12月16日に米国高配当ETFのSPYDの2022年第4Qの分配金が発表になりました。結果は
0.387419米ドル
でした! (引用元:https://www.bloomberg.co.jp/quote/SPYD:US)
今回の分配金は前年同期比で40%の減配です。率直に言って厳しいスタートですね...ということでいつものように過去の分配金履歴を振り返りつつ、今回の分配金を評価してみましょう
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前年同期比で40%の減配で、2020年の水準に逆戻り
まずは2019年以降のSPYDの分配金履歴のグラフを示します。

先にも述べた通り今回の分配金は前年同期比で40%もの減配です。Q1に限って言えば、0.387419米ドルという分配金はコロナ直前の2020年Q1とほぼ同水準です。2021年、2022年はQ1で0.6米ドルを超える分配金を出していましたがその流れが完全に止まった感じです。
そして年単位の分配金を考慮すれば、Q1時点で既に2022年からの増配は厳しくなったと言わざるを得ません。2022年はQ1で0.65米ドルと大きくスタートダッシュを決めた上で、Q2~Q4も安定した分配金を出したためです。今年Q1での4割減をQ2以降で挽回するのはかなり困難だと考えます。
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1月の組替で中身は大きく変動 セクター比率は不動産がトップに
次に執筆時点(2023/3/17)の組み入れ上位銘柄トップ10とセクター比率を見てみましょう。画像はクリックで拡大します。(出典元:https://www.ssga.com/us/en/intermediary/etfs/funds/spdr-portfolio-sp-500-high-dividend-etf-spyd)
組入上位銘柄の顔ぶれとセクター比率双方が前回2022年Q4時点と大きく変わっています。まず上位銘柄についてはトップはピナクル・ウェスト・キャピタルという発電、送電、配電を行う電力会社です。2位はタバコのアルトリア、3位はヘルスケアのアッビィです。現時点の80銘柄の顔ぶれはこちらの資料で確認できるのですが、Q4でトップ10に入っていたエクソンモービルやシェブロンといったエネルギー企業は1月の銘柄組替によって除外されてしまいました。これはエネルギー株の株価高騰で配当利回りが大きく下がったためでしょう。
そしてセクター比率も大きく変わっています。Q4では20%超えでトップだった金融が17%で2位にダウンし、Q4では3位だった不動産が20%超えのトップに変わっています。金融セクターの比率が下がっているのは直近で発生したSVB(シリコンバレー銀行)の破綻やクレディ・スイスの破綻懸念によって米国の金融株が大きく値下がりしている影響だと考えられます。そして公益セクターも2位から3位にランクダウンしています。今回銘柄トップは公益企業になっていますが全体に与える影響は大きくなかったようですね。またエネルギーやヘルスケアの割合が大きく下がっています。1月の銘柄組替によってETFの中身は大きく変わったと言えそうです。

株価は金融不安の影響を受けて値下がり 久々の買い時か
最後に年初来の株価推移を見てみましょう。↓グラフの赤色がSPYD、青色が比較対象としてS&P500指数の推移となります。

執筆時点の株価は37.18米ドルです。グラフを見ると3月の上旬まではS&P500とほぼ同じような推移を辿っていましたが、3月10日あたりでSPYDの株価が急落しそこから上昇できていません。年初来ではマイナス6.1%となっています。この急落は明らかにSVBの破綻に始まった世界的な金融不安の影響と考えられます。SPYDの金融セクターの比率はおおむね20%前後である一方でS&P500は10%程度であり、SPYDは金融株下落の影響をより受けやすいと言えます。

逆に言えば今回の下落はSPYDの久々の買い時かもしれません。私はコロナの影響を大きく受けた2020年にSPYDを買い進めており平均取得価格は30米ドル程度です。2021年~2022年には米国株式市場、特にバリュー株が強さを見せたためSPYDの価格は大きく上昇し一時45ドルを付けました。更には歴史的な円安水準でもあったため、この期間はなかなか手が出ませんでした。しかし現在は株価が下落傾向であり、為替レートもやや円高に振れています。2020年ほどでは無いものの、ようやくSPYDを買ってよいタイミングがやってきたかもしれません。
直近1年(2022Q2~2023Q1)の分配金実績をベースにした分配利回りは4.62%です。為替レートにも注目しながら、適宜買い増していこうと思っています。
今回の記事は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
