三井住友FG、今期最終を5%上方修正、配当も10円増額(株探)
みずほFG、7-9月期(2Q)経常は30%増益、今期配当を5円増額修正(株探)
三菱UFJ、上期経常が40%減益で着地・7-9月期も38%減益(株探)
こんにちは、トムです。
11月14日にメガバンク3行(三井住友FG、みずほFG、三菱UFJFG)の決算が出そろいました。上記の見出しの通り、三井住友は通期上方修正&増配、みずほは上期増益&増配、三菱UFJは減益と、一見すると対照的な内容です。私は三菱UFJの株も持っているので、ニュースを見た時「えーっ」と声をあげそうになりました(汗
しかし三菱UFJの決算資料を見てみると実はそこまで悪いわけでもなさそうなので、本記事ではそのあたりを中心に確認してみましょう。
三菱UFJは海外子会社の株式譲渡で損失計上も、実際は好調

上記は決算プレゼンテーション資料から損益サマリーの抜粋です。まず本業の売上となる①業務粗利益は前年上期から大きく伸びており、ビジネス自体は順調に見えます。
次に注目すべきは③与信関連費用総額と、④その他の臨時損益です。この2項目でMUB株式の譲渡決定に伴う会計処理に関連した費用としてそれぞれ2319億円、3318億円のマイナスが計上されています。合計で5637億円という巨額な損失です。このMUBですが、決算短信には以下の記述があります。
>MUFG Americas Holdings Corporation(以下、「MUAH」という。)が保有するMUFG Union Bank, N.A.(以下、「MUB」という。)の全株式をU.S. Bancorp(以下、「USB」という。)に譲渡す
る株式譲渡契約の締結に伴い...
つまりMUBはMUFJのアメリカ法人の子会社でしたが、その株式をUSバンコープ(米国の最大の地方銀行です)に譲渡する契約を結んだということですね。③と④の損失はその譲渡に関するMUBの評価損を今回の決算で計上したために生じたものです。
しかし話はそれだけで終わらず、⑤親会社株主中間純利益(長いw)を見ると、MUBの株式譲渡に伴い戻入として4418億円が戻ってくる(売却益になる)とのことです。なお決算短信を見ると、MUBの株式の売却益は第4四半期に計上されるようです。
ということで、今回の第2四半期決算で5600億円の損失を計上したけど後から4400億円が戻ってくるので実際にはそこまで悪くない、という内容でした。

上記の決算概要でもMUBの損失と戻入の件が触れられています。その戻入での利益を考慮すると上期の進捗率は68%になるので、悪くないですね。また通期の業務純益が2000億円上方修正されていますので本業の銀行ビジネスはやはり好調だと言えます。
通期の親会社株主純利益の目標は1兆円と変更されませんでした。上期の進捗率が実質68%だとすれば上方修正があってもよさそうですが、そこは堅く見ているようですね。
堅実なビジネスを進めるメガバンク3行は安心のブランド
ということで、三菱UFJの上期決算も問題無いことが理解できました。メガバンク3行はコロナ禍で世界が大混乱に陥った中でも赤字にならず数千億円規模の利益をあげていましたし、現在の歴史的な円安にもあまり影響されず莫大な利益をあげることができそうです。
そんな中で株主還元にも非常に積極的に取り組んでおり、今回は2行が増配を発表し、更に3行ともに自社株買いも行うようです。私はみずほ以外の2行の株を数年保有していますが、高配当株投資家にとっては正に安心のブランドと言えますね。今後も折をみて積極的に買いまして行きたいです。
今回の記事は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。