障が出てきたことだけはここでお伝えしておきます。そんな状況なので、今は真の不労所得であり金の成る木でありリスクが小さい高配当ETFの魅力に改めて惹かれているところなので、不動産投資の代替投資手段としてQYLDへの投資はアリかなと個人的に感じています。

余談2・・・他の指数のカバード・コール型ETFは存在するの?

あります。XYLDはS&P500指数を軸としたカバード・コール戦略のETFです。運用会社はQYLDと同じGlobalX社です。

しかしこのXYLDは執筆時点(2021/10/8)でSBI証券と楽天証券では購入することができません(ログインして確認済み)。GlobalX日本社のサイトで検索しても出てこないので、どうやら日本の証券会社で購入することは(執筆時点では)できないようです。

QYLDはなかなか面白いファンドだと思いますし、S&P500指数をインデックスとするファンドは人気がありますので、XYLDを日本で販売すればそこそこ売れるような気もします。

今回の記事は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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