こんにちは、トムです。さてこれまで数回に渡り私の株式投資法について解説してきましたが、その中でも米国高配当ETFは私の株式投資の柱であると説明してきました(その1 その2)。投資の柱を構成するETFはVYM、HDV、SPYD、VTの4つでありそれらへの均等分散投資を行っていますが、この9月から新たに「VIG」を追加することに決め、早速積立投資を開始しました!

そこで今回はVIGの概要とパフォーマンスおよび、追加投資を決めた理由について解説していきます。
今回の結論・・・VIGは成長性にもディフェンス性にも期待できる優良ETF だからこそ積み立てる価値アリ
松井証券のNISA
VIGの概要
VIGの概要に触れる前に、前提として私が米国高配当ETFへ投資する理由・ポイントとして以下3つを挙げています。
- 投資セクターの分散が容易に可能
- 経費率が格安
- 高配当でありながら成長性にも期待できるETFがある
そして複数のETFに均等分散投資する理由は、分散の上に分散(=超分散)を図ることで更にリスクとリターンを適性化させるためです。VIGの投資理由をシンプルに述べればこの超分散を更に進めることができると判断したからです。詳細は後程解説します。
VIGの概要は以下の通りです。

まず目を引くのが純資産額の多さで、ほぼ同じ時期に設定されたVYMの2倍近くあります。全ETFの純資産額ランキングでも20位に位置づけられるほど人気のあるETFです。経費率は0.06%と格安です。
そして上記の表で重要な点は投資対象銘柄が10年以上連続して増配中の米国企業であることで、このETFの最大の特徴と言えるでしょう。10年以上の連続増配を達成するためには成長し続ける企業であることは当然として、リーマンショックやコロナショックといった景気や株価の急激なリセッション状況にも耐えられる経営を行わなければなりません。この条件は非常にハードルが高いと言えます。そういった企業のみが投資対象になっているということは、VIGは成長性と景気後退時のディフェンス性の双方を兼ね備えたETFであることが想像できます。そしてそういう厳しい条件でありながら組入銘柄数は247と非常に多く、投資セクターの分散も十分に期待できます。
ちなみにVIGの分配利回りは1.48%とそれほど高くありません。勘違いしやすいですが、VIGの組入銘柄はあくまで「連続増配企業」であり「高利回り企業」ではありません。連続増配していても増配額が非常に小さく、配当利回りもそれほど高くない企業が多く存在することが想像できます。

VIGの投資セクター
私のETF投資理由の重要ポイントに投資セクターの分散があります。VIGの投資セクターが購入中の4ETFとモロ被りでは超分散が図れません。そこで以前の投稿と同様にVIGの上位5セクターについて確認しましょう。

VIGの投資セクターは資本財が最も大きい割合を占めています(21.9%)。次いで一般消費財、ヘルスケア、金融、情報技術と続いています。これまで積み立ててきたVYM、HDV、SPYD、VTの4ETFのセクターの上位5セクターを見てみると、資本財と一般消費財があまり出てきません。資本財はVYMの4位とVTの5位、一般消費財に至ってはVYMの5位のみで、それらの割合も約10%を占めるにすぎません。つまりVIGはこれら4ETFと比較的被りが少ない、相性の良いETFであることが分かります。
このようにVIGは私の米国高配当ETF投資のポイントである「超分散」を確実に進めてくれる銘柄です。これが私がVIGへの投資を決めた最大の理由です。
ちなみにセクターだけではなく、VIGの具体的な投資銘柄についても確認してみましょう。
名称 | 数量 | ファンドの割合 |
---|---|---|
MSFT:US マイクロソフト | 9.30 百万 | 4.28% |
JNJ:US ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) | 13.41 百万 | 3.73% |
JPM:US JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | 14.69 百万 | 3.60% |
WMT:US ウォルマート | 14.43 百万 | 3.32% |
V:US ビザ | 8.28 百万 | 3.29% |
UNH:US ユナイテッドヘルス・グループ | 4.84 百万 | 3.22% |
HD:US ホーム・デポ | 5.49 百万 | 2.91% |
PG:US プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) | 12.56 百万 | 2.88% |
CMCSA:US コムキャスト | 23.32 百万 | 2.21% |
ORCL:US オラクル | 15.02 百万 | 2.11% |
トップはマイクロソフト、5位にVISA、10にオラクルが入っており、上位は情報技術セクターへの投資銘柄が多いですね。この上位10銘柄に資本財の銘柄はゼロ、一般消費財はホームデポのみです。この上位10銘柄で31.5%を占めています。残りの7割の中に、資本財と一般消費財の銘柄が多く含まれていることになります。

ちなみに2位の「ジョンソン&ジョンソン」ってヘルスケアに分類されるんですね。生活必需品とか一般消費財かと思ってました...^^;

VIGのパフォーマンス
気になるのはVIGのパフォーマンスです。不況への耐性も確認するためコロナショック前の2020年1月1日からの株価の伸びを見ていきましょう。比較対象として、S&P500に連動するVOOのグラフも併せて掲載します。

黄色がVIG、水色がVOOです。まずコロナショックの時の落ち込みを見てみます(見づらくて恐縮です)。黄色のVIGは25%程度の落ち込みで、水色のVOOはVIGよりも大きな落ち込み(30%程度)を示しています。やはりVIGのディフェンス性はS&P500のような指標よりも高いと言えそうです。
コロナショック後に株価は大きく回復を見せます。この2つのETFの伸びを見ると2020年の年末まではほぼ同じ水準でしたがそれ以降はVOOの伸びがVIGを上回っています。これは2021年に入って特に株価を伸ばしているGAFAMやテスラと言った高グロース銘柄をS&P500はカバーしていますが、VIGにはそういった銘柄が少ないことが理由に挙げられます(GAFAMの中で組み入れられているのはマイクロソフトのみ)。ただしディフェンス性も備えていながらS&P500に肉薄する株価の伸びを示しているとも言えます。

VIGは積み立てる価値のあるETF
以上、VIGの概要、投資セクター、そして近年のパフォーマンスを確認しました。私にとってVIGは、投資セクターのさらなる分散を図ることができ、且つディフェンス性や成長性も確保できる優良なETFです。しっかりと積み立て行き、より強い資産形成を進めていこうと思います。
今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
