かみちゅ! ~感想~

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第1回 「青春のいじわる」 脚本:倉田英之 絵コンテ:舛成孝二 演出:舛成孝二、畑博之 作画監督:千葉崇洋
第2回 「神様お願い」 脚本:倉田英之 絵コンテ:舛成孝ニ 演出:高島大輔 作画監督:薮野浩二
第3回 「そんなつもりじゃなかったのに」 脚本:倉田英之 絵コンテ:こでらかつゆき 演出:畑博之 作画監督:大河原晴男

 あー、この作品は倉田さん脚本に監督が舛成さんなんですね。1話から3話まで一気に見ましたけれど、まず印象的だったのが瀬戸内のゆったりとした時間の流れと船や神社や街並みが作り出す雰囲気。同じオルフェ作品で、同じように田舎町を舞台としたおねがいシリーズはちょっぴり異世界チックなところがあったけれど、こちらは少しばかり長旅をすればそのうち辿り着きそうな、そんな素朴さが感じられました。

 逆に現実っぽくないのが街の中に多種多様に存在する化け物(怪物)たちだけど、これがまた何の違和感も無くすんなりと溶け込んでいるのがすごい。突然神様になってしまったゆりえちゃん含めその状況説明がなさせることはほとんど無かったけれど、何となく理解させてしまう独特の雰囲気がこの作品にはありますね。それと2、3話で特に感じたことだけど、この作品の語り口はあの「魔法遣いに大切なこと」に近いよね。同じテレ朝の深夜枠ということで、プロデューサとかが同じなのかも。

 キャラ的には、とにかくゆりえちゃんをコキ使う(笑)祀ちゃんと、天然系のゆりえを心配しまくりな光恵ちゃんのアメとムチコンビ?が良いね。この2人はこの先大喧嘩しそうな気もするし、むしろ期待しちゃったりしてます。

 ということで、これもしばらくは切れそうに無いなぁ。7月はかみちゅ(過密)日程でホントタマランよ。お後がよろしいようで...

第4回 「地球の危機」 脚本:倉田英之 絵コンテ:こだま兼嗣 演出:小坂春女 作画監督:長町英樹

 本編の絵を集めたものじゃない、真のOPが今週登場。学校や街の風景を目いっぱい使った遊び心溢れる内容で素晴らしいと思います。そういえば、ガンソードとこのかみちゅ、倉田さん脚本の作品がこの夏2本同時に始まったことに触れてなかったな。製作も同時に進んでいるとすれば、必ず週2本のシナリオを書かないといけないことになるので、これはスゴイといえばスゴイことだと思う。

 さて本編、腰をフリフリ、チーム・シアワセが一橋家に落下。最終的にその容姿の通り何のひねりもなく「イノシカチョウ」(花札かよっ!)と名づけられた彼らのキャラは今後も愛すべきですね。そして今回日本を襲った異常事態、何と火星人のUFOが国会議事堂前に落下(墜落?)。神様ということで強制連行?されたゆりえはUFOに乗っていた火星人の女の子と仲良しになり、彼女を助けるべく大奮闘。専守防衛の大原則を振りかざす等、日本と米帝(あえてこう書く)の利益のために彼女とUFOを利用しようとする総理大臣の追撃を見事振り切ったのでした。にしても、「外交は度胸だ」という総理大臣に、オレは国を任せたくねぇ(苦笑)

 小っちゃくてマイペースでゆったりとしつつも必死だったゆりえのキャラと、総理大臣以下大人たちが率いる物々しい軍隊が織り成すコントラストが最大の見所だったのではないかな。確かにゆりえちゃんはとっても可愛い(もう言い切ってしまうよ)。可愛いのだが、イコールこの作品が単なるロリ心を満たすだけの作品と思ったら大間違い。彼女の可愛さをどのように物語としての面白さにつなげていくかを、この作品はちゃんと考えているのだ。

第5話「ひとりぼっちは嫌い」 脚本:倉田英之 絵コンテ:島崎奈々子 演出:さんぺい聖 作画監督:しまだひであき

 全く関係無いことで恐縮ですが、「ひとりはイヤっ!!」、サブタイを見るとあの少女の叫びが聞こえてくるようです。さて本編、ゆりえちゃんが風邪でダウン!!しかしながら神様でも風邪引くのか?というツッコミは、この神様であること以外、かなりのダメ少女・ゆりえちゃんに対しては無意味だと思ったり。

 風邪が中々治らず布団に潜るゆりえちゃんだったが、三枝みこ特製・来福神社のお守りの力で何と幽体離脱。ってか神様が幽体離脱ってのはさすがにどういうことよ!?(笑)。元に戻ったゆりえは光恵&祀のお見舞いと二宮君の励ましの一筆で元気復活。だが期末試験のことをすっかり忘れてて自爆。益々応援したくなるゆりえちゃんなのでした。

 前回の感想ではこの作品が「単なるロリコンだけじゃない」と書いたけれど、アニメスタイルでの監督へのインタビューを読んで、やっぱりロリコン第一だったことを思い知らされました。そこまで欲望に忠実なのかっ!?と、オレは舛成さんの人間をかなり読み謝っていたことに気が付きました(笑)。

 ま、女子中学生ということが監督のモティベーションの源であることは明らかになったけれど、彼の欲望を満たすだけの自己満足に止まっていては当然客である我々を楽しませることはできないわけで、そこはちゃんと評価すべきところかと。それと己の欲望を面白さに転化する術は演出家であれば誰でも持ち合わせている要素だろうけど、彼のそれは欲望の中身がちょっと特殊なんだろうね。

第6回「小さな決心」 脚本:倉田英之 絵コンテ:こでらかつゆき 演出:高島大輔 作画監督:大河原晴男
第7回「太陽の恋人たち」 脚本:倉田英之 絵コンテ:こでらかつゆき 演出:浅野勝也 作画監督:金子ひらく、千葉崇洋
第8回「時の河を越えて」 脚本:倉田英之 絵コンテ・演出:小坂春女 作画監督:島田英明
第9回「君に決定」 脚本:倉田英之 絵コンテ:こだま兼嗣 演出:高島大輔 作画監督:櫻井親良

 まずはほぼ1ヶ月の視聴となったことをお許しあれ m(__)m。が、荒み切った今のオレには、正にこの作品のようなゆったりした癒しアニメが必要ってことを今回改めて痛感したよ...

 #6)「夏休み目前特別企画 ゆりえ様のハッピーサマー女子限定 ラブラブ占い相談室」。祀ちゃんの相変わらずの調子良さでまず笑っちゃうのだが、二宮君に片思いな1年生・能登きよみちゃんの相談をきっかけに、ゆりえ&きよみが書道部に入部して微妙に牽制し合う展開には萌えまくりでしたね(笑)。しっかしこのモテまくりなマイペー少年二宮君には鉄槌を下したいよオレわっ。

 #7)夏だ、海だ、海水浴だっ!!かみちゅ3人娘の眩しい水着姿にまずは喜びのダンス(笑)。光恵ちゃんは発育が良すぎです。一方のゆりえちゃん、実はあなた、小学4年生ですか?(笑)。今回は寂れた海岸を舞台とした真夏の夜の夢の話。仲の良いカップルというのがゆりえの両親であることはかなり早い段階から分かったけれど、それでもゆりえたちと若い頃の両親が一緒の写真に映ったラストは良かった。それから写真に映ってた似非ガイジンの青年は祀父だったのかな。時が経てば人のなりもこれだけ変わるということで。

 #8)「robyの疑問」:大工の爺さんの名前は何故「源さん」なのでしょうか?とそれはともかく今回は戦艦大和の魂を呉に帰す、字で書けば壮大に思えるストーリー。ま、ゆりえのマイペースっぷりは変わらずといったところでしたが大和の調査に総理大臣とのパイプを利用するあたりは意外とやるなと思いました(笑)

 #9)世間では正に選挙戦真っ盛りなわけですが、このかみちゅの世界でも前代未聞&人類史上初、「神と人の選挙戦」が始まった。それにしてもゆりえちゃん、祀ちゃんの口車に乗ってばかりで少しは学習しないと身体持たないよホント(苦笑)。

 「努力とお賽銭無しのお願いなんて、叶うわけないのよっ!!」。ゆりえに宣戦布告しにやってきた対立候補・西村に祀ちゃんが啖呵を切る!!いやー、この娘の調子の良さとメリハリの利いた性格はなかなか良いねぇ。そして笑いあり、ちょっぴり切ない、光恵ちゃんの「心からの」応援演説には生徒たちだけでなくオレもちょっと感動しちゃいました。で、せっかく当選を果たしたゆりえだったが調子に乗りすぎて学校をワンダーランドにしてしまい、彼女自身も完全爆睡ノックダウン。会長職は結局西村が引き継いだのでした。ま、こんなお調子ノリなところがゆりえの魅力でもあるんだけどね。

第10回「ふしぎなぼうけん」 脚本:倉田英之 絵コンテ:山本泰一郎 演出:畑博之 作画監督:長町英樹

 10月、10月といえば神無月、神無月といえば神様は出雲へ出向。というわけで、ゆりえちゃんは出雲へ突然の転校とあいなった。で、寂しがり屋&人見知り屋のゆりえは案の定転校先のクラスに溶け込めずホームシックに掛かってしまうのだが、ド田舎から都会に乗り込んだオレとしてはその気持ちを理解できる。だけどそんな彼女も弁天様に勇気付けられ最後の最後にクラスのみんなと心が通じ合ったシーンには泣けました!!そして1ヶ月ぶりに帰ってきたゆりえと祀&光恵との再会シーンも同じくらい涙が...もぅ涙腺弱すぎです(苦笑)

 さて、涙々の展開を見せた一方で、実は今回もう一つ生々しく暗いテーマが隠されていた。そのテーマこそ、「義務教育の地域格差」である(出雲の授業は尾道よりもはるかに進んでいた)。少し調べてみると、こんなサイトが引っかかりました。お金の話が大半を占めているのがちょっとアレですが、興味のある方は一度ご覧あれ。

第11回「夢色のメッセージ」 脚本:倉田英之 絵コンテ・演出:山下祐 作画監督:薮野浩二

 「ゆりえちゃん コタツでヌクヌク 寝正月」。ま、三が日は来福神社で超多忙な日々を送ったとのことで、今回は情状酌量の余地あり。でもコタツから出たくないからといってネコをパシリに使うとは、やっぱりダメ神様すぎ(笑)。ちなみに彼女の今日の色は「ピンク」、意外と「オマセさん」なのかっ!?(笑)

 さてそんなゆりえちゃん、お年玉をくれない親に対して神様のバチで脅しをかけるという成長のあとを見せてくれたと思いきや二宮君から年賀状来なくて大泣き。やっぱりこの作品は、舛成監督の「ゆりえちゃん成長日記」そのものであることを改めて確信したワタクシなのでした。

 この作品の時代の古さはリモコン無しTV等の小道具から感じることができたけれど、ゆりえがリモコン付きテレビにあこがれたところやお札のデザインがC券だったところを見ると、1980年前後なのかな。ってこの作品の時代ではまだオレ生まれてないのかも!?、と思うと時の流れって怖いと思ったりします(苦笑)。

 さて、ゆりえちゃんが「クライマックチュ」と言ってた来週はやっぱり最終回なのか。で、そのクライマックスを飾るに相応しく、ゆりえちゃんが二宮君にバレンタイン突撃アタックを敢行する!かみちゅファン、いやゆりえファンとして、とにかく最後まで応援するしかない、無い、ナイーッ!!(叫

第12回(最終回)「小さな一歩で」 脚本:倉田英之 絵コンテ・演出:舛成孝二 作画監督:千葉崇洋

 ヴァレンタイン、乙女たちが恋に迷い恋に胸躍らせる、決戦の日。それは神様であるゆりえも例外では無く、ついに二宮君への告白を決意する。クラスメイトのみんなが「ゆりえ作戦」を展開しゆりえを万全の状態で送り出し、街のみんなもその成功を祈願する。ここまで来たら、もう後戻りはできない!!

 屋上で書道に没頭する二宮君を強引に振り向かせ、ゆりえがついに告白!!その言葉を聞いた二宮君は何かを掴んだように書道紙に大きな文字を書き込む。その文字は、「恋」。彼もゆりえのことが好きだったのだ。全校生徒、そして妖怪たちが二人を盛大に祝福。神風が二人を書道紙とともに空に舞い上がらせる。もぅ背中がこそばゆくてたまらんっ(笑)。ちなみに二宮君がゆりえを好きな理由はゆりえが「ヘン」だから、だって。ってアンタの方がよっぽどヘンだと思うのはオレだけでは無いだろう(笑)
 

 かみちゅもこれにて完結。いやー、とにかく面白かったの一言です。今週はゆりえちゃんの成功を心の底から応援しちゃったんですが、それだけゆりえが本当に応援したくなるようなキャラクターだったということです。彼女のことがとにかく可愛いと僕は繰り返して来ましたけど、この可愛さの根源は、舛成氏と倉田氏が安易な記号的表現に頼らずに自らの愛でる心で彼女を描き切ったことにあることは間違い無い。やりたいことをやれたときの人間のパワーは、やはりスゴイのだ。

 今週の話に戻っちゃうのですが、ゆりえが大成功を収めた時の光恵も祀の笑顔を見ると、彼女たちはゆりえの告白成功をかなり信じていた、イコール二宮君の気持ちも分かっていたような気がするね。ニブいオレにゃ全くそう見えなかったけど(笑)


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