お伽草子 (第1話~第19話) ~感想~

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<スタッフ>
原作:Production I.G/日本テレビ  監督:西久保瑞穂  シリーズ構成:櫻井圭記  キャラクター原案:田島昭宇  キャラクターデザイン・作画監修:黄瀬和哉  音楽:タニウチヒデキ  アニメーション制作:Production I.G
<キャスト>
ヒカル:水沢史絵  渡辺綱:三宅健太  安倍晴明:徳丸完  万歳楽:三木眞一郎


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第一幕 頼光 (2004/7/6) 脚本:櫻井圭記  絵コンテ:西久保瑞穂  演出:高橋順  作画監督:石井明治  「御伽草子:狭義には、享保(1716~1736)頃大坂の書肆渋川清右衛門の刊行した「文正草子」「鉢かづき」以下二三編の称。広義には、室町時代を中心に行われた同類の短編小説の総称。作者は多く未詳。空想的・教訓的・童話的な作品群。「舞の本」などと交渉。よく時代思想と世相を反映。(広辞苑より)」  OP、作品の奥深さを思わせるキャラクターの表情と、平安時代ということを全く感じさせないロック調のサウンドの融合は決して悪く無い印象。早速初回を観終えた感想ですが、さすがはアイジー作品、アニメのクオリティはほぼ文句なし。一方ストーリーはこれからという印象が強い。それと作品背景の直接的な説明は余り無かったですが、私には正直頼光と綱の旅立ちの理由が番組を観ただけだと良く理解できませんでした(公式サイト見てようやく分かったという感じ)。  とりあえずは来週以降も見ます。シリーズ構成はあの櫻井圭記さんなので、今後はもっと面白くなるような気もしますしね。あとどうでも良いことですが、奇声をあげて頼光と綱に襲い掛かる土蜘蛛族の皆さんは、どう考えてもショッカーにしか見えませんでした(苦笑)

第二幕 貞光 (2004/7/13) 脚本:大松裕  絵コンテ・演出:橋本三郎  作画監督:西城隆詞  今週登場の酒好き・オンナ好きの超ナンパ男貞光君、昔の日本にもこんなイマドキっぽいヤツがいるのかと突っ込みたくなりましたが、意外にも腕が立ち正義感もあるなかなかの(元)武士でした。心強い味方を加えた光と綱、このまま土蜘蛛討伐なるか、静かに見守りましょう。

第三幕 土蜘蛛 (2004/7/20) 脚本:藤咲淳一  絵コンテ:古川順康  演出:山本秀世  作画監督:大久保徹  土蜘蛛たちのアジトに乗り込んだ光たち。綱の忠義深さ、そして貞光の男らしさが土蜘蛛のボス・星熊を倒すことにつながったことは間違い無いが、ボスにしてはあっさりとやられすぎとも思ったり(苦笑)。  しかし勾玉を手に入れた幸せは長くは続かない。光は勾玉を手に兄・頼光の元へ駆けつけたが、彼は既に息を引き取っていた。いきなり旅の目的を失った頼光の今後が気になります。それにしてもこの作品、設定とか時代背景とか、格式が高そうな雰囲気を出しつつも、ストーリーは意外に普通というか、もっというなれば軽い印象を持ちました。良く言えばテンポよく、悪く言えば淡々と進んでしまった感じがするのよね。次週以降はどうでしょうか。

第四幕 羅城門 (2004/7/27) 脚本:後藤みどり  絵コンテ:坂田純一  演出:高橋順  作画監督:佐藤雅将  兄を失った悲しみから抜け出せない光。忠臣・綱の激にも彼女の心には響かない。そんな彼女を再び目覚めさせたのは、色男・万歳楽だった。彼は荒れ果てる京を嘆く一方、失ったものを取り戻すことはできない。そして死んでいった者たちから託されたものがあると、光に語った。その言葉に光も大きく励まされたのだった。  土蜘蛛との激闘の果てに、ようやく手に入れた勾玉。だがその勾玉は1つでは無いことが左大臣の口から告げられる。勾玉は全部で5つ、そして欠けているのはあと2つ。兄・頼光から託された民の平和の実現のため、光は再び旅に出るが、いきなり謎の女性が彼らの前に出現。どうなるこっちゃ。

第五幕 卜部 (2004/8/3) 脚本:藤咲淳一  絵コンテ・演出:小柴純弥  作画監督:堀内博之  いきなり頼光一行に同行することになった卜部という女性、あからさまにアヤシイヤツだが頼光は同姓の誼か彼女の言うことを素直に聴く。彼女の繰り出す策はズバズバ的中、村民虐殺という手段も貞光のキッツイ言葉に自らの使命に目覚めた頼光はあっさりと許す。そして綾竹が残した短歌の通り、満月の夜に呪島への道が開く。  うーん、こうして書いて見ると分かり易すぎる展開だ(苦笑)。確かにSACのような難解なストーリーじゃない分素直に楽しめるというのはあるんだけど、自分自身のアニメ視聴のリズムとは合ってない。今週で言うと、あからさまにアヤシゲな石碑を偶然見つけてしかもそこに書いてある短歌が次への大きなステップになってるところがその代表かな。「え?そんな安っぽいRPG的な展開でいいの?」みたいな思いがどうしても自分の中で残る。  自分もIGの作品には「深い」ストーリーを期待してしまうんだけど、この作品が企画からかなりタイトなスケジュールだったことを考えると、やはりストーリーを練りこんでいる時間が限られていたのかな。ちょっと残念。

第六幕 呪島 (2004/8/10) 脚本:櫻井圭記  絵コンテ:若林厚史  演出:寺沢伸介  作画監督:佐藤陽子  呪島へと通じる道を見破り、そして頼光たちが窮地に陥るたびに的確な策を練る卜部ちゃんは、要するに頼光たちの「軍師」ってことですね。にしても、虎熊が愛に殉じてキレイに終わるかと思いきや、いきなりの大津波に飲み込まれてしまった今週の展開はいくらなんでも唐突でついていけず(苦笑)。  勾玉の力、それは民に安らぎを与えるものではなく、民の心を欲望に狂わすものかもしれない。それでもなお都を救うべく、頼光が勾玉を求めることに変わりは無い。だが最後の火の勾玉を手に入れる前に独りになってしまった頼光の行く末は如何に。  今週の津波のシーンを良く見ると、アニマトリクスのキッズストーリーのような物凄く特徴的な絵が入ってましたね。たぶん大平さんの作画なのかな。他のシーンと明らかな違いがあってちょっと面白かった。

第七幕 万歳楽 (2004/8/17) 脚本:後藤みどり  絵コンテ:若林厚史  演出:山本秀世  作画監督:大久保徹  頼光が女性と分かった途端に欲望の牙を剥くザコ兵士たち、そして直後に光を助けに現れた万歳楽。相変わらず今週も平坦な展開だと思っていたけど、Bパートでその印象は激変。光&万歳楽の正統派カップルと、「まさかの」綱&卜部たんのドキドキカップル誕生で、今週は退屈せずに楽しめました。  それと今週登場の金太郎はいかにも唐突な印象を受けましたけどこれはワタクシの知識不足。金太郎は源頼光の四天王の一人坂田金時(または公時)の幼名なので、出てきて当然の存在なのでした。この作品を観てると昔話の勉強になりますね。ちなみに光が漂流した「熊襲(くまそ)」とは、「記紀伝説に見える九州南部の地名、またそこに居住した種族。肥後の球磨(くま)と大隅の贈於(そお)か。日本武尊(やまとたけるのみこと)の征討伝説で著名(広辞苑より)」、だそうです。これも勉強になったことの1つ。  あと今週思ったんだけど、万歳楽って三木眞さんが演じているせいもあってか、シャノン・カスールにすごく似てる気がする。自分の為すべき事が本当にうまくいくのかどうか分からない、その不透明さを認めつつも自分の信念も強く持っている。そんなところが彼ら二人が一番似ているところだと思いますね。

第八幕 赤鬼 (2004/8/24) 脚本:大松裕  絵コンテ:古川順康  演出:橋本三郎  作画監督:西城隆詞  鬼を退治するのは金太郎じゃなくて桃太郎じゃないの?と、サブタイトルを観て真っ先に思ったワタクシ。しかしそんなツッコミはどうでもよくて、この作品は相変わらずナンダカナーというか、アッサリ過ぎる展開を繰り返すよね。何度も繰り返すようだけど、その原因はキャラクターに芯と意外性が余りにも足りないこと、これに尽きる。  まぁキャラクターやストーリーの練り込み不足の原因は、世界観を怪童丸から引っ張ってきたという事情からも分かるように、準備時間が絶対的に足りなかったからなのでしょう。でも、それを視聴者に対する言い訳にはできないだろ日テレ!と責めてやりたい反面、知らず知らずのうちにSAC並のクオリティを求めていた自分の認識を改めないといけないとも思う。あのような傑作はそれこそ十分な準備と練り込みがあればこそ。この作品に同じレベルを求めるべきでは無いな。  逆にSACのようなI.Gの柱の作品では表立ってできないような、ある種の実験的な試みがこの作品ではできるわけで、この前の大平晋也アニメーションを見せられると、I.Gの強かさを感じたりもする。その意味では、彼らにとってこの作品の制作も決して無駄にはならないんでしょうけどね。ただ繰り返すようだけど、我々にとっては眼前の風景が全てなわけであって、I.Gの開き直りを見せられたくは無いです。

第九幕 暗闇 (2004/8/31) 脚本:藤咲淳一  絵コンテ・演出:紅優  作画監督:飯塚晴子  急いで都に帰ってきたものの、酒呑童子の姿は無し。なんでー無駄骨かよ!と突っ込みを入れたくもなるがそれより都が以前より荒れているとは貞光の言。帰還早々、イジワルな左右大臣&晴明に謹慎を言い渡された頼光に、父と綱は女としての幸せを望んでいた。だが今の光には、その気持ちに答える術は無い。そして片目で奮戦してきた綱の視力にも異常が発生、その秘密を卜部だけが知ることに。  光の笛に引き寄せられるように、万歳楽がやってきて舞を舞う。こうして二人は少しずつだが確実に絆を深めていく。それにしてもこの万歳楽はキザな野郎だな(苦笑)。先々週、万歳楽とシャノンが似てるって書いたけど、少なくともこのキザさは全然似てません。光と綱は、兄頼光が残した歌に秘められたメッセージにようやく気づいた。「晴明在裏」。直後、酒呑童子率いる熊襲の軍勢が京を火の海へと変えた。彼らを導いた晴明が望んでいるものは何か。彼らの手で京を破壊させ、新たな世界を創造しようというのか。  「酒呑童子:鬼のすがたをまねて財を掠(かす)め婦女子を掠奪した盗賊。丹波国大江山や近江国伊吹山に住んだといい、大江山のは源頼光が四天王と共に退治したという。絵巻・御伽草子・草双紙・浄瑠璃・歌舞伎などの題材となる」(広辞苑より)。コイツも頼光ゆかりの人物なんだね。勉強勉強。

第十幕 酒呑 (2004/9/7) 脚本:大松裕  絵コンテ・演出:高橋順  作画監督:矢荻利幸  熊襲が立て続けに放った火薬球によって京は火の海へと化した。だが何とこの火薬球は彼らの策略。攻撃は空からと思わせ京の兵を内に閉じ込めておき、それに乗じて兵を突撃させるのが真の狙いだった。頼光たちに残された手段は酒呑童子自身を止めることだけだった。  酒呑童子は謎の妖酒を体中に浴びせかけ怪物に変身。圧倒的な力を持つ酒呑童子は頼光と四天王が束にかかっても倒せない。だが故郷を思う荊木童子が酒呑童子との心中の道を選び、頼光は火の勾玉の入手に成功した。  しかし喜びもつかの間、晴明の命を受けた卜部が頼光から勾玉を奪い、彼らの前から姿を消した。卜部にも間違いなく葛藤はあったはず、だがそれでも晴明の理想を選んだ彼女には相当の覚悟があったこともまた間違い無い。仲間の裏切りという最大の難関に、頼光たちはどう立ち向かうのだろうか。

第十一幕 相克 (2004/9/14) 脚本:後藤みどり  絵コンテ:若林厚史  演出:橋本三郎  作画監督:寺沢伸介  卜部は裏切っていない、頼光も綱もそう確信していた。その卜部もまた、晴明の理想を理解していたわけでは無かった。思いつめていた卜部は晴明に別れを告げ、火の勾玉を持ち陰陽寮から飛び出した。だが、いつも晴明の背後で不気味な表情を浮かべていた少女・松虫が、短剣を持って卜部の前に現れた。  陰陽寮に辿り付いた頼光は、小部屋で静かに座り込んでいた卜部を発見した。彼女の口から、衝撃的な事実が告げられる。勾玉を収める順序は「相生」「相克」の2つあり、「相生」であれば平安京が救われ、「相克」であれば平安京が破壊される。そして晴明は「相克」の順序で勾玉が集められるよう、頼光たちを利用していたのだ。民を救うため、これまで戦ってきた頼光たちの努力は、全くの無駄だった。綱に頼光を守って欲しい、そう言い遺して卜部は逝った...  羅城門では晴明の儀式が始まった。火の勾玉を収めると、異様な光が羅城門を包む。左右大臣の姿は消え、地中から光の柱が出現し、京の空に巨大な虎の姿が浮かび上がる。この事態を救えるのは、光しかいない。

第十二幕 晴明 (2004/9/21) 脚本:毛塚英俊  絵コンテ・演出:山本秀世  作画監督:丸山宏一  頼光たちは羅城門に殴り込みをかけ、都の兵士も分厚い壁を構成し抗戦する。だが地中から昇った閃光に兵士たちが一瞬恐れをなす。そして貞光や金太郎の奮戦により、頼光と綱は晴明目指して先を行く。だがその途上、視力をほぼ失った綱は陰陽師の刃にかかり、左腕に深い傷を負ってしまう。ついに頼光も綱の病に気が付き、彼にここに残れと言う。だが命を賭して戦うのは皆同じではないか、綱の言葉に頼光もうなずいた。  勾玉によってもたらされる光の柱は残り1つ、頼光と綱はついに晴明の元に辿り着いた。儀式を止めろと叫ぶ頼光、だが大義のためならば人の命など小さきもの、晴明はそう言って儀式をやめようとはしない。頼光と綱は晴明の親衛隊と対峙。再び視力を失い重傷を負ってしまった綱は最期の力を振り絞り敵を倒したものの、鬼切丸を支えにし、立ったまま静かにその瞳を閉じた...  頼光、いや光の怒りは頂点に達した。渾身の力で矢を放ち、晴明の仮面を射抜く。だが真っ二つに割れ落ちた仮面の下から現れたのは、何と万歳楽!!そ、そんなのアリ!?

第十三幕(平安編最終回) 光 (2004/9/28) 脚本:櫻井圭記  絵コンテ:西久保瑞穂  演出:小柴純弥  作画監督:佐藤雅将  唖然とする光に、よく来たと万歳楽は言う。そして全てのものが生まれ変わると彼は続ける。光と同じように、彼も陰と陽の顔を持っていた。自分の知っている万歳楽はこんな酷いことはしないと光は叫ぶ。だが「破壊なくして創造なし」、新しい世界を作るための新しい器を作り上げるために、彼はこの選択をした。今、平安京は陽から陰の時へと移り変わろうとしている。そしてこの瞬間を共に迎えることができて嬉しいと万歳楽は言った。光は万歳楽に対して、この暴挙を止めないならば倒すと弓を向けるが、万歳楽はその歩みを止めようとしない。  ついに光は万歳楽の顔を目掛けて矢を放った。だが最後の優しさからか、矢は万歳楽の額をかすめただけ。己の甘さを指摘された光は短剣を持ち、万歳楽に突っ込んで行く。その刃は万歳楽の左胸に突き刺さった。だがこの傷は致命傷にはなっていなかった。何故なら刃は万歳楽の身体に浅く刺さっただけだったからだ。光は短剣を抜き取り、万歳楽と戦わなければならないことを嘆き悲しむ。だが万歳楽はそれが二人の運命(さだめ)だと静かに語った。新たな都を作るために、二人の力が必要だったのだと彼は言う。  涙にくれる光の目の前で、5つ目の光の柱が出現。万歳楽の舞と共に、都は天変地異に襲われ、そして炎に包まれた。無力な自分を嘆く光は、あの笛の音を響かさせながら静かに歩を進めると、5色の光が彼女の身体を包みこむ。そして手からこぼれた笛が火の勾玉の上に落ちると、光の身体は炎に包まれた。光を救うべく万歳楽が光に駆け寄ると、二人の身体が光と共に五芒星の中心を突き抜けた。二人がいなくなった都、荒れ果てた都。火の勾玉に滴が落ちたその直後、都に雨が降り、炎が消えて行った。  生き残った金太郎と貞光。朝日に向かって貞光は静かに言った。生まれ変わっても、自分たちの大将でいてくれ、源光さんよ、と。  今週で平安編が完。次週から東京編が始まるらしいけど、この余りにも唐突な舞台変更を受け入れられるのか自分でもちょっと自信なし。とりあえず来週はチェックしようと思ってますが、この時間帯に新番組が集中しそうで録画できないかも。どうしよう...  平安編の感想ですけど、練り込み不足からかシーンとシーンを強引につなぎ合わせているようにしか思えないストーリー展開、魅力に乏しいキャラクター設定その他、これまで書いてきたとおりで不満点がとにかく多かった。これらが東京編でどのように変化するのか、もし視聴しつづけるならばまずはそこに注目かな。

第十四幕 東京 (2004/10/5) 脚本:藤咲淳一  絵コンテ:古川順康  演出:高橋順  作画監督:大久保徹  作画監督補佐:石丸賢一  激動の平安編も先週で終わり、今週からいよいよ東京編の始まり。本編は頼光、綱はもちろんのこと、卜部たんや謎のコートの男@三木眞のキャラクターも健在ですんなりとストーリーに入り込めました。そのストーリーも思っていたよりも面白いと感じました。実は平安編はこの東京編の前フリなだけで、お伽草子という作品で本当に描きたかったのは東京編の方なのかも。  東京編のポイントは兄・頼光の謎の失踪、ヒカルにしか見ることができない電車、謎のコートの男の謎めいたセリフ、そんなところでしょうか。細かいところでは旧万世橋駅という存在を今回初めて知りました。それと山手線に二箇所だけ踏切があることも。今度ヒマが会ったら訪れてみよう。ってなところで次週以降もとりあえずチェック。

第十五幕 新宿 (2004/10/19) 脚本:毛塚英俊、藤咲淳一  絵コンテ・演出:高橋順  作画監督:矢荻利幸  作画監督補佐:大久保徹、石丸賢一  ヒマがあったら訪れると前回書いた山手線の踏切ですが、そんなヒマなど全然ありませんでした。やっぱり社会人に与えられる自由時間は少ないっすよ。で、そんなヒマ無しな状態のため、実は密かにこの番組を切ろうと思ってたんだけど今週見た限りだとその決意が揺らぎました。何故なら平安編よりも数倍面白いと思ったから。平安編は実在する御伽草子とアニメ的なご都合を何とかしてつなぎ合わせたような印象しか残らなかったものの、東京編は先の展開が読めないドキドキ感があるね。  今週は突然の洪水と相変わらず謎の男に翻弄されっぱなしのヒカル。結局のところ何も解決しなかったようにも思えるが、少なくとも兄・頼光が東京の何かを調べていたことを掴めたことは再会に向けて少し前進と言えるでしょうか。それから占い師・卜部たんは平安編からのヒカルたちの輪廻転生を悟っているようなフシが。まだまだ謎は多そうだ。

第十六幕 芝公園 (2004/10/26) 脚本:後藤みどり  絵コンテ:若林厚史  演出:櫻山武史  作画監督:黄瀬和哉  関東地方に住んでいるにも関わらず東京都のことを全くといっていいほど知らない自分にとって、都内の名所を紹介してくれるこの番組は結構勉強になります。その上でストーリーを楽しめるのだから今のところは言うこと無しってところです。  本編の方はタイムスリップというか時空を飛び越えたヒカルや金太郎が姉妹の成仏を見届けるという展開だったけど、オレ的にこういうタイムスリップ話は余り好きではなかったりもする。それからラストの受信環境クリーン月間のアナウンス、おそらくしゃべってたのは鷹西美佳アナだと思うがちょっと笑えた。

第十七幕 後楽園 (2004/11/2) 脚本:大松裕  絵コンテ・演出:寺沢伸介  作画監督:伊藤秀樹  作画監督補佐:石丸賢一、矢荻利幸  東京編になってからイマイチ影が薄かった貞光ですが、今週はその彼がメイン。だけど今週はラストの展開が読める何とも単調な展開だったなぁ。つーか、オヤジが戦っている姿を見るという、決められたラストに向かって必死に物語を組み立てていっているような、苦しみみたいなものを感じてしまいました。  次回予告を見る限り、来週は平安編と東京編のつながりを垣間見ることが出来るようで注目したい。

第十八幕 上野 (2004/11/9) 脚本:櫻井圭記  絵コンテ・演出:小柴純弥  作画監督:木下ゆうき  レイアウト作画監督:大久保徹  作画監督補佐:石丸賢一  上野は一度しか訪れたことありません。てか最近のオレの行動範囲の最北端は秋葉原なもので、それよりも北にある上野は用が無いのです(笑)  炎に包まれて行く上野公園、ヒカルにはこれまでの出来事をつなぐ何かを見つけ出したような、そんな感触があった。不忍池にやってきたヒカルは一瞬あの平安時代にタイムスリップ、その他本能寺の変やら様々な光景を見た挙句、最後は謎の男に救われた。結局何がなんだったのかオレには未だにはっきりと分からないが、やはり平安編での出来事が大きなカギを握っていることだけは確かなようだ。

第十九幕 渋谷 (2004/11/16) 脚本:藤咲淳一  絵コンテ:坂田純一  演出:高橋順  作画監督:初見浩一  いきなりですが大ッキライです渋谷。だって人が多すぎるんだもん。田舎者のワタクシにとってアレは厳しすぎる環境です。って情けないセリフを吐いてしまうのも、田舎者というよりも出不精なアニオタなところが大きいんだろうな。もうちょっとアクティブに生きたいと常々思ってはいるものの、なかなか実践できないのですコレが。その最たる要因はやっぱり日々のアニメチェックなワケですが(苦笑)  狛犬の台座の黄金の月、その欠片をハメると狛犬の像が元の姿に戻るというカラクリ。何だかバイオハザードっぽいなと思ったのは私だけでしょうか。それ以外にもヒカルのペンダントが光ったりと、東京編になってからいかにもアニメ的、ゲーム的なシチューエションが増えたような気がする。東京編が始まった当初はまずまず面白かったものの、オレのこの作品に対するバイオリズムは少しずつ低下してます。ここらでガツンと来るものが欲しいところですが、果たしてどうか。

追記:最近再び自分の中で株を下げつつあった本作品ですが、19話をもって視聴打ち切りとします。同じアイジーが作ったSACと比べるとストーリーの深さは数段劣る等、準備期間が短かった弊害がモロに見えてしまったし、それに2ndGIGもやりながら、ってのは脚本陣もこの作品に100%集中できないでしょうから。今後はこういう企画には安易に乗って欲しくないなぁと思う。

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