【悪くない結果も見通しは?】米ベライゾン 2022年第四四半期(Q4)決算を発表

スポンサーリンク

こんにちは、保有中のベライゾン株は見事にフクミゾン(含み損)のトムです(^^;

私は今年の注目銘柄の1つにこのベライゾンを挙げさせていただいています(関連記事)。そのベライゾンが2022年Q4決算を発表しましたので、以下の速報記事を中心に内容を確認していきたいと思います。

スポンサーリンク

2022年Q4は事前の予想通り 昨年同期比ではプラス

上記記事から2022年(Q4および通期)の結果を抜粋します。

【2022年第四四半期(10-12月)】
・1株利益(調整後):1.19ドル(予想:1.19ドル)
・売上高:353億ドル(予想:352億ドル)
  コンシューマ:268億ドル(予想:267億ドル)
  法人向け:79.0億ドル(予想:78.1億ドル)
・携帯:282.8億ドル(予想:283.3億ドル)
・携帯契約数増減:+21.70万件(予想:20.96万件)
・ポストペイド携帯契約数増減:+143万件(予想:+63.3万件)
・EBITDA(調整後):117億ドル(予想:117.8億ドル)

【2022年通期】
・1株利益(調整後):5.06ドル(昨年:5.32ドル)
・売上高:1368億ドル(昨年比 2.4%増)

https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202301250007 https://www.verizon.com/about/news/strong-wireless-service-revenue-growth-highlights-verizons-4q-and-2022-results

Q4の結果については一言でいえば「ほぼ予想通り」の内容でした。目を引くポイントはポストペイド携帯契約数が予想より大きく伸びている点ですが、売上や1株利益(EPS)が伸びていないことから貢献度は期待されたほどではなかったようですね。次に直近の決算(3か月毎)の実績と比べてみましょう。

ベライゾン 3か月毎の決算(実績)
ベライゾン 3か月毎の決算(実績) 引用元:株探US

前年同期比では売上は3.5%増、EPSは7%増となりました。そして前期(2022年7-9月)比では、売上は3.4%増、EPSは1.7%増となりました。前年同期や前期よりもわずかではありますが売上、EPS共にプラスという結果はまずまずと評価できると思います。

通信サービスという業種は非常に堅調なビジネスで、事前のアナリスト予想から大きく上振れたり下振れたりすることは(何らかの特殊要因がない限り)ほとんどなく、安定した配当を好む私のような株主にとってはポジティブな材料といえます。日本の3大キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク)の決算でも同様の傾向が見られます。今回のベライゾンのQ4決算についても悪くない結果だったと評価することができるでしょう。

スポンサーリンク

通期では売上増もEPSは減 販促費や5G関連のコスト増が重荷に

一方の通期ですが、売上は1368億ドルと昨年から2.4%増となりましたが、EPSが前年から4.9%減の5.06ドルと大きく減少しました。この点はネガティブに感じますが、大きな流れを見るために過去5年の決算実績と比べてみましょう。

ベライゾン 過去5年の決算
ベライゾン 過去5年の決算 引用元:株探US

今年2022年の売上(1368億ドル)は過去5年の中で最も高く、EPS(5.06ドル)は何故か異常に良かった2017年と2021年に次ぐ結果となります。こうしてみると今年のEPSも数字だけを見ればそこまで悪いわけでは無いように思いますが、売上が最高だったにも関わらず利益が落ちているのは記事にも記載の通り、5G関連の設備投資と販売店へのインセンティブのコスト負担が大きいためだと思われます。

新型コロナウイルスのパンデミックを契機としたワイヤレス顧客数拡大の勢いが失われた上に、第5世代(5G)移動通信システム関連の大規模投資が負担となっている。

同社の定額料金サービス顧客は昨年、より手頃な5G通信プランを提供したAT&TやTモバイルUSなどに流出。競争激化の中で、ベライゾンが以前の成長ペースを回復するのは難しいのではないかとの懸念が、市場に広がった。

ベライゾンも年末商戦期に出血覚悟のプランを打ち出し、第4・四半期の定額料金サービス顧客を差し引きで21万7000人増やしたが、それでも増加幅は前年同期の半分に届かなかった。

さらに同社のハンス・ベストバーグ最高経営責任者(CEO)は、業界が販売促進のために現在提供している各種インセンティブは長期的に持続不可能だとの見方を示し、ベライゾンとしてはこうした措置を通じた競争から手を引く方針を明らかにした。

https://jp.reuters.com/article/verizon-results-idJPKBN2U31VL

セクター的には安定した売上と利益が期待できるとはいうものの、競合との競争は激化の一途を辿っており、設備投資も重なったことが2022年の損益を悪化させた主要因といえそうです。

2023年の通期見通しは予想下回る 株価は一旦下落も持ち直し

次に今回提示された2023年通期見通しについて触れておきます。

(通期見通し)
・1株利益(調整後):4.55~4.85ドル(予想:4.97ドル)
・携帯サービス:2.5~4.5%増
・EBITDA(調整後): 470億ドル ~ 485億ドル .

https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202301250007 https://www.verizon.com/about/news/strong-wireless-service-revenue-growth-highlights-verizons-4q-and-2022-results

注目のEPS見通しは4.55~4.85ドルで、事前の予想4.97ドルを大きく下回りました。これは2022年の5.06ドルからも大きく減少するというかなりネガティブな見通しといえるものです。これは上述した厳しい事業環境が2023年も継続するという事を現したものでしょう。利益改善のためには無理なインセンティブから手を引く施策だけでなく、幅広いコスト削減施策が必要なように思います。

ベライゾンの現在の配当金は四半期で0.6525ドル、通期では2.61ドルとなっています。仮に通期のEPSが4.55ドルに着地した場合、配当性向は57%とかなり高くなります。ベライゾンは10年以上の連続増配を継続していますが、事業環境の改善が遅れれば増配も苦しくなるかもしれません。(なおベライゾンは例年、第2四半期に翌四半期以降の配当金を発表するようです)

さてこのネガティブとも言える見通しを受けての株価推移(2023/1/24)を見てみましょう。

ベライゾン 株価推移(2023/1/24)
ベライゾン 株価推移(2023/1/24)

今回の決算発表は株式市場が開く前に行わており、市場が開くのと同時に2023年の見通し悪化を受けて株価は前日の終値から約1%下落しました。しかしそこから徐々に切り上げ、終値は前日から約2%上昇の40.42ドルで引けました。

この値動きはちょっと理解が難しいです。早い段階で通期見通しの悪化が市場で消化されたのでしょうか。個人的にはもう少し株価が低迷してくれた方が買いやすいのでちょっと残念です。ただし配当利回りは6.4%と依然として高い値をキープしていますので、定期的に買い増していく方針に変わりはありません。

今回の記事は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました