【過去最大の配当額も喜べず?】SPYD 2022年Q1の分配金が発表!

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3月18日に米国高配当ETFのSPYDの2022年第1Qの分配金が発表になりました。

0.65271米ドル

でした! (引用元:https://www.bloomberg.co.jp/quote/SPYD:US)

この配当額の大きさは、私が調べた限りSPYDの過去最大の配当額です。当然、前年同期比でも増配です。と聞くとホルダーとしては超ハッピーに思えますが、そこは一癖も二癖もあるSPYD、素直に受け止められない面があります。

ということでいつものように過去の分配金履歴を振り返りつつ、今回の分配金の意義を確認してみましょう。

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前年同期比で増配 & 配当額も過去最大だが...

以下に2019年以降のSPYDの分配金履歴のグラフを示します。

SPYD 分配金履歴(2019~2022Q1)
SPYD 分配金履歴(2019~2022Q1)

このグラフでわかる通り、今回の配当額($0.65271)は前年同期(2021Q1)比で増配です。更には私が調べた限り、四半期毎に支払われるSPYDの分配金の中では最大の配当額です。

しかし前年同期比で増配と言いながらもその差は$0.016551とごく僅か。そしてSPYDの分配金と言えば、どうしても前期(2021年Q4)の大減配の衝撃が頭から拭いきれません(その時の記事はこちら)。上記を見れば、2022年の分配金が2021年と似たような形になる可能性は捨てきれません。

従来より同じ高配当ETFのHDVやVYMと比べ、SPYDの分配金の振れ幅はそれなりに大きく、決して安定的とは言えませんでした。しかしその振れ幅が私の想像以上に大きい、もっといえば想定以上の大きな落ち込みも有り得ることが2021年Q4の分配金で明らかになってしまいました。ですので今回が過去最大の分配金だとしてもQ2以降どうなるかは全く読めず、素直に喜ぶことはできないということです。

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SPYDの真価はバリュー優位の市況でこそ発揮される!?

このように分配金の多寡で素直に喜ぶことができなくなったSPYDですが、株価は堅調な動きを見せています。執筆時点(2022/3/19)の株価は$42.76です。年初来の株価推移を見てみましょう。

SPYD株価推移 年初来(緑:SPYD 赤:S&P500)
SPYD株価推移 年初来(緑:SPYD 赤:S&P500)

↑のグラフは緑がSPYD、赤がS&P500指数の年初来の株価・指数の推移です。S&P500がマイナス6.4%と落ち込んでおり、つまりは米国市場全体が下落基調にあることが分かります。しかしそんな状況でSPYDの株価はプラス1.7%とS&P500を大きくアウトパフォームしています。

現在の米国市場はインフレ、FRBの利上げ、コロナによるサプライチェーンの混乱、ウクライナ戦争による原油高等を背景に、グロース銘柄からバリュー銘柄へ投資対象が移動しつつあり、特にエネルギーやコモディティが強い動きを見せています。

S&P500にはグロース株も多く含まれるためグロース株の値下がりの影響を受けますが、S&P500構成銘柄の中の高配当銘柄上位80社だけに機械的に分散投資するSPYDにはグロース株はほとんど含まれていません(グロース銘柄は配当金をほとんど出さないため)。逆を言えばSPYDの構成銘柄はほとんどバリュー銘柄になっているということです。実際に組入上位銘柄を見るとシェブロンを初め、一般に配当利回りが高いエネルギー銘柄が多く入っていますね。

SPYD 組入上位銘柄(2022/3/18時点)
SPYD 組入上位銘柄(2022/3/18時点) 引用元:https://www.bloomberg.co.jp/quote/SPYD:US

ということで最近私はSPYDの強みは高配当を狙えることよりも、現在のバリュー株優位の市況での値上がりに期待できることなんじゃないかと思っています。SPYDで大きな分配金を得ることはちょっとしたボーナス(臨時収入)をゲットしたくらいに思っていた方が良いと思います。それくらいSPYDの分配金の振れ幅は大きいです。その点は今後Q1の分配金が発表されるVYM、HDVでも改めて触れていきたいと思います。

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