蒼穹のファフナー ~感想~

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<スタッフ>
原作:XEBEC  監督:羽原信義  助監督:山岡信一  文芸統括:冲方丁  シリーズ構成:山野辺一記  キャラクターデザイン:平井久司  メカニックデザイン:鷲尾直広  音楽:斉藤恒芳  アニメーション制作:XEBEC
<キャスト>
真壁一騎:石井真  皆城総士:喜安浩平  遠見真矢:松本まりか  羽佐間翔子:松来未祐

第1話 楽園 はじまり
第2話 告知 いのち (2004/7/4) 「1話」 脚本:山野辺一記  絵コンテ:羽原信義  演出:孫承希、羽原信義  作画監督:山岡信一
「2話」 脚本:山野辺一記  絵コンテ・演出:榎本明広  作画監督:高橋晃  「あなたは そこにいますか・・・」、敵からのその問いに答えたら、人類は終わり。こうやって字で書いてみると何じゃそりゃぁとツッコミたくなるような設定ですが、とりあえずしばらくは黙々と視聴を続けようと思ってます。つーかそれ以外にも突っ込みたい要素いっぱいあるんですけど、とりあえずはやめておきます(苦笑)  ただ1点気になったのは、いきなり登場キャラが多すぎるため、各キャラクターの家庭の事情とか、キャラ間の関係とか、話の整理が全くつきませんでした。また、キャラが多いということはその分シーンの切り替えも多くなるわけで、それもまとまりの悪さに一役買っていたと思います。その意味で、観る者の真剣度が問われているような印象を受けましたが、そうだとすると他のアニメも多く見てるオレのような人にはちょっと厳しいかもね...

第3話 迷宮 しんじつ (2004/7/18) 脚本:山野辺一記  絵コンテ:鈴木吉男  演出:吉川浩司  作画監督:北郷通  メカ総作画監督:前田明寿  実は先々週の2話連続放送の時、強烈な睡魔に勝てず途中で寝てしまいました(笑)。まぁストーリーが退屈ということは無かったのですが、先週も書いたとおり1度見ただけでは話の整理が難しかったのは事実。今週ももそれは全くの不変でした。正直この作品、観てて結構疲れます。  話は本編からそれますが、オレが平井キャラが好きになれない理由、そして女性にウケる理由がハッキリと自覚できました。彼の描くキャラクター、特に子供のキャラクターは余りにも中性的過ぎる。総士や真矢や咲良のビジュアルを見るだけだったら、性別をピタリと当てられる自信がオレには全然ありません。そのことが自分の中で漠然とした煮え切らなさに繋がっているのが今の状態ですね。  逆に、近年特にニュートラル色が強くなったジャニーズと、最近の平井キャラに共通項を見出すことはそれほど難しくは無いと思う。SEEDの大ヒットもこれが1つの要因(遠因)だったことは間違い無いと思う。まぁこればっかりは文句言ってもしょうがないのですが、少しは本当に男らしい男の子を出してくれても良いと思うなぁ。

第4話 逃航 ふなで (2004/7/25) 脚本:山野辺一記  絵コンテ・演出:うえだしげる  作画監督:高橋晃  一騎の機体を掴み取ったフェストゥムが一騎に対して「あなたはそこにいますか」と問い掛ける構図は、1ヶ月経った今も奇妙な姿に見えて仕方が無い。とにかく、問いかけに対するフェストゥムの目的が全く見えてきません。一応ジーベックのサイトではそのことに触れられてはいるものの、フェストゥムが「いなくなろうとすること」の目的がわからない以上、この奇妙さは頭の中から抜けきらないだろうと僕は思う。  その一方で、戦闘中に聴こえた女性の歌声らしきもの。それを聞いた一騎父は「ようやく目覚めた」とつぶやいたが、オレにはさっぱり(苦笑)。だがもしかしたらこの歌声が、フェストゥムの目的につながっているような気がした今週の展開でした。

第5話 約束 ちかい (2004/8/1) 脚本:山野辺一記  絵コンテ・演出:二瓶勇一  作画監督:高見明男  はぁぁ...今週はホロ酔い状態での視聴だったせいか、いつにも増して内容が頭に入らず。エンディングテロップで出てきた「謎の男」っていつ出てきたっけ?てな具合でした(苦笑)。ま、この作品に関してはそのことが大きな問題とも思ってないので別に構わないんだけど、やっぱり回を重ねる毎に宿題(=作品中の謎)が多くなっていく印象は拭えない。  確かに作品中に出てくる用語を速い段階で解説してくれるのはありがたいんだけど、キャラ、ストーリーの双方でそれなりの不満がある今の現状では、完璧に理解しようという気力が湧いてこないなぁ。その一方で、「一応」2004夏の目玉作品でもあるし、チェックだけでもしておくか、というスケベ心もあったりして微妙。来週以降はどうしようかな...

第6話 翔空 ぎせい (2004/8/15) 脚本:山野辺一記  絵コンテ・演出:榎本明広  作画監督:山岡信一(キャラクター)、前田明寿(メカニック)  アルビスの奥地に眠る「ワルキューレの岩戸」を目指すフェストゥム。この作品を観ていると、1つのエピソードをエヴァのそれに当てはめている自分がいてちょっと嫌気が差したりします。このスパイラルから逃れる術を見つけるまでは、純粋に楽しむことができないと思う今日この頃。  今週一番良く分からなかったのが、島を守るために、いやそれ以上に一騎との約束を守るために自ら進んで敵と共に命を絶つ道を選んだ翔子の気持ち。そこまでしなければ彼女の気持ちも満たされなかったの?それに本当に脱出する手段は無かったのか?フェストゥムとの同化が予想以上に速かったからでしょうか?ハテナマークに頭を支配されています。  他に目に付いたところでは、フェンリルを起動した時の劇中での残り時間は4分、実際の時間では3分40秒くらいでした。もしかしたら劇中でも同じ4分となるように作ろうとしたのではないでしょうか(そして何らかの理由でカットされた部分があるとか)。そういうリアルさには、確かに凝っているとは思うんだけどね...

第7話 家賊 おやこ (2004/8/22) 脚本:山野辺一記  絵コンテ:西沢晋  演出:中津環  作画監督:本橋秀之、大浪太  翔子の墓はマークゼクスを失い怒り狂う島民のいたずらにより、酷く荒らされていた。何話か忘れたけどちょっと前に島の移動予定が繰り上がったことにぶつぶつと文句を言う島民もいたし、この竜宮島(アルビス)はフェストゥムの脅威に対して、決して一枚岩ではないように思えてならない。  ただでさえ足並みが揃っていないこの島にあって、翔子の死によって子供たちの心も大きく乱れている。そして子供たちの苛立ちを大人は支えてあげられない。それどころか春日井甲洋の両親のように子供たちの精神を更に追い詰めるような輩も後を絶たない。謎の島へ偵察に出た一騎と甲洋だが、彼の苛立ち・怒りが一騎ぶちまけられることは想像に難くない。  この作品ではWEBサイトに用語説明を記載し、できる限り視聴者にもストーリーを理解してもらおうと努力している。このことは他のアニメ作品(特に同路線の作品)では無かった試みであり、評価すべき点だと思う。逆に言えば「分からない」という言い訳ができなくなるわけだが、週に10本以上と数多くの番組を流れ作業のようにチェックしている私にとっては、やはり十分な理解を得るまでには至らずどうしても「分からない」と言ってしまう。そしてそれが自分の思考力・理解力や執着心が欠けていることを浮き彫りにするだけで、正直心苦しい。今はそんな感じでこの作品を見ているけど、これをどこかで断ち切りたいとの思いが強くなってます。イコール切っちゃうかもね、ってことなんですけど。  切っちゃうと言えばついでに1点。あと2ヶ月も経ったら種DESTINYが始まり、「平井キャラ」というこの作品の大きなウリの1つが大袈裟に言えば失われてしまうわけで、業界の話題(例えば雑誌の特集なんか)もDESTINYに移っちゃいますよね。実は先日のキャラホビ2004に行きまして、SEED人気を目の当たりにして殊更そう感じちゃいました。でそうなると私のように切りに走る人も少なからずいるのかなと、余計な心配をしてしまいます。それまでにストーリーの魅力で視聴者を繋ぎとめておけるのか、静かに注目しています。

第8話 確執 こうよう (2004/8/29) 脚本:山野辺一記  絵コンテ:大塚健  演出:うえだしげる  作画監督:高橋晃  先週はこのアニメもそろそろ切り、みたいなコメントを書きましたけど、今週も「一応」チェックしました。これまで触れませんでしたけど、このアニメで一番怖いキャラは間違いなく沢海陽子演じる狩谷由紀恵。今週はハッキリいって最高潮の恐怖、一体このお方は何を考えているのか逆に知りたくなくなるくらいでしたね。しかしこれまでの流れから考えても、このキャラもロクな死に方しないんだろうな....  で、来週のサブタイトルは「同化 わかれ」。次回予告のナレーションを聞く限りは、甲洋君も翔子と同じ運命を辿ってしまう模様。うーん、もしかしてこの作品はイデオン以来の「皆殺し」アニメなのだろうか。あ、一応ガンダムSEEDも皆殺しに近いか。何にしても、平井キャラで人が死なないアニメ、誰か作ってよホントに(苦笑)

第9話 同化 わかれ (2004/9/5) 脚本:山野辺一記  絵コンテ・演出:鈴木利正  作画監督:高見明男(キャラクター)、前田明寿(メカニック)  作画監督補:松村拓哉  空に浮かぶ一人の男、一体何者?と思う気を無くさせるほど余裕の表情を浮かべてます。甲洋は何とか遠見と溝口の救助に成功するが、彼自身はフェストゥムに同化され、一命は取り留めたものの昏睡状態に陥った。現実を直視できず俯く一騎たちを前にし、総士は感傷に浸る暇は無いと、キッパリと言い切った。遠見にはそんな彼が信じられない。平手打ちは彼女にとって当然の行動だった。  一方、狩谷センセーは新国連の回し者であることが判明。そして甲洋の両親も狩谷と同じだった。この島も一枚岩ではないことは分かっていたが、その具体的な原因がハッキリと見えた。  一騎は総士に聞く。ファフナーと自分たち、どちらが大切かと。総士の返答に一騎は大きな衝撃を受けた。やはり総士にとっては一騎たちパイロットはコマでしか無いのか。

第10話 分解 すれちがい (2004/9/12) 脚本:山野辺一記  絵コンテ・演出:榎本明広  作画監督:堀たえ子、山岡信一  若い頃の遠見先生はアイドルを夢見る純な少女。灯台の上から自分の夢を絶叫する姿は眩しすぎ。そんな過去を暴露されて顔を真っ赤にする今の遠見先生は超萌えぇぇーっ。ゆかなさんが役じるキャラはみんな輝いてますよホント。今週は本作品には珍しくこんなコミカルなシーンが何度かでてきましたけどそれほど違和感なく楽しめたかな。まぁ生徒の夢を握りつぶすどころか逆ギレした先生はどうかと思ったけど(苦笑)。こういう面をもう少し前に出してくれれば、作品全体に流れる閉塞感も少しは払拭できると思うのだが。  総士の左眼を失わせたのは、やはり一騎だった。だからこそ一騎は総士に協力すべく、ファフナーに乗り込んだ。だがファフナーが大切と言い切った総士と一騎の関係はまたしても冷え切ってしまうのか。その一騎の身体が激痛に襲われ、手のひらから水晶のようなものが出現した。まさか彼の身体は少しずつフェストゥムとの同化が進んでいるのだろうか。一騎は真矢に捨て台詞を残し、狩谷と共に島を飛び出した。ってよりによってこのお姉さんとかよ!!(笑)

第11話 旧新 じんるいぐん (2004/9/19) 脚本:山野辺一記  絵コンテ・演出:二瓶勇一  作画監督:高橋晃  狩谷の導きにより、一騎は外の世界の惨状を目の当たりにした。荒れ果てた大地、人気などは全く感じられない。様々な思惑が渦巻きながらも、住民たちが落ち着いて生活していた竜宮島とは全く異なる光景だ。だが外の世界にもフェストゥムは現れ、そしてそれを撃退する者がいる。新国連軍のファフナーパイロット、日野道生とカノン・メンフィスが一騎の目の前でフェストゥムをあっさりと倒した。だが、味方だと思っていた彼らに、一騎は捕まってしまう。  狩谷と道生は旧知の仲。そして道生は一騎のことも知っており、彼もかつては竜宮島の住民だったようだ。狩谷が一騎を外の世界に連れ出した目的、それはもちろんマークエルフを新国連軍へと手渡すためだ。狩谷の目的は果たされ、一騎は独房へと放り込まれた。だが皆城公蔵と只ならぬ関係を築いていた狩谷の動きは国連軍に筒抜け、ダブルスパイの疑いを持たれ彼女もまた独房行きとなってしまう。このお姉様も色々とやりすぎたな(苦笑)。  ファフナーを作り、ファフナーが世界を変えると信じて疑わない、ミツヒロ・バートランドなる人物の存在。狩谷の言うあの人とは彼のことを指し、そして真壁司令は彼のことをよく知っているようだ。一騎たちの運命は、もしかしたら彼が握っているのと言えるのかもしれない。

第12話 不在 あせり (2004/9/26) 脚本:山野辺一記、沖方丁  絵コンテ・演出:菱川直樹  作画監督:高橋晃  ファフナーに搭乗するパイロットの精神状態は大きく変化することがあるらしい。翔子の突撃も、甲洋の攻撃的な態度も、元を辿ればファフナーに乗っていたことが直接の原因だったのかもしれない。だが自己否定の傾向が強い一騎だけは、この影響をほとんど受けていない。加えて総士の存在が一騎の精神を安定させていたと真壁司令は言った。それに対して、安定したかったのは自分の方だと総士は言う。えっ、これってまさか...  基地の地下通路で真矢と総士がバッタリ。真矢が総士を責めるものの、二人共々過去を後悔するのはいつもと同じ。ポジティブな要素を何も生み出さない二人の会話に変化が訪れるときはやってくるのだろうか。今週の衛君ゴーバイン突撃は面白かったが、いくらなんでもオコチャマ過ぎです(苦笑)  新国連・人類軍のモルドバ基地へとやってきた一騎たち。地球が瀕している本当の危機を、ここで見ることができそうだが。

第13話 侵蝕 フェストゥム (2004/10/3) 脚本:山野辺一記、沖方丁  絵コンテ:羽原久美子  演出:うえだしげる  作画監督:高見明男(キャラクター) 松村拓哉(メカニック)  フェストゥムのコアから放たれた毒素によって受胎能力が失われ絶滅の危機に瀕した日本人。人類は被害の拡大を防ぐため日本毎コアを破壊することを選んだ。その日本から辛うじて生き残った人々が生活するのがアルビス・竜宮島だ。そして受胎能力を失っていた竜宮島の大人たちは、人工子宮の研究を進め子供を作り、その過程で子供たちはコアの毒素に対する免疫を身につけ、フェストゥムに対抗しうる存在となった。なーんていわれてもね、オレの頭では理解するのが難しいっす(涙)  死んだはずの真壁紅音はフェストゥムと同化し、道生の父・洋治の元にいた。そしてミョルニア(紅音)は人間を理解するためにここにいるが、洋治はこのことをミツヒロにも告げていないらしい。ミール、かつて人類を絶望させたもの、今はただ1つの希望と洋治は表現したが、このミールとは人間とフェストゥムの同化体を指しているのだろうか。一騎も遺伝子レベルではフェストゥムとの同化が進んでおり、その意味では一騎もミョルニアと同じくミールと言えるようだが。何となく整理ついてきたけどまだすっきりしない。うーん...

第14話 覚醒 せんりょう (2004/10/10) 脚本:山野辺一記、沖方丁  絵コンテ:西澤晋、榎本明広  演出:中津環  作画監督:本橋秀之 大浪太  バーンズ大佐率いる人類軍が竜宮島を攻めて来た。だが真壁司令は反撃しないことを決意していた。その決断を信じきれない総士だが、結局彼も司令に従うしか道は無かった。程なく島は人類軍によって占拠される。  その一方で、コア=皆城乙姫が岩戸を出た。島民に混じって避難する彼女を、ミツヒロは捕まえることが出来るのか。そしてミツヒロと袂を分つ洋治はミョルニアに「可能性を開く扉」ザルヴァードルモデル・マークザインを、そして真矢にマークザインのデータを託し、自爆。ここで彼の言葉から明らかになったのは真矢がミツヒロの娘だということ。  マークザインはミョルニアの手で一騎の元へ届けられる。かつて自分の母・紅音だったミョルニアとの再会を、一騎が素直に受け入れられるはずはないが。しかし今週の話は面白かったな。

第15話 記憶 さけび (2004/10/17) 脚本:山野辺一記、沖方丁  絵コンテ:大塚健  演出:菱川直樹  作画監督:高橋晃  コアが見付からず焦る狩谷を尻目に、司令たちはある種の余裕を漂わせていた。総士は何故無抵抗なまま島を渡したのかと司令に詰め寄るが、史彦には絶対に人間同士が戦ってはならないという深い信念があった。  ミョルニアは一騎にマークザインを渡し、会話を少し交わしただけであっさりと一騎の前から姿を消した。一騎には疑念を晴らす時間などほとんど無かった。直後、ミョルニアは別のフェストゥムに食われてしまう。マークザインに乗りながらその光景を目にした一騎は、すぐさまフェストゥムに襲い掛かる。だがマークザインの立っている大地が溶解し、一つの巨大な怪物?に変形してしまう。  一騎の記憶が蘇る。総士の左眼から光を奪い、恐怖の余り逃げた深い暗闇。だが乙姫が更なる記憶を呼び覚ます。総士の身体からクリスタルが出現し総士の右眼が赤色に染まる。そしてラジオ越しに聞こえたあの言葉。その直後、一騎の手が鮮血に濡れていた。総士は一騎と同化しようとしていた。だが、一騎はここにい続けることを選んだのだ。そして彼の選択は、コアに進むべき道を示したのだと乙姫自身が語った。その直後、溶けて固まった怪物の中からマークザインが姿を表した。  竜宮島に新たなフェストゥムが迫り、人類軍はノートゥングモデルを試す絶好のテスト機会と意気込む。ロクにテストもしていないパイロットを乗せることに羽佐間は反対するが、彼女に大きな権限は無い。日野と弓子の再会は全くもってかっこ悪い形で実現してしまったが、彼らの今後にもある意味注目。真矢の姿を見た一騎はありがとうと言った。外の世界を見たことで自分の気持ちに整理をつけられた一騎は島に帰る決意を固める。

第16話 朋友 おかえり (2004/10/24) 脚本:沖方丁  絵コンテ:羽原信義、二瓶勇一  演出:孫承希  作画監督:山岡信一(キャラクター)、前田明寿(メカニック)  乙姫は生まれて初めて出来た友人・芹ちゃんと別れ、電話で千鶴を呼び寄せる。一方人類軍は次々に現れるフェストゥムに苦戦、やはり彼らではノートゥングモデルを使いこなすことはできない。そんな中、島の迎撃システムが自動的に作動し、真壁司令や総士たちをそれぞれ別の場所へと導いてゆく。これが島と一体化した乙姫の力なのか。要たちもノートゥングモデルに乗り込み、反撃を開始する。  「みんなが求めているものを与えるのが自分の役目」、そう乙姫は言う。そして選ぶのは島民もフェストゥムも同じだとも。皆に選択を委ねるだけの存在、だったはずの乙姫は、しかし心を持つことを選ぶことが出来たのだ。乙姫の歌とともにフェストゥムの本体が姿を表した。だが要たち3人組、そして道生とカノンもフェストゥムの圧倒的な力に歯が立たない。フェストゥムは乙姫がいる灯台に急行する。  フェストゥムは無の道を選んだと乙姫は言う。しかし選んだのは、フェストゥムだけじゃないとも。フェストゥムが乙姫を手にかけようとしたその時、マークザインが乙姫の危機を救った。一騎は言う。翔子や甲洋を失った悲しみを、総士は一人で背負っていたと。「パイロットよりもファフナーが大切」、そう断言した総士の言葉が偽りだったことを知ることが出来たことが、外の世界に出た一騎にとって一番重要なことだったのかもしれない。

第17話 生存 しかけ (2004/10/31) 脚本:沖方丁  絵コンテ・演出:榎本明広  作画監督:高見明男(キャラクター)、松村拓哉(メカニック)  父は勝手に島を脱出した一騎に厳しい言葉を投げかけるが、本心はその逆だろう。総士と乙姫は岩戸の外で初めて出会った。世界をこの眼で見てこの手で触れる、そんな彼女の夢を総士は兄として後押しすることができるのか。その後、総士は一騎を自分の部屋に呼び出し二人の気持ちに決着をつけると思いきや、他愛の無い話を始めてしまう。総士の不器用さを象徴するシーンなのかもしれないが、すごく違和感があった。  道生、弓子、そして由紀恵。同級生である彼らは、下の世代(=一騎たち)を真の子孫にするための実験台に過ぎなかったと由紀恵は吐き捨てるように言う。それにしても道生はホントに弓子たんが好きなんだね...そして乙姫の命は残り3ヶ月。彼女はそのことを知りながらも、外の世界に触れるべく岩戸を出たのだ。  同化現象を起こしながらも個体であることを保つ、乙姫とマークザインはその点で同じ存在。人類軍はカノンを残し島を去ったが、彼らは密かにフェンリルを起動させ島を消滅させるというトンでもないことを画策していた。そのことを由紀恵から聞かされた道生はすぐさまメガセリオンで出撃し、由紀恵はメガセリオンを撃ち落とそうとする人類軍の武器管理システムをハッキングしジャマをする。この姉さんの行動も面白いなぁ(笑)。  カノンはベイバロン・モデルを強引にフェンリルの制御システムに接続する。そして人類軍のミサイルが島に迫る。ミサイルを追う道生。そしてカノンを止めるべく一騎が出撃、単に命令を遂行するだけのマシーンであるカノンを一騎は最低だと表現する。スイッチを入れるか入れないか、一騎はカノンに自分で決めろと3分だけ時間を与えた。そしてその間、少しでも話をしようと...  残りゼロ秒。ベイバロンモデルからフェンリルの起動スイッチが切断された。号泣するカノン、だが彼女はついに自らの意思で、自らの行動を決めたのだ。そして同時に空では大爆発が。道生の命は危ういと思われたが、何とか彼は無事だった。これで弓子との仲もようやく進展か!?

第18話 父親 おもいで (2004/11/7) 脚本:沖方丁  絵コンテ・演出:菱川直樹  作画監督:高橋晃  人類軍のパイロットたちを島に受け入れることを、真壁は決めた。ということで、道生とカノンちゃんが竜宮島で生活することに。弓子は母千鶴に反対されつつも道生との同居生活を始め、カノンは羽佐間容子を保護者として新たな生活を始める。交流を深めるべく、海水浴を楽しむ子供たち。だが一方で、人類軍の作戦を全て教えることを条件に、ミツヒロが単身で島に上陸していた。  真矢のパイロット適性データは、肉親である弓子が書き換えたもの。それを偶然知ってしまった千鶴は史彦に事実を告げた。そしてその事実を既に知っていただろうミツヒロは、遠見医院に足を踏み入れる。彼を徹底的に嫌っている弓子を平手打ちにし、千鶴と弓子の査問委員会を開くことを真壁に告げる。  皆が見守るなか、査問委員会が開かれる。容疑者は千鶴だが、弓子は自分がデータを改ざんしたと告白。だがミツヒロが告発したはずの二人以外に、データを改ざんしたと言う人物が次々と現れる。それは総士や咲良たち、一騎、そして乙姫だった。彼ら全員が、真矢のデータを改ざんしたと言うのだ。真矢をかばおうとする彼らをカノンは不思議そうに見るが、彼らは自分たちの意志でやっているのだと道生から聞かされ多くのことを感じ取った。  真矢は島の人間を軽蔑するミツヒロをフェストゥムとどう違うのかと涙を流して語りかけ、査問会は容疑者の罪を問わず終了した。北極のミールが活動を活発化し人類に最大の危機が訪れることを捨て台詞に、ミツヒロは島を離れた。パイロットとして戦闘に参加することになるだろう真矢の今後は特注である。

第19話 真矢 まなざし (2004/11/14)
第20話 燈火 ともしび (2004/11/21) 19話 脚本:沖方丁  絵コンテ・演出:うえだしげる  作画監督:近藤源一郎(キャラクター)、松村拓哉(メカニック)
20話 脚本:沖方丁  絵コンテ:羽原久美子、羽原信義  演出:孫承希  作画監督:高見明男  19話:翔子の墓前で、自分も戦うと誓った真矢。彼女の潜在力は高くないものの、訓練ではファフナーを安定して操縦させていた。そして何と言っても銃の命中率が抜群に高い。だが総士は実力が未知数な真矢を実戦に投入することに反対する。当然、姉の弓子も母の千鶴も、真矢のことを心配する。甲洋の眠るポッドの前で、司令と千鶴は「彼は随分と持ってくれた」とつぶやいた。未来を見る力が、千鶴と真矢には備わっていると司令は言うが...  真矢が初めての訓練のおかげで酔っ払い状態。一騎は真矢を家に送ってゆく。自分も変わる、そう真矢はきっぱりと言った。道生&弓子、そして司令と千鶴を巻き込んでの一家団欒と相成った。この竜宮島は、子供たちの未来のために作られた。そのことを思い出した司令は千鶴に、弓子と道生の同居を許可するように言った。司令の存在だけが特別な千鶴にとって、拒否することはもちろんできない。  もうすぐ盆祭り、だが平凡な日常など許さないと言わんばかりに敵はやって来る。甲洋の瞳が赤く光り、その直後に竜宮島に警報が鳴り響く。コアギュラ型、ファフナーに対して直接攻撃を仕掛けず同化だけを試みるフェストゥム。総士は銃火器による遠隔攻撃を指示するが、咲良が勢いに任せて直接攻撃を仕掛け同化の危機を迎える。カノンは咲良ごとファフナーを倒そうとする。憎まれ役は自分だけでよいと。だが咲良の危機を救ったのは、真矢の狙撃の腕だった。ファフナーに乗った時の冷徹な彼女は、まるで別人のようだが...  20話:パイロットとしての適性が高いほど、永く生きられなかった嘗ての竜宮島の人類。だがパイロットとなったことで、真矢の身体にも変調が見られるようだ。そして千鶴はそのことを包み隠さず娘に伝えた。学校では、死の恐怖を味わった咲良と、彼女を敵ごと撃とうとしたカノン、そして咲良を必死に守ろうとした剣司と衛がお互いの想いをぶつけ合う。彼らの誤解は一瞬で解けた。  司令と千鶴は、コアギュラ型のフェストゥムが甲洋を迎えに来たという。司令は甲洋の生命活動を凍結させることを千鶴に告げ、千鶴も苦渋の表情を浮かべながら装置の機能を停止した。だが乙姫は、死ぬ直前の甲洋を目覚めさせた。島では盆祭りが始まった。ポイントは何といってもカノンの浴衣姿!!超似合っているの一言ですな(笑)。灯籠流し、死者の魂をあの世へと送り出す儀式。この小さな燈の光が、翔子の元にも届くことを真矢は願っていた。  だが翌日、島は復活した甲洋のことで混乱に陥る。甲洋の細胞を凍結処理し封印するつもりだったことを総士は真矢たちに告げる。甲洋の行きそうなところ、それは翔子の墓しかない。咲良、剣司、衛は甲洋をかばい要家に立てこもり。甲洋の引渡しを要求する大人たちに反抗する。その甲洋は、ファフナーに同化された体にも関わらず一騎や咲良たちに感謝の意志を伝えたのだ。真壁司令の命により溝口は甲洋を狙撃しようとするが、察知した真矢が甲洋の前に立つ。  コア型、コアギュラ型から分岐した存在で、人間とフェストゥムの融合独立個体。乙姫と甲洋は世界で数人しかいないコア型なのだ。翔子のワンピースを着たカノンの前であのセリフをつぶやく甲洋。カノンは今はいないと叫ぶと、甲洋の身体から突き出したクリスタルが砕けた。翔子はもういない、甲洋も一騎たちもその悲しみに改めて涙を流す。甲洋に同化していたフェストゥム自らが、同化機能を消去したのだ。その光景を見た司令は、フェストゥムと人類の共存を目指す自分たちの信じる道が間違いではなかったと確信した。

第21話 咲良 みらい (2004/11/28) 脚本:沖方丁  絵コンテ:大森英敏  演出:菱川直樹  作画監督:高橋晃  7体ものファフナーを保持する竜宮島、その戦力は強力そのもので多数のフェストゥムもあっさり撃退する。だが何よりもパイロットたちの連携がスムーズになったことがその最大の要因だろう。戦闘後の銭湯での平和なヒトトキを見ると、そのことを痛感する。てゆーかですね、弓子姉の入浴シーンは久々にキターーッ(笑)。そんな彼女がいきなり提案したパイロット強化合宿って何?そして続けてオメデタ報告と来たもんだ。やはり弓子姉は色々な意味でスゴイ(笑)  変化を見せない甲洋の染色体形質が、全パイロットの染色体変化を抑制している事実。そして4日に1度という高頻度で襲来するフェストゥムが戦術上のオトリと司令は読んでいる。久々の学校を楽しむ一騎たちをジャマするように敵が襲来。あっさりと片付けたものの島には蛍、蝶の大群、そして季節外れの桜が咲き誇る。この現象は乙姫のせいでは無いらしい。では一体誰が...  強化合宿開始、って聞こえは良いがそこで繰り広げられる風景はどう考えても修学旅行レベルのお泊り会にしか見えない(苦笑)。だが一騎と真矢、咲良と剣司がいい雰囲気を作り出し、そして道生が弓子にプロポーズ。弓子姉曰く「想い出作り作戦」、彼女の思惑通りに事は進んだようだ。咲良と剣司のラブラブを見てしまった衛は、ゴーバインが父の作品と知ってしまい、仮面を脱ぎ捨て戦闘に出る。やはり仮面無しでは恐怖が先んじてしまう彼だが、これも彼なりのケジメのつけ方か?  剣司が一騎に決闘を申し込む。もちろん彼が一騎に勝ったら、咲良に告白するつもりなのだ。申し込まれた一騎も総士も、男らしく全力で相手をする。だが戦いの結末をじっと待っていた咲良に、ついに異変が訪れる。「心が消えて行く...」、舞い落ちる桜の花びらと共に、彼女は倒れた...

第22話 守護 ちから (2004/12/5) 脚本:沖方丁  絵コンテ・演出:二瓶勇一  作画監督:山岡信一(キャラクター)、前田明寿(メカニック)  力なく倒れた咲良はメディカルルームに運ばれた。襲ってきたフェストゥムたちに対し総士はフォーメーションを変更し撃破する。戦闘後、パイロットたちはメディカルルームに集められる。剣司は咲良の異常を察知して部屋に飛び込んでゆくと、瞳の力を失った咲良がそこにはいた。ファフナーを動かすためのバッテリーに過ぎないのか、剣司は苛立つ。そして母・澄美は娘の最後を見届けるため、強引に咲良を連れて行こうとする。だが咲良は最後の力をふりしぼり、剣司の手を握り締めた。ホント悲しすぎるよ...  乙姫が外に出て戦闘を眺めていた本当の目的、それはフェストゥムたちに情報を渡すため。そしてそれは、フェストゥムに人間を理解してもらうための行動だった。そこに戦いを終わらせるカギがあると乙姫は信じていたが、司令は自分たちの進む道が本当に正しいのか、完全には信じきれていない。  マンガを後輩?に託した衛、どう考えても身辺整理にしか思えないこの光景。サブタイトル共々、不安が募る。総士は乙姫と兄妹と語らい。乙姫の命はもう長くは無い。そして戦いに臨む総士の覚悟もまた、かつて無いほど強いものがある。二人が再び会う機会は、もしかしたらもう訪れないのかもしれない。そしてカノンはフェストゥムの因子を自らの身体に打ち込んだ。この島にい続けることを強く願ったから。彼女もずいぶんと変わったものだ。  新種のフェストゥム出現。どうやら単体らしいが今までと様子が違う。コイツは破壊も同化もしようとしない。乙姫は言う、痛みを理解したのだと。だが直後、フェストゥムの根がジークフリードシステムを襲う。最初からシステムの乗っ取りを画策していたのだ。そして一騎の身に同化現象の兆候が現れた。この危機に衛は身体を張ってフェストゥムの侵入を阻止したが、彼も爆発に巻き込まれて命を絶った。もぅどれだけの子どもたちが死ねば気が済むのかこのアニメは...

第23話 劫掠 おとり (2004/12/12)
第24話 対話 ミール (2004/12/19) 23話 脚本:沖方丁  絵コンテ・演出:榎本明広  作画監督:高見明男(キャラクター)、松村拓哉(メカニック)
24話 脚本:沖方丁  絵コンテ・演出:菱川直樹  作画監督:長谷部敦志、菊池聡延(キャラクター)、汐見直(メカニック) 23話:島が衛を失った悲しみから立ち直ろうとする一方で、あの由紀恵姉がミツヒロの指揮の下でザルバートルモデルに乗り込んでいた。増強剤を致死量ギリギリまで投与された由紀恵、ミツヒロのためならそこまでやるということか。だが彼女の乗るファフナーがフェストゥムに乗っ取られてしまい、ミツヒロの思惑は彼の命ごとあっさりと消滅してしまった。そしてその光景を目の当たりにした由紀恵の憎悪にフェストゥムが触れた。  道生はカノンと同じくノートゥングモデルに乗るために薬を受け入れる。そしてこの薬の効力が切れたら結婚しようと、改めて道生は弓子姉にプロポーズするのだった。更に一騎も薬の投与を遠見博士に依頼する。そのリスクは余りにも大きいが、フェストゥムの根に囲まれた総士を助けるため彼には迷いは無い。  マークザインに乗り込んだ一騎は乙姫をコアにして総士の救助を試みる。だがそこにジャマ者出現、何と由紀恵が乗っ取られたザルバートルモデルが島へと攻め込んできたのだ。道生、カノン、そして真矢が迎え撃つが逆に大きな損傷を受けてしまう。更にジークフリードシステムを覆っていた根が活動を活発化し、アルビスの基地が崩壊。犠牲者も多数出てしまう最悪の事態に。  この危機を救うべく、道生はザルバートルモデルと自分の機体を島から切り離しフェンリルを起動させる。そしてコクピットブロックを分離させるが、ザルバートルモデルに捕獲されてしまった。その直後にフェンリルが発動し、島は強い閃光に包まれた。道生さんには死んで欲しくなかったが...そして総士の身体は今にもフェストゥムに取り込まれようとしていた。一騎の絶叫が悲しく響く... 24話:アルビスはその機能を少しずつ回復していたが、衛母も、剣司母も、そして道生もいなくなってしまった悲しみは隠しようが無いほと大きなものだった。だがその一方で、一騎と真矢の絆は、もうカノンが入り込める余地などないほど深いものになっていた。一騎の命は長くないと真壁司令は言うが...その一騎に剣司が勝負を挑む。負傷した身体にも関わらず一騎は受けて経ち、見事に剣司に投げ飛ばされたがこれで剣司にも再び戦う覚悟が芽生えたのだった。  突然、島に2体のフェストゥムが出現した。1体はいつもの黄金色、そしてもう1体は見慣れぬ紅色だがその2体が何と交戦を開始した。勝利した紅色のフェストゥムは、あの真壁紅音の姿をしたマスター型のフェストゥムだ。山で乙姫と共に紅音は真壁司令を待っていた。司令の前で彼女は真壁紅音の共鳴核・コアを救うべく、北極海のミールを破壊して欲しいと言う。それにより、捕らわれたジークフリードシステムで眠る総士を救うこともできると彼女は言った。総士がまだ生きていると知り、一騎の瞳に力が戻った。そしてあの甲洋が現れ、彼は自らの姿をフェストゥムに変え戦いに身を投じる。  紅音は人類でフェストゥムを理解した最初の人間だ。その彼女は自身が持つフェストゥムについてのデータを真壁たちに与えた。その情報により、一騎や咲良の同化現象が抑えられ、そして総士の不在をもカバーすることができたのだった。弓子のお腹には道生との子供が出来ていた。30年ぶりの自然受胎、このことが未来への希望を抱かせる。アルビスの最後の戦い、作戦名は「蒼穹」。一騎、真矢、剣司、カノンのパイロット4名、そしてアルビスのメンバー全員が迎える結末や如何に。

最終話 蒼穹 そら (2004/12/26) 脚本:沖方丁  絵コンテ:榎本明広、羽原信義、鷲尾直広  演出:榎本明広、羽原信義  作画監督:高橋晃、山岡信一、前田明寿  作監協力:高見明男、松村拓哉  真壁司令以下アルビスのメンバー、そして島民全ての願いを胸に、一騎たちは最後の戦いに臨む。彼らのクロッシングは、一人でも失えば4人の連携が完全に消滅する。総士を救い出し全員が無事に帰還すること、その使命を再確認し、一騎たちは北極に向かう。その北極には人類軍の全戦力が集結していた。4人も到着次第、すぐに敵のコアをめざし突き進む。  竜宮島のミールは島の空気そのものだった。そのミールを正常化させ島を救うべく、乙姫は再び岩戸に戻る準備をすすめていた。乙姫との別れは避け様の無い運命とも言えたが、乙姫は自らが消えることへの恐怖に耐えられず涙を流す。こんな弱々しい彼女を見るのは初めてのことだ。一方、イドゥンは人質とした総士の作戦を学習し一騎たちを追い込んでゆく。だが総士はフェストゥムに生きることの痛み、喜び、そして失うことへの恐怖を教えるのだ。  一騎たちはついにコアに触れ、人類とフェストゥムの共存のデータが竜宮島に送られる。そして一騎はついに総士を救い出した。彼らの最大の目的が果たされたのだ。だが一騎が救い出した総士の身体は、既にその大部分が失われた状態だった。その全てが消える前に総士は最後の力を振り絞り、再び自分の存在を作り出しいつか一騎の前に戻ってくると言った。身体は消えても、総士は一騎の心にいる。    

色々あったこの番組もこれにて完。振り返ってみると、放映開始当初はかなりネガティブな見方をしていたのですが、登場人物や世界観の整理が自分の中である程度できてからは、すんなりと作品に入り込んでいくことができたと思います。ま、本当に全てを理解できてたかと言われれば、あんまり自信ないんですけど(苦笑)  そういえばこの作品、2クールから脚本が沖方丁に代わりましたけど、自分が面白いと感じ始めたのも丁度このタイミングでした。何が変わったかと言われると明確な答えは出せないんだけど、話が締まった印象は確かにあった。何と言うか、ストーリーがラストに向かって直線的になったような感じ。それが自分にとっては良かったのかなと、今は思います。
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