米国高配当ETFの一角、HDVの2021年第4Qの分配金が発表になりました。
1.051454米ドル
でした(引用元:https://www.bloomberg.co.jp/quote/HDV:US)
2021年4Qは前年同期比で大きく増配! しかし通期では減配
前年同期(2020年4Q)は0.923235米ドルでしたので、前年同期比で13.89%の大幅な増配となりました。第3Qが前年同期比で10%の減配だったので非常に残念な思いをしましたが、良くここまでリカバリーしてくれたと思います(参考 2021年3QのHDV分配金)。
ここでHDVの直近3年の分配金推移を確認しましょう。

今回の配当によって年度の評価も可能になります。上記の図では分かりにくいのですが、2021年のHDVの分配金は3.508022米ドルです。そして2020年の分配金は3.567859米ドルですので、残念ながら年度では減配という結果になりました。私が知る限りHDVは2020年まで4年連続増配を達成していましたが、この連続増配年数記録も2021年で一旦ストップとなります。
しかしこの結果は前回3Qの時点でほぼ予想出来ていました。それは3Qの時点で前年とかなり差が付いてしまったからです。むしろ上述の通り4Qの分配金が大幅な増配だったことで、昨年とほぼ近い金額でフィニッシュできたという評価を私はしています。
今回の4Qが前年同期比で大幅な増配を果たせた主な理由は、前回の3Qの記事でも触れた通り高配当利回り銘柄として有名なAT&Tを再組入したことや、原油高騰によって上位の組入銘柄であるエネルギー関連企業の事業が好調だったことが挙げられると思います。
現在の組入状況の確認
HDVは高配当ETF(VYM,HDV,SPYD)の中では最も多い、年4回(3月、6月、9月、12月)のリバランスを行います。そこで現時点での組入状況を確認してみましょう。

前回の3Qと比較すると、エクソンモービルとシェブロンの保有比率が上がっており、シェブロンは前回4位から2位に上がっています。これはやはり最近の原油高騰によるエネルギー関連企業の業績好調を反映したものだと考えられます。
次にHDVのセクター比率を見てみると、最新の状況は以下の通りです。

前回から変わった点としては、3位だったエネルギーが2位に上がり、逆に2位だった生活必需品が3位に下がっています。先の組入銘柄でも確認した通り、エネルギー関連企業の保有比率の向上によりセクター比率の順位にも影響を与えた形です。
ここからわかることは、HDVの分配金に対してエネルギー企業の業績の影響が大きい可能性が高いということです。その点からすると次の2022年1Qの分配金がどうなるかは、エネルギー企業の業績≒原油価格の動向に左右されそうです。
現在、世界的な原油価格の高騰とインフレが国際問題に発展しており、注目が集まっています。もし原油価格が大きく下がればエネルギー企業の業績にもネガティブな影響を与えますので、HDVの分配金も減少してしまうかもしれません。
原油価格はHDVに限らず様々な企業の業績に影響を与えますので、投資家の一人として今後注視していきたいと思います。