クロノクルセイド ~感想~

スポンサーリンク

Amazon.co.jp: クロノクルセイド DVD-BOX 1 初回限定版 : 森山大輔, 紅優, 川上とも子, 石田彰, 千葉紗子, 速水奨, 榊原良子, 黒田和也, 冨岡淳広: DVD
Amazon.co.jp: クロノクルセイド DVD-BOX 1 初回限定版 : 森山大輔, 紅優, 川上とも子, 石田彰, 千葉紗子, 速水奨, 榊原良子, 黒田和也, 冨岡淳広: DVD
Amazon.co.jp: クロノクルセイド DVD-BOX 2 初回限定版 : 森山大輔, 紅優, 川上とも子, 石田彰, 千葉紗子, 速水奨, 榊原良子, 黒田和也, 冨岡淳広: DVD
Amazon.co.jp: クロノクルセイド DVD-BOX 2 初回限定版 : 森山大輔, 紅優, 川上とも子, 石田彰, 千葉紗子, 速水奨, 榊原良子, 黒田和也, 冨岡淳広: DVD
<スタッフ>
監督:紅優  副監督:神戸洋行  シリーズ構成:冨岡淳広  キャラクターデザイン・総作画監督:黒田和也   
モンスターデザイン:神戸洋行  メカニックデザイン:川原智弘  銃器デザイン:村松尚雄  音楽:七瀬光  
アニメーション制作:GONZO DIGIMATION 
<キャスト>
ロゼット・クリストファー:川上とも子  クロノ:石田彰  アズマリア・ヘンドリック:千葉紗子  ユアン・レミントン:速水奨  ケイト・ヴァレンタイン:榊原良子  ヨシュア:皆川純子  サテラ・ハーベンハイト:根谷美智子  フィオレ:桑谷夏子  アイオーン:井上和彦  

第1話 シスターロゼット (2003/11/24) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ・演出:紅優  作画監督:黒田和也  いつものように原作は未読です。富士見系の原作アニメといえば昔だったら軽くあしらうことが多かったんですが、最近はとてもそんな扱いができない作品も多くなってきた。どうやらクロノクルセイドもその1つなのかもしれません。  制作はGONZO、おそらくはLAST EXILEのチームが中心となっているようで。監督は紅優さん、アニメOP専門演出家かと思ってましたが、決してそうではなかったようで(苦笑)。OP、EDとも出来はかなり良い。本編の作画のクオリティはいつものゴンゾらしく高いものでしたし、キャラも躍動感十分で満足です。  初回を見終えた感想ですが、絵的は部分は上記の通り、ストーリーはいわゆる王道路線で今後も安心して楽しめそうかなと。それから、これほど生き生きした川上ともこの演技を見るのは久しぶり。ちょっとクロノ(石田さん)が押され気味なのは気になりましたが(苦笑)。継続視聴決定ですね。

第2話 契約者 (2003/12/1) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ・演出・作画監督:神戸洋行  今週はロゼットとヨシュア姉弟とクロノの出会いから悪魔退治、更にはヨシュアの恐るべき力発動とストーリー面ではボリューム満点でした。ですが、ついていくのが大変というわけでは決して無いのがこのアニメの良いところ。しっかりと見せるポイントを抑えており、こちらとしても頭の整理がつきやすいのだと思います。  そして先週の繰り返しになりますが、何と言っても川上とも子ですよ。喜怒哀楽、表情豊かな少女の演技はピカイチだよね。ありきたりな表現で申し訳ないんですが、シスターロゼットは彼女のためにあるようなキャラクターだと、ワタクシは本気で思います。

第3話 御使い (2003/12/8) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ・演出:加藤敏幸  作画監督:吉田隆彦  あーぁ、もうちょっと千葉さんに演技力があれば今週のデキも抜群だと評価できたんですけど。歌い手としての実力はさておき、声優としては昔からあーんまり評価してません。まぁこれまでは単にイヤミなだけのキャラを演じることが何かと多かったので、役者としての実力云々は余り関係なかったのかもしれません。が、さすがにアズマリアのような重要な役となると、演技も伴ってないとね。アズマリアを演じることで、一皮向けてほしいものです。  今週見てて思ったんですが、この作品に出てくる単語とか概念の多くって、すてプリとかぶってません?例えば今週のタイトルである御使いとか、代行者とかってのはピースメイカーそのものだし、神という存在を明確にした上での宗教的な要素もそれに該当するでしょうか。最近の富士見系ってのはこういう構成が主流なんでしょうかね。だとしたら、ますます某大先生の出番無しってのは納得ですな。

第4話 罪人 (2003/12/15) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ:阿部達也  演出:秋田谷典昭  作画監督:田畑壽之  やっぱりオモロいよこのアニメ。悪魔だと神だのという小難しい薀蓄も、緊迫したシーンの中に上手く溶け込んでるし、垣間見せる謎の断片もストーリーに深みを与えてる。演出的にちょっと凝りすぎかなと思うところもあるけれど、十分に楽しめることは間違いないです。  それにしても、クロノといい、RODといい、ガンスリといい、最近のフジテレビのアニメはストーリー、絵の両面においてレベルが高い。それに対してテレビ東京の地盤沈下が著しい。彼らも本気で危機意識を持たないと、ちょっとまずいと思いますよ。  先週指摘した千葉紗子の演技力についてですが、今週はかなりの改善が見られたような。いきなり劇的に演技力があがるわけは無いのですが、何故か今週のアズマリアはすんなりと受け入れることができたんだな。ただ次回予告を見る限り、やっぱりまだまだのような気もしてきた。がんばれ千葉さん...それはそうと、EDの曲はかなりイイですよ。

第5話 修道騎士 (2003/12/22) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ:川瀬敏文  演出:あべたつや  作画監督:清丸悟  うーん、アズマリアのお話は先週できれいさっぱり終わったと思ってましたが、まだまだ引っ張りますね。まぁ面白さは相変わらずなのでどんどん引っ張ってくれてもOKなんですけどね。コミカルとシリアスのバランスとはよく言ったものですが、クロノクルセイドに関してはロゼットのキャラクターが正にそのことを体現しているのが良いよね。  しかし随所に出てくるクロノの世界観とか設定に触れると、よく考えたものだなぁと感心させられます。こんな感情を抱かせるところも、すてプリと同じなんですけどね。さて来週は根谷美智子がクロノに来襲。またまた根谷姉さんのお声(しかもまた悪役っぽいし)が聞けるとは。彼女、アニメ界に1つの地位を築いたと言っても過言ではないでしょう。

第6話 宝石の魔女 (2004/1/5) 脚本:吉村清子  絵コンテ:加藤敏幸  演出:清水一伸  作画監督:LEE SIM IN  おー、第6話にして早くもOPの絵が変わりました。さすがにOP屋の異名を取る?紅優さんだけあって、おそらくは絵のアイデアがすぐに思いつくんでしょうかね。またOPを変える余力がこの作品には十分にあるというのも、喜ばしいことかと。  サテラお嬢様萌えぇ~~。ったく根谷姉さん演じるキャラは魅力的過ぎですよ(笑)。彼女、メインキャラには入ってないようですが、来週も引き続き登場するようで楽しみ。でもまさか、来週までってことは無いよね!?それにしてもこの作品、相変わらずツボを得た作りで好感が持てます。

第7話 悪魔 (2004/1/12) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ・演出:中山勝一  作画監督:米本リョウ  敵の親玉アイオーンがついに登場。マンハッタンにゾンビが大量発生、銃でゾンビを撃つロゼットを見てると、バイオハザードがやりたくなってきた(苦笑)。とそれはともかく、アイオーンの力は絶大、先週から引き続き登場サテラ姉さんの攻撃をあっさりと跳ね返してしまった。そして通常状態のクロノでは全く歯が立たず。  神という存在をことことく冒涜するアイオーンの真の狙いはアポスルズの乙女・アズマリア。彼女を守ろうとするロゼットだが、アイオーンは何とロゼットの口唇を奪ってしまうという暴挙に出る。怒りMAXのクロノが真の姿に覚醒、しかしアズマリアはそんな二人を守ろうと自らの身を差し出すという行動に出た。  アズマリアに向かってアイオーンがゆっくりと歩き出す。だがアイオーンがアズマリアの身体に手を掛けたその瞬間、「7つの翼」結界の力でアイオーンの姿は消え去った。だが、アイオーンが死んだわけではもちろん無い。それどころか余裕の表情で高みの見物ときやがった。ヨシュアの発作といい、謎はまだまだ尽きない。

第8話 傀儡 (2004/1/19) 脚本:高橋ナツコ  絵コンテ・演出:佐山聖子  作画監督:熊谷哲矢  「傀儡」なんて言葉を見たのは「ガサラキ」以来ですな。今となってはあの最終回に対する苦々しいの記憶しか無いのですが(苦笑)、この作品はそうならないことを切に願う。  声優としてさしたる実績を持たない千葉紗子にとって、アズマリアを演じることは大きな挑戦ではなかろうか。周囲のメンバーが熟練揃いだけあって、アズマリア同様千葉さんも彼らに負けないよう必死についていかなければならない。そんなシンクロもアズマリアの見所の1つ。そしてグラヴィオンをチェックしてないワタクシにとって、レミントン牧師は速水節が堪能できる貴重なキャラ。早速今週は爆発ってカンジでしたが、今後も楽しみでありますな。

第9話 ヨシュア (2004/1/26) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ・演出:加藤敏幸  作画監督:吉田隆彦  サテラお姉様のがんばりも、アイオーンの強大な力の前では虚しいだけに終わってしまうのか。彼女の戦いを見て、ふとそんなことを思ったり。  今週はクリストファー姉弟とクロノの過去(前編)。姉弟の幸せな生活は、悪魔クロノとの出会いを経て更なる輝きに包まれていた。クロノはこの生活が永遠に続くことを望んだ。だが特別なチカラを持つが故に病に苦しんでいたヨシュアは、自らを強くし姉を心配させないためにレミントンの誘いに応じた。そして同時に、ヨシュアを狙うアイオーンの魔の手が近づきつつある。次回も目が離せません。  それにしてもデキが良いですこのアニメ。番組開始当初からもそれなりに期待はしていたものの、それを上回る素晴らしいものです。アニメ版に限らず、原作も一度読みたくなっている今日この頃です。

第10話 尖角 (2004/2/2) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ・演出:石踊宏  作画監督:飯田清貴  アイオーンとクロノのhornをめぐる因縁は、彼ら二人だけに横たわるものでは無かった。アイオーンの誘いに乗り、hornの力を得たヨシュアが引き起こした余りに悲劇的な事件に思わずため息。だが、籠の中の青い鳥状態だったヨシュアは、ただ大空へ羽ばたきたかっただけなのだ。そんな彼を、誰が責めることができようか。  先週と今週のエピソードは、この作品の根底に流れるものの力強さを雄弁に物語っていたような思いがする。作品のベース・柱が何時でも存在感を放っている作品は、例外なく面白いということを痛感した。

第11話 けだもの (2004/2/9) 脚本:ほそのゆうじ  絵コンテ・演出:神戸洋行  作画監督:市川敬三、神戸洋行  作画監督補佐:上田幸一郎  サテラお姉様、メインキャラ並の活躍ぶり。根谷ファンとしてはこの上なき喜びである。しかしそんなサテラと互角にやりあうロゼットもまた素晴らしい。サテラの語る人としての正しき道を認めつつも、自らが選ぶ道を信じぬく強さがロゼッタにはある。  今週は涙あり、ハイスピードアクションありの濃密な内容だった。ストーリーもクオリティも、相変わらず高レベルをキープしているこの作品。今後もますます期待が高まりますね。

第12話 聖夜 (2004/2/16) 脚本:吉村清子  絵コンテ:阿部達也  演出:秋田谷典昭  作画監督:田畑壽之  レイアウト作監補:林直紀  ロゼットにヨシュア探しの許可が下りた。彼らはついに旅立ちの時を迎えたのだ。だがせめてクリスマスまでは教会にいてくれないか、というレミントンの頼みをロゼットは快く受け入れた。そして幼い頃からクリスマスを楽しんだことの無いアズマリアにとって、今回が初めての「幸せな」クリスマスなのだ。  サンタクロースの衣装(ちょいミニスカ)を着たロゼット、こっちもなかなか似合ってます。惜別のパーティは感動のうちに幕を閉じた。いよいよヨシュア救出の旅が始まる。

第13話 姉 (2004/2/23) 脚本:高橋ナツコ  絵コンテ:加藤敏幸  演出:木村寛  作画監督:斉藤和也  いよいよヨシュア探しの旅が始まった。今週はロゼットたちが旅の始まりにしていきなりの試練を迎えたが、ロゼットとクロノの絆の強さによって見事に第1関門をクリアした。と同時に、クモ女ことリゼールのアイオーンに対する哀しい愛の物語だったとも言える。アイオーンを想い死んでいったリゼール、対して彼女の死を「徒労」の一言で片付けたアイオーン、彼の非情さは悪魔という存在を超越している。  今までも何度か言ってきましたけど、やはり作品としての懐の深さはピカイチ。物語も後半に突入し、これからも目が離せない展開が続いていくことは間違いないですね。

第14話 祈り (2004/3/1) 脚本:高橋ナツコ  絵コンテ・演出:鵜飼ゆうき  作画監督:本村晃一、朝来昭子  ヨシュア探しの旅にサテラの存在は欠かせません。というか、徒歩でサンフランシスコまでたどり着こうとしてた文無しのロゼットたちにとっては、サテラのお車が無ければのたれ死んでいたこと間違いなし。その意味では正に命の恩人のはずなのだが、そのサテラに相変わらず食って掛かるロゼットは人間的にどーよ(苦笑)  とは言いつつも、今週のロゼット&サテラの薬探しツーショットはとても面白かった。彼女たちのようなデコボコライバルツーショットは他のアニメにも見られるけど、この作品は作画のクオリティが高いことで安っぽさを感じさせないのがとてもよろしい。  ロゼットとクロノの絆の深さをサテラ、そして我々も再認識した今週のクロノクルセイド。だがラストに出現した新たな悪魔デュフォー(CV若本規夫)にはただならぬ存在感が。やはりロゼットたちが平穏でいられる時間は、長くは無いということか。

第15話 追手 (2004/3/8) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ・演出:阿部達也  作画監督:清丸悟  なんとデュフォーはクロノに共闘を持ちかけた。彼もまた、パンデモニウムの首を奪ったアイオーンの野望を許すことができない悪魔の一人なのだ。クロノが罪人と呼ばれる理由も判明した今週のクロノ、今後はデュフォーからも目が離せませんね。それにしてもこの作品、重要なキーワードが多すぎて頭に入りませーん(苦笑)  エルダージジイのセクハラ行為はマリア様の前であろうとお構いなし。ったくこのオッサンにはマリみてを読んでその罪深さを思い知って欲しい(笑)。そしてマグダラのマリアことロゼットは、デュフォーの予言どおり体に十字のしるしが刻まれた。その十字が示すものは、果たして何なのか...

第16話 信仰者 (2004/3/15) 脚本:吉村清子  絵コンテ・演出:佐山聖子  作画監督:熊谷哲矢  サテラが悪魔の存在を憎む理由、それはたった1体の悪魔によって、サテラ以外のジュエルサモナーの一族が全て滅ぼされた忌まわしい過去にあった。そしてその悪魔とは、やはりあのアイオーンだった。この悪魔、過去も現在も、あらゆるキャラクターにトコトンちょっかいを出していることが良く分かりました(苦笑)  アイオーンによって、自らの両親、そして姉を殺された記憶がよみがえったサテラ。だが鎖につながれたサテラには抵抗する術は無い。しかしアイオーンの口から衝撃の言葉が。何とサテラの姉フロレットは生きているというのだ。もしかしたら、彼女の姉は意外にも彼らの近くにいるのかもしれない。

第17話 共犯者たち (2004/3/22) 脚本:吉村清子  絵コンテ:あべたつや  演出:紅優  作画監督:斉藤和也  地上代行者が全てアイオーンの手に落ちたとき世界はどうなるのか。具体的な光景は思い浮かばないが、少なくとも人類に取って存亡の危機に関わることだけは間違いない。それを阻止しようと、悪魔とも手を組んだシスターケイトとレミントンの意思は固い。  ロゼットの身体に刻まれていたのは聖痕、天に捧げられた者の証だとクロノは語った。ロゼットの痛みは尋常ではないだろう。だがそれでも彼女は戦いへと身を投じる。ついに全面戦争が始まった。教会側は罪人の恐るべき力に苦戦を強いられる。デュフォーたちの助けが無ければ、とても対抗する術は無かっただろう。  デュフォーの活躍とヴィドを道連れで自爆したカルヴにより、第1ラウンドは痛み分けに終わった。だが姉を求めるだけのヨシュアの自我崩壊、そして次はカーニバル(次週は本当に祭りを催すらしい)だと言い放ったアイオーンの野望の深さは恐ろしい。  それにしても、クオリティの低下が全く見られないのはすごいの一言ですね。LASTEXILEですら中盤は少しのたるみが見られたけど(あれの場合は番組開始当初がすごすぎたというのはあるが)、この作品は番組開始からずっと同じテンションを高いレベルで維持してます。最後までこのまま突っ走ってくれるのは間違いなさそうで良いことです。

第18話 四人 (2004/3/29) 脚本:吉村清子  絵コンテ・演出:加藤敏幸  作画監督:米本リョウ  一人一人が問題の全てをその胸に抱え込んでしまう。今のロゼットたちは正にそんなバラバラな状況だが、その辛さをアズマリアは最も理解していたのだ。その彼女が提案したのが、休戦中のひと時のやすらぎ、祭りへの参加である。アズマリアは人々に幸せを運ぶ。だがそれは、地上代行者としての能力を使ったわけではなかった。彼女の成長を、ロゼットもサテラも感じたに違いない。  二人きりとなったロゼットとクロノ。二人の絆は、それこそ永遠を感じさせる程、強く深い。だが、ロゼットはある気配を感じ取り、クロノの胸から飛び出した。彼女が行き着いた先には、何とヨシュアの姿が。これからが真のフェスティバルの始まり、そんなセリフがアイオーンの口から出てきそうな、そんな雰囲気を覚えずにはいられない。

第19話 首 (2004/4/14) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ:井硲清高  演出:阿部達也  作画監督:清丸悟  2週間ぶりのクロノは水曜日に放送日変更。さて本編、やはりヨシュアの記憶からロゼットが消えていた。今の彼にとっての姉は、完全にフィオレなのだ。ロゼットの失意は余りにも大きい。そしてついにアズマリアまでもアイオーンの手に落ちた。悪魔側の攻勢は強烈そのものだ。  ロゼットのピンチに駆けつけたクロノだが、なんとロゼットの銃を奪ったヨシュアによって半身をぶっ飛ばされてしまった。パンデモニウムの首による贖罪の儀式が始まる。サテラは同じ宝石使いであるフィオレと交戦、やはりフィオレこそサテラの姉だったのだ。  ロゼットはその首に釘を刺そうとするが、それこそがアイオーンの描いたシナリオだった。パンデモニウムの首から放たれる光によって倒れこんだロゼット、アイオーンの真の狙いは最後のアポスルズ「マリア」であるロゼットの覚醒にあった。涙を流しながら救いを求めるロゼットの声が、クロノに届いた。クロノの全ての力の矛先はもちろんアイオーン、だがそこにヨシュアの姿が立ちはだかる。この先の展開、全く読めません。

第20話 毒 (2004/4/21) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ:もりたけし  演出:中山勝一  作画監督:野崎真一  先週のサブタイトルは「首」、そして今週は「毒」。展開がシリアスさを極めた象徴といえるだろう。クロノとヨシュアの戦いがついに始まってしまった。熾烈を極める二人の戦い。アイオーンの腕に絡め取られたロゼットの絶叫が響く。だが彼女の願いも虚しく、ヨシュアの剣がクロノの身体を貫いた。  しかしその直後ヨシュアの角をクロノが掴み、なんと角を引き抜いた。悶絶するヨシュア、だがクロノの身体も完全に石化してしまった。ジェナイとシェーダを倒した人間たちだったが、ロゼットはアイオーンにさらわれた。もうアイオーンにとって、アポスルズは不要の存在。今の彼に必要なのはロゼットなのだから。レミントンは、自分たちの敗北と力なくシスターケイトに告げた。  ビルの屋上で二人きりとなったロゼットとアイオーン。彼はロゼットに、荒れ果てた街を見せつける。この光景が、ロゼットをめぐりクロノとヨシュアが戦った結果、そして即ちロゼットがヨシュアを助けるために費やした4年間の結果なのだと彼は言う。打ちひしがれるロゼットに、アイオーンは選択を迫る。自分と共に、世界を変えるのかと。  着替えを済ませたロゼットの瞳の色は生気を失っていた。彼女がアイオーンの言うことを受け入れた証拠だ。一方石化したクロノを懸命に救おうとするアズマリア、来週はクロノの過去が明らかになるようだが、全く展開が読めません...

第21話 マグダレーナ (2004/4/28) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ:あべたつや  演出:秋田谷典昭  作画監督:江上夏樹  「マグダラ」という教会の名前は、聖女マグダレーナから取られたものだろう。そのマグダレーナは、聖女でありながらも罪人クロノを愛してしまった。正に禁断の愛だが、未来を見通す力を持つ彼女は、そのクロノに命を断たれる運命であることも分かっていた。あまりにも残酷だ...  だが、マグダレーナの死は想像を超えた形で彼女の元に駆け寄った。アイオーンは悪魔側の敗戦を予言したマグダレーナを殺せとクロノに命じ、そして躊躇したクロノの身体を自らの手で貫く。ホーンが無いクロノでは自力で傷を治すことはできない。マグダレーナはクロノと契約を交わし、クロノの復活のためにその命を捧げたのだ。何と言うことだ...  この重い過去を背負っている今のクロノは、絶対にロゼットを救い出さねばならない。そのことを彼自身もよく分かっている。一方、アイオーンを討つべく出撃したデュフォーは、覚醒した聖女ロゼットの力によって敢え無く消されてしまった。その事実を知ったクロノに、この事態を変える術が果たしてあるのだろうか。

第22話 さよなら (2004/5/19) 脚本:吉村清子  絵コンテ・演出:加藤敏幸  作画監督:吉田隆彦  3週間ぶりのクロノクルセイド、ハッキリいって内容忘れました(苦笑)。このアニメラッシュのご時世に2週お休みは致命的ということを、制作側も少しは認識した方がよろしいかと思います。  ヨシュアを求めるフィオレの想いは我々の想像以上に強い。それを理解していたのは、妹であるサテラだけだっただろう。黒いドレスに身を包んだロゼッタに、人々は救世主マリアの姿を重ねた。だが彼女の瞳に以前のような輝きは全く見られない。  アイオーンと共に人々の喝采を浴びるロゼットを見たクロノは我を失いかけるが、サテラの呼びかけに落ち着きを取り戻す。そんなサテラたちの元に、ヨシュアをつれたフィオレが現れた。ついに姉妹の対決が始まった。「姉さん」、そうフィオレを呼び助けを求める人物、それはいつしかサテラからヨシュアに代わっていた。守るというフィオレの想いを、アイオーンは見事に摩り替えたのだ。姉との戦いをサテラは望んでいないが、フィオレは容赦なく刃を向ける。  一方クロノは全く人が変わってしまったロゼットを見て怒りの矛先をアイオーンに向ける。あっさりとクロノに背を向けたロゼットをクロノが捕まえようとするが、その瞬間二人に激痛が走る。姉妹の戦いは瀕死となったサテラが道連れ覚悟で姉の体を貫いた。しかしそのサテラもアズマリアの歌とともに、静かに瞳を閉じた。二人の想い出は、宝石と共に永遠の彼方へと葬り去られたのだ。あと2回、ロゼットとクロノに待ち受ける運命を予測するのはオレには無理です。

第23話 ノイズ (2004/6/2) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ:佐山聖子  演出:神戸洋行  作画監督:本村晃一  クロノはロゼットの待つ教会へ足を踏み入れた。そこでロゼットは命を返してと、クロノに冷徹に言い放ったのだ。今までの彼らの絆を考えれば、信じられないことだと言える。パンデモニウムの首を使い、神に愛された一人の乙女、即ちロゼットを我が物とし、人の暴力を以って天と地を逆転させる。その罪を一身に背負い、自由を得るべく世界を再び創造する。これがアイオーンの唯一の望み。そしてそのアイオーンの望みに同調した過去を、クロノは激しく後悔している。  マグダラは悪意の教団として人々の反感を買ってしまっていた。「ノイズ」は悪魔のささやく声、その呪縛から逃れる術はロゼットと同じ聖痕「クルセイド」をまとうことによって果たされる。クロノはサテラたちを殺したのは自分だと、自責の念に苛まれる。街はクルセイダーによって混乱の一途をたどっていた。しかし後悔が余りにも深すぎて何もできないクロノをアズマリアが激しく責めた。彼女の涙によって、ロゼットを守るために戻ってきた意志をクロノはようやく再確認できた。  ロゼットの呼ぶ声にクロノが導かれる。彼女の向ける銃口に、クロノは逃げない。彼は決着をつけるべくホーンを手にとり、アイオーンに投げつけた。軽く受け止めたアイオーンだったがその直後、彼の体が石に変わってゆく。引き金を飛行としたロゼットの聖痕から血が噴出し、ロゼットは正気を取り戻した。アイオーンの呪縛から、ようやく解き放たれたのだ。  だがアイオーンの力は、クロノのそれを大きく上回っていた。アイオーンのホーンがクロノの身体に突き刺さる。徐々に石化してゆくクロノを、ロゼットは命を捧げて救った。クロノとアイオーンの最終対決は、その因縁からするとあっさりと勝負がついた。アイオーンの野望はここに潰えた。だがロゼットとクロノの命もおそらくあとわずか、彼らの運命の全ては来週の最終回に託された。

第24話(最終回) クロノ (2004/6/9) 脚本:冨岡淳広  絵コンテ:佐山聖子  演出:紅優、鵜飼ゆうき  作画監督:香川久  アズマリアの歌が、孤児院の子供たちの胸に響く。時間が止まっていた孤児院だが、アイオーンのホーンの力で再び時を刻み始めた。クルセイダーは徐々に鎮圧されつつあった。だがまだまだアイオーンが残した爪痕が全て癒えたわけではない。ヨシュアは小説家になるべく、タイプライターを打ち込む。だが激しい戦いの最中壊れてしまった彼の心は、永遠に12歳のままだ。その罪を、レミントンは一人で背負おうとしている。  ロゼットとクロノの姿は、静かな丘の上の廃屋にあった。夕陽を見ながら手を重ねあう二人、だが今のロゼットには、直前に迫った死に向き合うことはとてもできない。大泣きしてクロノの胸に飛び込んだロゼットは「ありがとう」と言いのこし、沈みゆく夕陽とともに、その瞳を閉じた。  アズマリアとシスター・アンナたちはついにロゼットとクロノを見つけ出した。アズマリアには、二人が静かに過ごした風景がかすかに見えた。だが肩を寄り添い、固く手を取り合った二人が再び目を開けることは、もう無い。アズマリアはロゼットの墓前で、自分が強くなってみせることを誓う。  時代の傍観者となったレミントンは、混迷へと突入する世界を憂えた。そして彼はヴァチカンの地でアイオーンの姿を確かに見た。思えば時代は、彼の理想どおりに進んでいるではないか...    

数週前から予感はあったけど、やはりロゼットとクロノが迎える結末は「安らかなる死」だったんだね...しかも全て満足した上で迎えるものではなく、ロゼットが最後に生への執着を見せたところはすごく人間らしくて良かったと思う。それだけを切り取って見ても、オレはとても好感を持ちました。もちろんこの結末に至るまでのストーリーの流れや世界観なども丁寧に作りこまれていた。作画のクオリティも併せて考えれば、作品全体に対する満足度はものすごく高かったです。  数少ない不満を挙げるならば、たびたび放送間隔が空いてしまったことでしょうか。やはり3週空いた21話~22話は改めていただけないと思う。クライマックスへと向かう重要な話であればなおさらのこと。その原因が例のメンテにあるのか、制作側にあるのかは分からないけど、途中打ち切りという事態を防ぐためにも、早急な改善を求めたい。  あとこの作品で感じたことは、(最初にも書いたんだけど)富士見書房作品はもうバカにできないということ。昔に比べて物語の背景となる世界観や舞台設定の作り方が格段に緻密になった。そしてそのことが(今のところは)ストーリーの深みやリアリティを向上させている。この点については、すてプリとこの作品を見てきて痛感しました。今後もこの流れに続く作品が現れるのか、注目したい。

Amazon.co.jp: クロノクルセイド DVD-BOX 2 初回限定版 : 森山大輔, 紅優, 川上とも子, 石田彰, 千葉紗子, 速水奨, 榊原良子, 黒田和也, 冨岡淳広: DVD
Amazon.co.jp: クロノクルセイド DVD-BOX 2 初回限定版 : 森山大輔, 紅優, 川上とも子, 石田彰, 千葉紗子, 速水奨, 榊原良子, 黒田和也, 冨岡淳広: DVD
タイトルとURLをコピーしました