【予想的中!】「商船三井」 好決算&上方修正&増配のトリプルコンボを大発表!!

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「商船三井、通期予想3度目の上方修正 期末配当は従来予想の倍に」(ロイター)

商船三井、通期予想3度目の上方修正 期末配当は従来予想の倍に
商船三井は29日、2022年3月期連結業績予想(7月30日公表)を上方修正すると発表した。通期予想の上方修正は3度目で、売上高は1兆2200億円(従来1兆1000億円)、純利益は4800億円(同3350億円)に見直した。コンテナ船事業を運営する持分法適用会社ONEで荷動きや賃料が想定を上回って推移したほか、ドライバルク...

商船三井、やってくれました!!

本日(10月29日)行われた2022年3月期第2四半期(Q2)の決算発表にて、①前年同期比でQ2および上期の大幅な増益、②通期見通しの大幅な上方修正、③期末配当の増配、を発表しました。後程Q2決算の内容は確認していきますが、このトリプルコンボの威力はすさまじく、本日午後1時頃に行われた決算発表後に商船三井の株価は↓の図の通り前日終値から620円(9.48%)も上げました

商船三井 10月29日の株価推移
商船三井 10月29日の株価推移

私は以前に投稿したQ2決算予想記事で、商船三井のQ2好決算&通期見通しの上方修正を予想していましたがその通りになってくれました。まぁ正確に言えば「好決算&上方修正するだろうけど(日本郵船と比較すると)上方修正のサプライズ度は小さいかも」と予想したんですが、今日の株価上昇を見ればサプライズ度も十分ありましたね(^^;。この点は予想が外れましたがホルダーとしてはポジティブな外れですので全く問題ありません(笑)

ということで商船三井のQ2好決算に対して市場はすぐにポジティブな反応を示したわけですが、気になるのは来週以降に株価は更に伸びるのか、そして次のQ3決算で再度のサプライズを期待して良いのかです。今回はQ2決算の内容を確認しつつ、それらの点について考えてみたいと思います。先ほど少し触れた日本郵船(Q2決算発表は来週予定)についても少し触れます。

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Q2決算の振り返り

まずはQ2の決算概要(全体とセグメント別)を見てみましょう(拡大してご覧ください)

商船三井 Q2決算(全体)
商船三井 Q2決算(全体)
商船三井 Q2決算(セグメント別)
商船三井 Q2決算(セグメント別)

2021年度上期(4月~9月)の売上高は5,970億円で前年同期比で1,124億円の増収、経常利益は2,718億円で前年同期比で2,391億円の増益です。売上高経常利益率は45.5%、経常利益の伸長率は驚愕の731%と、正直わけのわからない数字になります(笑)。国内の1兆円企業で売上高経常利益率が50%近い決算ってひょっとして過去に存在したことないのではないでしょうか。そして右のセグメント別資料を見ると、利益のほとんどがコンテナ船事業から生み出されたことが分かります。

この事実は重要です。何故かというと前回の記事でも書きましたが、商船三井のコンテナ船事業の利益は日本郵船、川崎汽船との合弁会社であるオーシャンネットワークエクスプレス(ONE)社の利益から持ち株分(商船三井と川崎汽船は31%ずつ、日本郵船は38%)を営業外利益として計上しているからです。つまり商船三井の決算でコンテナ船事業の爆益が確認できたことは、自動的に日本郵船と川崎汽船のコンテナ船事業の爆益も確定したことになります(これら2社のQ2決算は来週予定)。ちなみにONE社のQ2決算資料もこちらで確認できますので興味のある方はどうぞ。

またコンテナ船事業の爆益に隠れてしまってますが、ドライバルク事業やエネルギー・海洋事業の利益もQ1から増えており、これらも上期の増益に貢献しています。

商船三井の2021年度上期実績はコンテナ船事業に力強く牽引され、それ以外の事業も着実に利益を上乗せした結果であると総括できると思います。

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通期見通しはどのように上方修正されたのか?

次に今回の決算で発表された通期見通しの上方修正の内容についてみてみましょう。

商船三井 2021年度通期見通し(全体)
商船三井 2021年度通期見通し(全体)

商船三井 2021年度通期見通し(セグメント別)
商船三井 2021年度通期見通し(セグメント別)

左の全体資料から見ると、下期の売上高予想は上期を上回る6,229億円、通期では1兆2,200億円で、前回見通しから1,200億円の上方修正です。そして経常利益は下期2,081億円、通期で4,800億円と、前回見通しから1,300億円の上方修正です。これまたスゴイ上乗せですね。前回記事で「商船三井の損益は上期偏重型」とコメントしました。その傾向は今回の上方修正でも変わっていませんが、上期と下期の利益の差はかなり縮まりました。

ここで重要な点は予想の前提条件となる為替レートですが、下期の為替レートを1米ドル110円としています。本記事執筆時点の為替レートは1米ドル113円~114円ですので若干手堅い予想と言えます。この資料の右下にsensitivity(感応度)が記載されている通り、1円の円安で最大20.1億円の増益となります。

米国はFRBのテーパリングが来月にも開始される見通しで利上げも視野に入る一方、日本は金融緩和継続で低金利が続きます。その結果日米の金利差は確実に広がっているのが最近の円安の最大の理由ですが、その点からすれば円安ドル高傾向は来年くらいまで続く公算が高いと思います。従って為替レートの点で更なる増益の可能性が残されています。

次にセグメント別の予想を見ると、上期とは若干雰囲気が異なります。簡単に言えば、ドライバルク事業が上昇、エネルギー・海洋事業が若干下降、コンテナ船事業は決算説明資料とこちらの記事より、旧正月までは高い需要が続き旧正月で減退すると見ており、上期より若干減益と予想されています。

ドライバルク市況の前提条件が決算資料の補足資料にありますので以下に示します。この資料によるとQ3の市況がQ2より上向くと予想しているようです。

商船三井 Q2決算 ドライバルク市況予測
商船三井 Q2決算 ドライバルク市況予測

この予想が実現しそうかを見るために、バルク船の市況の目安の1つとなるバルチック海運指数(BDI)の最新状況を見てみましょう。

バルチック海運指数(BDI)10月28日時点 出典元:https://www.bloomberg.co.jp/quote/BDIY:IND

10月28日時点で3,630ポイントと10月7日に付けたピーク値(5,650)からは大きく下落してしまっており、Q2の水準に近づいています。このまま下落が続けば先ほどの資料にあったQ3の市況予想が外れることを意味します。この指数が今後どうなるかは正直分かりませんが、私の予想としてはコロナ渦からの回復はまだ途上にあり、輸送船の需要はすぐに大きくは落ち込まないので3000~4000ポイントの間をキープすると考えています。おおむね先の資料に近い数字に落ち着くのではないでしょうか。

増配から今後の株価を予想してみる

最後に期末配当の増配についてですが、決算資料に以下記載の通り250円から500円の増配予想となりました。中間配当は既に権利落ちになっています(300円で確定)ので、通期では550円から800円の増配となります。本日の終値(7,160円)ベースの配当利回りはなんと11.17%です。こんな銘柄聞いたことありません(笑)

商船三井 Q2決算 増配
商船三井 Q2決算 増配発表

ここでQ1決算を受けての株価推移を振り返ると、7月末のQ1決算での増配発表(通期で550円)を受けて株価は上昇し、ピーク(9月下旬)に10,000円を付けました。

商船三井 株価推移(直近6カ月)

つまり配当利回りが5.5%となるまで株価が上昇し続けたことになります。今回の更なる増配発表を受けて同じく配当利回りが5.5%になるまで株価が上昇すると仮定すると、約14,500円まで株価が上昇する計算となります(もちろん最高値更新になります)。私はこれはベストシナリオだと思いますが、配当利回りが5.5%でも十分に高配当銘柄の部類に入りますので実現する可能性はあると考えます。

また先にも触れましたが来週に川崎汽船と日本郵船の決算発表が控えていることも株価上昇にプラスに働くと思います。何故かというと(今日もそうでしたが)ONE社を合弁で立ち上げているためこれら大手3社の株価はおおむね歩調を合わせて上下するからです。そして特に日本郵船は以前投稿したこの記事でも触れた通り商船三井以上に保守的な通期見通しを立てているため、日本郵船の決算は今回の商船三井以上の爆発的な上方修正になる可能性があり、そうなれば市場も強く反応するでしょう。

私は今回の好決算を機に少し保有株を売却して現金を確保しようと思っているのですが、このベストシナリオを頭に入れて売りに動こうと考えています。

株価は更なる上昇に期待大 Q3決算での再サプライズは現時点では期待薄 

以上、商船三井のQ2決算を踏まえ、今後の株価の動きとQ3決算での再サプライズの有無について検討してきました。現時点での結論としては、

  • 株価推移・・・Q1決算後の株価上昇と配当利回りの関係を踏まえると、来週以降に更なる上昇と最高値更新の可能性は高い
  • Q3決算での再サプライズ・・・非常に予想が難しいが、上昇が予想されているドライバルク事業の見通しは決して明るくなく、為替レートでの増益は有り得るが再度のビッグサプライズの可能性は高くない

です。

まずは来週以降の株価推移に注目します。最高値更新は近いうちにやってくると予想していますので、その日を楽しみに待ちたいと思います。

※ただし私の大本命は商船三井ではなく、日本郵船です(笑)

今回の記事は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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