【不人気の今がチャンス?】ENEOSホールディングス Q2決算への期待

スポンサーリンク

こんにちは、株式投資家のトムです。

ENEOS、相変わらず人気ないですねぇ~(^^;

私は400株ほどENEOSホールディングス(以下、ENEOS HD)の株を保有してますが、株価が最近の原油高騰にほとんど反応してくれません。

以下は直近2年の原油価格(WTI原油先物:緑色)とENEOS HDの株価(青色)の推移を表したグラフです。おおむね原油価格の上げ下げにENEOS HDの株価は追従しているのですが、今年8月以降の原油価格急上昇の局面では全くと言ってよいほどENEOS HDの株価が上がっていません。

ENEOS HD株価と原油価格の推移(直近2年)
ENEOS HD株価と原油価格の推移(直近2年)

例えばこちらのニュースであったり、私が参考にさせて頂いているつばめ投資顧問さんの記事を見ると、基本的には原油高はエネルギー関連株の上昇に繋がるはずです。また今はガソリン価格も高騰してますよね。これも原油高が原因ですがあれだけ値上げしてたら相当儲かってるような気がします。

更には10月上旬に再生可能エネルギー大手の「ジャパン・リニューアブル・エナジー」を買収する方針を固めた、というニュースがありました。ESGを重視し脱炭素への転換を必死に図っている気がしますがこのニュースにも投資家の反応は非常に薄かったです。

ENEOS HDの株価はなぜ上がらないのでしょうか。そして今後株価はどのように動いていくのでしょうか。それらについて今回は考えたいと思います。

(11/12 追記)こちらに2Q決算発表を受けてのENEOS HDの記事を書いております。

スポンサーリンク

ENEOSホールディングスの主要事業は3つある

ENEOS HDは連結売上11兆円(2019年3月期)を誇る、日本の石油卸企業の最大手です。ENEOS HDには以下の3つの主要な事業セグメントがあります。

  • エネルギー事業(石油精製・販売)
  • 石油・天然ガス開発事業
  • 金属事業(非鉄)

ここでアレって感じなのですが、石油とは関係ない金属事業も手掛けているんですね。

次に2021年度Q1の決算発表で各事業セグメントの利益を確認してみましょう(資料はこちらです)。

ENEOS HD 2021年度Q1決算 セグメント別営業利益
ENEOS HD 2021年度Q1決算 セグメント別営業利益

まずエネルギー事業を見てみると、950億円の利益の大半は在庫影響になってます。これはつばめ投資顧問さんが指摘されているように、在庫となっている原油が最近の原油高によって評価額が上昇し、会計上の利益となっているためだと思われます。原油高の影響を除いた本業での利益は75億円にとどまっています。

一方で、石油・天然ガス開発事業(これは原油及び天然ガスの生産と販売事業)の利益は前年同期比から爆増しています。これはこちらの決算短信に記載がありますが、生産量の増加と原油市況の反映(=高騰)で増益とあります。そして金属事業は在庫影響を除くと3事業の中で最大の稼ぎ頭になっています。

つまりENEOS HDは単に原油を精製してガソリンを売っているだけでなく、原油の生産&販売や金属事業(主に銅です)と幅広いビジネスを展開していることが分かります。原油価格の高騰がダイレクトに株価に直結していない理由はこの辺りになるのかなと私は考えます。

更に冷静になって考えてみると、石油精製や石油化学製品の製造をコアとしているエネルギー事業では原油を輸入して事業を行っているわけですから、実は原油価格の高騰は事業の利益を減らすのではないかという気がします。一方で 石油・天然ガス開発事業はENEOS HD自らが原油を生産して販売しますので、原油価格の高騰は事業の利益を増やす方向に働くと考えられます。

ここでQ1決算発表資料に「感応度(資源価格や為替レートが利益に与える影響)」がありましたので見てみましょう。

 ENEOS HD 2021年度Q1決算 感応度
ENEOS HD 2021年度Q1決算 感応度

先の予想通り、原油価格の上昇はエネルギー事業にとってはマイナスに働きます。しかし石油・天然ガス開発及び在庫影響には大きなプラスになります。この感応度の資料ではもう1点、為替レートが円安になると全ての事業セグメントで利益を押し上げる方向に働くことも重要な点です。

スポンサーリンク

通期見通しは超保守的 Q2決算で好決算発表の可能性は高い

ENEOS HDの2021年度Q2決算はIRカレンダーを見ると11月11日に予定されています。当然決算の内容によって株価が大きく反応する可能性がありますが、決算内容の予想に際しては以前に投稿した日本郵船商船三井で述べたように、通期見通しで資源価格や為替レートについてどのような前提条件を置いているのかが非常に重要です。早速Q1決算で発表されている前提条件を見てみましょう。

ENEOS HD 2021年度Q1決算 通期見通しの前提条件

超保守的な前提条件 来ました!(笑) 為替レートはQ2以降、1米ドル105円の前提が置かれています。今は114円前後ですが、先に掲載した感応度の資料で見た通り、円安ドル高は全ての事業セグメントで利益を押し上げる方向に働きます。

そして原油の前提条件は1バレル60米ドル(エネルギー事業)もしくは61ドル(石油・天然ガス開発)ですが、今日時点ではWTI原油先物価格は1バレル84ドル前後です。ドバイ原油先物や北海ブレンド原油先物もそれほど大きな価格差は無いはずです。この原油価格の見込み差も事業損益に大きく影響してますね。特に石油・天然ガス開発の損益と在庫原油の評価高はスゴイことになりそうです。

最後の銅価格ですが、この資料にある指標がどうしても見つけられませんでしたのでこちらのサイトの銅価格の推移を見てみましたが、ざっくり言えばQ1とQ2で大きくは変わっていません。従って金属事業の利益はQ1とそれほど大きく変わりはないと考えられます。

銅先物価格推移
銅先物価格推移

ここまで為替レートや資源価格の前提条件を踏まえた上でのQ2決算の見通しを述べてきましたが、コロナ渦からの回復状況も当然決算に影響するでしょう。地域によって回復状況はまちまちですが、大きな流れとしては回復している方向なのは間違いないですから、この点も利益を押し上げる要因になりえると私は考えます。

以上、ENEOS HDのQ2決算の見通しについて検証してきました。私の予想としてはQ2の好決算はほぼ間違いなく、通期見通しの上方修正や増配も有り得るのではと思います。ホルダーとしては非常に楽しみな決算となりますね。

今回の記事は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました